龍神が審神者になりました?
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
――アオside――
あれから考え、他に思いつかなかったから、風雅の案を採用しました。
なので、二人の誕生日までバタバタするけど、奏さんや神たちにも話して、ちょと協力してもらう事に。
もちろん二人に内緒で(内緒にできてるかはわからない)
てかさ、まさかの陽も桃先輩も、ここちゃんもナギ先輩もナオ先輩も奏さんも夏先輩も。
動画の夜桜組を知ってて俺ビックリ…。
ただ陽は俺らだと薄々感づいていたらしいけど。
ファンかどうかは置いといて、皆時々見てたらしくてさ。
…………俺恥ずかしい…。
そのうち舞を見せる約束(報酬)で内緒にしてもらってる。
で、もちろん仕事は最低限して、しばらく土日休みの制度を入れ、その土日で実家に一度帰宅して準備してます。
出陣、遠征も普段通りし、書類仕事もし、企画のやつもまとめていき…でも戦闘系としての依頼は、先輩らが引き受けてくれたりしている。
ありがたや…。
今日もラストの出陣部隊の手入れも終わって、遠征組も帰宅して、今は土日のための帰宅準備。
あ、書類はちゃんと出してから行くよ。
『バッタバター……』
「まぁそう言うなよ大将」
『あ、薬研…ナナシに何か伝える事とか大丈夫?』
「大丈夫だ、なにかあれば厚たちに連絡してもらうしな。それより少し休もうぜ、茶と菓子もらってきたからさ」
『ありがとう女神…』
「神は合ってるが俺っちは男なんだよなぁ」
なんてボケたりしながら、薬研の持ってきてくれたお茶とお菓子をいただく。
あー落ち着くわー。
『もうすぐ完成するから、なんとか間に合いそう』
「それはよかった。明後日だっけか」
『そう、やから今日金曜やけど、もう夜には向こう行くね。ほんともうみんなもやし、先輩方や奏さん達には感謝しかない…』
「こっちのことは気にせず、完成させてきてくれな」
『もちろん。えーと、くじ引きで今日誰が一緒に行くか決まったの?』
「あぁ、さっきな。鶴丸の旦那だ」
『鶴くじ運とか強いねぇ』
そう、何度か向こうに帰る時のお供は、くじ引きで決めている。
鶴は何度か当たってる強者だ。
しかも今一番練度高いの鶴なんです。
初期組でも練度80いるけど、和が本丸では一番強いのは鶴だ。
体術も呑み込みが短刀や伽羅並みに早い。
どうやらあの日の検非違使許さない事件以来、必死に鍛錬もしてたみたいで、ある意味陸奥と同じような、初期刀並みなんです(権力的な)
お茶もお菓子も終わると、企画の案をまたまとめだす。
あ、用意も提出物も終わりますた。
だいたいの企画というか考えは出来たから、他何かあったかの確認などを、時間までしてます。
そしてあっという間に出発の時間。
鶴丸にには現世の服を着てもらってる。
最近だいぶ暑いけど、鶴が焼けてるところはなんか見たくなくて、せめて中をタンクや薄手のTシャツにし、七分丈の羽織(丈が長めのパーカー)羽織ってもらってます。
『んじゃ、行ってくるね』
「なんかあったら連絡してくるきの。本丸は任しちょけ」
「鶴丸いいなー」
「アオ殿、この長谷部お帰りをいつまでも『いやちゃんと帰ってくるから』」
「アオさま!おみやげおねがいしますね!」
「ボクも!」
『風華ちゃんからまたなにかもらってくるよ』
「俺ら初期組で本丸の内番とかしとくから、任せてよ。鶴丸はアオをお願いね」
「あぁ、じゃじゃ馬は俺に任せてくれ」
「一緒になって遊び過ぎないようにね」
『みんな酷い…ま、いってきます!』
なんだかんだと言われながら、本丸からまず政府へ。
現世に帰る時は政府経由じゃないとだめらしい。
なので柚兄の元へまずは行く。
「あ、来たね」
『こんばんわ、柚兄』
「よっ」
「うん、こんばんわ。土日休暇制のお試し、明後日までだったね」
『うん、今日と明日は実家。んで明後日帰ってくるよ』
