龍神が審神者になりました?
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――アオside――
『魂で人の死を分かってしまう…?』
「うん。全部の魂が同じに見えるんだけど、こう…球体に水が入っててキラキラしてる感じかな。その光かたや水の減り方で、その人の残り寿命が分かってしまうんだ」
『あ、色が見えるとかじゃないんだ』
「色ではないよー縁もただキラキラした糸が見えるだけ。ただ強い繋がりがある人のは色付いて見えるけど」
「その才能は最初凄いと言われたんだが、だんだん気味悪がられるようになってな。だから実家ではなくアカデミーの寮で生活してたんだ」
『じゃあご家族との連絡とかは…』
「あっちが俺を嫌ってるから、してないよ。俺も今のが平和だし」
『そっか…普段から見えるの?』
「見えるらしいから、この伊達眼鏡で見えないようにしてるらしいわ。神が作ってくれたそうよ」
「この前一つ壊したから、これは予備だけどね。自力で抑える事はできるんだけど、疲れやすいからさ」
「あぁそうだ。アオに念を込めてもらおうと思って忘れてた」
『忘れてたんかい…てかたまに送ってきてた眼鏡の依頼ってナオ先輩のだったんだな』
「え、アオが作ってたの?」
「眼鏡だけ政府でな。念自体はアオに任せてた。つか俺は念使えないからな」
「そうだったんだ…アオありがとう」
『いやいや、知らずにやってたからなんか申し訳ない…』
まさかの事実が判明し、とりあえず今度から真面目にしようと思ったのは内緒。
いや、ちゃんとしてたよ?
してたけど事情を知ってるのと知らないのとでは気持ちの入りようも違うからね、うん。
その後も話をしててわかったのは、ナギ先輩は陰陽師らしく術がメイン、接近も出来るが、基本術での後衛らしい。
ナオ先輩と桃先輩はどれも出来るらしいが、桃先輩は術はあまり得意ではないそうだ。
何このお三方バランス取れてるな?
やり取りも息ピッタリ。
幼馴染パワー強し。
あ、それと、俺と陽の単独控えの件も話したら、先輩たちも協力してくれるらしく、いつでも連絡してくれと、連絡先の交換もしました。
あと本丸IDも。
俺のとこの勝手口登録は一度来てもらうことになり、陽達とはもともと仲もよかったから、すでに登録されてるそうだ。
『戦闘系の人って他にもいるの?』
「まぁ居るけど、メインがここに居るメンバーだな」
『メイン?』
「親のコネとかで戦闘系になった人もいるからねぇ」
「そーそー」
『あー…なるほど、それでメイン…』
「九重はまだだが、霊力や自衛は問題なさげだからな。もうちょいしたら登録できるだろ」
「そうなると八人しかいないってことですね」
「まあやりたくない人もいるからね、やりたくても条件に満たないとかの人もいる」
『霊力が基準を超えてるか、時空移動可能かとかか』
「一人は霊力基準ぎりぎりなんだが、自衛がな…」
ふむ、俺とは縁の無さそうな人たちだし、いいか。
「アオ、一応気をつけろよ。その一人は嫌がらせしてくるか、強いからお近づきになりたいやつだからな」
「俺ら全員一回は付きまとわれたしな」
『え、陽も?』
「そうですね…恋文届いたりしました…」
『ちょっとそいつどこに居やがる?』
「陽の接近禁止令出してるから安心しろ。破れば一家全員で無職になると言ってある」
『叩くときは俺も呼んでね、シバキ回す』
「陽ちゃんのことになると過激ね~」
「陽バカだからなぁ」
まあそんな話を聞きながら、とりあえず今日はお開き。
そのまま皆で万屋街に行き、のんびりさせてもらった。
…めっちゃ視線すごかったけど。
そんなこんなで、日が経ち、その間に桃先輩達三人も遊びに来て、勝手口の登録も出来た。
俺も許可が出たため、修行や戦に出ています。
あと時々ブラック本丸案件にも。
そして刀剣も増えてきた。
前田藤四郎、鯰尾藤四郎、平野藤四郎。
千子村正、大和守安定、太郎太刀。
いやあ…審神者始めて早三か月くらい?
