龍神が審神者になる?
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――アオ――
厚と鶴がお茶のお代わりと、奏さんと九重さんが持ってきてくれたお菓子を出してくれた。
奏さん甘いもの好きやから、ほわわ~んとしていて、ズーンと重かったはずの空気が和らいだよ。
さすが!(何度目だろ)
『そういえば、時間遡行軍がなんであそこに?』
「あーたぶん俺らが居たからじゃね?」
『ほろ?』
「あの本丸は瘴気の塊になってたけど、俺ら霊力の高い奴が集まると、時々現れるんだよ。一網打尽!て感じでな」
「はい、その事例はいくつかあります。しかもあの時はアオさんも居ましたし…」
『なんかすみません…』
もぐもぐ、ごくん、ずずーと皆でのんびりし。
さてさて、続きだな。
「では、一息いれたところで…今後の皆さんのことです」
『このままうちの子なります?』
「アオ、今はお口チャックね」
『あい』
「皆さんの要望があれば、できるだけそれに応えたいのですが…他本丸への移動、政府の刀剣、刀解など…何かありますか?」
「…必ず叶うかもわからないんだよね…?」
「そうですね……ですが、今回こちらに非があります、なのでできるだけ要望に応えるよう、上からの指示もありますので、言ってみてください」
上から…神や神楽だろうね…ある意味ここの部署は、二人の直轄でもあるらしいから。
さs(もういい)
「…俺と、大倶利伽羅、乱、五虎退、膝丸は、一緒がいい」
「あと、可能ならば、柚殿の刀剣になりたい」
「柚の?」
「…アオ」
『うん。このこと』
「何か視ていたのですか?」
『そう。だから柚兄に刀剣探しはしないようお願いしてたの』
「…なるほど、神さん達もわかってたのですね…」
『おろ?』
「今回の功績はアオにある。アオに任せる。とのことです」
『まさかの今それいう奏さん』
「一応要望は先に聞かないとと思いましたので」
「けどそれだと柚の持てる訳あり刀剣多くね?」
「あぁ、それなら大丈夫です。柚も今回の功労者の一人ということで実績も増えましたので、訳あり刀剣の所持が三振りから増えました。なので、来派をアオさんへ正式に任せることになりましたら、可能です」
「えー、と…?」
『よかったね、その要望叶うよ』
「ほっほんと、ですか…!」
「いいの!?」
「はい。今回の決定権はアオさんにありますから」
『俺偉いやつじゃないのになー…まぁ奏さんも見届けてるし大丈夫か…?で、加州さんは?』
一人名前のなかった加州さん。
答えは知ってるけど、皆は知らないから。
それにはっきり言わないとね。
「…俺は…アオの刀剣に、なりたい…」
「…皆さんと離れることになりますが、いいのですか?」
「…うん。アオ以外は、柚さんか、柳さんがいいけど、二人は無理だろうって聞いてたし。一番は、アオだけど…」
『奏さん加州さんをください』
「嫁にくださいみたいな言い方してはいけません」
「アオさん面白い!」
「九重……決定権はアオさんですよ?」
『よろしく加州さん!』
と、こうしてあっさり引継ぎ先が決まりました!
「ま。柚とアオのところなら、離れてても問題ないだろ。柚は担当官だじ、同じ部署になるし、会う機会も多い」
「そうですね。いつでも会えるほうですよ」
「よ、よかったです…!」
「うん!」
「柚、来派から新たな刀剣へ引継ぎが終われば、正式にあなたの刀剣にします」
「わかりました」
「アオさんは、先に契約しましょうか。特別引き継ぎもないですから」
『よしきた!』
しゅたっ!と立つと、加州さんも嬉しそうに立ち上がり、俺に本体を渡す。
そして本体へ戻ると、俺はゆっくり霊力を流す。
『――おいで、加州清光』
ぶわっと桜が舞い、加州さんが現れる。
「あー。川の下の子です。加州清光。扱いづらいけど、性能はいい感じってね」
『改めて、審神者のアオ。よろしく、清光』
「っうん!よろしく、アオ!」
話し合いは無事終わり、奏さんと九重さんは帰って行った。
清光含め六人には覚えてもらいたいのが、料理。
いや、清光はそこまで覚えなくてもいいのか…まぁ五人には覚えてもらわないといけない。
何故なら五人はこれから柚兄の刀剣になるからだ…!
