龍神が審神者になりました?
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――アオside――
着くのはどこでもいいと言われ、とりあえず春の間に移動する。
そのまま受付へついていく。
「戦闘系審神者の柳。こっちは同じく戦闘系審神者、アオ。依頼があったので今日はそっちの受付を」
「かしこまりました、確認します」
IDを出し確認するおねーさん。
俺はなんも聞いてないから、とりあえず話を聞く。
「…はい、確認しました。特別演練場、にの間の試運転依頼ですね」
「はい、アオは特練の説明も兼ねてるので。許可はもらってます」
「はし、そちらも確認しました。アオさん、IDをお願いできますか?」
『あ、はい』
おねーさんにIDを渡すと、受付してくれる。
「はい、大丈夫ですよ。では本日はこちらの許可書をお持ちください。通常の演練がしたい時はまた受付へ」
「ありがとうございます。アオ、いくぞ」
『はーい』
そこから移動を始めると、やな兄が説明してくれた。
「まず、春夏秋冬の中にいろはにの間があるって言ったな。あれ、にの間が特別演練場、略して特練の会場なんだ。そこは審神者も参加できる唯一の演練だな」
『じゃあ俺らみたいな戦闘系の人もいるんだ』
「数は少ないがな、あと可能性のある予備軍みたいなやつとか。そこで戦闘系になれそうなやつを探してスカウトする場合もある」
「アオのように最初からってのは珍しいのかい?」
「あぁ、俺らみたいなやつは珍しいな。まあ最初の霊力測定が条件に見合ってたらその説明されてるとは思うぞ」
「それで、依頼とは?」
「あぁ、最近そのにの間をメンテしてたから、その確認のために俺ら戦闘系に試してほしいて依頼」
「あぁ、確かに、ずっとメンテしてたよな」
「ずっと?」
「二月くらいな。戦闘系がメインで使うことが多いから、その平均から強さの設定をしてるらしいんだ。それの調整をしてたんだが、整備できるやつがなかなかいないから、夜桜組の緋生が基本してんだよ」
『あ、それでひな兄あんまり実家に居なかったんだ』
「そそ」
「けどなんでその依頼にアオを?」
「アオの霊力のこともあるから、データが欲しいらしいぞ?」
『あ、もしかして俺の霊力で調整入った感じかな…』
「可能性ありますね…」
話してるとにの間につくが、やな兄が首を傾げる。
「緋生いねぇな…ここに集合言われたんだが」
「あ、柳ー」
きょろきょろと探していると、やな兄を呼ぶ声が聞こえた。
「んあ?おう、夏じゃん。お前も呼ばれたのか?」
「そそ。でもひなさんいないんだよな…そっちの子は?」
「あぁ、俺と柚の末っ子。最近戦闘系になったアオだ」
「あぁ!あの噂の!」
『噂とは…えと、アオです。戦闘系も審神者としてもはまだまだ新米です。よろしくお願いします』
「よろしくね!俺は夏弥!気軽に夏って呼んでね!で、俺も戦闘系なんだ」
『じゃあ夏先輩ですね』
「………なぁ柳。この子ほんとにお前んとこの末っ子?めっちゃいい子なんだけど?」
「正真正銘俺らの末っ子。しかもお前より強い」
「まじか!すげえな!」
「主よ、緋生をさがさなくてよいのか?」
「ツッコミありがとう岩融。忘れてたわ」
岩融さんのおかげで三人と三部隊でひな兄を探すと、待合室で寝てるひな兄を見つけた。
しかも爆睡。
『これ、起きるかね…』
「めっちゃ爆睡だなー」
「こりゃずっと作業してたな…けど起こさねぇと俺らきた意味ねぇしなぁ」
『だね……ひな兄ー起きてー』
「ZZZ…」
「ひーなー」
「んん…zzz」
「起きないとアオの攻撃が…」
『俺かよ』
「攻撃……あぁ、アオ、緋生に殺気ぶつけてみ」
『えぇ…』