刀剣も結構増えました。
やな兄達のところに比べたらまだまだやけども。
ここちゃん達ともグループチャット作ったんで、よく連絡し合ってます。
あ、ここちゃん戦闘系になりました。
自衛もだいぶできるようになったらしく、喜んでました。
大きくなったね…(ほろり)
あ、あと。
俺が女だと本丸にバレました…。
いやあ、面白かった。
歌仙には「雅に!おしとやかに!」と怒られるけど、いや無理無理。
ちゃんとしなきゃな時はするけど、俺これで通ってるからもう無理だね、うん。
なので半諦めモードになってくれました。
やったね!
あと書類関係、ここらへんは近侍や補佐が手伝ってくれてるけど、経理に関しては不動と平野が手伝ってくれてます。
時々宗三も手伝ってくれてます…ありがたや…。
宗三はお小夜と薬草や花壇の世話もしてるのに…。
薬研の医療の腕も上がり、ナナシからも褒められてるそうです。
小夜の世話してる薬草畑も、最初より大きくなり、本丸の活気もいい感じ。
あ!あと給金で新しいカメラとプリンター買いました。
プリンターは俺の部屋にしかないから、データがたまってきたらプリントしてます。
カメラは何台かあるけど、一つは宗三に。
お小夜のことはもちろん、なんだかんだ全体を取ってくれてます。
意外にもカメラを借りにくる人らが多くてびっくりした。
陸奥はわかってたけど、一眼借りに来た時は、ほんとに新しい現代の物に興味あるんだなぁと思いました。
最近の悩みとしては、鶴丸のいたずら…いや、これはデフォらしいから諦めてるけど。
村正の脱ぎたがりも困ってる…でも最近撃退法を見つけました、まさかの伽羅が。
『伽羅…どうやって村正から逃れたのさ…』
「…脱げばいいのか?と言って服に手をかけた」
『なんて???』
まさかの伽羅が…!
まぁそれが撃退した理由らしい。
「きゃ!破廉恥な~!」と言って逆に逃げたそうだ。
お前…脱ごうとしてる奴が破廉恥って…。
まぁ意外や意外…。
ただこれ、まさかの伽羅だから効いた気がするわ…。
まぁ平和な悩みに頭を痛めながらも、なんとか戦闘系審神者をしてます。
他にも、陸奥と清光は、初期刀仲間として、よく本丸をまとめてくれてる。
初期組を中心に、俺のことも話してくれてるし、皆連携上手いな?