「わかった、ゲートは実家近くのいつもの林の中に設定してるから」
『ありがとう』
「気を付けてね、鶴丸さん、アオをお願いします」
「任せておけ、ちゃーんと悪さしないよう見とくさ」
『じゃあ俺は鶴がいたずらしないよう見張ります』
「そりゃないぜ…」
「まぁまぁ。じゃ、いってらっしゃい」
「『いってきまーす』」
柚兄の設定してくれたゲートを潜り、実家の近くの林の中につく。
人目に付かないように、夜の移動や、こうした人気のない場所にゲートを繋ぐのだ。
右良し、左良し、後ろ良し。
そーっと林から出て、実家の裏口へ。
『ただいまー』
「邪魔するぜ」
「アオ、そろそろだと思ってました」
『ただいま、蓮華』
「おかえりなさい。鶴丸もおかえりなさい」
「あぁ、ただいま」
台所の裏口から入ると、ちょうど蓮華がご飯の準備をしていた。
「もうすぐご飯できますから、部屋へ荷物を運んでくるといいですよ。風雅や緋生は先に帰宅してます」
『ありがとう。鶴、行こう』
鶴と一緒に俺の部屋へ行き、荷物を置く。
あ、鶴は隣の部屋で寝てます。
俺も鶴も動きやすい服に着替え、広間へ行くと、風雅たちがいた。
「お帰り、お二人さん」
「『ただいま』」
「今日は野菜たっぷりのカレーですよー」
『カレー!』
「アオ好きやもんな、カレー」
「今日は残りの打ち合わせと練習だけかい?」
「せやな、一度練習していけそうならそんまま録音するかもやけど」
みんなで「いただきます」と食べる。
うまあ…。
夏野菜入りカレーうまぁ…。
もちろんしっかりおかわりもしました。
デザートは後でにし、先に残りの録音するやつの確認。
んで地下にある防音のスタジオルームでまず練習。
その間鶴は自由にしてます。
まぁやることないしね。
残りの練習し、大丈夫そうだなと思い、一曲だけ録音する。
あんまり編集はしないらしいけど、もし雑音があったらそれを除いたりなどはしてるらしい。
できるだけそのままを使いたいとかなんとか。
今日のは終わらせてから、部屋で鶴と一緒にデザートを食べる。
今日のデザートは紅茶ゼリーです。
「明日には終わるのか」
『そうやねぇ…長かったようなあっという間やったような…』
「だな。土日休暇制度のお試しで通るんだな…」
『なんか実際、土日を休みにする人も居てるみたい。導入を悩んでる人はお試しで一月させてもらえるって、こんに聞いたから、それだ!って思ったよねぇ』
「いいタイミングだったなぁ」
のんびりゼリーを食べていると、鶴が俺をじーっと見ていた。
『どした?』
「…いや、なんでもないさ」
何か言いたげだけど、何も言わずにゼリーを食べる。
どしたんだろ。
鶴の何か言いたげな視線は気になるけど、とりあえず本人から言ってくるまで待とう、うん。
デザートを食べ終え、お互い風呂にも入って就寝。
明日には終わらせて、早めに終わらせたら買い物もありかなー…。
とか思ってたら寝ていて、気づいたら朝でした、まる。
朝ごはんも食べ、さっそく発声練習と軽く練習。
鶴は家の手伝いをしてくれてます。
「んじゃ残りやけど、一つはオリジナルやな。これは最後がええかの」
『うん、まだ心配やから、先にカバーの終わらせてからじっくりかな』
「カバーとちゃうし、やっぱ緊張するかの?」
『まぁ…しかも兄二人の誕プレやし……』
「いつも通りでいいんじゃよ。変に緊張してもうたら音外してまうし」
『うん…』
深呼吸して、カバーの曲を始める。
風雅や俺が納得いかなかったら、もう一度、もう一度と繰り返す。
そうしてお昼までには終わり、オリジナルの練習も始める。
動画サイトではメロディだけ流してたけどね。
「まだ緊張してそうかの?」
『微妙…でも始める前よりはましかな』
「さよか。そろそろ昼餉やけど、どないする?」
『あー……上手くいくかわからんけど、やっていい?無理そうならお昼にする』
「はいよ」
深呼吸し、耳に集中する。
――――――――
ねぇ、僕と出会ったとき、貴方たちはどんな気持ちだった?
