龍神が審神者になりました?
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――アオside――
『さぁ、舞い踊ろうか』
俺のこのセリフを合図に、俺とやな兄、夏先輩は暴れだす。
「アオ!」
『鶴!お前たちも敵を撲滅!不動!薬研が治療に回ってるはずだから、護衛!』
「わかった!」
「おう!」
「第一部隊!お前らも敵を一掃!審神者と刀剣を救助し、怪我人は治療に当たってる後方へ連れていけ!」
「俺らの部隊も柳とアオに続け!アオの援護も!」
「任せな!」
俺と俺の部隊をメインに、やな兄も夏先輩も動く。
「「『ただし!誰一人折れることは許さない!』」」
「「「「「おう!」」」」」
上手いね、みんな連携を取りながら敵を倒していく。
ただ、もっとこっちに寄せ付けないと、他のとこにいる敵も嗅ぎつけてこない。
俺はもっと、もっとと霊力を解放する。
すると、さっきよりも敵が俺に集まりだした。
「あいつっ無茶っ!しやがって!」
「アオってあんな霊力高いのかよ!」
「化け物級叩き出したからなっ!」
「それやべぇやつじゃん…」
「けどあれ…大丈夫なんか…」
そんな会話を遠くから聞きながら敵を倒す。
俺の傍には常に鶴と明石、小夜が居た。
俺のサポートなんだろうな、厚たちも上手く動いてくれてる。
遠目に見える不動も薬研たちに向かった敵を、動ける刀剣達と死守している。
て、よく見たら後方指示は神楽か。
なるほど。
奏さんの薬研さんも治療に当たってる。
―ゲートが完全に閉じた。
「ゲートが!」
「敵のゲートが閉じた!あとは残ってる敵の排除だ!」
「主!」
「!次郎!あっちはもういいのか!?」
「ばっちり倒してきたよー」
「陽ちゃんは大丈夫かい?」
「アオのおかげでな…!次郎!お前たちも敵を排除しろ!ゲートは閉じたから残りを一掃だ!」
「あいよー!」
『蛍!』
「アオ大丈夫なの!?」
『俺は大丈夫!一掃しろ!』
「はーいっ!」
蛍たちも加わり、終わりが見えてきたところに、後方から援軍が来た。
「アオ!柳!夏!あとは俺らがやる!下がれ!」
「柚!?」
「お前そんな叫んだらっ」
「叫ばさないためにも下がれっつってんだ!」
『あれキレてるね…』
「柚はんも家族大好きですからなぁ…とくに、アオはん怪我しとりますし、余計でしょうに…」
『oh…まぁ皆も怪我増えてきてるし、やな兄!夏先輩!下がろう!』
「はぁ、しゃあねぇな」
「柚にあれ以上叫ばせるわけにはいかねぇもんなぁ…」
下がるのはいいんだけど、俺霊力どうするかな…。
と困ってると、神が俺に何かを投げた。
『わわっ』
「アオ!それらつけろ!お前の霊力にまだ反応してるからな!」
『タイミングがよろしく…』
「つかそれを届ける目的もあってきてたからな」
『あ、さいですか…』
神に渡された袋を開ければ、アクセサリーが入ってた。
指輪をサイズの合いそうな左指中指に、ブレスレットもつけて…お、だいぶ収まった。
それを感じ取ると、俺は後方へ下がる。
「アオ…!傷を見せてくださいっ」
『大丈夫だって、痛みないから…そんなに深くないと思うけど』
「いや、背中すげえ血まみれだからな」
『マジか。でも痛くないんだけど』
「…大将、それ、痛覚バカになってるんじゃ…」
