龍神が審神者になりました?
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――アオside――
おはこんにちわこんばんわ!
アオです!
あの検非違使許さない事件(違)から一週間!
早いね!
え、なんでそんなにテンション高いか?
ふふふ…今日は桃先輩と陽と女子会(?)なんです!
もう楽しみで!
ただ、まだ万屋街でも注目浴びるので、桃先輩の本丸で、ということです。
ゆっくり買い物などは、もうちょい落ち着いたらに。
『えーと、手土産よし、服装良し、懐に厚よし!』
「俺らもよーし」
『うん、蛍も清光も良し!んじゃ行ってきます!』
「桃さんのところなら安心だね」
「でも何かあれば連絡してきなよ」
「あと、おしとやかにね」
『歌仙のそれは保証できん…行ってきまーす!』
ゲートを潜り、桃先輩の勝手口につくと、桃先輩とこの長谷部さんが居た。
「アオ殿、お待ちしてました」
『こんにちは、長谷部さん。お迎えありがとうございます』
「いえ、主命とあらば。陽殿は先にお着きになってます。こちらへ」
『あ、陽もうきてるのか…すみません、遅れて』
「いや、陽殿は主に、少し早めに来てほしいと言われてたんですよ。なので大丈夫ですよ。それにアオ殿もお早く、約束より着いておられる」
『いやぁ…もう約束した日から楽しみ過ぎて!昨日もわくわくして!』
「アオずっとそわそわしてたもんねー」
話しながら客間に通してもらうと、陽と桃先輩でいろいろ用意していた。
「あらぁ!アオちゃんいらっしゃい!」
「アオ、こんにちは」
『桃先輩、陽、こんにちは!今日はお招きありがとうございます!』
「いいのよ~ときどき陽ちゃんとおしゃべりの女子会もしてたんだけど、アオちゃんも増えて私も嬉しいのよ!」
『やったね!あ、これ、良かったら皆さんでどうぞ』
「あらあら!わざわざありがとう!長谷部ちゃん、みんなのおやつに出してあげて!」
「承知しました。アオ殿、ありがとうございます」
『いえいえ!今度来るときは何か手作りしてみますね!』
手土産のおかしを桃先輩に渡し、さっそく女子会を始める。
並べられてるお菓子たちは、桃先輩と陽が手作りしたと言うではないですか。
もうにやけが止まらん。
万屋街のおすすめの店を教えてもらったりなんやかんや話す。
そして、落ち着いたころに最近の話も。
「なるほど、加州君はブラ本からの引き取りだったのねぇ」
「とてもそうには見えませんでした」
『ほんと?それだけ清光がうちに慣れてくれたってことかな』
「アオと居ると、落ち込んでいられないからね」
「ふふ、なんとなく、わかります。そんな暇与えてくれないですよね」
「そー!」
「いいじゃない!それで吹っ切れるなら、いくらでも振り回さるのがちょうどいいわよ」
「まぁ…確かに。大将と居て退屈しないな」
「うんうん、大変だけど」
『君ら俺をトラブルメイカーと思ってないか』
「「「じゃじゃ馬かと」」」
『泣くぞ…』
皆に笑われるが、まぁ笑顔になってくれるのはいいことだ。
清光も、もう落ち込んでる様子ないしね。
「今でも、時々夢は見るよ。でも、起きたてが少し悲しいくらいで、ほんと、何もないんだ」
「いいことよ。どうしても時間かかる子はいるもの。でも、加州君のその経験が、誰かの役に立つ日がきっとくるわ」
「はい、加州さんはその経験を、必要としてる方へ伝えてあげてください」
「うん、ありがとう」
『先輩方が優しくて目から水が…』
「大将…」
清光成長したね…お母さん嬉しい…!(違)
「お茶のお代わり、お持ちしまシタヨ」
「あら、村正。ありがとう」
「huhuhu…ココの本丸も、加州サンのように、ブラックから引き取った刀剣、政府の刀と、いろいろ居ますよ」
『え、桃先輩えらい。素敵』
「やだぁ~恥ずかしいわ!…私ね、アカデミーに通いながら、カウンセラーの資格取ったのよ。刀剣も審神者も、こんなオカマでも話は聞いてあげられるから」
「素敵ですね…」
