龍神が審神者になりました?
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――アオside――
いやー朝から大変だった。
兄二人から「動画サイトの夜桜組か!?」と問い詰められて…。
いや、バレるように今回意識してみたし、あの歌で気づくと思ってたから、肯定したけどさ。
朝から忙しかった、主に耳が。
で、今日も俺の本丸周りでは、大きな刀剣達による工事が行われている。
俺のとこは数人しか出せないけど…。
で、こんから改めて説明受けたが、神たちに確認しようにも、忙しいらしい。
まぁ神も神楽も、妥協しながら権力使ってくれてるから、無理には言えない。
『んじゃ、鍛刀は金曜日と土日でやっていこう。そしたら研修もしやすいやろし。
で、今日の工事から俺らも参加になるけど、人数いないから、数人でお願いしたい。今日の近侍と補佐以外で、多くて5人くらいで。任務もあるから』
「今日は近侍が大倶利伽羅、補佐が小夜だな」
『うん、やから二人以外で、当番ない人は工事手伝いへ。そのほかで任務と遠征やっていくよ。しばらくまた無茶させちゃうけど、皆よろしく』
「おう!」と頼もしいお言葉をいただきました!ありがとう!
話し合ってもらってる間に、近侍と補佐の二人を連れて、執務室へ。
「え、アオさんのCDを、本丸で、ですか…?」
「…できるのか…?」
『なんか設定したら、好きな曲流せるんだって。みんなのイメージ曲もあるらしいけど、今はまだないからさ。耳を汚すようで申し訳ないけど、俺の録音した歌流そうかな、と』
「…別に、お前の歌で耳が汚れるなんて、ないだろ」
「はい…むしろ、みんな喜ぶかと…」
『それはそれで恥ずかしいわ』
まあ二人の許可は出たから、お試しで今日やってみることに。
少しして、陸奥がやってきた。
「アオ、工事めんばー決まったぜよ」
『お、ほんと。誰が行く感じ?』
「新人育成を主にしてもろて、ワシ、蛍丸、厚、にっかり、鶴丸になったんじゃけんど、どないが?」
『なるほど…確かに、最近きた長谷部たちはまだ練度低いもんね、うん。わかった。それじゃ今日はそれでお願い』
「おん!ほいたら準備していってくるきの!」
『はーい!いってらっしゃい!』
んじゃ俺も出陣メンバー決めないとね。
『んーと、乱はそこそこ上がってるから…蜂須賀、堀川、いまつる、兼さん、長谷部で、二つの部隊に分けようか。んで遠征と出陣行ってもらう』
「その5人は、練度が同じくらいですね…乱さんや次郎さんは、早かったですが…」
『せやねぇ…5人より少し先にきたってのもあるんやろうけど。
んー…獅子王、五虎、兼さん、長谷部、んで小夜でいこうか。小夜、頼める?』
「はい、隊長は…?」
『五虎でいこう、まだしてないから。小夜はサポートと、もし検非違使出てきたら即俺を呼ぶこと、必要なことを教えてあげて』
「わかりました…出陣部隊伝えにいってきますね…」
『あ、あと遠征は、残りの三人と、平野と安定に。他は当番もあるから、交代交代でいけたらだね』
「わかりました、伝えてきますね…」
皆に伝えに行ってくれた小夜。
さて、先に設定するかな。
「何してるんだ」
『さっき言ってた曲の設定ね、PCに読み込みはしてたから、あとはそれを設定して……これでいけるはず』
さっそく流してみると、本丸全体に流れ出した。