今にも噴火しそうな珱。
何とか抑え、背中を向けて治癒術をしてもらう。
「薬研さんは治療できるんですね?」
「あぁ、まだ教わってるところだが…」
「では、私が時々傷を治しますので、治療をお願いしていいですか?体質あるでしょうから」
「…なんで、大将の体質を…」
「大事な家族ですから」
『あー…その辺もまた話すよ…落ち、着いたら………』
「アオ?アオ!」
俺はそのまま急激な眠気が押し寄せ、身を任せるように眠ったのだった…。
次に目が覚めると、和室の天井が見えた。
あーよく寝た気がする…。
首を動かしてみると、俺の本丸じゃないことに気づいた。
あれ、俺何してたっけ…。
えーと…演練行って、ばっさばっさ敵を倒して…珱を…。
『!珱っ!』
ガバッと起き上がり立ち上がるも、立ち眩みがして座り込んでしまう。
その音に気付いたのか、バタバタと走ってくる音がした。
「大将っ!?」
『あ、薬研…ここは…じゃなくて、珱は…』
「アオ…!」
薬研の後、珱ややな兄達もやってきた。
夏先輩も居る。
『よ、う…珱…』
「っ…アオ…よか、った…よかった…また私のせいで…」
「陽のせいじゃねえって。霊力をけっこう解放したから、その反動だってナナシも言ってたろ」
『あ、霊力の反動か…』
「ナナシの旦那が言ってた…大将、傷は残るだろうって…」
『あー気にしない気にしない。珱が無事ならいい』
「あー…アオ、陽を助けてくれてありがとな…で、お前らの関係をちゃんと聞きたいんだけど」
『あー…うんー…めんどい…』
「「おい」」
「アオ…まだ起きてないですね…」
『てかお腹空いた…』
「はぁ……三日は寝てたし、粥でも作ってくるか…」
『あ、やな兄のごはん?お粥もいいけど普通に食べれると思うから普通になんか食べたいー』
「俺柚たちに知らせてくるわ」
「陽の嬢ちゃん、大将任せていいか?ナナシの旦那にも連絡してくる」
「はい、ありがとうございます」
みんなそれぞれ動き出すと、傍にあった水を珱が渡してくれた。
「喉も乾いてるでしょう?水を飲みましょう」
『さんきゅ』
「…アオ…生きてたんですね…今の時代に」
『…珱も、生まれてきてくれてたんだな』
「はい。今は、審神者名を陽と言います。太陽の陽です」
『陽か…似合ってるな』
「ありがとう」
『にしても、陽が生きてるなんて一言も聞いてなかったわ』
「あ、私が神や神楽たちに口止めしたのです…会えた夜桜組の皆さんにも会えて嬉しかったんですが、アオが居ないと寂しくなるので…なので、できるだけ夜桜組にも会わない様にもしてました…」
『なるほど…でもまさか夏先輩の妹で、戦闘系審神者で、刀剣と人の間に生まれた一家とは…』
「私も驚きました…自分が戦うなんて、予想してませんでした。でも、私を守ってくれてたアオたちのように、私も何かを守りたくて…」
『陽らしい』
「…アオは、ずっと夜桜組に…?」
『んー…両親を知らないから、そうやね、夜桜組で育ったよ、やな兄も柚兄も』
「え、両親を知らないのですか…」
『うん、俺を生んで、事故ですぐ亡くなったって。柚兄達が五つくらいの時かな』
「そうだったのですね…」
ちょいちょい話してると、やな兄がお粥とミニうどん、出汁巻き卵の定食を持ってきてくれた。
『おぉ…!』
「無理なら食わなくていいからな、一応お代わりもあるけど」