おかげで俺は楽だけど。
〈アオ!〉
『!どうした』
〈検非違使だ!緊急帰還を!〉
最近の悩み。
検非違使が出てくるようになったこと。
俺は急いで緊急帰還のボタンを押し、手入れ部屋の準備を近侍の前田にお願いする。
ゲートに走ると、出陣していた光忠、村正、平野、太朗、五虎しか戻ってなかった。
『!鶴はどうした!』
「帰還中に、僕が襲われて、鶴丸さんが庇って…!」
モニターを見ると、検非違使からなんとか逃げながら耐えてる鶴が見えた。
『怪我の酷いやつから式神の手入れを受けろ、薬研!』
「怪我人はこっちで見る!」
「アオは鶴丸を!」
『任せた』
俺は急いでゲートで鶴の居る時代へ飛ぶ。
少し離れたところで鶴が追いつめられて崖から落ちそうになっている。
急いで向かってると、鶴の左腕が飛ぶ。
腕を、切り落とされた。
スピードを上げて検非違使を切り伏せる。
俺に気づくと攻撃してくるが、難なく躱し、すべての敵を切り伏せる。
鶴の鞘を拾い、傍に行く。
が。
「わっ、っく…」
鶴の居た崖が崩れ、落ちていく。
下は川だ。
俺は鶴の後を追い、一緒に落ちていく。
そのまま鶴の頭を抱きしめ、川に落ちた。
けっこう流されたな…。
流れが緩やかなところに出ると、何とか岸に上がる。
『つる、鶴!』
「ぁ…アオ…?君も、無茶、する…」
『しゃべるな、止血するから』
傷が一番ひどいところ、左腕の止血をする。
モニターを見れば映像がテレビが壊れてザーザーなるあれと同じ状態になっていた。
〈アオ!…!きこ…〉
『誰かいるか?』
〈!…!!〉
『通じないか…』
ふと、ポタっと頬に雨粒が当たる。
既に濡れてるがこれ以上濡れると鶴の体に障る。
簡単に止血すると、鶴を背負い、歩き出す。
森の中だけど、どこか雨を凌げる場所を探して。
「…アオ…捨て、おけ…」
『嫌だな』
「俺よ、り…君が…本丸に…」
『それ以上言うな。俺は俺の大事なものを捨てることはしない』
少し進むと、洞窟が見えた。
警戒しながら入るが、動物も人もいないようだった。
雨が当たらない奥まで入り、鶴を横たえる。
濡れてて申し訳ないが、俺の羽織を枕にし、鶴の羽織から腕を抜く。
そして傷の状態を改めて確認する。
今日の部隊で練度が高いのは鶴。
鶴の練度に合わせた検非違使が出てきて、苦戦したな。
太朗たちの育成のため、光忠も五虎もつけたけど、鶴のが上だ。
きっと庇ってできた傷ばかりだろう。
鶴の本体を手に取り、そちらに治癒術を施す。
肉体の方は腕があれば繋げれたけど、ないから直接本体を手入れする方がいい。
雨が止むまで時間かかりそうだ…。
そんなに時間が経ってないかもしれないし、結構経ったのかもしれない…夢中でしてたからわかんないけど。
鶴の様子を見れば、ゆっくりではあるが腕が再生してきていた。
ただ熱に魘されてるんだろう。
息が荒い。
薪があればいいんだけど、ないしな…。
ふと外を見ると、さっきより雨がマシになっていた。
モニターは…ダメか。
これどういう仕組みなんだろ…。
なんとか腕の再生ができるが、熱はまだ引かない。
腕も再生したとはいえ、しばらく休ませないとだ。
雨は…さっきよりも止んできてるな、よし。
俺は鶴を背負うと、俺らの羽織と、鶴の本体を持つ。
そして洞窟から出て、なんとかモニターが繋がる場所を探すため歩き出す。
携帯の電波と同じ感じなら、どこかに繋がる場所があるはずだ。
…いやほんとに携帯と同じかはわかんねぇけど。
それしか思いつかないもん…。
しばらく歩いても、モニターが回復する様子はない。
相変わらずざーざーと聞こえる。
周りをよく見ると、俺らが落ちたであろう崖の下に戻ってきていた。
川の流れは今は普通だ。
『そこに誰かいるか?厚?歌仙?』
〈ザーザー〉
『ダメか…』
またしばらく歩き出す。
すると、モニターに変化が。
〈―!〉
『!』
〈―!――!!〉
『誰かそこに』
いるか?と声を出す前に、検非違使が現れ、俺らに向かってくる。
俺は鶴を背負ったまま避け、桜華を抜く。
「っアオ…にげ…」
『ないよ』
「アオっ」
『もう家族を置いてかない。絶対だ』
鶴の安全が第一。
俺は走り出し、時々当たりそうになる刀を躱したり、受け止め弾きながら走る。
てか、いつも一部隊分なのに今回多いな?