「立ち直れず、審神者をやめた子も居るし、刀解を選んだ子も居る…あぁ、助けれなかった、と。諦めようと、ちょうど悩んでたの」
『ん?なうで悩んでる?』
「いいえ。神から、アオちゃんのあの話聞いて、そして、あの日アオちゃんに出会って、諦める事を諦めたの」
「では、これからもカウンセラーとして?」
「えぇ。それで、アオちゃんにお願いがあるの」
『ん??』
「保護本丸。始動したら、私も手伝わせてほしいの」
『まさかの就職希望者?』
いや違うけど、嬉しいけど…。
「ある意味就職希望かしらね!」
『いや俺としては嬉しいけど、桃先輩はいいの?いろんな刀剣も、審神者も…話聞いて、疲れること増えると思うよ?』
「もちろん、私のペースでやるし、息抜きもするわ。それに、ここに居る引き取った刀剣達も、話し相手になれるしね」
「アオ、私もお手伝いさせてください」
『まさかの陽も』
「私は治癒術しか使えないし、それ以外で、何か出来ることがあるか、何もわかりません…でも、何かお手伝いしたいんです。それに、疲れた時は桃さん達皆さんの話し相手になることもできます」
まだ正式に決まったわけでもないのに、二人はここちゃんと同じく、手伝いたいと言ってくれて…。
嬉しくないわけがない。
『…わかった。でも、まだどうなるかわからんから、いろいろ決まった時、改めてお願いするかも』
「えぇ、それでいいわ!」
「はい!」
『ありがとう』
「アオちゃんがお礼いうことないわ。むしろ、私に希望持たせてくれて、ありがとう」
「私もです、アオ」
「神や神楽が審神者をしてたら、きっとアオちゃんと同じことしてると思う。でも、二人は今政府のトップ。簡単に刀剣を保護できないから、きっと今ある制度を作ったんだと思うわ」
『今ある制度…』
「刀解許可制ですね。勝手に刀解してはいけない制度です。だから、政府に刀剣が多く居るのです」
『…役員が鍛刀した以外の刀剣、いっぱいいるんだね…』
「えぇ…なんとかしたくて、私も引き取ってはいたんだけどね…アオちゃんの発想までは出なかったわ」
「そうですね…自分の刀剣として迎える…くらいしか、浮かびませんでした…」
『俺も夢見てなかったらやろうと思えてたかわからんよー』
そう、俺が夢を視たから考え付いたこと。
視ていなかったら、やっていたかわからない。
「huhuhu…アオサンは凄いデスね」
『ん?』
「アナタは未来を視ることができマス。ですが、その未来を視たから、やるという風にも見えません。アナタが最終的に決めた、違いマスか?」
『んー…まぁそうだけどさ、きっかけが予知だったからなぁ……でも、やりたいことには、変わりないよ』
「素敵ね」
「はい、アオらしくもあります」
陽に言われて悪い気はしないね!
いろんな話をしていると、あっという間に夕方。
今日はお開きにして、次回するときはここちゃんも呼びたいねとなった。
今回は用事があったらしく、参加できなかったらしいから。
俺と陽はそれぞれ本丸に戻る。
俺は遠征組の報告書を確認し、不動がすでに数を数えてメモを取ってくれていた。
夕餉も終わり、会議も済ませ、俺は執務室で今日の報告書を作成し、柚兄に送り、今日のことを日記にする。
清光も元気になってよかったし、桃先輩のとこの刀剣も幸せそうでよかった。
転生したって話聞いた時は、辛くなかったのかなと心配したが、もう吹っ切れたそうだ。
それに、村正さんや何振りかは、政府で働いていたらしい。
国広と同じやね。
やから、また自分の刀剣になってくれたみたいだ。
桃先輩を支えてくれる仲間が居て、よかった。
ほんとに優しい世界。
優しくない部分もあるけど、それでも、優しい、温かい世界で。
こういう優しい世界があるのは嬉しいし、守りたいとなる。
『保護本丸…上手くいけばいいな…』
一人でも多くの審神者が、一振りでも多くの刀剣が。
辛くないよう、頑張りたい。
「アオーここまた間違えってぞー」
『もうほんとすみません不動様……』
数字はダメダメですが…!