「俺よりお前のが戦闘能力も高いし、起きるかもよ」
そういわれ解せぬ、と思いながらも強めに殺気を放つと、ばっ!っと起きて構えるひな兄。
「おはよーひなー」
「っは…あ…?」
「わり、起こすためにアオに殺気ぶつけてもらった」
『ごめんひな兄。あとおはよう』
「あ…あー…アオの殺気か…びっくりした…」
「ずっと作業してたのか?」
「あぁ…あんま寝れてなくてな…ふぁああ…依頼しといて悪いな」
「依頼って、俺らだけ?」
「あと九重」
「は?あいつまだ早いだろ」
「九重は審神者になったとこだしまだまだなんだが、奏に頼まれてな」
「…なぁひなはん。九重はん、迷子って可能性ないですか?あの人、ここ知っとるか知らんけど」
「あ」
『お小夜、ごめん、ここちゃん探してきてくれ…』
「はい…」
俺は呆れ気味にお小夜に頼む。
てか、ここちゃん審神者になったんだな、早い。
てことは、成績いんだな。
売店で売ってたお菓子を食べながら待って数分。
お小夜がここちゃん達をつれてきた。
ここちゃんの部隊は加州さん、愛染さん、小狐丸さん、前田さん、にっかりさん、今剣さんだった。
「アオくんー!小夜ちゃんありがとうめっちゃ助かった~!」
と言いながら突進してきたここちゃんでした。
受付は済ませたらしいけど、やっぱり場所がわからなかったらしい。
あわわわと迷ってたら、うちのお小夜が見つけた、と。
『小夜ありがとな』
「いえ…小狐丸さんは、特練の会場にはきたことなかったみたいですし…」
「ん?その小狐丸、元政府刀?」
「あ、はい。前政府の体験で、私についてくれたのがこの小狐丸だったんです」
「九重の刀になったんだな」
「はい、主様の体験中だけでしたが、その短い間でも、私を自分の刀のように大事にしてくれましたゆえ、この方についていきたいと、申し出たんです」
『ほー!よかったね、ここちゃん』
「うん!」
「すまん九重。政府の刀だった小狐丸が居るなら大丈夫だと思ってた…」
「私はふりーの刀剣でしたので、どちらかというと、ぶらっく本丸の手伝いが主でしたので。アオ殿、助かりました」
『いえいえ、にしてもここちゃんもう審神者って早いね、まだアカデミーでしょ?』
「うん、卒業はまだだけど、審神者になれるくらいの成績はちゃんととってたし、許可出たんだ!」
「んで、なんで奏さんに頼まれたんだ?」
「九重は戦闘系を目指してるから、特練で経験して何が自分に合ってるか知りなさい、とよ」
「あぁ、戦闘面か」
「ですです!」
なるほど。
アカデミーだと最低限の防衛術しか教わらないって言ってたもんな。
「主様は突撃しやすいので、槍や薙刀が得意ではと思ったのですが、他も扱えるみたいなので、得意なのを見つけるようにと、奏殿に言われたのです」
「どれも一応習ったからね」
「まぁいろいろ試してもらって、俺はデータとるわ。メイン制御ルーム行くから、アナウンスで指示出すな」
ひな兄は手をひらひらさせて移動していった。
俺らは出番までだべりながらのんびり菓子と飲み物を食べていた。
だって指示まで暇なんだもん。
数十分後、アナウンスが鳴り出した。
【んじゃ、九重。一の間でいろいろ武器試すため、連続でいくぞ。怪我しても刀剣は治るし、審神者には影響ない。が、本物と思ってやれ】
「はい!」
【九重の部隊は、九重と連携を意識。あと九重の得意な武器や戦闘を知るためでもあるから、できれば観察も頼む】
「わかりました」
【準備できたら始めるから、中に入れ】
ここちゃんは一の間に入り、次の指示がきた。
【夏は二の間、柳は三の間、アオは四の間。調整した100の時間遡行軍を何分で倒せるかだ。たぶんお前らの強さなら20分もかからんと思うが…あ、あとアオ。参加部隊決めたら始めるから、相談してくれ。夏と柳は準備、先に始める】