二部隊分くらいは居るぞ。
逃げてるといつの間にか上に来ていたのか、下に川が見えた。
これ、さっきみたいに落ちないように、
『しないとっな!』
刀を弾き後ろに追いやられると、デジャヴ。
崖に追いつめられた。
『ちっ』
「たの、む…」
『捨てない』
「アオ…」
『譲らない』
一斉に襲い来る。
桜華の力を発動する寸前、いきなり敵が数体倒れた。
「アオ!鶴丸!無事か!」
『やな兄!?国広も!』
「主、こっちは俺らが抑える」
「任せた。アオ、怪我は」
『俺は全然…ただ鶴が…』
「重症か」
『今は全部治した。ただ、腕を切り落とされてから熱が…俺も本体に直接治癒術使ったし、それもあって熱が下がらない…』
「なるほどな…それで、朦朧としてるのか…薬研、聞こえるか」
〈あぁ!医務室の準備しておく!〉
〈緊急帰還押したが、反応が悪いのか発動しないんだっ〉
「こっちで今帰還要請押した、反応は」
〈あるんだけど許可を押しても反応がない〉
「こんのすけに調べてもらった方がいいかもな…そのまま現状維持、帰還したら鶴丸を急ぎ医務室」
やな兄の素早い指示で、モニターの向こうがバタバタとしいる。
『何がどうなって…』
「お前がこっちにきてから、もうあっちは夕方なんだよ。お前と連絡取れなくなって、さすがに困った小夜が俺に連絡してきた」
『優秀…』
「あほ。霊力が電波みたいな役割だから、それの影響もあるかもしれないから、様子を見てたんだが」
「時々音を拾ってはいたが、戦闘音が聞こえてきたからな。主がアオの本丸のゲートを使いここへきた」
『あれって俺以外も使えるのか』
「主と霊力が似てるから、使えたのかもな」
「国広、検非違使は」
「岩融たちが今終わらせた」
「うむ。アオよ、大丈夫か」
『すみみません、助かりました…』
「いいっていいって!鶴さんを守ってくれてありがとな!アオ!」
「でも心配したよ!無茶はダメだよ!」
『…鶴に、何度も捨てろ、置いて行けと言われた。でも俺はそれを良しとしなかった』
「…夜桜組、龍神の里のことか」
『そう。俺は逃がされた、神たちに連れられ。皆を置いて。もう置いていきたくなかった』
「…アオよ」
俺の前に岩融さんが膝をつくと、俺の頭を撫でる。
「その気持ちは嬉しい。だが、我らは刀剣、いつかは折れる」
『岩融さん…』
「折れるその日がきたら、審神者として、それを受け入れなければならない。辛いだろうが、それも審神者の役目よ」
「…お前が死んだら、残される刀剣は刀に戻り、新たな審神者の元に行くか、政府の刀になる。だが、それは神と神楽が上に居るから出来た制度だ」
『え…』
「昔は、刀解が当たり前だった。俺もそうなるはずだったが、神が引き取ってくれたから、今もここにいる」
「…俺らは、審神者で、刀剣の主であり、刀剣の命を握っている」
『…』
「でもなアオ、そういうものを大事にする気持ちなくさないでくれよ!」
「そうだよ!その気持ちがない審神者さんも多いから、大事にしてほしいな」
『…うん』
丁度桜が舞いだし、俺の本丸に帰還する。
そのまま医務室へダッシュして、薬研に手入れはできてるけど熱が下がらないことを知らせ、鶴を任せる。
俺は自室へ行き、シャワーを浴びる。
でもお湯のはずなのに、なんか冷たく感じた。
『…刀剣は、いつかは折れる…審神者で、主で、皆の命を預かってる……』
さっきの話がぐるぐる回る。
分かってたけど分かってなかったんだと、それがわかった。
じゃあこれからも、皆を大事にしながらも、諦めていかないといけないのか…。
…無理だな…。
慣れないだろうけど、慣れたくもないし、捨てたくない。
置いていきたくない。
俺の家族を、もう失いたくない。
『魂で人の死を分かってしまう…?』