あ、あのウッドレジン、今いる皆の分渡したら、みんな喜んでくれた。
伽羅とか素直じゃない組も、誉桜散らしてたから丸わかりでした。
それぞれ鞘につけたり、結い紐としてつかったり、首飾りとして使ったりと、様々でした。
やな兄はあれから髪を結われるようになったらしいし、良きかな良きかな。
柚兄もたまに結い紐として使ってるみたい。
嬉しいね。
そんなこんなでもうすぐ夏になります(早)
あの襲撃事件からだいぶ経ち、まあ変わらず目立ってはいるんだけど、万屋街をゆっくり散策できるくらいにはなった。
てかね、びっくりしたの。
夜桜組の風華ちゃん、どっかでまた店するとは聞いてたよ?
でもさ、まさか万屋街でするなんて思わんやん。
ここちゃん含めた女子会の時、その店行って発覚…。
なんか驚かせ負けをした気分です。
あ、ここちゃんといえば、この夏無事アカデミーを卒業し、本丸を本格始動しました。
俺もだけど、ここちゃんところも刀剣が増えてにぎやかです。
更にさらに、準備期間として、本当に会議で決まったらしい…。
神と神楽、圧掛けしたんじゃないよな…。
なので、やな兄と陽、夏先輩とで分担ですることに。
ただ陽には、桃先輩のサポートもお願いしたいので、全体のサポートとしてお手伝いをお願いしました。
桃先輩は保護本丸含めカウンセラーとしてやってもらうことに。
ナオ先輩やナギ先輩も手伝ってくれるけど、やな兄や夏先輩と同じように、戦闘系をメインでしながら手伝ってもらう事に。
元は俺がメインで保護本丸しようとしてたから、まあ数が増えたら、管理の手伝いをお願いしてく感じやね。
なので、今俺は資料作りを毎日してます。
ちなみに。
次郎太刀、乱藤四郎、蜂須賀虎徹、堀川国広、和泉守兼定、今剣、へし切長谷部が増えました。
早くて主本人もびっくり。
しかも初期組や成長早い子は練度80いってんの。
え、俺いつの間にかブラック化したの?てくらい、一部早いの。
平均は60くらいだけど。
審神者コワいデス。
給金も増えて、不動が計算して、宗三達と一緒にみんなに配ってくれてるから、みんなも万屋街に行ったら買い物したりしてます。
てか長谷部が忠犬とか言われる理由、主わかった。
めっっっっちゃ世話してきたり、手伝いしようとすんの。
いやここのやり方は、近侍と補佐でやるから、主お世話係なんていらんの…。
なのに主命はありますか、って…ため息しかでん…。
なので、不動と一緒に経理任せてます。
宗三も居るし、元織田組やし任せた。
そして俺は今悩んでいる。
『んー…今年のやな兄と柚兄の誕プレなにしよう…』
そう、あの二人、夏生まれなの。
やから誕プレ悩んでんの。
え、資料作り?
