4月

「ねぇねぇ、シラス君。わたくしが女王になったとして、この大陸を征服すると言ったらどうします?」
 王太女は悪戯っぽく微笑み、騎士団長に問う。
 たびたび繰り返される国同士の軋轢を憂いてのことか、目の前の歴史の勉強に飽きたのか。
「僕はリゼット様に全てを捧げると誓いましたから」
 たとえ過った道を歩むことがあっても、最期まで傍に。
22/30ページ
スキ