そう指示を受けると、俺はどうする?と皆に問う。
最初の予定通り、伽羅と厚はまず待機の部隊でいくことに。
ひな兄にそう伝え、四の間に入る。
【刀剣の練度も関わるが、今回は審神者のデータとりで、連携のデータ取りだ。制限時間は30分】
『了解』
【んじゃ、開始】
その合図とともに景色が変わる。
変わると同時に数体の時間遡行軍が襲ってくる。
俺目掛けて。
俺は鞘に収まったままの刀で、右を明石、左を蛍丸、後ろを鶴がなぎ倒し、俺の目の前の大太刀を、不動、薬研、小夜が仕留める。
『いきなりだねー』
「だな」
「あと96体、ですね…」
「血が滾るなぁ」
「真っ先に審神者を狙うよう設定してるのかな」
「アオはやらせねえよ」
「働きたくないんですけどなぁ」
『働かざるもの食うべからず。さ、さっさと終わらせるよ』
休む間もなく襲い来る敵を、俺らはばっさばっさ切っていく。
もちろん体術も駆使して。
でも俺的に、物足りないな…。
練度は刀剣に合わせてるのかな。
途中違和感ある敵も居たけど。
「なんや、違和感ある敵もおりますなぁ」
『あ、気づいてた?』
「そりゃアオはんと比べたら、自分らのが訓練用の敵とやり合うことが多いですしな」
明石と並んだ時、お互いに気づいてることを確認し合う。
そりゃそうだ。
刀剣男士のが慣れてるから、違和感にも気づくか。
それでも敵を切り捨てていき、ラストであろう敵を切った時、景色が変わり、元の部屋に戻る。
『終わったー時間は…うん、15分だね』
「思ったよりかかった気がするな」
「はい…途中違和感ある敵も居ましたし…」
『…なんか嫌な予感すんな…とりあえず外へ行こう』
四の間からでると、やな兄と夏先輩も少し遅れで出てきた。
二人ともう、うーんって顔しながら。
「あ、アオ。そっち何か変わったことなかった?」
『あ、違和感のことですか?』
「お前んとこもか」
『うん。なんか手応えないけど、時々手応えある敵が居た』
「やっぱりか……緋生!なにかしたのか」
やな兄が聞こえてるであろうひな兄に向って言うが、何も反応がない。
なんだろ、この嫌な予感は。
「…変だな…スピーカー壊れた?それともまた寝た?」
「どうだろな…こっちから行きたいが、あいにく場所がわからねぇし、入れるのも政府役員か、緋生のように許可もらってるやつだけなんだよな」
『…ねぇ。ここちゃん、遅くない』
「そういえば…連続でやるとはいってたけど、遅すぎるな…」
―ブー、ブー
そこへ俺の携帯が鳴る。
『厚…?…あつ〈大将!敵だ!九重が危ない!〉!!やな兄!一の間こじ開けれる!?』
「岩融!蜻蛉!太朗!」
「承知!」
「いきますよ!」
「主たちは離れておれ!」
三人が上手く連携し、扉をぶち破る。
一瞬見えた中で、ここちゃんを守りながら戦う刀剣男子達。
破られた扉からすぐに中へ行き、敵を切り伏せていく。
その間に、夏先輩たちがここちゃんを救出。
最後の敵を切り伏せ、出てこないことを確認し、ここちゃんの元へ行く。
『ここちゃんも刀剣男士も、傷見せて』
「アオくん…なにが…」
「俺らにも何が起こってるか…」
「大将!」
「アオ、無事か!」
『ここちゃんとこ以外大丈夫。ここちゃん、傷を治したら、この札を皆に張ってあげて。霊力込めてね』
「え、うん」
「厚、なんで敵だと分かったんだ?」
「俺と大倶利伽羅は、にの間の観戦ルームのモニターで見たんだが、大将たち終わっても九重がまだだと気づいて、モニターを見たら、九重はもう終わってたんだ」
「だが、扉が開かないことに戸惑ってたんだろう。その間に、いきなり時間遡行軍が現れ、もにたーも消えたんだ」
『厚、ナイス』