それはちょいと横に置いといて…。
「アオが選んだものならなんでも喜びそうだがなあ」
「ほおじゃのお」
『それでも悩むわー』
近侍の鶴、報告書持ってきた陸奥とダラーと会議。
あ、今は一応休憩中です。
『こないだウッドレジンあげたし…昨年はやな兄にはお香あげたし、柚兄にはネクタイあげたし…』
「二人の好きなギョーザはどないが?」
『いや割とやってるからさ。喜びそうやけど』
「じゃあ花とか?」
『本丸に沢山ありますがな』
「だよなあ」
『んー…どうしよー』
「厚や小夜、来派に聞いてみたらどないがか?」
『その心は?』
「柚や柳の刀剣に連絡入れてなにか欲しそうなものないか探る」
『それ採用』
「ほいたら呼んでくるきの」
陸奥が呼びに行ってる間に、鶴が新しいお茶を淹れてくれる。
『ありがとう』
「いや。アオでも二人の贈り物には悩むんだな。パッと決めれそうなのに」
『あー昔はいろいろしたよ。ここ数年は考えて送ってるけど』
「今まで何を贈ったんだい?」
『えーと、お香やネクタイ、服一着を何回かと、似合いそうなアクセサリーとか』
「つまり一通りやったってことだな」
「お、厚たち来たか」
「陸奥守はんに聞きましたわ、厚がさっき向こうの山姥切にメールしたんで返事待ってみましょ」
『仕事が早い厚…』
「柚の方は何か心当たりはないのかい?」
「一応あっちの厚にメール入れたけど、俺らが居た頃どうだったかな…」
うーんと来派も悩んでる中、蛍丸と小夜がおやつを持ってきてくれた。
今日はドーナツらしく、俺がコロコロしたやつ好きだから、それを多めに持ってきてくれた。
皆で食べながら会議する。
「新しいペン買わなきゃとか、メモ帳も買わなきゃ、とか言うとりましたけど」
「事務用品だから、政府でなんとかなるんだよねぇ」
『ふーむ…なんかないかな…欲しそうにしてるものもなかった?』
「欲しそうなものなぁ…」
「強いて言うんやったら、アオはんや柳はんとの時間でしたなぁ」
「時間?」
「小さい時あんまりゆっくりできなかったから、三人で出かけたりしたかったんだと、たまに昔の話聞かせてくれたから」
『ふーーーむ……』
「夜桜組の人たちには、相談したんですか…?」
『風雅にしてみたら、やな兄の欲しいの、風雅にしか用意できないやつだったんだよなぁ…柚兄はあんまり欲しいの言わないし…』
「それは悩むね」
皆でうーんと悩んでると、風雅から電話がきた。
〈アオー〉
『は~い…』
〈なんやめちゃ落ちこんどる…?〉
『いや、二人の誕プレが決まらんで悩んでる…』
〈あぁ………一つ提案あるんやけど〉
『ん?』
〈あの二人、夜桜組の動画見とるんよ、俺らがしとるって気づいとらん〉
『うそん。そりゃ声だけとか、変装してるけど、気づいてないん』
〈そんまま夜桜組にしとると思っとらんみたいでの。前に好きな動画アップしてるグループが居るいうてて、なんか夜桜組で親近感もあって好きらしいんや〉
『マジかまさかのファン』
〈での。誕生日まで時間あるじゃろ?〉
『うん』
〈アップした動画の曲カバーがほとんどやけど、それをCDにしてあげたらどうやろか、と〉
『ふぁっ』
〈なんやその驚き方は…動画やと聞くん大変やろ、リンゴ会社みたいなアプリにも出しとらんし。やからどないかとの〉
『間に合うかなそれ…』
〈お前さん次第〉
考えてみる―と言い、一度電話を切り、相談に乗ってくれてた皆に話すと、鶴以外の政府にいた組が反応した。
まさか君ら…。
『知ってる系ですね君ら』
「あの夜桜組、そんまま夜桜組でしてたのか!」
「よく柚が聞かせてくれたし見せてもらってたから、俺も大好きなんだ!」
「ね、よく踊ってみたの見て国俊と真似してた」
「何か有名なことなのかい?」
「鶴丸さん、これです…」
と、小夜は鶴に動画を見せ始める。
『お小夜、君登録してたのか…』
「はい…僕も、好きです、から…宗三兄さまも、気に入ってくれました」
『まさかの宗三も』
「そうそう!薬研たちもな!」
『まさかのほとんどがファン』
「これは驚きだ、すごいじゃないかアオ。歌も綺麗だし、アオと分からないな」
『俺以外も歌ってるけどね…歌うとなんか声の出し方?で声変わる感じなのかな…友達ともカラオケ行ったら声変わる言われたし』
「アオはん、風雅はんの言うように、二人の贈り物CDにしたらどないです?これなら間違いもなにもないですし」
『間に合うかなんよなー…』
「出来るだけでいいと思うぞ?どれくらいあるか知らないが」
俺はまだうーんと悩みつつも、おやつ休憩が終わったため、いったん仕事に戻ったのだった。
おはこんにちわこんばんわ!