『いただきます!』
「て、聞いてないな…」
「アオですからね」
「…陽はアオをよく知ってるんだな」
「はい、昔からの家族ですから」
「家族…」
「ふふ、アオが満足したら、お話しますね」
そんなこんなでお代わりもしっかりして満足すると、大広間に移動する。
そこには神と風雅、水葵もいた。
「アオくん!姫姉さま…!」
「「姫姉さま…!?」」
「水葵…」
「姉さま…生きてる…ぅ…」
「…ごめんね、水葵…知らせないでいて…」
「いいんです、今、生きてくれ…てる…からっ」
水葵は泣きながら俺と陽に抱き着き、陽は水葵の頭を撫でる。
「まぁ陽に口止めされてたしなぁ…」
「俺もやしなぁ」
「えーと…すでに俺パンクしてんだけど…」
「生きろ、夏」
「いや死んではない」
「まぁまぁ、話すから」
とりあえず座ると、神と風雅が、先ずは俺のことを夏先輩に話す。
大丈夫かな先輩…すでにお腹いっぱいの顔だけど。
「…アオは龍神で、何度も転生してて…んで今は柚と柳の妹で…」
「そうそう。んで、その転生してた中で、陽と出会っとるんじゃ俺らも」
「…兄さん、大丈夫…?」
「ちょっと頭痛い…甘いもん食いたい…」
『あ、俺も甘味食べたい!』
「そう言うだろうと思って、光忠たちが用意してる。お前が起きる三日間ずっとな」
『全部いただきます』
「入るのかよこえーわ」
「アオの甘味好きは昔からですから…」
やな兄が甘味を取りに行こうとすると、お茶も一緒に国広と薬研が持ってきた。
「そら、持ってきたぞ」
「ナイスタイミングまんばちゃん」
「薬研もすまんな」
「問題ない」
『あ、薬研、皆は?』
「演練の部隊の皆は先に本丸へ戻って説明してくれてる。そのあと何度か来てたんだが、本丸のこともあるしな、あっちはあっちで大丈夫だ」
『すまんね…』
甘味はおはぎとみたらし団子だった。
それを食べると、あれ、と思った。
『…このおはぎとみたらし団子、陽が作った?』
「よくわかったな…」
『懐かしい味だから』
「はい、アオが目覚めるまで落ち着かなくて…」
「ここ三日のおやつはこれがメインだぞ」
『陽の甘味最高です』
「アオの陽バカは今生も健在じゃな…」
『愛しの陽ちゃんですから』
「アオ…!」
恥ずかしそうにしてる陽の頭を撫でてやると「もう…」と呆れたように諦めた。
解せん。
「で、陽が昔平安に生きてたってのは夏弥も聞いてるな?」
「あぁ、うん…昔何回か聞いた」
『当時の陽は「珱姫」と言って、その時の珱も神通力を持ってたから、妖に狙われてた』
「…アオが話してたあれか」
『そうそう。俺は珱の家に当時引き取られて、一緒に育った。珱の護衛もかねてね』
「んである時、妖に攫われ、珱に惚れた妖が助けたんじゃけど、当時のアオ…桜は助からんかった」
「はい…私と妖様を助けてくれました」
『懐かしいねぇ』
「で、数年後、珱とその妖の間に二人子供が出来たんじゃけど、一人がアオじゃった」
「え、じゃあ陽は母親でもあるのか…」
「はい、紫苑は桜と変わらず、ずっと私を守り、私を看取ってくれました」
『半妖の特権よねぇ』
「まぁ、陽とはそんな昔からの知り合いなんだ」
「まさか今戦闘系審神者しとるとは思わんかったわ」
『うんうん』
「アオの影響でかいからな…」
もぐもぐとおはぎを食べてる俺。
説明?