音量上げ過ぎたらいけないから、小さめに。
『音量とか大丈夫そう?』
「…そうだな、大丈夫だろう」
『ありがと。さて、検非違使が出ないことを祈りながら、俺も出陣用意しとくか。急いで着替えてくるから、伽羅は先にこの行先の紙持って、ゲートに行ってて』
「わかった」
伽羅と別れ、戦闘用の(ではないけど)服に着替える。
ダッシュで着替え、ゲートへ行くと、出陣部隊も遠征部隊も準備できていた。
『待たせた』
「全員さっき揃ったところだ」
『ん。じゃあ先に、遠征部隊。隊長は平野で。安定は何度かしてるから、気づいたことあればいろいろ教えてあげて』
「うん、わかったよ」
「大和守さん、よろしく願いします」
「よろしく、隊長頑張ってね。堀川達も遠征まだ経験少ないよね?資源とか見つけられるようがんばろう」
「はい!」
「よろしく頼む」
「がんばりまーす!」
そういって遠征組は仲良くいきました。
こっちの時間で一時間くらいかな…まあ喧嘩しなさそうですでに安心。
『よし、じゃあ出陣部隊も、いくか』
「あ、アオ、さま…」
『ん?』
「そ、その…僕が、隊長でい、いいんで、しょうか…」
『もちろん。それにいつかは隊長しなきゃなんだしね。大丈夫。初隊長するときは、経験豊富な子を入れてるから。今回だと小夜。んで、獅子王もそれなりに数は熟してる。二人が五虎のサポートするから』
「そうだぜ五虎退。俺らも居るんだし」
「はい…長谷部さん達もいずれ隊長するとき、経験ある誰かが部隊に入ります…ですが、実際隊長がしてることを見て、予習しておきましょう…」
『うちのお小夜が頼もしい…』
「アオー俺はー?」
『獅子王ももちろん頼もしいがお小夜が可愛いので優勝はお小夜です』
「それずりーぜ…」
『小夜にも伝えてるけど、検非違使が出る可能性もある。長谷部や兼さんは知らないだろうけど、前回を知ってる皆は気を付けて。長谷部たちに無理させない、自分たちも無理しないこと』
「アオ殿…!」
「全員で、折れずに」
「は、はい…!」
『五虎、隊長だからと気負わず、無理な進軍もせずだ。もし検非違使出たら、その時点で緊急帰還要請押せ、俺も出るから』
「わ、わかり、ました…!」
『よし。んじゃ、無理せず全員折れずに帰ること。行ってらっしゃい!』
全員を送り出し、モニターも出す。
五虎初めてだからか、すっごい緊張してたな…。
〈えと、だ、第一部隊、無事、到着しました〉
『よし。五虎。失敗しても大丈夫だから、自信もってやりな。間違ってるとか、何かあれば、小夜が教えてくれるから』
〈は、はい…!こ、のあたりには、敵、居ないみたいなので、進みます…!〉
何事もないことを祈りながら、五虎達は進む。
最初に遭遇した敵も問題なく倒せて、更に進んだ敵も、倒せた。
〈み、みなさん、怪我は、ないですか…?〉
〈あぁ、無傷だぜ〉
〈俺も大丈夫だ〉
〈俺と小夜も〉
〈確か、この先は分かれ道でしたね…賽を振って、どちらかへ行こう…〉
〈は、い!…えいっ〉
『やだ五虎のえいっが可愛すぎた主召される…』
「馬鹿を言うな」
『うぃ』
ちょっとバカなことしてるうちに決まった方角に進む部隊。
〈!と、とまってください!〉
〈!〉
〈なぜ…〉
〈検非違使の気配です…!〉
察知したと同時に現れた検非違使。
『五虎』
〈はい…!〉
俺は先に五虎達の元へ向かい、伽羅が五虎の出した緊急帰還要請を承認する。