「うん。全部の魂が同じに見えるんだけど、こう…球体に水が入っててキラキラしてる感じかな。その光かたや水の減り方で、その人の残り寿命が分かってしまうんだ」
『あ、色が見えるとかじゃないんだ』
「色ではないよー縁もただキラキラした糸が見えるだけ。ただ強い繋がりがある人のは色付いて見えるけど」
「その才能は最初凄いと言われたんだが、だんだん気味悪がられるようになってな。だから実家ではなくアカデミーの寮で生活してたんだ」
『じゃあご家族との連絡とかは…』
「あっちが俺を嫌ってるから、してないよ。俺も今のが平和だし」
『そっか…普段から見えるの?』
「見えるらしいから、この伊達眼鏡で見えないようにしてるらしいわ。神が作ってくれたそうよ」
「この前一つ壊したから、これは予備だけどね。自力で抑える事はできるんだけど、疲れやすいからさ」
「あぁそうだ。アオに念を込めてもらおうと思って忘れてた」
『忘れてたんかい…てかたまに送ってきてた眼鏡の依頼ってナオ先輩のだったんだな』
「え、アオが作ってたの?」
「眼鏡だけ政府でな。念自体はアオに任せてた。つか俺は念使えないからな」
「そうだったんだ…アオありがとう」
『いやいや、知らずにやってたからなんか申し訳ない…』
まさかの事実が判明し、とりあえず今度から真面目にしようと思ったのは内緒。
いや、ちゃんとしてたよ?
してたけど事情を知ってるのと知らないのとでは気持ちの入りようも違うからね、うん。
その後も話をしててわかったのは、ナギ先輩は陰陽師らしく術がメイン、接近も出来るが、基本術での後衛らしい。
ナオ先輩と桃先輩はどれも出来るらしいが、桃先輩は術はあまり得意ではないそうだ。
何このお三方バランス取れてるな?
やり取りも息ピッタリ。
幼馴染パワー強し。
あ、それと、俺と陽の単独控えの件も話したら、先輩たちも協力してくれるらしく、いつでも連絡してくれと、連絡先の交換もしました。
あと本丸IDも。
俺のとこの勝手口登録は一度来てもらうことになり、陽達とはもともと仲もよかったから、すでに登録されてるそうだ。
『戦闘系の人って他にもいるの?』
「まぁ居るけど、メインがここに居るメンバーだな」
『メイン?』
「親のコネとかで戦闘系になった人もいるからねぇ」
「そーそー」
『あー…なるほど、それでメイン…』
「九重はまだだが、霊力や自衛は問題なさげだからな。もうちょいしたら登録できるだろ」
「そうなると八人しかいないってことですね」
「まあやりたくない人もいるからね、やりたくても条件に満たないとかの人もいる」
『霊力が基準を超えてるか、時空移動可能かとかか』
「一人は霊力基準ぎりぎりなんだが、自衛がな…」
ふむ、俺とは縁の無さそうな人たちだし、いいか。
「アオ、一応気をつけろよ。その一人は嫌がらせしてくるか、強いからお近づきになりたいやつだからな」
「俺ら全員一回は付きまとわれたしな」
『え、陽も?』
「そうですね…恋文届いたりしました…」
『ちょっとそいつどこに居やがる?』
「陽の接近禁止令出してるから安心しろ。破れば一家全員で無職になると言ってある」
『叩くときは俺も呼んでね、シバキ回す』
「陽ちゃんのことになると過激ね~」
「陽バカだからなぁ」
まあそんな話を聞きながら、とりあえず今日はお開き。
そのまま皆で万屋街に行き、のんびりさせてもらった。
…めっちゃ視線すごかったけど。
そんなこんなで、日が経ち、その間に桃先輩達三人も遊びに来て、勝手口の登録も出来た。
俺も許可が出たため、修行や戦に出ています。
あと時々ブラック本丸案件にも。
そして刀剣も増えてきた。
前田藤四郎、鯰尾藤四郎、平野藤四郎。
千子村正、大和守安定、太郎太刀。
いやあ…審神者始めて早三か月くらい?