下手くそなんでめんどくさいです。
「まぁそんなわけで、こいつらは昔からの仲だ」
「…あ、陽が舞ってたあれ、アオに昔教えてもらったのか?大事な人に教わったって言ってたよな」
「に、兄さん…!」
『?舞?』
「うん?」
『え、陽、舞できるの?昔は俺の見ててやらなかったよな』
「う、その………」
『見たい見たい』
「ま、まだまだなんで…」
「そうなのか?おふくろんとこの三日月達に褒められてたじゃん」
「ま、まだまだ…なんで……」
「…まぁまぁ、陽が見せたいタイミングで見せたらええやん」
『あい…』
ちょっと残念な気持ちになるが、陽のタイミングは大事、うん。
「さて、一通り話したし。次の話だ」
「「「『次?』」」」
「あぁ、アオ。お前の目的に九重は参加したいと言ってたが…」
『あぁ、うん。手伝いたいって言ってくれたね』
「それで、お前としては?」
『基本は俺がやるけど、手伝いという形でならかな。ここちゃん戦闘系審神者目指してるし、審神者をメインでしてほしいから』
「ふむ…けどお前だけだと難しいだろ」
『んー…増えることを考えると、ね』
「夜桜組も手伝うとはいえ、他も必要だろう…てなわけで、ここに居る面子と柚、奏もどうかと思ってな」
『一気にメンバー増えたけど…』
「話が見えない…」
「アオ、なにか考えてるのですか?」
俺の目的を二人にも話す。
夏先輩は驚き、陽は「アオらしいです」と笑っていた。
『でもそれは霊力高い審神者が集まることにならない?』
「あぁ、まあ手伝いとしてけどな。けどメインはお前がしても、増えると大変だから…例えば、増えたら管理の一部を柳にも任せるとか、だな」
『んー…』
「俺は構わないぞ」
「つか霊力高いお前ら三人に、陽の護衛も含めしてもらいたいんだよな」
「陽の?」
「神、なぜ私の?」
「もともと、一部に陽の神通力が使えることは知られてた。戦闘系は特に知ってるがな。けど今回、いろんな審神者に知られたから、変なやつが寄ってくるかもしれない」
「確かに、戦闘系は一緒に任務もしたりするから、知ってる奴が多いよな」
「でも、アオの目的に参加させるのとどういう?余計に狙われないか?」
「陽バカのアオが居るから大丈夫だろ、あと霊力も馬鹿みたいに多いから、下手にこいつの大事なもんに手を出したらやべえぞ、てのも、分かるやつにはわかる」
「そこに夏弥と柳も加わることで、更に圧力がけするんか」
「そういうことだ」
『けどそれだと、俺がもうその目的を始めてること前提じゃない?』
「まあな。だから、お前の経験もいるから、準備期間、てことで会議で承認する」
「「「『え』」」」
「更に、メンバーもお前らをメインでするため、本丸移動もしてもらう」
「「「『ええ』」」」
「つまり柳とアオの本丸のように、近くに二人も居てもらう。いつでも互いに移動できるように」
なんでいきなりそんなことになった。
いや俺の目的はあるけどまだまだ先の話だぞ。
準備期間としても早すぎないか会議で承認は。
「いきなりすぎる…」
『うんうん』
「そうですね…」
「面白そうだけどな…」
「まあ承認はまだ先だから、とりあえずまずは陽の護衛として、お前らには近くに居てもらう。陽は特に、本丸の場所を一度変えないと、特定されたら変なやつが来るかもだしな」
「アオの治療もあったが、ここに陽と夏を留めたのはそれが理由か?」
「そういうこと、実際政府に、陽の所在を知りたいとか、いろんな話が持ちかけられててな…あとさにちゃんも」
「陽の本丸を知ってたら教えてほしい、陽とお近づきになりたい、とか…いろいろあったぞ、お前らの話もあったが」
『陽ちゃんはあげません』