来派や厚さん、俺らのとこ、光忠さん達で教え合い、なんとか料理できるようになってもらう。
更に五人は、柚兄の事をいろいろ教わらないといけない…。
たいへんだろうけど、頑張って…!
更に一週間。
今日は中止になった花見をやるため、やな兄のところにきてます!
え?怪我?
もう大丈夫!(心配されるけど)
この一週間、とくに料理を覚えるのに苦戦していた五人。
清光は少しは出来ていたのが、レベルアップした。
凄い子だ…。
書類上の手続きももうすぐ終わるだろうとのことで、わくわくしています!
不動と青江を顕現してから、鍛刀はしていない。
その代わり、休んでたぶん出陣と遠征を頑張ってもらった。
素材も手に入るしね。
清光も練度戻ったけど、カンは鈍ってないみたいで、すぐにみんなに追いついた。
凄いね!
頑張ってるけど、頑張りすぎもよくないから、今日はのんびりさせよう。
てなわけで、餃子巻き巻きしてます。
そりゃもう大量に。
「ほんと、柚君もアオ君も回復してよかったよ」
『ご迷惑おかけしまして…光忠さんのご飯と甘味美味しかったです…』
「僕だけじゃないけどね。みんな上手くなったし、いい機会だったのかもね」
「でも本当に心配したんだから、気を付けるんだよ?」
『あい…歌仙さんも、光忠さんお借りしてすみませんでした』
「僕らは構わないよ、料理できる刀剣は他にもいるからね。燭台切のちょっとした気分転換にもなれたなら、いいことだよ」
『優しい世界…』
ほろりと優しさに甘えながらも餃子を巻く。
今回料理を少し覚えた五人にも手伝ってもらい、いろいろ練習してもらってます!
『膝丸さんと大倶利伽羅さん、器用なんやね、料理覚えるの早かったし』
「もともと当番制で、手伝いはしていたからな」
「めいんは燭台切たちだったぜ!」
「あ、あの…アオさん、う、うまく巻けないです…」
『いや、初めてにしては巻けてるよ五虎退さん。練習していけば上手くなるし、はみ出ても問題ないよ』
「まぁはみ出るくらい中身詰まってることだもんな」
『それもある。てか俺もよくはみ出すし。乱さんも獅子王さんも上手くなったね』
「ほんと?」
「やったな、乱!」
みんなの様子も見ながら巻いていると、中庭は準備できたらしい。
なんでも、今回場所を中庭に変えたらしく、中庭が見える部屋を全て使うらしい。
そこで各々グループに分かれホットプレートで餃子を焼いてもらう。
他のおかずなどはこちらで用意。
『あ、奏さんと九重さんも呼んだんだよね、いつくるの?』
「もうすぐくるんじゃないか?少し急用が入ったから、それをしたら来るってよ」
「おや、また仕事かい」
「俺も気になったけど、少し書類関係だと。また緊急な案件とかじゃないから、ちゃんとくるってよ」
『大丈夫そうならよかったよ』
そうして余分のも餃子を巻いて、他のおかずを作ってた歌仙さん達を手伝う。
ほとんどできてたから、あっという間に出来上がる。
「うし、んじゃ、奏さん達はまだだが、先に始めるか。あっちは絶対もう飲んでるぞ」
「そうだね…」
「皆さん楽しみにしてましたからね」
巻いた餃子やおかずなどを各テーブルに分けて運ぶ。
柚兄はお花見しやすい場所。
その周りに新たな家族と、やな兄、俺らが使うテーブルがる。
「あ、アオ。俺ら手伝わなくてよかったの…?」
『大丈夫、清光。柚兄のとこの人は、覚えてもらうための手伝いやしね。てか、清光もともとできてたんだし、気にしないの。最近頑張ってたしね』
「あー…最初の刀剣だったし、最初の主は体弱くて、料理させれなかったからね。なんとか覚えたよ。
それに、体を動かしてないとまだ辛いというか」
『だと思って、あれから止めず遠征や出陣を許可してたからね。でもさすがにちょっと休憩しような。無理に忘れることはないし』
俺らのテーブルに運び、鉄板を温める。
その辺の手伝いはお願いしてたし、清光も手伝ってくれる。
にしても…。
『梅と桜、ダブル花見だなぁ』
「前の時だとまだ梅だけだったな。いい時に変えたから、まぁいいか。心配はしたが」