ここちゃんの怪我は酷くなく、すぐに治療が終わる。
「へぇ、アオ、俺の妹と同じで神通力持ってんのか」
『妹さん?』
「あぁ、妹も戦闘系審神者で、後方支援がメインだけど。神通力使えて、今みたいに傷を治せるんだよ」
『へぇ…珍しいな…』
「……だめだ、緋生の電話につながらない」
「アオくん、ありがとう。厚君も、知らせてくれてありがとう」
驚いた。
ここちゃん、驚きやら戸惑いはあっても、連続でシュミレーターをしてたにも関わらず、疲れてる様子がなかった。
そして俺が渡した札を皆に張っていく。
「ひなに繋がらない…メイン制御ルームがやられてると見た方がいいな」
「けど敵の目的がな…単に審神者を皆殺しにきたのか、特定の人物を狙ってなのか…もしくは両方かもだが…」
「居た!大将!柳たちいたぞ!」
すると、薬研さんと奏さんが走ってやってきた。
「皆さん、無事ですね?」
「姉さん、何が…」
「襲撃です。…その様子だと、すでに遭遇したようですが」
「九重が危なかったが、なんとかな」
「メイン制御ルームのひなと連絡取れないんだよ…姉貴場所分かるか?」
『え、ご兄弟?』
「あ、私と夏兄がいとこなんだ、だから姉さんとも又従兄弟になるの」
『まさかの衝撃』
「案内します。他の場所も襲われてはいますが、集中して出てきてる場所を拠点に、神さんと神楽さんが指揮をとってます」
「なんで二人が揃って演練場にいるんだ…」
「お二人が会長、代表とは知られてないですから…様子見か、アオさんに会いにきたかだと…」
少し呆れながらも、急いでメイン制御ルームへ向かう。
『なんで襲撃なんか…』
「政府の場所も、演練場も、偽の座標を更新しながら隠れていたんですが…こんなことができるのは、内部に協力者がいるかもしれないと、神さん達は見てますね」
「確かに、ピンポイントだし、メイン制御ルームもやられたんじゃな」
「特定の誰かを狙ってか?それとも単に集まる演練場を狙われた?」
「なんとも言えないですね。ただ、戦闘系審神者が上にもいますが、霊力の高い三人がここにいます。にの間で抑えておきたかったとこはあるかと…」
「なるほど、それで九重の部屋が空かなくなったんだな」
『でも、それなら俺らも出れないようにしないと意味ないんじゃ?』
「出れなくする前に、俺らが出た可能性はあるな」
「それか九重を閉じ込めて俺らの気をそっちにむけたりとかね」
『実際、厚の連絡なかったら、もっとそっちに気を取られてたね』
エレベーターが使えなくなってたため、階段で地下へ向かう俺ら。
途中敵に襲われるが、短刀たちが素早く倒していく。
「メイン制御ルーム内や道は狭いので、大きな刀達は不利ですが、部屋の前は開けているので、大きな方の方は、私たちが機能復旧させるまでの防衛をしてもらいます。敵がどれだけいるかもわかりません、九重、あなたは無理と思ったら…」
「大丈夫だよ姉さん、なんとなる!」
『頼もしいここちゃん』
「小狐丸達、シュミレーターで九重はどうだった?」
「そうですね、いろんな武器があった中でも、どれも使えていましたが…」
「うん、でも突撃するなら槍や重すぎない刀のがいいみたい。後方にいくと、弓と術、あと接近された時用に、薙刀も使えてた。たぶん棒術系は得意なんじゃないかな」
「加州のいうとおり、棒の扱いが一番上手いのです。なのでそこを伸ばしつつ、懐へ来られた時用の短刀や脇差、術を磨けばいいのでは、と」
「やっぱデカものが得意だよなぁ」
「おじいちゃんの遺伝かな」
「あぁ…」
『おじいちゃん?』
「こいつら刀剣と人の間に生まれた一家だからな」
『え、祖父の代からってすごっ』
話しながら進んでるけど、ちゃんと敵も倒してます。
「この下です」