全員が無事に戻るまで、俺が相手をする。
そして全員無事帰ると、俺も帰還要請を押すが、その前に倒しきる。
『小夜の練度に合わせた検非違使だったね』
無事俺も戻ると、怪我人はいなかった。
『五虎、早い判断、そして早い段階で検非違使を察知してえらいぞ。見ろ、怪我人が居ない』
「は、はい…!」
『頑張ったな』
「…こ、こわ、かった…です…」
『ずっと緊張してたもんな。少し休憩してから、もう一度挑戦しよう。次は獅子王が隊長な』
「おう!」
『小夜、気づいたことあれば五虎に教えてあげてくれ。俺厨とか回ってくるから。伽羅いこう』
厨に行くと、いつも通り、歌仙や光忠が食事の準備をしていた。
忙しいだろうけど、お茶と、五虎が頑張ったから、こっそりお菓子でもあげてほしいと頼み、薬研の医務室も見に行く。
『やげーん』
「お、大将に大倶利伽羅、どうした?怪我か?」
「出陣部隊もアオも俺も、怪我していない」
『そうそう。出陣部隊休ませてる間にちょっと様子見周り』
「なるほどな。五虎退はどうだった?あいつ、初隊長でがちがちだったから」
『それを教えるためでもある』
そういうと、五虎が頑張った様子を伝えると、やっぱり心配だったんだな、安心した表情になってる。
「そうか…よかった」
『あ、薬草畑は?』
「順調だぜ、今調合してたんだ」
「なんのくすりだ?」
「これは酔い冷ましの薬だな。ナナシの旦那から、念のため先にこれからやれと言われてたんでな」
『あぁ…二日酔いになった刀剣達用か……』
めちゃ納得しちゃったわ。
他にも腫物や傷場所に塗れる薬も用意したそうだ。
さすが、早いな。
「で、だ。大将、ちょっち実験したいんだが」
『実験?え、何爆破予告?』
「いやそんなことはしないが…この切り傷用の薬に大将の霊力混ぜたら、軽い怪我くらいなら治せるんじゃないかとな」
『あ、手入れいらずに、てこと?』
「あぁ、ただ、大将が作った薬じゃないと意味がないのか、それともこれに後から霊力を混ぜても効果があるのか、効果ない場合、大将が霊力込めながら塗ればいいのか、とな」
「つまり、怪我をすればいいのか?」
「あまり気は進まんがな。タイミングよく誰かが怪我してたらいいんだが…」
「なら、うってつけがいる」
『「うってつけ?」』
「モニター見ろ。遠征組の」
『………なしていまつる怪我しとんや…』
「そろそろ帰還するだろう。連れてくる」
『頼む…』
なんで遠征組が怪我なんだ…。
え、喧嘩でもした?
ため息つきながら薬研とお茶して待ってると、いまつると安定がやってきた。
『で、なんで怪我したの…』
「今剣がはしゃぎすぎて、転んだんだ…」
「ごめんなさい…」
『喧嘩じゃなくてよかった…はしゃぐのいいけど、気をつけようね』
「はい…」
『で、いまつる。ちょっと薬の実験付き合ってほしい』
「くすりの?」
「な、なにか危ない薬…?」
『ちゃうちゃう』
薬研が改めて説明してくれる。
それに納得した二人。
「そういうことなら、おやすいごようですよ!」
「すまないな。まずはどこを怪我したか確認する」
『あ、安定、伽羅は?』
「資源運ぶの手伝ってくれて、数も数えてくれてたよ。畑とかも見てくるから、って、アオに伝えてくれって」
『なるほど』
「両ひざと手のひらをすりむいてて、あと軽い打ち身だな…派手に転んだな」