刀剣も結構増えました。
やな兄達のところに比べたらまだまだやけども。
ここちゃん達ともグループチャット作ったんで、よく連絡し合ってます。
あ、ここちゃん戦闘系になりました。
自衛もだいぶできるようになったらしく、喜んでました。
大きくなったね…(ほろり)
あ、あと。
俺が女だと本丸にバレました…。
いやあ、面白かった。
歌仙には「雅に!おしとやかに!」と怒られるけど、いや無理無理。
ちゃんとしなきゃな時はするけど、俺これで通ってるからもう無理だね、うん。
なので半諦めモードになってくれました。
やったね!
あと書類関係、ここらへんは近侍や補佐が手伝ってくれてるけど、経理に関しては不動と平野が手伝ってくれてます。
時々宗三も手伝ってくれてます…ありがたや…。
宗三はお小夜と薬草や花壇の世話もしてるのに…。
薬研の医療の腕も上がり、ナナシからも褒められてるそうです。
小夜の世話してる薬草畑も、最初より大きくなり、本丸の活気もいい感じ。
あ!あと給金で新しいカメラとプリンター買いました。
プリンターは俺の部屋にしかないから、データがたまってきたらプリントしてます。
カメラは何台かあるけど、一つは宗三に。
お小夜のことはもちろん、なんだかんだ全体を取ってくれてます。
意外にもカメラを借りにくる人らが多くてびっくりした。
陸奥はわかってたけど、一眼借りに来た時は、ほんとに新しい現代の物に興味あるんだなぁと思いました。
最近の悩みとしては、鶴丸のいたずら…いや、これはデフォらしいから諦めてるけど。
村正の脱ぎたがりも困ってる…でも最近撃退法を見つけました、まさかの伽羅が。
『伽羅…どうやって村正から逃れたのさ…』
「…脱げばいいのか?と言って服に手をかけた」
『なんて???』
まさかの伽羅が…!
まぁそれが撃退した理由らしい。
「きゃ!破廉恥な~!」と言って逆に逃げたそうだ。
お前…脱ごうとしてる奴が破廉恥って…。
まぁ意外や意外…。
ただこれ、まさかの伽羅だから効いた気がするわ…。
まぁ平和な悩みに頭を痛めながらも、なんとか戦闘系審神者をしてます。
他にも、陸奥と清光は、初期刀仲間として、よく本丸をまとめてくれてる。
初期組を中心に、俺のことも話してくれてるし、皆連携上手いな?