『「ごめんなさい」』
「たく…どっちが兄貴かわからねぇな…」
やな兄の簡単な乾杯音頭で、さっそく賑やかに騒ぎ出す。
俺の餃子争奪戦も始まってて、追加分用意しといてよかったと、始まってすぐに思った…。
追加のおかずやお酒などの運ぶ手伝いもしていると、あっという間に夕方から夜に。
そこへ、やっと奏さんと九重さん、近侍の薬研さんが来た。
「すみません、招待してもらったのに、遅れてしまい…」
「大丈夫っすよ。何か書類不備とか?」
「いえ、明日の休日をもぎ取るために頑張ってました」
『もぎ取る』
「ちゃんともぎ取ったよ!」
「頑張ったもんなぁ大将」
「私まで招待ありがとうございます!」
「九重も最近休んでなかったしな。息抜きにいいだろ」
書類で俺らに関係ある話もあるらしいが、まずは何か食べて、ゆっくりしようとなり、さっそく餃子を焼いてお皿に取る。
「これ、まさかアオさんの餃子…?」
「え!アオさんの!?」
『え、そうですが…』
「柚から前少しもらったんですが、とても美味しかったです。また食べれるとは…嬉しいですね」
「その話聞いて、私も食べてみたかったんだ!わーい!いただきます!」
ぱくっ!と食べ、はふはふ言いながらも美味しく食べてもらう。
嬉しいねぇ…。
夜桜組と似ていて、違う空気。
これもいいね。
温かい家族。
それぞれお酒や料理を楽しみ、酔いつぶれも出てきてる中、俺や奏さん、柚兄ややな兄、九重さんでデザートを楽しみながら、書類の件の話を聞く。
「獅子王さん達の、柚の刀剣登録、無事終わりました。それから、柚の来派をアオさんへの書類も通りましたので、いつでも大丈夫です」
『おお、長かった…ような?』
「ばたばたしましたからね……それから、アオさん」
『おろ?』
「戦闘系審神者への登録、正式にすることに決まりました」
「「え」」
『そっちのがまだやったんよねぇ』
「奏さん、まだ早いんじゃ…」
「実績を作ってしまいましたからね…もう少し隠せるかと思いましたが、さすがに難しいです…せめて、時空転移ができるかの確認をしたかったのですが…」
「ならそれを待てば…?」
「神さん達も今回、いろいろ権力使ってもらいましたから無理なんです…アオさんが時空転移無理でも、ブラック対策専門でという幹部が多く…」
『派手に動きすぎた、と…まぁ俺はいいんだけど…』
「アオ…」
『俺の夢のためには、戦闘系審神者が早いからね』
気になるから聞きたいんだろうけど、俺が言わないから、聞きたいのを抑えてる面々。
まぁ九重さんは首を傾げてるが。
『それで、一度政府に行った方がいいですか?』
「いえ、まだ大丈夫です。正式に登録した時に来てもらう事にはなりますが…」
『ん、わかりました』
ずずーとお茶を飲みほすと、お代わりいれてくるーとその場を一度離れる。
なんか最近重い空気多いなぁ…。
お茶のお代わりを淹れていると、柚兄とやな兄が来た。
『ん?二人もお代わり?』
「それと一服」
「俺はお代わりと、気になることがあってね?」
『ん??』
「…アオ、君の目的はなんだい?」
やな兄は換気扇のところでタバコを吸いながら、俺らに目を向けてる。
柚兄ははっきり聞いてくる。
「答えれるだけでいいよ、でも、アオに限ってないと思うけど、もしブラックになったら……」
『…なるほど、ブラ本にしないかの心配ね』
「しないとは思うが、さすがに気になってな」
『…夢があるんだ。視たってのもあるけど、俺の夢のため』
「「夢?」」
『刀剣達の護り手になりたいの、つまり、将来的に保護本丸を作りたい』
「保護、本丸?」
「護り手一人でそれは…」
『問題ないよ、視たから。話せるのはこれくらい。ブラックにはしない、約束する』
俺との約束は神との約束も同じと分かってる二人は、ため息をついてた。
なんでかな。
「約束しなくても、アオがしないのはわかってるから」
「あぁ、簡単に約束するな。お前の場合違うんだしな」
『それは失礼』
俺のテーブル分のお茶のお代わりを淹れ、宴会場に戻る。
皆に配って、話の続きだ。