「今剣の一本下駄でしょ?石と石の間に挟まってしまったんだ…」
『あー一本下駄難しいもんな。いまつるは慣れてそうやけど』
「きれいにはまってしまいました…」
「大将、先ずは霊力込めながら塗ってみてくれ」
『あいよ』
薬研の指示通りに傷薬を塗っていく。
霊力込めたやつも、込めながらもやり終わる。
それでしばらくモニターも見ながら様子を見て、薬研に言われるまま、同じ薬を霊力込めながら作る。
出来上がった薬を手のひらへ塗り込んでやると、すぐに治って驚いた。
先のはゆっくりだけど回復はしてる。
ただ、あとで霊力込めたのはあまり効果がないようだ。
「やっぱ大将が作ると効果早いな。霊力込めながら塗るのも効果あり、と」
「あとで霊力込めたやつだと、あまり効果ないね…」
『まあ軽い怪我の時用やね、基本俺が手入れするし』
いろいろ話をして、いまつるや安定と広間に。
皆そこで休憩してるからね。
「あ、アオさん…」
『よ、お疲れ様。次は出陣組、獅子王隊長の、蜂須賀、堀川、安定、五虎で行こうか。いまつるは怪我治らないとあかんからね』
「アオ、じゃあ俺らは遠征か?」
『そう、長谷部と兼さん、平野、小夜、でいこうか。こっちの時間で30分くらいの。んで昼餉食べて、午後も様子見ながら遠征かな。出陣は今日は今から行けば終わりにしたいから』
「何かあるのですか?」
『工事の様子見に行きたいからね。一応俺らの本丸の隣に作るようなもんだし』
というわけで、出陣と遠征、二部隊を送り出し、モニターで確認。
『うん、今度は検非違使出ずに行けたね』
〈おう!アオ、帰還するぜ!〉
『はいよ』
承認ボタンを押し、部隊を迎え、報告書をお願いして、俺は昼餉の準備にちょい手伝いに。
その間に遠征組も帰還したから、報告書お願いし、皆に武装解除を言いつける。
『なんか甘味すごいあるね?』
「アオのことだから、工事の様子を見に行くと思ってね」
「いろいろお菓子を作ったから、皆に差し入れしてもらえるかい?」
『さすがお母さんズ…ありがとう、皆も喜ぶよ』
「あとアオも食べるだろうと、多めにね」
『やったね!』
今日も我が本丸は平和。
さて、午後はどうなるかな。
お供の大倶利伽羅と清光、安定を連れて、いざ工事現場へ!
………歩いて20分もかからないけど。
いやー朝から大変だった。
兄二人から「動画サイトの夜桜組か!?」と問い詰められて…。
いや、バレるように今回意識してみたし、あの歌で気づくと思ってたから、肯定したけどさ。
朝から忙しかった、主に耳が。
で、今日も俺の本丸周りでは、大きな刀剣達による工事が行われている。
俺のとこは数人しか出せないけど…。
で、こんから改めて説明受けたが、神たちに確認しようにも、忙しいらしい。
まぁ神も神楽も、妥協しながら権力使ってくれてるから、無理には言えない。
『んじゃ、鍛刀は金曜日と土日でやっていこう。そしたら研修もしやすいやろし。
で、今日の工事から俺らも参加になるけど、人数いないから、数人でお願いしたい。今日の近侍と補佐以外で、多くて5人くらいで。任務もあるから』
「今日は近侍が大倶利伽羅、補佐が小夜だな」
『うん、やから二人以外で、当番ない人は工事手伝いへ。そのほかで任務と遠征やっていくよ。しばらくまた無茶させちゃうけど、皆よろしく』
「おう!」と頼もしいお言葉をいただきました!ありがとう!