きっと僕は何もわかってなくて
でも嬉しいって感じてたんだ
ねぇ、僕と触れ合った時、貴方たちはどう思ったのかな
きっと僕は、くすぐったくて
温かい気持ちになってたと思うんだ
僕たちは成長して、一緒に寝て、一緒に笑って
一緒に沢山を経験して育って
でもどこか寂しいと思う、子供の僕が居たんだ
子供の頃は、ずっと一緒だと思ってたよ
たとえ大人になっていっても
傍に居ると疑わなかった
でも僕たちは成長して
それぞれのやる事のために離れないといけなくて
駄々っ子になってたら
あの頃の僕らは何か変わってたのかな?
あのね、僕は貴方たちに追いつきたくて
ずっと背伸びしてた
ずっと手を繋いで歩いていたかったんだ
あのね、僕は駄々っ子だったかな
手のかかる子だったかな
僕のために時間を作って
遊んでくれたりしたこと、嬉しかったんだ
きっと僕がとんでもない我が儘を言わなかったのは
貴方たちが優しさをくれたから
きっと僕が我慢できたのは
貴方たちが手を繋いでくれたから
きっとどんな時でも笑えてたのは
貴方たちが僕を諦めないでいてくれたから
ありがとう
僕と兄弟になってくれて
ありがとう
僕と出会ってくれて
ありがとう
生まれてきてくれて
ありがとう、僕の大切な兄弟
――――――――
『…………やば恥ずかしい…』
「いや恥ずかしがっても歌詞書いたん自分やん」
『歌詞って言えるほどの文才はありません!言いたいこと書きたいことそのままです!』
「ほなそのままの気持ちが伝わるんやしええじゃろ」
『でも恥ずかしいぃぃぃぃぃぃ』
悶々としたが、風雅からはOKをもらえたので、ちょと手直しするとこしたら確認して、終わりになる。
あ、穴があったら入りたい…!
はっ、今なら鶴が居る…穴を掘ってもらうのもありか…!「なしじゃ馬鹿たれ」
『心を読むなあああ』
「いや全部口に出しとったわ」
なんてことをしながら、とりあえずお昼にしました、まる。
風雅達の確認が終わるまで自由にしていいとのことだったので、雅一に駅まで車で送ってもらい、少し行ったところの街まで鶴とおでかけに来ました!
「おぉ!アオ!面白そうなものがいっぱいあるな!」
『今まで俺の予定で、でかけるなんて出来なかったからな。はしゃぐのはいいけど、はぐれないでな』
鶴がはぐれない様、手を繋いでるけど…これ、周りから見たら「はぐれないようにお兄ちゃんと手を繋ぐ子供の図」じゃね?