「明石、皆への引継ぎはどうだい?」
「あらかた終わってますわ。細かいことは厚がしてくれるとのことなんで」
「そう…なら、今この時をもって、アオの刀剣になろうか」
『また突然』
「つか、そのつもりで荷物用意させてただろ柚さん…」
「もちろん。荷物は明日届くようにしてるし」
『んじゃ、来派は後で俺と再契約しよう。他に何か話は?』
「あ、会長からの言付が。明日、柳の本丸に行く。アオも刀剣も、柚も私も九重も、そのままそこに今日は泊まれ、です」
「九重も?」
「これから、おそらく深くかかわるだろうし、とのことですね」
「え?え?なになに??」
「明日のお楽しみですよ」
「気になるー!」
フルメンバーということは、明日話すのかな。
でもまさか九重さんもとは。
「そうだ!アオさん、お話がしたいのですが!」
『おろ?なんです?』
「えーと…」
何か言いにくそうにしているから、俺は厨にデザート他にないか見てくる―といい、九重さんと行く。
「すみません…気を使わせて…」
『いやいや、あんなに居たら聞きにくいやろし、ちゃちゃ入れられても嫌だしね』
九重さんにホットレモネードを作り渡してやり、一緒に座る。
『ちょっと甘めにしてるから、飲みやすいと思いますよ』
「いい香り…ありがとう!アオさん」
『いえいえ、それで、どうしました?』
一口飲んで落ち着き、迷いを見せながらも話してくれる。
「アオさんは…なんで、審神者になろうと思いました…?」
『あー…きっかけはバレたからですよ』
「へ?」
九重さんに、審神者になった経緯を話す。
驚かれたけど、さっき兄二人に話した夢も話すと、もっと驚かれた。
「凄いなぁ…でも一人も大変そう…」
『んー…なんだかんだ、俺の家族ややな兄達も手伝ってくれそうだから、ちょっと下心はありますよ?』
「それでも、審神者になる前からそれを考えれるってすごいです!」
『…明日もしかしたら、俺のことについて、会長…神から話があると思う。その時、なんでなろうとしたか、わかるかもしれないよ』
「そうなんだ!」
『九重さんは、迷ってる感じかな?』
「う…はい…。審神者になって、できれば、戦闘系審神者になって、奏姉の手伝いをしたい…でも、役員でも手伝える…だから、迷ってて…」
『…役員になっても、必ずその部署にいけるわけでもないですよね?』
「はい、実力はもちろん要りますし…」
『…んー…俺は、審神者がいいんじゃないかと思いますよ?』
「え?」
『俺の考えですけど、審神者になって、刀剣達と成長する、その方がいいんじゃないかなぁと。戦闘系になれるかはわかりませんが、実力が上がればなれる可能性はあります。でも役員だと、最初から実力がある程度ないといけないイメージもあるから』
「なるほど…遠回りだけど、近道はそっちですね…」
『俺が九重さんなら、の場合ですけどね。決めるのは九重さんですし。審神者から役員になる人もいるし、ありかなぁと』
「そういう考えもあるんだねぇ…」と少し吹っ切れた九重さん。
「ありがとう、アオさん。意見が聞けてよかった」
『こちらこそ、九重さんと話したかったし、よかった』
「あ、ここでもいいですよ!もうお友達のようなもんですし!」
『あ、じゃあ俺もアオで。ここちゃん』
「アオくん!ありがとう!」
こうして、新たな友情ができあがりました。
雑魚寝組は雑魚寝を。
部屋に戻る組は部屋に行き、今日はお開きになりました。
厚と鶴がお茶のお代わりと、奏さんと九重さんが持ってきてくれたお菓子を出してくれた。
奏さん甘いもの好きやから、ほわわ~んとしていて、ズーンと重かったはずの空気が和らいだよ。
さすが!(何度目だろ)
『そういえば、時間遡行軍がなんであそこに?』
「あーたぶん俺らが居たからじゃね?」
『ほろ?』
「あの本丸は瘴気の塊になってたけど、俺ら霊力の高い奴が集まると、時々現れるんだよ。一網打尽!て感じでな」
「はい、その事例はいくつかあります。しかもあの時はアオさんも居ましたし…」
『なんかすみません…』
