3月

 王太女殿下と一介の騎士見習いだった私。
 貴女は身分の違いも気にせず、隣にいることを許してくださいました。
「シラス君」
 隣に来るようにと差し出された白く小さな手を、そっと握り返す。花が綻ぶような笑顔。
 ──願わくは、この先も貴女の隣にいられますように。
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