万屋街も現世のものはいろいろあるけど、こっちはこっちで雰囲気も違うからか、鶴も大はしゃぎ。
大きめのLottがあったので、そこへ入り、画材や文房具、雑貨、アクセなどいろいろ見て回る。
可愛いアクセもあり、乱や清光、オシャレ好きの好きそうなのもあった。
が、確か万屋街に、刀剣達をモチーフにしたアクセなどを売ってる店が何軒かあったから、今日はお預けだな。
マニュキュアは……万屋街にもあったけど、デコッたり、磁石の要領で模様みたいにできるこれを、数個買っていこう。
あとはノート類も……西洋風な、魔法書のようなデザインのも沢山でてるから、多めに。
それらを会計し、待たせてる鶴の元へ。
『すまん、待たせた』
「問題ない。いろいろ見れたしな」
満足そうにしてる鶴は、俺から荷物を奪うと「この後はどうする?」と聞いてくる。
『持てるのに…』
「紙類を結構買っていたろう、そのうち疲れるぞ。俺が疲れたら交代してくれればいいさ」
『むー…』
「それで?」
『そうだなー……あ、じゃあ喫茶店でも行ってお茶しようか』
そう言って、駅に戻る道を歩いていくと、レトロな雰囲気の喫茶店が出てくる。
『ここ、おススメなんだ』
「へぇ、洋風というのか、落ち着いた感じだな」
『レトロ風ともいう』
中へ入り、席に案内してもらうと、メニューを開く。
『鶴は何にする?抹茶ミルクもほうじ茶ラテもあるけど、コーヒーや紅茶もあるよ。あとケーキとかも』
「こーひー、というと、よく柳が飲んでるやつか」
『そそ。ブラックのままだと苦いけど、砂糖とか入れて甘くしたり、ミルク入れてまろやかにしたりもできるけど』
「……こーひーだけでも種類が多いな」
『そやね、いろんな豆あるくらいだし…コーヒー興味あっても、苦いの苦手なら、カフェラテとかにしてみる?ミルク入りのだから、まろやかではあるけど』
「ならそれにしよう」
『ん。ケーキとかは大丈夫?』
「どれがいいかわからなくてな…」
『んじゃ俺が好きなやつ二つ注文して、一緒に食べるか』
「あぁ、任せる」
『すいませーん』と店員を呼び、ケーキセット二つを注文する。
一つはカフェラテアイスとアップルパイ。
もう一つはミルクティーとガトーショコラ。
注文し終わり、待ってる間に皆のお土産どうするかなど話していた。
「お待たせしました」と、しばらくして来たケーキと飲み物。
鶴は初カフェラテのアイスを飲んで、ケーキを食べてみて、目を輝かせていた。
お気に召したようでよかった。
俺のガトーショコラも気に入ったようでよかった。
『……そういえば、鶴さ』
「ん?」
『初誉のご褒美というか、お願いとか、なんもないのか?最近来た人らは別として、陸奥や薬研、初期組なんかは何かしらやったけど、鶴はしてないだろ』
「あー……あるにはあるが…」
『お、なんだなんだ?』
わくわくと答えを待つ俺。
鶴は一口カフェラテを飲むと口を開いた。
「その…アオの作る装飾品作りを、教えてくれないか…?」
意外な答えで驚きました、まる。
あれから考え、他に思いつかなかったから、風雅の案を採用しました。
なので、二人の誕生日までバタバタするけど、奏さんや神たちにも話して、ちょと協力してもらう事に。
もちろん二人に内緒で(内緒にできてるかはわからない)
てかさ、まさかの陽も桃先輩も、ここちゃんもナギ先輩もナオ先輩も奏さんも夏先輩も。
動画の夜桜組を知ってて俺ビックリ…。
ただ陽は俺らだと薄々感づいていたらしいけど。
ファンかどうかは置いといて、皆時々見てたらしくてさ。
…………俺恥ずかしい…。
そのうち舞を見せる約束(報酬)で内緒にしてもらってる。
で、もちろん仕事は最低限して、しばらく土日休みの制度を入れ、その土日で実家に一度帰宅して準備してます。
出陣、遠征も普段通りし、書類仕事もし、企画のやつもまとめていき…でも戦闘系としての依頼は、先輩らが引き受けてくれたりしている。
ありがたや…。
今日もラストの出陣部隊の手入れも終わって、遠征組も帰宅して、今は土日のための帰宅準備。
あ、書類はちゃんと出してから行くよ。
『バッタバター……』
「まぁそう言うなよ大将」