奏さんの声で警戒を強め、一番地下につく。
目に入ったのは、追いつめられてるひな兄だった。
着くのはどこでもいいと言われ、とりあえず春の間に移動する。
そのまま受付へついていく。
「戦闘系審神者の柳。こっちは同じく戦闘系審神者、アオ。依頼があったので今日はそっちの受付を」
「かしこまりました、確認します」
IDを出し確認するおねーさん。
俺はなんも聞いてないから、とりあえず話を聞く。
「…はい、確認しました。特別演練場、にの間の試運転依頼ですね」
「はい、アオは特練の説明も兼ねてるので。許可はもらってます」
「はし、そちらも確認しました。アオさん、IDをお願いできますか?」
『あ、はい』
おねーさんにIDを渡すと、受付してくれる。
「はい、大丈夫ですよ。では本日はこちらの許可書をお持ちください。通常の演練がしたい時はまた受付へ」
「ありがとうございます。アオ、いくぞ」
『はーい』
そこから移動を始めると、やな兄が説明してくれた。
「まず、春夏秋冬の中にいろはにの間があるって言ったな。あれ、にの間が特別演練場、略して特練の会場なんだ。そこは審神者も参加できる唯一の演練だな」
『じゃあ俺らみたいな戦闘系の人もいるんだ』
「数は少ないがな、あと可能性のある予備軍みたいなやつとか。そこで戦闘系になれそうなやつを探してスカウトする場合もある」
「アオのように最初からってのは珍しいのかい?」
「あぁ、俺らみたいなやつは珍しいな。まあ最初の霊力測定が条件に見合ってたらその説明されてるとは思うぞ」
「それで、依頼とは?」
「あぁ、最近そのにの間をメンテしてたから、その確認のために俺ら戦闘系に試してほしいて依頼」
「あぁ、確かに、ずっとメンテしてたよな」
「ずっと?」
「二月くらいな。戦闘系がメインで使うことが多いから、その平均から強さの設定をしてるらしいんだ。それの調整をしてたんだが、整備できるやつがなかなかいないから、夜桜組の緋生が基本してんだよ」
『あ、それでひな兄あんまり実家に居なかったんだ』
「そそ」
「けどなんでその依頼にアオを?」
「アオの霊力のこともあるから、データが欲しいらしいぞ?」
『あ、もしかして俺の霊力で調整入った感じかな…』
「可能性ありますね…」
話してるとにの間につくが、やな兄が首を傾げる。
「緋生いねぇな…ここに集合言われたんだが」
「あ、柳ー」
きょろきょろと探していると、やな兄を呼ぶ声が聞こえた。
「んあ?おう、夏じゃん。お前も呼ばれたのか?」
「そそ。でもひなさんいないんだよな…そっちの子は?」
「あぁ、俺と柚の末っ子。最近戦闘系になったアオだ」
「あぁ!あの噂の!」
『噂とは…えと、アオです。戦闘系も審神者としてもはまだまだ新米です。よろしくお願いします』
「よろしくね!俺は夏弥!気軽に夏って呼んでね!で、俺も戦闘系なんだ」
『じゃあ夏先輩ですね』
「………なぁ柳。この子ほんとにお前んとこの末っ子?めっちゃいい子なんだけど?」
「正真正銘俺らの末っ子。しかもお前より強い」
「まじか!すげえな!」
「主よ、緋生をさがさなくてよいのか?」
「ツッコミありがとう岩融。忘れてたわ」
岩融さんのおかげで三人と三部隊でひな兄を探すと、待合室で寝てるひな兄を見つけた。
しかも爆睡。
『これ、起きるかね…』
「めっちゃ爆睡だなー」
「こりゃずっと作業してたな…けど起こさねぇと俺らきた意味ねぇしなぁ」
『だね……ひな兄ー起きてー』
「ZZZ…」
「ひーなー」
「んん…zzz」
「起きないとアオの攻撃が…」
『俺かよ』
「攻撃……あぁ、アオ、緋生に殺気ぶつけてみ」
『えぇ…』
「俺よりお前のが戦闘能力も高いし、起きるかもよ」
