4月

「んー、いいお天気なのですわ」
 座学から解放され、外に出たリゼットは腕を上げ伸びをする。
「最近は雨が続いてましたからね」
 隣にいたシラスも空を見上げた。
 久しぶりの雲ひとつない空に、心が明るくなる気がした。
「城下の騎士団を視察して、今日の授業は終わりです。その後は……お茶を飲みに行きましょうか?」
 シラスが出した問題を満点で解答したリゼット。ご褒美をあげても良いだろう。
「え……本当!?」
 角度によって色が変わって見えるリゼットの瞳が、空を写したような煌く青になる。
 シラスは眩しそうに目を細めた。
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