「アオ…。そいうことだから、陽、悪いがアオと柳の本丸近くに引っ越してもらう。夏も構わないなら」
「そういうことなら、俺はいいぞ」
「ですね、私もかまいません」
二人も了承すると、三日以内に新しい本丸を用意するから準備しといてくれと指示が下る。
それまで陽はこのままやな兄の元で待機、本丸には後で説明の連絡を入れるようにとのこと。
俺は陽達のおかげでもう動けるから、一度本丸に戻ることに。
夏先輩も引っ越し準備を進めるため、今日は帰宅、明日にはやな兄の元で引っ越しの日まで待機となった。
本丸に戻れば皆が心配してて申し訳なくなりました、まる。
で、今日した話を本丸の皆にも伝え、俺は特に用意することはないから、陽達の引っ越しまで療養になった。
で、傷のこともあるから、引っ越しまで陽がこちらにきて傷を治すそうだ。
なら俺のとこに居たら?て思ったが、経験も刀剣も居るやな兄の元が今は安全だろうということらしい。
とりあえず、動けるのは動けるから、書類とかの仕事をしよう。
引っ越しまでの間、陽が来てくれたので皆にも紹介。
俺の大事な家族と分かると、皆も陽を大事にしてくれた。
ありがたいね。
そうして、あっという間に引っ越しの日がやってきた。
『さぁ、舞い踊ろうか』
俺のこのセリフを合図に、俺とやな兄、夏先輩は暴れだす。
「アオ!」
『鶴!お前たちも敵を撲滅!不動!薬研が治療に回ってるはずだから、護衛!』
「わかった!」
「おう!」
「第一部隊!お前らも敵を一掃!審神者と刀剣を救助し、怪我人は治療に当たってる後方へ連れていけ!」
「俺らの部隊も柳とアオに続け!アオの援護も!」
「任せな!」
俺と俺の部隊をメインに、やな兄も夏先輩も動く。
「「『ただし!誰一人折れることは許さない!』」」
「「「「「おう!」」」」」
上手いね、みんな連携を取りながら敵を倒していく。
ただ、もっとこっちに寄せ付けないと、他のとこにいる敵も嗅ぎつけてこない。
俺はもっと、もっとと霊力を解放する。
すると、さっきよりも敵が俺に集まりだした。
「あいつっ無茶っ!しやがって!」
「アオってあんな霊力高いのかよ!」
「化け物級叩き出したからなっ!」
「それやべぇやつじゃん…」
「けどあれ…大丈夫なんか…」
そんな会話を遠くから聞きながら敵を倒す。
俺の傍には常に鶴と明石、小夜が居た。
俺のサポートなんだろうな、厚たちも上手く動いてくれてる。
遠目に見える不動も薬研たちに向かった敵を、動ける刀剣達と死守している。
て、よく見たら後方指示は神楽か。
なるほど。
奏さんの薬研さんも治療に当たってる。
―ゲートが完全に閉じた。
「ゲートが!」
「敵のゲートが閉じた!あとは残ってる敵の排除だ!」
「主!」
「!次郎!あっちはもういいのか!?」
「ばっちり倒してきたよー」
「陽ちゃんは大丈夫かい?」
「アオのおかげでな…!次郎!お前たちも敵を排除しろ!ゲートは閉じたから残りを一掃だ!」
「あいよー!」
『蛍!』
「アオ大丈夫なの!?」
『俺は大丈夫!一掃しろ!』
「はーいっ!」
蛍たちも加わり、終わりが見えてきたところに、後方から援軍が来た。
「アオ!柳!夏!あとは俺らがやる!下がれ!」
「柚!?」
「お前そんな叫んだらっ」
「叫ばさないためにも下がれっつってんだ!」
『あれキレてるね…』
「柚はんも家族大好きですからなぁ…とくに、アオはん怪我しとりますし、余計でしょうに…」
『oh…まぁ皆も怪我増えてきてるし、やな兄!夏先輩!下がろう!』
「はぁ、しゃあねぇな」
「柚にあれ以上叫ばせるわけにはいかねぇもんなぁ…」
下がるのはいいんだけど、俺霊力どうするかな…。