そういわれ解せぬ、と思いながらも強めに殺気を放つと、ばっ!っと起きて構えるひな兄。
「おはよーひなー」
「っは…あ…?」
「わり、起こすためにアオに殺気ぶつけてもらった」
『ごめんひな兄。あとおはよう』
「あ…あー…アオの殺気か…びっくりした…」
「ずっと作業してたのか?」
「あぁ…あんま寝れてなくてな…ふぁああ…依頼しといて悪いな」
「依頼って、俺らだけ?」
「あと九重」
「は?あいつまだ早いだろ」
「九重は審神者になったとこだしまだまだなんだが、奏に頼まれてな」
「…なぁひなはん。九重はん、迷子って可能性ないですか?あの人、ここ知っとるか知らんけど」
「あ」
『お小夜、ごめん、ここちゃん探してきてくれ…』
「はい…」
俺は呆れ気味にお小夜に頼む。
てか、ここちゃん審神者になったんだな、早い。
てことは、成績いんだな。
売店で売ってたお菓子を食べながら待って数分。
お小夜がここちゃん達をつれてきた。
ここちゃんの部隊は加州さん、愛染さん、小狐丸さん、前田さん、にっかりさん、今剣さんだった。
「アオくんー!小夜ちゃんありがとうめっちゃ助かった~!」
と言いながら突進してきたここちゃんでした。
受付は済ませたらしいけど、やっぱり場所がわからなかったらしい。
あわわわと迷ってたら、うちのお小夜が見つけた、と。
『小夜ありがとな』
「いえ…小狐丸さんは、特練の会場にはきたことなかったみたいですし…」
「ん?その小狐丸、元政府刀?」
「あ、はい。前政府の体験で、私についてくれたのがこの小狐丸だったんです」
「九重の刀になったんだな」
「はい、主様の体験中だけでしたが、その短い間でも、私を自分の刀のように大事にしてくれましたゆえ、この方についていきたいと、申し出たんです」
『ほー!よかったね、ここちゃん』
「うん!」
「すまん九重。政府の刀だった小狐丸が居るなら大丈夫だと思ってた…」
「私はふりーの刀剣でしたので、どちらかというと、ぶらっく本丸の手伝いが主でしたので。アオ殿、助かりました」
『いえいえ、にしてもここちゃんもう審神者って早いね、まだアカデミーでしょ?』
「うん、卒業はまだだけど、審神者になれるくらいの成績はちゃんととってたし、許可出たんだ!」
「んで、なんで奏さんに頼まれたんだ?」
「九重は戦闘系を目指してるから、特練で経験して何が自分に合ってるか知りなさい、とよ」
「あぁ、戦闘面か」
「ですです!」
なるほど。
アカデミーだと最低限の防衛術しか教わらないって言ってたもんな。
「主様は突撃しやすいので、槍や薙刀が得意ではと思ったのですが、他も扱えるみたいなので、得意なのを見つけるようにと、奏殿に言われたのです」
「どれも一応習ったからね」
「まぁいろいろ試してもらって、俺はデータとるわ。メイン制御ルーム行くから、アナウンスで指示出すな」
ひな兄は手をひらひらさせて移動していった。
俺らは出番までだべりながらのんびり菓子と飲み物を食べていた。
だって指示まで暇なんだもん。
数十分後、アナウンスが鳴り出した。
【んじゃ、九重。一の間でいろいろ武器試すため、連続でいくぞ。怪我しても刀剣は治るし、審神者には影響ない。が、本物と思ってやれ】
「はい!」
【九重の部隊は、九重と連携を意識。あと九重の得意な武器や戦闘を知るためでもあるから、できれば観察も頼む】
「わかりました」
【準備できたら始めるから、中に入れ】
ここちゃんは一の間に入り、次の指示がきた。
【夏は二の間、柳は三の間、アオは四の間。調整した100の時間遡行軍を何分で倒せるかだ。たぶんお前らの強さなら20分もかからんと思うが…あ、あとアオ。参加部隊決めたら始めるから、相談してくれ。夏と柳は準備、先に始める】
そう指示を受けると、俺はどうする?と皆に問う。