アオです!
あの検非違使許さない事件(違)から一週間!
早いね!
え、なんでそんなにテンション高いか?
ふふふ…今日は桃先輩と陽と女子会(?)なんです!
もう楽しみで!
ただ、まだ万屋街でも注目浴びるので、桃先輩の本丸で、ということです。
ゆっくり買い物などは、もうちょい落ち着いたらに。
『えーと、手土産よし、服装良し、懐に厚よし!』
「俺らもよーし」
『うん、蛍も清光も良し!んじゃ行ってきます!』
「桃さんのところなら安心だね」
「でも何かあれば連絡してきなよ」
「あと、おしとやかにね」
『歌仙のそれは保証できん…行ってきまーす!』
ゲートを潜り、桃先輩の勝手口につくと、桃先輩とこの長谷部さんが居た。
「アオ殿、お待ちしてました」
『こんにちは、長谷部さん。お迎えありがとうございます』
「いえ、主命とあらば。陽殿は先にお着きになってます。こちらへ」
『あ、陽もうきてるのか…すみません、遅れて』
「いや、陽殿は主に、少し早めに来てほしいと言われてたんですよ。なので大丈夫ですよ。それにアオ殿もお早く、約束より着いておられる」
『いやぁ…もう約束した日から楽しみ過ぎて!昨日もわくわくして!』
「アオずっとそわそわしてたもんねー」
話しながら客間に通してもらうと、陽と桃先輩でいろいろ用意していた。
「あらぁ!アオちゃんいらっしゃい!」
「アオ、こんにちは」
『桃先輩、陽、こんにちは!今日はお招きありがとうございます!』
「いいのよ~ときどき陽ちゃんとおしゃべりの女子会もしてたんだけど、アオちゃんも増えて私も嬉しいのよ!」
『やったね!あ、これ、良かったら皆さんでどうぞ』
「あらあら!わざわざありがとう!長谷部ちゃん、みんなのおやつに出してあげて!」
「承知しました。アオ殿、ありがとうございます」
『いえいえ!今度来るときは何か手作りしてみますね!』
手土産のおかしを桃先輩に渡し、さっそく女子会を始める。
並べられてるお菓子たちは、桃先輩と陽が手作りしたと言うではないですか。
もうにやけが止まらん。
万屋街のおすすめの店を教えてもらったりなんやかんや話す。
そして、落ち着いたころに最近の話も。
「なるほど、加州君はブラ本からの引き取りだったのねぇ」
「とてもそうには見えませんでした」
『ほんと?それだけ清光がうちに慣れてくれたってことかな』
「アオと居ると、落ち込んでいられないからね」
「ふふ、なんとなく、わかります。そんな暇与えてくれないですよね」
「そー!」
「いいじゃない!それで吹っ切れるなら、いくらでも振り回さるのがちょうどいいわよ」
「まぁ…確かに。大将と居て退屈しないな」
「うんうん、大変だけど」
『君ら俺をトラブルメイカーと思ってないか』
「「「じゃじゃ馬かと」」」
『泣くぞ…』
皆に笑われるが、まぁ笑顔になってくれるのはいいことだ。
清光も、もう落ち込んでる様子ないしね。
「今でも、時々夢は見るよ。でも、起きたてが少し悲しいくらいで、ほんと、何もないんだ」
「いいことよ。どうしても時間かかる子はいるもの。でも、加州君のその経験が、誰かの役に立つ日がきっとくるわ」
「はい、加州さんはその経験を、必要としてる方へ伝えてあげてください」
「うん、ありがとう」
『先輩方が優しくて目から水が…』
「大将…」
清光成長したね…お母さん嬉しい…!(違)
「お茶のお代わり、お持ちしまシタヨ」
「あら、村正。ありがとう」
「huhuhu…ココの本丸も、加州サンのように、ブラックから引き取った刀剣、政府の刀と、いろいろ居ますよ」
『え、桃先輩えらい。素敵』
「やだぁ~恥ずかしいわ!…私ね、アカデミーに通いながら、カウンセラーの資格取ったのよ。刀剣も審神者も、こんなオカマでも話は聞いてあげられるから」
「素敵ですね…」
「立ち直れず、審神者をやめた子も居るし、刀解を選んだ子も居る…あぁ、助けれなかった、と。諦めようと、ちょうど悩んでたの」