と困ってると、神が俺に何かを投げた。
『わわっ』
「アオ!それらつけろ!お前の霊力にまだ反応してるからな!」
『タイミングがよろしく…』
「つかそれを届ける目的もあってきてたからな」
『あ、さいですか…』
神に渡された袋を開ければ、アクセサリーが入ってた。
指輪をサイズの合いそうな左指中指に、ブレスレットもつけて…お、だいぶ収まった。
それを感じ取ると、俺は後方へ下がる。
「アオ…!傷を見せてくださいっ」
『大丈夫だって、痛みないから…そんなに深くないと思うけど』
「いや、背中すげえ血まみれだからな」
『マジか。でも痛くないんだけど』
「…大将、それ、痛覚バカになってるんじゃ…」
今にも噴火しそうな珱。
何とか抑え、背中を向けて治癒術をしてもらう。
「薬研さんは治療できるんですね?」
「あぁ、まだ教わってるところだが…」
「では、私が時々傷を治しますので、治療をお願いしていいですか?体質あるでしょうから」
「…なんで、大将の体質を…」
「大事な家族ですから」
『あー…その辺もまた話すよ…落ち、着いたら………』
「アオ?アオ!」
俺はそのまま急激な眠気が押し寄せ、身を任せるように眠ったのだった…。
次に目が覚めると、和室の天井が見えた。
あーよく寝た気がする…。
首を動かしてみると、俺の本丸じゃないことに気づいた。
あれ、俺何してたっけ…。
えーと…演練行って、ばっさばっさ敵を倒して…珱を…。
『!珱っ!』
ガバッと起き上がり立ち上がるも、立ち眩みがして座り込んでしまう。
その音に気付いたのか、バタバタと走ってくる音がした。
「大将っ!?」
『あ、薬研…ここは…じゃなくて、珱は…』
「アオ…!」
薬研の後、珱ややな兄達もやってきた。
夏先輩も居る。
『よ、う…珱…』
「っ…アオ…よか、った…よかった…また私のせいで…」
「陽のせいじゃねえって。霊力をけっこう解放したから、その反動だってナナシも言ってたろ」
『あ、霊力の反動か…』
「ナナシの旦那が言ってた…大将、傷は残るだろうって…」
『あー気にしない気にしない。珱が無事ならいい』
「あー…アオ、陽を助けてくれてありがとな…で、お前らの関係をちゃんと聞きたいんだけど」
『あー…うんー…めんどい…』
「「おい」」
「アオ…まだ起きてないですね…」
『てかお腹空いた…』
「はぁ……三日は寝てたし、粥でも作ってくるか…」
『あ、やな兄のごはん?お粥もいいけど普通に食べれると思うから普通になんか食べたいー』
「俺柚たちに知らせてくるわ」
「陽の嬢ちゃん、大将任せていいか?ナナシの旦那にも連絡してくる」
「はい、ありがとうございます」
みんなそれぞれ動き出すと、傍にあった水を珱が渡してくれた。
「喉も乾いてるでしょう?水を飲みましょう」
『さんきゅ』
「…アオ…生きてたんですね…今の時代に」
『…珱も、生まれてきてくれてたんだな』
「はい。今は、審神者名を陽と言います。太陽の陽です」
『陽か…似合ってるな』
「ありがとう」
『にしても、陽が生きてるなんて一言も聞いてなかったわ』
「あ、私が神や神楽たちに口止めしたのです…会えた夜桜組の皆さんにも会えて嬉しかったんですが、アオが居ないと寂しくなるので…なので、できるだけ夜桜組にも会わない様にもしてました…」
『なるほど…でもまさか夏先輩の妹で、戦闘系審神者で、刀剣と人の間に生まれた一家とは…』
「私も驚きました…自分が戦うなんて、予想してませんでした。でも、私を守ってくれてたアオたちのように、私も何かを守りたくて…」
『陽らしい』
「…アオは、ずっと夜桜組に…?」
『んー…両親を知らないから、そうやね、夜桜組で育ったよ、やな兄も柚兄も』