おかげで俺は楽だけど。
〈アオ!〉
『!どうした』
〈検非違使だ!緊急帰還を!〉
最近の悩み。
検非違使が出てくるようになったこと。
俺は急いで緊急帰還のボタンを押し、手入れ部屋の準備を近侍の前田にお願いする。
ゲートに走ると、出陣していた光忠、村正、平野、太朗、五虎しか戻ってなかった。
『!鶴はどうした!』
「帰還中に、僕が襲われて、鶴丸さんが庇って…!」
モニターを見ると、検非違使からなんとか逃げながら耐えてる鶴が見えた。
『怪我の酷いやつから式神の手入れを受けろ、薬研!』
「怪我人はこっちで見る!」
「アオは鶴丸を!」
『任せた』
俺は急いでゲートで鶴の居る時代へ飛ぶ。
少し離れたところで鶴が追いつめられて崖から落ちそうになっている。
急いで向かってると、鶴の左腕が飛ぶ。
腕を、切り落とされた。
スピードを上げて検非違使を切り伏せる。
俺に気づくと攻撃してくるが、難なく躱し、すべての敵を切り伏せる。
鶴の鞘を拾い、傍に行く。
が。
「わっ、っく…」
鶴の居た崖が崩れ、落ちていく。
下は川だ。
俺は鶴の後を追い、一緒に落ちていく。
そのまま鶴の頭を抱きしめ、川に落ちた。
けっこう流されたな…。
流れが緩やかなところに出ると、何とか岸に上がる。
『つる、鶴!』
「ぁ…アオ…?君も、無茶、する…」
『しゃべるな、止血するから』
傷が一番ひどいところ、左腕の止血をする。
モニターを見れば映像がテレビが壊れてザーザーなるあれと同じ状態になっていた。
〈アオ!…!きこ…〉
『誰かいるか?』
〈!…!!〉
『通じないか…』
ふと、ポタっと頬に雨粒が当たる。
既に濡れてるがこれ以上濡れると鶴の体に障る。
簡単に止血すると、鶴を背負い、歩き出す。
森の中だけど、どこか雨を凌げる場所を探して。
「…アオ…捨て、おけ…」
『嫌だな』
「俺よ、り…君が…本丸に…」
『それ以上言うな。俺は俺の大事なものを捨てることはしない』
少し進むと、洞窟が見えた。
警戒しながら入るが、動物も人もいないようだった。
雨が当たらない奥まで入り、鶴を横たえる。
濡れてて申し訳ないが、俺の羽織を枕にし、鶴の羽織から腕を抜く。
そして傷の状態を改めて確認する。
今日の部隊で練度が高いのは鶴。
鶴の練度に合わせた検非違使が出てきて、苦戦したな。
太朗たちの育成のため、光忠も五虎もつけたけど、鶴のが上だ。
きっと庇ってできた傷ばかりだろう。
鶴の本体を手に取り、そちらに治癒術を施す。
肉体の方は腕があれば繋げれたけど、ないから直接本体を手入れする方がいい。
雨が止むまで時間かかりそうだ…。
そんなに時間が経ってないかもしれないし、結構経ったのかもしれない…夢中でしてたからわかんないけど。
鶴の様子を見れば、ゆっくりではあるが腕が再生してきていた。
ただ熱に魘されてるんだろう。
息が荒い。
薪があればいいんだけど、ないしな…。
ふと外を見ると、さっきより雨がマシになっていた。
モニターは…ダメか。
これどういう仕組みなんだろ…。
なんとか腕の再生ができるが、熱はまだ引かない。
腕も再生したとはいえ、しばらく休ませないとだ。
雨は…さっきよりも止んできてるな、よし。
俺は鶴を背負うと、俺らの羽織と、鶴の本体を持つ。
そして洞窟から出て、なんとかモニターが繋がる場所を探すため歩き出す。
携帯の電波と同じ感じなら、どこかに繋がる場所があるはずだ。
…いやほんとに携帯と同じかはわかんねぇけど。
それしか思いつかないもん…。
しばらく歩いても、モニターが回復する様子はない。
相変わらずざーざーと聞こえる。
周りをよく見ると、俺らが落ちたであろう崖の下に戻ってきていた。
川の流れは今は普通だ。
『そこに誰かいるか?厚?歌仙?』
〈ザーザー〉
『ダメか…』
またしばらく歩き出す。
すると、モニターに変化が。
〈―!〉
『!』
〈―!――!!〉
『誰かそこに』
いるか?と声を出す前に、検非違使が現れ、俺らに向かってくる。
俺は鶴を背負ったまま避け、桜華を抜く。
「っアオ…にげ…」
『ないよ』
「アオっ」
『もう家族を置いてかない。絶対だ』
鶴の安全が第一。
俺は走り出し、時々当たりそうになる刀を躱したり、受け止め弾きながら走る。
てか、いつも一部隊分なのに今回多いな?