『ん?なうで悩んでる?』
「いいえ。神から、アオちゃんのあの話聞いて、そして、あの日アオちゃんに出会って、諦める事を諦めたの」
「では、これからもカウンセラーとして?」
「えぇ。それで、アオちゃんにお願いがあるの」
『ん??』
「保護本丸。始動したら、私も手伝わせてほしいの」
『まさかの就職希望者?』
いや違うけど、嬉しいけど…。
「ある意味就職希望かしらね!」
『いや俺としては嬉しいけど、桃先輩はいいの?いろんな刀剣も、審神者も…話聞いて、疲れること増えると思うよ?』
「もちろん、私のペースでやるし、息抜きもするわ。それに、ここに居る引き取った刀剣達も、話し相手になれるしね」
「アオ、私もお手伝いさせてください」
『まさかの陽も』
「私は治癒術しか使えないし、それ以外で、何か出来ることがあるか、何もわかりません…でも、何かお手伝いしたいんです。それに、疲れた時は桃さん達皆さんの話し相手になることもできます」
まだ正式に決まったわけでもないのに、二人はここちゃんと同じく、手伝いたいと言ってくれて…。
嬉しくないわけがない。
『…わかった。でも、まだどうなるかわからんから、いろいろ決まった時、改めてお願いするかも』
「えぇ、それでいいわ!」
「はい!」
『ありがとう』
「アオちゃんがお礼いうことないわ。むしろ、私に希望持たせてくれて、ありがとう」
「私もです、アオ」
「神や神楽が審神者をしてたら、きっとアオちゃんと同じことしてると思う。でも、二人は今政府のトップ。簡単に刀剣を保護できないから、きっと今ある制度を作ったんだと思うわ」
『今ある制度…』
「刀解許可制ですね。勝手に刀解してはいけない制度です。だから、政府に刀剣が多く居るのです」
『…役員が鍛刀した以外の刀剣、いっぱいいるんだね…』
「えぇ…なんとかしたくて、私も引き取ってはいたんだけどね…アオちゃんの発想までは出なかったわ」
「そうですね…自分の刀剣として迎える…くらいしか、浮かびませんでした…」
『俺も夢見てなかったらやろうと思えてたかわからんよー』
そう、俺が夢を視たから考え付いたこと。
視ていなかったら、やっていたかわからない。
「huhuhu…アオサンは凄いデスね」
『ん?』
「アナタは未来を視ることができマス。ですが、その未来を視たから、やるという風にも見えません。アナタが最終的に決めた、違いマスか?」
『んー…まぁそうだけどさ、きっかけが予知だったからなぁ……でも、やりたいことには、変わりないよ』
「素敵ね」
「はい、アオらしくもあります」
陽に言われて悪い気はしないね!
いろんな話をしていると、あっという間に夕方。
今日はお開きにして、次回するときはここちゃんも呼びたいねとなった。
今回は用事があったらしく、参加できなかったらしいから。
俺と陽はそれぞれ本丸に戻る。
俺は遠征組の報告書を確認し、不動がすでに数を数えてメモを取ってくれていた。
夕餉も終わり、会議も済ませ、俺は執務室で今日の報告書を作成し、柚兄に送り、今日のことを日記にする。
清光も元気になってよかったし、桃先輩のとこの刀剣も幸せそうでよかった。
転生したって話聞いた時は、辛くなかったのかなと心配したが、もう吹っ切れたそうだ。
それに、村正さんや何振りかは、政府で働いていたらしい。
国広と同じやね。
やから、また自分の刀剣になってくれたみたいだ。
桃先輩を支えてくれる仲間が居て、よかった。
ほんとに優しい世界。
優しくない部分もあるけど、それでも、優しい、温かい世界で。
こういう優しい世界があるのは嬉しいし、守りたいとなる。
『保護本丸…上手くいけばいいな…』
一人でも多くの審神者が、一振りでも多くの刀剣が。
辛くないよう、頑張りたい。
「アオーここまた間違えってぞー」
『もうほんとすみません不動様……』
数字はダメダメですが…!