話し合ってもらってる間に、近侍と補佐の二人を連れて、執務室へ。
「え、アオさんのCDを、本丸で、ですか…?」
「…できるのか…?」
『なんか設定したら、好きな曲流せるんだって。みんなのイメージ曲もあるらしいけど、今はまだないからさ。耳を汚すようで申し訳ないけど、俺の録音した歌流そうかな、と』
「…別に、お前の歌で耳が汚れるなんて、ないだろ」
「はい…むしろ、みんな喜ぶかと…」
『それはそれで恥ずかしいわ』
まあ二人の許可は出たから、お試しで今日やってみることに。
少しして、陸奥がやってきた。
「アオ、工事めんばー決まったぜよ」
『お、ほんと。誰が行く感じ?』
「新人育成を主にしてもろて、ワシ、蛍丸、厚、にっかり、鶴丸になったんじゃけんど、どないが?」
『なるほど…確かに、最近きた長谷部たちはまだ練度低いもんね、うん。わかった。それじゃ今日はそれでお願い』
「おん!ほいたら準備していってくるきの!」
『はーい!いってらっしゃい!』
んじゃ俺も出陣メンバー決めないとね。
『んーと、乱はそこそこ上がってるから…蜂須賀、堀川、いまつる、兼さん、長谷部で、二つの部隊に分けようか。んで遠征と出陣行ってもらう』
「その5人は、練度が同じくらいですね…乱さんや次郎さんは、早かったですが…」
『せやねぇ…5人より少し先にきたってのもあるんやろうけど。
んー…獅子王、五虎、兼さん、長谷部、んで小夜でいこうか。小夜、頼める?』
「はい、隊長は…?」
『五虎でいこう、まだしてないから。小夜はサポートと、もし検非違使出てきたら即俺を呼ぶこと、必要なことを教えてあげて』
「わかりました…出陣部隊伝えにいってきますね…」
『あ、あと遠征は、残りの三人と、平野と安定に。他は当番もあるから、交代交代でいけたらだね』
「わかりました、伝えてきますね…」
皆に伝えに行ってくれた小夜。
さて、先に設定するかな。
「何してるんだ」
『さっき言ってた曲の設定ね、PCに読み込みはしてたから、あとはそれを設定して……これでいけるはず』
さっそく流してみると、本丸全体に流れ出した。
音量上げ過ぎたらいけないから、小さめに。
『音量とか大丈夫そう?』
「…そうだな、大丈夫だろう」
『ありがと。さて、検非違使が出ないことを祈りながら、俺も出陣用意しとくか。急いで着替えてくるから、伽羅は先にこの行先の紙持って、ゲートに行ってて』
「わかった」
伽羅と別れ、戦闘用の(ではないけど)服に着替える。
ダッシュで着替え、ゲートへ行くと、出陣部隊も遠征部隊も準備できていた。
『待たせた』
「全員さっき揃ったところだ」
『ん。じゃあ先に、遠征部隊。隊長は平野で。安定は何度かしてるから、気づいたことあればいろいろ教えてあげて』
「うん、わかったよ」
「大和守さん、よろしく願いします」
「よろしく、隊長頑張ってね。堀川達も遠征まだ経験少ないよね?資源とか見つけられるようがんばろう」
「はい!」
「よろしく頼む」
「がんばりまーす!」
そういって遠征組は仲良くいきました。
こっちの時間で一時間くらいかな…まあ喧嘩しなさそうですでに安心。
『よし、じゃあ出陣部隊も、いくか』
「あ、アオ、さま…」
『ん?』
「そ、その…僕が、隊長でい、いいんで、しょうか…」
『もちろん。それにいつかは隊長しなきゃなんだしね。大丈夫。初隊長するときは、経験豊富な子を入れてるから。今回だと小夜。んで、獅子王もそれなりに数は熟してる。二人が五虎のサポートするから』
「そうだぜ五虎退。俺らも居るんだし」
「はい…長谷部さん達もいずれ隊長するとき、経験ある誰かが部隊に入ります…ですが、実際隊長がしてることを見て、予習しておきましょう…」
『うちのお小夜が頼もしい…』
「アオー俺はー?」
『獅子王ももちろん頼もしいがお小夜が可愛いので優勝はお小夜です』
「それずりーぜ…」
『小夜にも伝えてるけど、検非違使が出る可能性もある。長谷部や兼さんは知らないだろうけど、前回を知ってる皆は気を付けて。長谷部たちに無理させない、自分たちも無理しないこと』