『あ、薬研…ナナシに何か伝える事とか大丈夫?』
「大丈夫だ、なにかあれば厚たちに連絡してもらうしな。それより少し休もうぜ、茶と菓子もらってきたからさ」
『ありがとう女神…』
「神は合ってるが俺っちは男なんだよなぁ」
なんてボケたりしながら、薬研の持ってきてくれたお茶とお菓子をいただく。
あー落ち着くわー。
『もうすぐ完成するから、なんとか間に合いそう』
「それはよかった。明後日だっけか」
『そう、やから今日金曜やけど、もう夜には向こう行くね。ほんともうみんなもやし、先輩方や奏さん達には感謝しかない…』
「こっちのことは気にせず、完成させてきてくれな」
『もちろん。えーと、くじ引きで今日誰が一緒に行くか決まったの?』
「あぁ、さっきな。鶴丸の旦那だ」
『鶴くじ運とか強いねぇ』
そう、何度か向こうに帰る時のお供は、くじ引きで決めている。
鶴は何度か当たってる強者だ。
しかも今一番練度高いの鶴なんです。
初期組でも練度80いるけど、和が本丸では一番強いのは鶴だ。
体術も呑み込みが短刀や伽羅並みに早い。
どうやらあの日の検非違使許さない事件以来、必死に鍛錬もしてたみたいで、ある意味陸奥と同じような、初期刀並みなんです(権力的な)
お茶もお菓子も終わると、企画の案をまたまとめだす。
あ、用意も提出物も終わりますた。
だいたいの企画というか考えは出来たから、他何かあったかの確認などを、時間までしてます。
そしてあっという間に出発の時間。
鶴丸にには現世の服を着てもらってる。
最近だいぶ暑いけど、鶴が焼けてるところはなんか見たくなくて、せめて中をタンクや薄手のTシャツにし、七分丈の羽織(丈が長めのパーカー)羽織ってもらってます。
『んじゃ、行ってくるね』
「なんかあったら連絡してくるきの。本丸は任しちょけ」
「鶴丸いいなー」
「アオ殿、この長谷部お帰りをいつまでも『いやちゃんと帰ってくるから』」
「アオさま!おみやげおねがいしますね!」
「ボクも!」
『風華ちゃんからまたなにかもらってくるよ』
「俺ら初期組で本丸の内番とかしとくから、任せてよ。鶴丸はアオをお願いね」
「あぁ、じゃじゃ馬は俺に任せてくれ」
「一緒になって遊び過ぎないようにね」
『みんな酷い…ま、いってきます!』
なんだかんだと言われながら、本丸からまず政府へ。
現世に帰る時は政府経由じゃないとだめらしい。
なので柚兄の元へまずは行く。
「あ、来たね」
『こんばんわ、柚兄』
「よっ」
「うん、こんばんわ。土日休暇制のお試し、明後日までだったね」
『うん、今日と明日は実家。んで明後日帰ってくるよ』
「わかった、ゲートは実家近くのいつもの林の中に設定してるから」
『ありがとう』
「気を付けてね、鶴丸さん、アオをお願いします」
「任せておけ、ちゃーんと悪さしないよう見とくさ」
『じゃあ俺は鶴がいたずらしないよう見張ります』
「そりゃないぜ…」
「まぁまぁ。じゃ、いってらっしゃい」
「『いってきまーす』」
柚兄の設定してくれたゲートを潜り、実家の近くの林の中につく。
人目に付かないように、夜の移動や、こうした人気のない場所にゲートを繋ぐのだ。
右良し、左良し、後ろ良し。
そーっと林から出て、実家の裏口へ。
『ただいまー』
「邪魔するぜ」
「アオ、そろそろだと思ってました」
『ただいま、蓮華』
「おかえりなさい。鶴丸もおかえりなさい」
「あぁ、ただいま」
台所の裏口から入ると、ちょうど蓮華がご飯の準備をしていた。
「もうすぐご飯できますから、部屋へ荷物を運んでくるといいですよ。風雅や緋生は先に帰宅してます」
『ありがとう。鶴、行こう』
鶴と一緒に俺の部屋へ行き、荷物を置く。
あ、鶴は隣の部屋で寝てます。
俺も鶴も動きやすい服に着替え、広間へ行くと、風雅たちがいた。
「お帰り、お二人さん」
「『ただいま』」
「今日は野菜たっぷりのカレーですよー」
『カレー!』
「アオ好きやもんな、カレー」
「今日は残りの打ち合わせと練習だけかい?」
「せやな、一度練習していけそうならそんまま録音するかもやけど」
みんなで「いただきます」と食べる。
うまあ…。
夏野菜入りカレーうまぁ…。
もちろんしっかりおかわりもしました。