あ、あのウッドレジン、今いる皆の分渡したら、みんな喜んでくれた。
伽羅とか素直じゃない組も、誉桜散らしてたから丸わかりでした。
それぞれ鞘につけたり、結い紐としてつかったり、首飾りとして使ったりと、様々でした。
やな兄はあれから髪を結われるようになったらしいし、良きかな良きかな。
柚兄もたまに結い紐として使ってるみたい。
嬉しいね。
そんなこんなでもうすぐ夏になります(早)
あの襲撃事件からだいぶ経ち、まあ変わらず目立ってはいるんだけど、万屋街をゆっくり散策できるくらいにはなった。
てかね、びっくりしたの。
夜桜組の風華ちゃん、どっかでまた店するとは聞いてたよ?
でもさ、まさか万屋街でするなんて思わんやん。
ここちゃん含めた女子会の時、その店行って発覚…。
なんか驚かせ負けをした気分です。
あ、ここちゃんといえば、この夏無事アカデミーを卒業し、本丸を本格始動しました。
俺もだけど、ここちゃんところも刀剣が増えてにぎやかです。
更にさらに、準備期間として、本当に会議で決まったらしい…。
神と神楽、圧掛けしたんじゃないよな…。
なので、やな兄と陽、夏先輩とで分担ですることに。
ただ陽には、桃先輩のサポートもお願いしたいので、全体のサポートとしてお手伝いをお願いしました。
桃先輩は保護本丸含めカウンセラーとしてやってもらうことに。
ナオ先輩やナギ先輩も手伝ってくれるけど、やな兄や夏先輩と同じように、戦闘系をメインでしながら手伝ってもらう事に。
元は俺がメインで保護本丸しようとしてたから、まあ数が増えたら、管理の手伝いをお願いしてく感じやね。
なので、今俺は資料作りを毎日してます。
ちなみに。
次郎太刀、乱藤四郎、蜂須賀虎徹、堀川国広、和泉守兼定、今剣、へし切長谷部が増えました。
早くて主本人もびっくり。
しかも初期組や成長早い子は練度80いってんの。
え、俺いつの間にかブラック化したの?てくらい、一部早いの。
平均は60くらいだけど。
審神者コワいデス。
給金も増えて、不動が計算して、宗三達と一緒にみんなに配ってくれてるから、みんなも万屋街に行ったら買い物したりしてます。
てか長谷部が忠犬とか言われる理由、主わかった。
めっっっっちゃ世話してきたり、手伝いしようとすんの。
いやここのやり方は、近侍と補佐でやるから、主お世話係なんていらんの…。
なのに主命はありますか、って…ため息しかでん…。
なので、不動と一緒に経理任せてます。
宗三も居るし、元織田組やし任せた。
そして俺は今悩んでいる。
『んー…今年のやな兄と柚兄の誕プレなにしよう…』
そう、あの二人、夏生まれなの。
やから誕プレ悩んでんの。
え、資料作り?