「アオ殿…!」
「全員で、折れずに」
「は、はい…!」
『五虎、隊長だからと気負わず、無理な進軍もせずだ。もし検非違使出たら、その時点で緊急帰還要請押せ、俺も出るから』
「わ、わかり、ました…!」
『よし。んじゃ、無理せず全員折れずに帰ること。行ってらっしゃい!』
全員を送り出し、モニターも出す。
五虎初めてだからか、すっごい緊張してたな…。
〈えと、だ、第一部隊、無事、到着しました〉
『よし。五虎。失敗しても大丈夫だから、自信もってやりな。間違ってるとか、何かあれば、小夜が教えてくれるから』
〈は、はい…!こ、のあたりには、敵、居ないみたいなので、進みます…!〉
何事もないことを祈りながら、五虎達は進む。
最初に遭遇した敵も問題なく倒せて、更に進んだ敵も、倒せた。
〈み、みなさん、怪我は、ないですか…?〉
〈あぁ、無傷だぜ〉
〈俺も大丈夫だ〉
〈俺と小夜も〉
〈確か、この先は分かれ道でしたね…賽を振って、どちらかへ行こう…〉
〈は、い!…えいっ〉
『やだ五虎のえいっが可愛すぎた主召される…』
「馬鹿を言うな」
『うぃ』
ちょっとバカなことしてるうちに決まった方角に進む部隊。
〈!と、とまってください!〉
〈!〉
〈なぜ…〉
〈検非違使の気配です…!〉
察知したと同時に現れた検非違使。
『五虎』
〈はい…!〉
俺は先に五虎達の元へ向かい、伽羅が五虎の出した緊急帰還要請を承認する。
全員が無事に戻るまで、俺が相手をする。
そして全員無事帰ると、俺も帰還要請を押すが、その前に倒しきる。
『小夜の練度に合わせた検非違使だったね』
無事俺も戻ると、怪我人はいなかった。
『五虎、早い判断、そして早い段階で検非違使を察知してえらいぞ。見ろ、怪我人が居ない』
「は、はい…!」
『頑張ったな』
「…こ、こわ、かった…です…」
『ずっと緊張してたもんな。少し休憩してから、もう一度挑戦しよう。次は獅子王が隊長な』
「おう!」
『小夜、気づいたことあれば五虎に教えてあげてくれ。俺厨とか回ってくるから。伽羅いこう』
厨に行くと、いつも通り、歌仙や光忠が食事の準備をしていた。
忙しいだろうけど、お茶と、五虎が頑張ったから、こっそりお菓子でもあげてほしいと頼み、薬研の医務室も見に行く。
『やげーん』
「お、大将に大倶利伽羅、どうした?怪我か?」
「出陣部隊もアオも俺も、怪我していない」
『そうそう。出陣部隊休ませてる間にちょっと様子見周り』
「なるほどな。五虎退はどうだった?あいつ、初隊長でがちがちだったから」
『それを教えるためでもある』
そういうと、五虎が頑張った様子を伝えると、やっぱり心配だったんだな、安心した表情になってる。
「そうか…よかった」
『あ、薬草畑は?』
「順調だぜ、今調合してたんだ」
「なんのくすりだ?」
「これは酔い冷ましの薬だな。ナナシの旦那から、念のため先にこれからやれと言われてたんでな」
『あぁ…二日酔いになった刀剣達用か……』
めちゃ納得しちゃったわ。
他にも腫物や傷場所に塗れる薬も用意したそうだ。
さすが、早いな。
「で、だ。大将、ちょっち実験したいんだが」
『実験?え、何爆破予告?』
「いやそんなことはしないが…この切り傷用の薬に大将の霊力混ぜたら、軽い怪我くらいなら治せるんじゃないかとな」
『あ、手入れいらずに、てこと?』
「あぁ、ただ、大将が作った薬じゃないと意味がないのか、それともこれに後から霊力を混ぜても効果があるのか、効果ない場合、大将が霊力込めながら塗ればいいのか、とな」
「つまり、怪我をすればいいのか?」
「あまり気は進まんがな。タイミングよく誰かが怪我してたらいいんだが…」
「なら、うってつけがいる」
『「うってつけ?」』
「モニター見ろ。遠征組の」
『………なしていまつる怪我しとんや…』
「そろそろ帰還するだろう。連れてくる」
『頼む…』
なんで遠征組が怪我なんだ…。
え、喧嘩でもした?