最初の予定通り、伽羅と厚はまず待機の部隊でいくことに。
ひな兄にそう伝え、四の間に入る。
【刀剣の練度も関わるが、今回は審神者のデータとりで、連携のデータ取りだ。制限時間は30分】
『了解』
【んじゃ、開始】
その合図とともに景色が変わる。
変わると同時に数体の時間遡行軍が襲ってくる。
俺目掛けて。
俺は鞘に収まったままの刀で、右を明石、左を蛍丸、後ろを鶴がなぎ倒し、俺の目の前の大太刀を、不動、薬研、小夜が仕留める。
『いきなりだねー』
「だな」
「あと96体、ですね…」
「血が滾るなぁ」
「真っ先に審神者を狙うよう設定してるのかな」
「アオはやらせねえよ」
「働きたくないんですけどなぁ」
『働かざるもの食うべからず。さ、さっさと終わらせるよ』
休む間もなく襲い来る敵を、俺らはばっさばっさ切っていく。
もちろん体術も駆使して。
でも俺的に、物足りないな…。
練度は刀剣に合わせてるのかな。
途中違和感ある敵も居たけど。
「なんや、違和感ある敵もおりますなぁ」
『あ、気づいてた?』
「そりゃアオはんと比べたら、自分らのが訓練用の敵とやり合うことが多いですしな」
明石と並んだ時、お互いに気づいてることを確認し合う。
そりゃそうだ。
刀剣男士のが慣れてるから、違和感にも気づくか。
それでも敵を切り捨てていき、ラストであろう敵を切った時、景色が変わり、元の部屋に戻る。
『終わったー時間は…うん、15分だね』
「思ったよりかかった気がするな」
「はい…途中違和感ある敵も居ましたし…」
『…なんか嫌な予感すんな…とりあえず外へ行こう』
四の間からでると、やな兄と夏先輩も少し遅れで出てきた。
二人ともう、うーんって顔しながら。
「あ、アオ。そっち何か変わったことなかった?」
『あ、違和感のことですか?』
「お前んとこもか」
『うん。なんか手応えないけど、時々手応えある敵が居た』
「やっぱりか……緋生!なにかしたのか」
やな兄が聞こえてるであろうひな兄に向って言うが、何も反応がない。
なんだろ、この嫌な予感は。
「…変だな…スピーカー壊れた?それともまた寝た?」
「どうだろな…こっちから行きたいが、あいにく場所がわからねぇし、入れるのも政府役員か、緋生のように許可もらってるやつだけなんだよな」
『…ねぇ。ここちゃん、遅くない』
「そういえば…連続でやるとはいってたけど、遅すぎるな…」
―ブー、ブー
そこへ俺の携帯が鳴る。
『厚…?…あつ〈大将!敵だ!九重が危ない!〉!!やな兄!一の間こじ開けれる!?』
「岩融!蜻蛉!太朗!」
「承知!」
「いきますよ!」
「主たちは離れておれ!」
三人が上手く連携し、扉をぶち破る。
一瞬見えた中で、ここちゃんを守りながら戦う刀剣男子達。
破られた扉からすぐに中へ行き、敵を切り伏せていく。
その間に、夏先輩たちがここちゃんを救出。
最後の敵を切り伏せ、出てこないことを確認し、ここちゃんの元へ行く。
『ここちゃんも刀剣男士も、傷見せて』
「アオくん…なにが…」
「俺らにも何が起こってるか…」
「大将!」
「アオ、無事か!」
『ここちゃんとこ以外大丈夫。ここちゃん、傷を治したら、この札を皆に張ってあげて。霊力込めてね』
「え、うん」
「厚、なんで敵だと分かったんだ?」
「俺と大倶利伽羅は、にの間の観戦ルームのモニターで見たんだが、大将たち終わっても九重がまだだと気づいて、モニターを見たら、九重はもう終わってたんだ」
「だが、扉が開かないことに戸惑ってたんだろう。その間に、いきなり時間遡行軍が現れ、もにたーも消えたんだ」
『厚、ナイス』
ここちゃんの怪我は酷くなく、すぐに治療が終わる。
「へぇ、アオ、俺の妹と同じで神通力持ってんのか」