二部隊分くらいは居るぞ。
逃げてるといつの間にか上に来ていたのか、下に川が見えた。
これ、さっきみたいに落ちないように、
『しないとっな!』
刀を弾き後ろに追いやられると、デジャヴ。
崖に追いつめられた。
『ちっ』
「たの、む…」
『捨てない』
「アオ…」
『譲らない』
一斉に襲い来る。
桜華の力を発動する寸前、いきなり敵が数体倒れた。
「アオ!鶴丸!無事か!」
『やな兄!?国広も!』
「主、こっちは俺らが抑える」
「任せた。アオ、怪我は」
『俺は全然…ただ鶴が…』
「重症か」
『今は全部治した。ただ、腕を切り落とされてから熱が…俺も本体に直接治癒術使ったし、それもあって熱が下がらない…』
「なるほどな…それで、朦朧としてるのか…薬研、聞こえるか」
〈あぁ!医務室の準備しておく!〉
〈緊急帰還押したが、反応が悪いのか発動しないんだっ〉
「こっちで今帰還要請押した、反応は」
〈あるんだけど許可を押しても反応がない〉
「こんのすけに調べてもらった方がいいかもな…そのまま現状維持、帰還したら鶴丸を急ぎ医務室」
やな兄の素早い指示で、モニターの向こうがバタバタとしいる。
『何がどうなって…』
「お前がこっちにきてから、もうあっちは夕方なんだよ。お前と連絡取れなくなって、さすがに困った小夜が俺に連絡してきた」
『優秀…』
「あほ。霊力が電波みたいな役割だから、それの影響もあるかもしれないから、様子を見てたんだが」
「時々音を拾ってはいたが、戦闘音が聞こえてきたからな。主がアオの本丸のゲートを使いここへきた」
『あれって俺以外も使えるのか』
「主と霊力が似てるから、使えたのかもな」
「国広、検非違使は」
「岩融たちが今終わらせた」
「うむ。アオよ、大丈夫か」
『すみみません、助かりました…』
「いいっていいって!鶴さんを守ってくれてありがとな!アオ!」
「でも心配したよ!無茶はダメだよ!」
『…鶴に、何度も捨てろ、置いて行けと言われた。でも俺はそれを良しとしなかった』
「…夜桜組、龍神の里のことか」
『そう。俺は逃がされた、神たちに連れられ。皆を置いて。もう置いていきたくなかった』
「…アオよ」
俺の前に岩融さんが膝をつくと、俺の頭を撫でる。
「その気持ちは嬉しい。だが、我らは刀剣、いつかは折れる」
『岩融さん…』
「折れるその日がきたら、審神者として、それを受け入れなければならない。辛いだろうが、それも審神者の役目よ」
「…お前が死んだら、残される刀剣は刀に戻り、新たな審神者の元に行くか、政府の刀になる。だが、それは神と神楽が上に居るから出来た制度だ」
『え…』
「昔は、刀解が当たり前だった。俺もそうなるはずだったが、神が引き取ってくれたから、今もここにいる」
「…俺らは、審神者で、刀剣の主であり、刀剣の命を握っている」
『…』
「でもなアオ、そういうものを大事にする気持ちなくさないでくれよ!」
「そうだよ!その気持ちがない審神者さんも多いから、大事にしてほしいな」
『…うん』
丁度桜が舞いだし、俺の本丸に帰還する。
そのまま医務室へダッシュして、薬研に手入れはできてるけど熱が下がらないことを知らせ、鶴を任せる。
俺は自室へ行き、シャワーを浴びる。
でもお湯のはずなのに、なんか冷たく感じた。
『…刀剣は、いつかは折れる…審神者で、主で、皆の命を預かってる……』
さっきの話がぐるぐる回る。
分かってたけど分かってなかったんだと、それがわかった。
じゃあこれからも、皆を大事にしながらも、諦めていかないといけないのか…。
…無理だな…。
慣れないだろうけど、慣れたくもないし、捨てたくない。
置いていきたくない。
俺の家族を、もう失いたくない。