デザートは後でにし、先に残りの録音するやつの確認。
んで地下にある防音のスタジオルームでまず練習。
その間鶴は自由にしてます。
まぁやることないしね。
残りの練習し、大丈夫そうだなと思い、一曲だけ録音する。
あんまり編集はしないらしいけど、もし雑音があったらそれを除いたりなどはしてるらしい。
できるだけそのままを使いたいとかなんとか。
今日のは終わらせてから、部屋で鶴と一緒にデザートを食べる。
今日のデザートは紅茶ゼリーです。
「明日には終わるのか」
『そうやねぇ…長かったようなあっという間やったような…』
「だな。土日休暇制度のお試しで通るんだな…」
『なんか実際、土日を休みにする人も居てるみたい。導入を悩んでる人はお試しで一月させてもらえるって、こんに聞いたから、それだ!って思ったよねぇ』
「いいタイミングだったなぁ」
のんびりゼリーを食べていると、鶴が俺をじーっと見ていた。
『どした?』
「…いや、なんでもないさ」
何か言いたげだけど、何も言わずにゼリーを食べる。
どしたんだろ。
鶴の何か言いたげな視線は気になるけど、とりあえず本人から言ってくるまで待とう、うん。
デザートを食べ終え、お互い風呂にも入って就寝。
明日には終わらせて、早めに終わらせたら買い物もありかなー…。
とか思ってたら寝ていて、気づいたら朝でした、まる。
朝ごはんも食べ、さっそく発声練習と軽く練習。
鶴は家の手伝いをしてくれてます。
「んじゃ残りやけど、一つはオリジナルやな。これは最後がええかの」
『うん、まだ心配やから、先にカバーの終わらせてからじっくりかな』
「カバーとちゃうし、やっぱ緊張するかの?」
『まぁ…しかも兄二人の誕プレやし……』
「いつも通りでいいんじゃよ。変に緊張してもうたら音外してまうし」
『うん…』
深呼吸して、カバーの曲を始める。
風雅や俺が納得いかなかったら、もう一度、もう一度と繰り返す。
そうしてお昼までには終わり、オリジナルの練習も始める。
動画サイトではメロディだけ流してたけどね。
「まだ緊張してそうかの?」
『微妙…でも始める前よりはましかな』
「さよか。そろそろ昼餉やけど、どないする?」
『あー……上手くいくかわからんけど、やっていい?無理そうならお昼にする』
「はいよ」
深呼吸し、耳に集中する。
――――――――
ねぇ、僕と出会ったとき、貴方たちはどんな気持ちだった?
きっと僕は何もわかってなくて
でも嬉しいって感じてたんだ
ねぇ、僕と触れ合った時、貴方たちはどう思ったのかな
きっと僕は、くすぐったくて
温かい気持ちになってたと思うんだ
僕たちは成長して、一緒に寝て、一緒に笑って
一緒に沢山を経験して育って
でもどこか寂しいと思う、子供の僕が居たんだ
子供の頃は、ずっと一緒だと思ってたよ
たとえ大人になっていっても
傍に居ると疑わなかった
でも僕たちは成長して
それぞれのやる事のために離れないといけなくて
駄々っ子になってたら
あの頃の僕らは何か変わってたのかな?
あのね、僕は貴方たちに追いつきたくて
ずっと背伸びしてた
ずっと手を繋いで歩いていたかったんだ
あのね、僕は駄々っ子だったかな
手のかかる子だったかな
僕のために時間を作って
遊んでくれたりしたこと、嬉しかったんだ
きっと僕がとんでもない我が儘を言わなかったのは
貴方たちが優しさをくれたから
きっと僕が我慢できたのは
貴方たちが手を繋いでくれたから
きっとどんな時でも笑えてたのは
貴方たちが僕を諦めないでいてくれたから
ありがとう
僕と兄弟になってくれて
ありがとう
僕と出会ってくれて
ありがとう
生まれてきてくれて
ありがとう、僕の大切な兄弟
――――――――
『…………やば恥ずかしい…』
「いや恥ずかしがっても歌詞書いたん自分やん」
『歌詞って言えるほどの文才はありません!言いたいこと書きたいことそのままです!』
「ほなそのままの気持ちが伝わるんやしええじゃろ」
『でも恥ずかしいぃぃぃぃぃぃ』
悶々としたが、風雅からはOKをもらえたので、ちょと手直しするとこしたら確認して、終わりになる。
あ、穴があったら入りたい…!