「え、両親を知らないのですか…」
『うん、俺を生んで、事故ですぐ亡くなったって。柚兄達が五つくらいの時かな』
「そうだったのですね…」
ちょいちょい話してると、やな兄がお粥とミニうどん、出汁巻き卵の定食を持ってきてくれた。
『おぉ…!』
「無理なら食わなくていいからな、一応お代わりもあるけど」
『いただきます!』
「て、聞いてないな…」
「アオですからね」
「…陽はアオをよく知ってるんだな」
「はい、昔からの家族ですから」
「家族…」
「ふふ、アオが満足したら、お話しますね」
そんなこんなでお代わりもしっかりして満足すると、大広間に移動する。
そこには神と風雅、水葵もいた。
「アオくん!姫姉さま…!」
「「姫姉さま…!?」」
「水葵…」
「姉さま…生きてる…ぅ…」
「…ごめんね、水葵…知らせないでいて…」
「いいんです、今、生きてくれ…てる…からっ」
水葵は泣きながら俺と陽に抱き着き、陽は水葵の頭を撫でる。
「まぁ陽に口止めされてたしなぁ…」
「俺もやしなぁ」
「えーと…すでに俺パンクしてんだけど…」
「生きろ、夏」
「いや死んではない」
「まぁまぁ、話すから」
とりあえず座ると、神と風雅が、先ずは俺のことを夏先輩に話す。
大丈夫かな先輩…すでにお腹いっぱいの顔だけど。
「…アオは龍神で、何度も転生してて…んで今は柚と柳の妹で…」
「そうそう。んで、その転生してた中で、陽と出会っとるんじゃ俺らも」
「…兄さん、大丈夫…?」
「ちょっと頭痛い…甘いもん食いたい…」
『あ、俺も甘味食べたい!』
「そう言うだろうと思って、光忠たちが用意してる。お前が起きる三日間ずっとな」
『全部いただきます』
「入るのかよこえーわ」
「アオの甘味好きは昔からですから…」
やな兄が甘味を取りに行こうとすると、お茶も一緒に国広と薬研が持ってきた。
「そら、持ってきたぞ」
「ナイスタイミングまんばちゃん」
「薬研もすまんな」
「問題ない」
『あ、薬研、皆は?』
「演練の部隊の皆は先に本丸へ戻って説明してくれてる。そのあと何度か来てたんだが、本丸のこともあるしな、あっちはあっちで大丈夫だ」
『すまんね…』
甘味はおはぎとみたらし団子だった。
それを食べると、あれ、と思った。
『…このおはぎとみたらし団子、陽が作った?』
「よくわかったな…」
『懐かしい味だから』
「はい、アオが目覚めるまで落ち着かなくて…」
「ここ三日のおやつはこれがメインだぞ」
『陽の甘味最高です』
「アオの陽バカは今生も健在じゃな…」
『愛しの陽ちゃんですから』
「アオ…!」
恥ずかしそうにしてる陽の頭を撫でてやると「もう…」と呆れたように諦めた。
解せん。
「で、陽が昔平安に生きてたってのは夏弥も聞いてるな?」
「あぁ、うん…昔何回か聞いた」
『当時の陽は「珱姫」と言って、その時の珱も神通力を持ってたから、妖に狙われてた』
「…アオが話してたあれか」
『そうそう。俺は珱の家に当時引き取られて、一緒に育った。珱の護衛もかねてね』
「んである時、妖に攫われ、珱に惚れた妖が助けたんじゃけど、当時のアオ…桜は助からんかった」
「はい…私と妖様を助けてくれました」
『懐かしいねぇ』
「で、数年後、珱とその妖の間に二人子供が出来たんじゃけど、一人がアオじゃった」
「え、じゃあ陽は母親でもあるのか…」
「はい、紫苑は桜と変わらず、ずっと私を守り、私を看取ってくれました」
『半妖の特権よねぇ』
「まぁ、陽とはそんな昔からの知り合いなんだ」
「まさか今戦闘系審神者しとるとは思わんかったわ」
『うんうん』
「アオの影響でかいからな…」
もぐもぐとおはぎを食べてる俺。
説明?