『妹さん?』
「あぁ、妹も戦闘系審神者で、後方支援がメインだけど。神通力使えて、今みたいに傷を治せるんだよ」
『へぇ…珍しいな…』
「……だめだ、緋生の電話につながらない」
「アオくん、ありがとう。厚君も、知らせてくれてありがとう」
驚いた。
ここちゃん、驚きやら戸惑いはあっても、連続でシュミレーターをしてたにも関わらず、疲れてる様子がなかった。
そして俺が渡した札を皆に張っていく。
「ひなに繋がらない…メイン制御ルームがやられてると見た方がいいな」
「けど敵の目的がな…単に審神者を皆殺しにきたのか、特定の人物を狙ってなのか…もしくは両方かもだが…」
「居た!大将!柳たちいたぞ!」
すると、薬研さんと奏さんが走ってやってきた。
「皆さん、無事ですね?」
「姉さん、何が…」
「襲撃です。…その様子だと、すでに遭遇したようですが」
「九重が危なかったが、なんとかな」
「メイン制御ルームのひなと連絡取れないんだよ…姉貴場所分かるか?」
『え、ご兄弟?』
「あ、私と夏兄がいとこなんだ、だから姉さんとも又従兄弟になるの」
『まさかの衝撃』
「案内します。他の場所も襲われてはいますが、集中して出てきてる場所を拠点に、神さんと神楽さんが指揮をとってます」
「なんで二人が揃って演練場にいるんだ…」
「お二人が会長、代表とは知られてないですから…様子見か、アオさんに会いにきたかだと…」
少し呆れながらも、急いでメイン制御ルームへ向かう。
『なんで襲撃なんか…』
「政府の場所も、演練場も、偽の座標を更新しながら隠れていたんですが…こんなことができるのは、内部に協力者がいるかもしれないと、神さん達は見てますね」
「確かに、ピンポイントだし、メイン制御ルームもやられたんじゃな」
「特定の誰かを狙ってか?それとも単に集まる演練場を狙われた?」
「なんとも言えないですね。ただ、戦闘系審神者が上にもいますが、霊力の高い三人がここにいます。にの間で抑えておきたかったとこはあるかと…」
「なるほど、それで九重の部屋が空かなくなったんだな」
『でも、それなら俺らも出れないようにしないと意味ないんじゃ?』
「出れなくする前に、俺らが出た可能性はあるな」
「それか九重を閉じ込めて俺らの気をそっちにむけたりとかね」
『実際、厚の連絡なかったら、もっとそっちに気を取られてたね』
エレベーターが使えなくなってたため、階段で地下へ向かう俺ら。
途中敵に襲われるが、短刀たちが素早く倒していく。
「メイン制御ルーム内や道は狭いので、大きな刀達は不利ですが、部屋の前は開けているので、大きな方の方は、私たちが機能復旧させるまでの防衛をしてもらいます。敵がどれだけいるかもわかりません、九重、あなたは無理と思ったら…」
「大丈夫だよ姉さん、なんとなる!」
『頼もしいここちゃん』
「小狐丸達、シュミレーターで九重はどうだった?」
「そうですね、いろんな武器があった中でも、どれも使えていましたが…」
「うん、でも突撃するなら槍や重すぎない刀のがいいみたい。後方にいくと、弓と術、あと接近された時用に、薙刀も使えてた。たぶん棒術系は得意なんじゃないかな」
「加州のいうとおり、棒の扱いが一番上手いのです。なのでそこを伸ばしつつ、懐へ来られた時用の短刀や脇差、術を磨けばいいのでは、と」
「やっぱデカものが得意だよなぁ」
「おじいちゃんの遺伝かな」
「あぁ…」
『おじいちゃん?』
「こいつら刀剣と人の間に生まれた一家だからな」
『え、祖父の代からってすごっ』
話しながら進んでるけど、ちゃんと敵も倒してます。
「この下です」
奏さんの声で警戒を強め、一番地下につく。
目に入ったのは、追いつめられてるひな兄だった。