ため息つきながら薬研とお茶して待ってると、いまつると安定がやってきた。
『で、なんで怪我したの…』
「今剣がはしゃぎすぎて、転んだんだ…」
「ごめんなさい…」
『喧嘩じゃなくてよかった…はしゃぐのいいけど、気をつけようね』
「はい…」
『で、いまつる。ちょっと薬の実験付き合ってほしい』
「くすりの?」
「な、なにか危ない薬…?」
『ちゃうちゃう』
薬研が改めて説明してくれる。
それに納得した二人。
「そういうことなら、おやすいごようですよ!」
「すまないな。まずはどこを怪我したか確認する」
『あ、安定、伽羅は?』
「資源運ぶの手伝ってくれて、数も数えてくれてたよ。畑とかも見てくるから、って、アオに伝えてくれって」
『なるほど』
「両ひざと手のひらをすりむいてて、あと軽い打ち身だな…派手に転んだな」
「今剣の一本下駄でしょ?石と石の間に挟まってしまったんだ…」
『あー一本下駄難しいもんな。いまつるは慣れてそうやけど』
「きれいにはまってしまいました…」
「大将、先ずは霊力込めながら塗ってみてくれ」
『あいよ』
薬研の指示通りに傷薬を塗っていく。
霊力込めたやつも、込めながらもやり終わる。
それでしばらくモニターも見ながら様子を見て、薬研に言われるまま、同じ薬を霊力込めながら作る。
出来上がった薬を手のひらへ塗り込んでやると、すぐに治って驚いた。
先のはゆっくりだけど回復はしてる。
ただ、あとで霊力込めたのはあまり効果がないようだ。
「やっぱ大将が作ると効果早いな。霊力込めながら塗るのも効果あり、と」
「あとで霊力込めたやつだと、あまり効果ないね…」
『まあ軽い怪我の時用やね、基本俺が手入れするし』
いろいろ話をして、いまつるや安定と広間に。
皆そこで休憩してるからね。
「あ、アオさん…」
『よ、お疲れ様。次は出陣組、獅子王隊長の、蜂須賀、堀川、安定、五虎で行こうか。いまつるは怪我治らないとあかんからね』
「アオ、じゃあ俺らは遠征か?」
『そう、長谷部と兼さん、平野、小夜、でいこうか。こっちの時間で30分くらいの。んで昼餉食べて、午後も様子見ながら遠征かな。出陣は今日は今から行けば終わりにしたいから』
「何かあるのですか?」
『工事の様子見に行きたいからね。一応俺らの本丸の隣に作るようなもんだし』
というわけで、出陣と遠征、二部隊を送り出し、モニターで確認。
『うん、今度は検非違使出ずに行けたね』
〈おう!アオ、帰還するぜ!〉
『はいよ』
承認ボタンを押し、部隊を迎え、報告書をお願いして、俺は昼餉の準備にちょい手伝いに。
その間に遠征組も帰還したから、報告書お願いし、皆に武装解除を言いつける。
『なんか甘味すごいあるね?』
「アオのことだから、工事の様子を見に行くと思ってね」
「いろいろお菓子を作ったから、皆に差し入れしてもらえるかい?」
『さすがお母さんズ…ありがとう、皆も喜ぶよ』
「あとアオも食べるだろうと、多めにね」
『やったね!』
今日も我が本丸は平和。
さて、午後はどうなるかな。
お供の大倶利伽羅と清光、安定を連れて、いざ工事現場へ!
………歩いて20分もかからないけど。
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