下手くそなんでめんどくさいです。
「まぁそんなわけで、こいつらは昔からの仲だ」
「…あ、陽が舞ってたあれ、アオに昔教えてもらったのか?大事な人に教わったって言ってたよな」
「に、兄さん…!」
『?舞?』
「うん?」
『え、陽、舞できるの?昔は俺の見ててやらなかったよな』
「う、その………」
『見たい見たい』
「ま、まだまだなんで…」
「そうなのか?おふくろんとこの三日月達に褒められてたじゃん」
「ま、まだまだ…なんで……」
「…まぁまぁ、陽が見せたいタイミングで見せたらええやん」
『あい…』
ちょっと残念な気持ちになるが、陽のタイミングは大事、うん。
「さて、一通り話したし。次の話だ」
「「「『次?』」」」
「あぁ、アオ。お前の目的に九重は参加したいと言ってたが…」
『あぁ、うん。手伝いたいって言ってくれたね』
「それで、お前としては?」
『基本は俺がやるけど、手伝いという形でならかな。ここちゃん戦闘系審神者目指してるし、審神者をメインでしてほしいから』
「ふむ…けどお前だけだと難しいだろ」
『んー…増えることを考えると、ね』
「夜桜組も手伝うとはいえ、他も必要だろう…てなわけで、ここに居る面子と柚、奏もどうかと思ってな」
『一気にメンバー増えたけど…』
「話が見えない…」
「アオ、なにか考えてるのですか?」
俺の目的を二人にも話す。
夏先輩は驚き、陽は「アオらしいです」と笑っていた。
『でもそれは霊力高い審神者が集まることにならない?』
「あぁ、まあ手伝いとしてけどな。けどメインはお前がしても、増えると大変だから…例えば、増えたら管理の一部を柳にも任せるとか、だな」
『んー…』
「俺は構わないぞ」
「つか霊力高いお前ら三人に、陽の護衛も含めしてもらいたいんだよな」
「陽の?」
「神、なぜ私の?」
「もともと、一部に陽の神通力が使えることは知られてた。戦闘系は特に知ってるがな。けど今回、いろんな審神者に知られたから、変なやつが寄ってくるかもしれない」
「確かに、戦闘系は一緒に任務もしたりするから、知ってる奴が多いよな」
「でも、アオの目的に参加させるのとどういう?余計に狙われないか?」
「陽バカのアオが居るから大丈夫だろ、あと霊力も馬鹿みたいに多いから、下手にこいつの大事なもんに手を出したらやべえぞ、てのも、分かるやつにはわかる」
「そこに夏弥と柳も加わることで、更に圧力がけするんか」
「そういうことだ」
『けどそれだと、俺がもうその目的を始めてること前提じゃない?』
「まあな。だから、お前の経験もいるから、準備期間、てことで会議で承認する」
「「「『え』」」」
「更に、メンバーもお前らをメインでするため、本丸移動もしてもらう」
「「「『ええ』」」」
「つまり柳とアオの本丸のように、近くに二人も居てもらう。いつでも互いに移動できるように」
なんでいきなりそんなことになった。
いや俺の目的はあるけどまだまだ先の話だぞ。
準備期間としても早すぎないか会議で承認は。
「いきなりすぎる…」
『うんうん』
「そうですね…」
「面白そうだけどな…」
「まあ承認はまだ先だから、とりあえずまずは陽の護衛として、お前らには近くに居てもらう。陽は特に、本丸の場所を一度変えないと、特定されたら変なやつが来るかもだしな」
「アオの治療もあったが、ここに陽と夏を留めたのはそれが理由か?」
「そういうこと、実際政府に、陽の所在を知りたいとか、いろんな話が持ちかけられててな…あとさにちゃんも」
「陽の本丸を知ってたら教えてほしい、陽とお近づきになりたい、とか…いろいろあったぞ、お前らの話もあったが」
『陽ちゃんはあげません』
「アオ…。そいうことだから、陽、悪いがアオと柳の本丸近くに引っ越してもらう。夏も構わないなら」
「そういうことなら、俺はいいぞ」
「ですね、私もかまいません」
二人も了承すると、三日以内に新しい本丸を用意するから準備しといてくれと指示が下る。
それまで陽はこのままやな兄の元で待機、本丸には後で説明の連絡を入れるようにとのこと。
俺は陽達のおかげでもう動けるから、一度本丸に戻ることに。
夏先輩も引っ越し準備を進めるため、今日は帰宅、明日にはやな兄の元で引っ越しの日まで待機となった。
本丸に戻れば皆が心配してて申し訳なくなりました、まる。
で、今日した話を本丸の皆にも伝え、俺は特に用意することはないから、陽達の引っ越しまで療養になった。
で、傷のこともあるから、引っ越しまで陽がこちらにきて傷を治すそうだ。
なら俺のとこに居たら?て思ったが、経験も刀剣も居るやな兄の元が今は安全だろうということらしい。
とりあえず、動けるのは動けるから、書類とかの仕事をしよう。
引っ越しまでの間、陽が来てくれたので皆にも紹介。
俺の大事な家族と分かると、皆も陽を大事にしてくれた。
ありがたいね。
そうして、あっという間に引っ越しの日がやってきた。