はっ、今なら鶴が居る…穴を掘ってもらうのもありか…!「なしじゃ馬鹿たれ」
『心を読むなあああ』
「いや全部口に出しとったわ」
なんてことをしながら、とりあえずお昼にしました、まる。
風雅達の確認が終わるまで自由にしていいとのことだったので、雅一に駅まで車で送ってもらい、少し行ったところの街まで鶴とおでかけに来ました!
「おぉ!アオ!面白そうなものがいっぱいあるな!」
『今まで俺の予定で、でかけるなんて出来なかったからな。はしゃぐのはいいけど、はぐれないでな』
鶴がはぐれない様、手を繋いでるけど…これ、周りから見たら「はぐれないようにお兄ちゃんと手を繋ぐ子供の図」じゃね?
万屋街も現世のものはいろいろあるけど、こっちはこっちで雰囲気も違うからか、鶴も大はしゃぎ。
大きめのLottがあったので、そこへ入り、画材や文房具、雑貨、アクセなどいろいろ見て回る。
可愛いアクセもあり、乱や清光、オシャレ好きの好きそうなのもあった。
が、確か万屋街に、刀剣達をモチーフにしたアクセなどを売ってる店が何軒かあったから、今日はお預けだな。
マニュキュアは……万屋街にもあったけど、デコッたり、磁石の要領で模様みたいにできるこれを、数個買っていこう。
あとはノート類も……西洋風な、魔法書のようなデザインのも沢山でてるから、多めに。
それらを会計し、待たせてる鶴の元へ。
『すまん、待たせた』
「問題ない。いろいろ見れたしな」
満足そうにしてる鶴は、俺から荷物を奪うと「この後はどうする?」と聞いてくる。
『持てるのに…』
「紙類を結構買っていたろう、そのうち疲れるぞ。俺が疲れたら交代してくれればいいさ」
『むー…』
「それで?」
『そうだなー……あ、じゃあ喫茶店でも行ってお茶しようか』
そう言って、駅に戻る道を歩いていくと、レトロな雰囲気の喫茶店が出てくる。
『ここ、おススメなんだ』
「へぇ、洋風というのか、落ち着いた感じだな」
『レトロ風ともいう』
中へ入り、席に案内してもらうと、メニューを開く。
『鶴は何にする?抹茶ミルクもほうじ茶ラテもあるけど、コーヒーや紅茶もあるよ。あとケーキとかも』
「こーひー、というと、よく柳が飲んでるやつか」
『そそ。ブラックのままだと苦いけど、砂糖とか入れて甘くしたり、ミルク入れてまろやかにしたりもできるけど』
「……こーひーだけでも種類が多いな」
『そやね、いろんな豆あるくらいだし…コーヒー興味あっても、苦いの苦手なら、カフェラテとかにしてみる?ミルク入りのだから、まろやかではあるけど』
「ならそれにしよう」
『ん。ケーキとかは大丈夫?』
「どれがいいかわからなくてな…」
『んじゃ俺が好きなやつ二つ注文して、一緒に食べるか』
「あぁ、任せる」
『すいませーん』と店員を呼び、ケーキセット二つを注文する。
一つはカフェラテアイスとアップルパイ。
もう一つはミルクティーとガトーショコラ。
注文し終わり、待ってる間に皆のお土産どうするかなど話していた。
「お待たせしました」と、しばらくして来たケーキと飲み物。
鶴は初カフェラテのアイスを飲んで、ケーキを食べてみて、目を輝かせていた。
お気に召したようでよかった。
俺のガトーショコラも気に入ったようでよかった。
『……そういえば、鶴さ』
「ん?」
『初誉のご褒美というか、お願いとか、なんもないのか?最近来た人らは別として、陸奥や薬研、初期組なんかは何かしらやったけど、鶴はしてないだろ』
「あー……あるにはあるが…」
『お、なんだなんだ?』
わくわくと答えを待つ俺。
鶴は一口カフェラテを飲むと口を開いた。
「その…アオの作る装飾品作りを、教えてくれないか…?」
意外な答えで驚きました、まる。