それはちょいと横に置いといて…。
「アオが選んだものならなんでも喜びそうだがなあ」
「ほおじゃのお」
『それでも悩むわー』
近侍の鶴、報告書持ってきた陸奥とダラーと会議。
あ、今は一応休憩中です。
『こないだウッドレジンあげたし…昨年はやな兄にはお香あげたし、柚兄にはネクタイあげたし…』
「二人の好きなギョーザはどないが?」
『いや割とやってるからさ。喜びそうやけど』
「じゃあ花とか?」
『本丸に沢山ありますがな』
「だよなあ」
『んー…どうしよー』
「厚や小夜、来派に聞いてみたらどないがか?」
『その心は?』
「柚や柳の刀剣に連絡入れてなにか欲しそうなものないか探る」
『それ採用』
「ほいたら呼んでくるきの」
陸奥が呼びに行ってる間に、鶴が新しいお茶を淹れてくれる。
『ありがとう』
「いや。アオでも二人の贈り物には悩むんだな。パッと決めれそうなのに」
『あー昔はいろいろしたよ。ここ数年は考えて送ってるけど』
「今まで何を贈ったんだい?」
『えーと、お香やネクタイ、服一着を何回かと、似合いそうなアクセサリーとか』
「つまり一通りやったってことだな」
「お、厚たち来たか」
「陸奥守はんに聞きましたわ、厚がさっき向こうの山姥切にメールしたんで返事待ってみましょ」
『仕事が早い厚…』
「柚の方は何か心当たりはないのかい?」
「一応あっちの厚にメール入れたけど、俺らが居た頃どうだったかな…」
うーんと来派も悩んでる中、蛍丸と小夜がおやつを持ってきてくれた。
今日はドーナツらしく、俺がコロコロしたやつ好きだから、それを多めに持ってきてくれた。
皆で食べながら会議する。
「新しいペン買わなきゃとか、メモ帳も買わなきゃ、とか言うとりましたけど」
「事務用品だから、政府でなんとかなるんだよねぇ」
『ふーむ…なんかないかな…欲しそうにしてるものもなかった?』
「欲しそうなものなぁ…」
「強いて言うんやったら、アオはんや柳はんとの時間でしたなぁ」
「時間?」
「小さい時あんまりゆっくりできなかったから、三人で出かけたりしたかったんだと、たまに昔の話聞かせてくれたから」
『ふーーーむ……』
「夜桜組の人たちには、相談したんですか…?」
『風雅にしてみたら、やな兄の欲しいの、風雅にしか用意できないやつだったんだよなぁ…柚兄はあんまり欲しいの言わないし…』
「それは悩むね」
皆でうーんと悩んでると、風雅から電話がきた。
〈アオー〉
『は~い…』
〈なんやめちゃ落ちこんどる…?〉
『いや、二人の誕プレが決まらんで悩んでる…』
〈あぁ………一つ提案あるんやけど〉
『ん?』
〈あの二人、夜桜組の動画見とるんよ、俺らがしとるって気づいとらん〉
『うそん。そりゃ声だけとか、変装してるけど、気づいてないん』
〈そんまま夜桜組にしとると思っとらんみたいでの。前に好きな動画アップしてるグループが居るいうてて、なんか夜桜組で親近感もあって好きらしいんや〉
『マジかまさかのファン』
〈での。誕生日まで時間あるじゃろ?〉
『うん』
〈アップした動画の曲カバーがほとんどやけど、それをCDにしてあげたらどうやろか、と〉
『ふぁっ』
〈なんやその驚き方は…動画やと聞くん大変やろ、リンゴ会社みたいなアプリにも出しとらんし。やからどないかとの〉
『間に合うかなそれ…』
〈お前さん次第〉
考えてみる―と言い、一度電話を切り、相談に乗ってくれてた皆に話すと、鶴以外の政府にいた組が反応した。
まさか君ら…。
『知ってる系ですね君ら』
「あの夜桜組、そんまま夜桜組でしてたのか!」
「よく柚が聞かせてくれたし見せてもらってたから、俺も大好きなんだ!」
「ね、よく踊ってみたの見て国俊と真似してた」
「何か有名なことなのかい?」
「鶴丸さん、これです…」
と、小夜は鶴に動画を見せ始める。
『お小夜、君登録してたのか…』
「はい…僕も、好きです、から…宗三兄さまも、気に入ってくれました」
『まさかの宗三も』
「そうそう!薬研たちもな!」
『まさかのほとんどがファン』
「これは驚きだ、すごいじゃないかアオ。歌も綺麗だし、アオと分からないな」
『俺以外も歌ってるけどね…歌うとなんか声の出し方?で声変わる感じなのかな…友達ともカラオケ行ったら声変わる言われたし』
「アオはん、風雅はんの言うように、二人の贈り物CDにしたらどないです?これなら間違いもなにもないですし」
『間に合うかなんよなー…』
「出来るだけでいいと思うぞ?どれくらいあるか知らないが」
俺はまだうーんと悩みつつも、おやつ休憩が終わったため、いったん仕事に戻ったのだった。