もぐもぐ、ごくん、ずずーと皆でのんびりし。
さてさて、続きだな。
「では、一息いれたところで…今後の皆さんのことです」
『このままうちの子なります?』
「アオ、今はお口チャックね」
『あい』
「皆さんの要望があれば、できるだけそれに応えたいのですが…他本丸への移動、政府の刀剣、刀解など…何かありますか?」
「…必ず叶うかもわからないんだよね…?」
「そうですね……ですが、今回こちらに非があります、なのでできるだけ要望に応えるよう、上からの指示もありますので、言ってみてください」
上から…神や神楽だろうね…ある意味ここの部署は、二人の直轄でもあるらしいから。
さs(もういい)
「…俺と、大倶利伽羅、乱、五虎退、膝丸は、一緒がいい」
「あと、可能ならば、柚殿の刀剣になりたい」
「柚の?」
「…アオ」
『うん。このこと』
「何か視ていたのですか?」
『そう。だから柚兄に刀剣探しはしないようお願いしてたの』
「…なるほど、神さん達もわかってたのですね…」
『おろ?』
「今回の功績はアオにある。アオに任せる。とのことです」
『まさかの今それいう奏さん』
「一応要望は先に聞かないとと思いましたので」
「けどそれだと柚の持てる訳あり刀剣多くね?」
「あぁ、それなら大丈夫です。柚も今回の功労者の一人ということで実績も増えましたので、訳あり刀剣の所持が三振りから増えました。なので、来派をアオさんへ正式に任せることになりましたら、可能です」
「えー、と…?」
『よかったね、その要望叶うよ』
「ほっほんと、ですか…!」
「いいの!?」
「はい。今回の決定権はアオさんにありますから」
『俺偉いやつじゃないのになー…まぁ奏さんも見届けてるし大丈夫か…?で、加州さんは?』
一人名前のなかった加州さん。
答えは知ってるけど、皆は知らないから。
それにはっきり言わないとね。
「…俺は…アオの刀剣に、なりたい…」
「…皆さんと離れることになりますが、いいのですか?」
「…うん。アオ以外は、柚さんか、柳さんがいいけど、二人は無理だろうって聞いてたし。一番は、アオだけど…」
『奏さん加州さんをください』
「嫁にくださいみたいな言い方してはいけません」
「アオさん面白い!」
「九重……決定権はアオさんですよ?」
『よろしく加州さん!』
と、こうしてあっさり引継ぎ先が決まりました!
「ま。柚とアオのところなら、離れてても問題ないだろ。柚は担当官だじ、同じ部署になるし、会う機会も多い」
「そうですね。いつでも会えるほうですよ」
「よ、よかったです…!」
「うん!」
「柚、来派から新たな刀剣へ引継ぎが終われば、正式にあなたの刀剣にします」
「わかりました」
「アオさんは、先に契約しましょうか。特別引き継ぎもないですから」
『よしきた!』
しゅたっ!と立つと、加州さんも嬉しそうに立ち上がり、俺に本体を渡す。
そして本体へ戻ると、俺はゆっくり霊力を流す。
『――おいで、加州清光』
ぶわっと桜が舞い、加州さんが現れる。
「あー。川の下の子です。加州清光。扱いづらいけど、性能はいい感じってね」
『改めて、審神者のアオ。よろしく、清光』
「っうん!よろしく、アオ!」
話し合いは無事終わり、奏さんと九重さんは帰って行った。
清光含め六人には覚えてもらいたいのが、料理。
いや、清光はそこまで覚えなくてもいいのか…まぁ五人には覚えてもらわないといけない。
何故なら五人はこれから柚兄の刀剣になるからだ…!
来派や厚さん、俺らのとこ、光忠さん達で教え合い、なんとか料理できるようになってもらう。
更に五人は、柚兄の事をいろいろ教わらないといけない…。
たいへんだろうけど、頑張って…!
更に一週間。
今日は中止になった花見をやるため、やな兄のところにきてます!
え?怪我?
もう大丈夫!(心配されるけど)
この一週間、とくに料理を覚えるのに苦戦していた五人。
清光は少しは出来ていたのが、レベルアップした。
凄い子だ…。
書類上の手続きももうすぐ終わるだろうとのことで、わくわくしています!
不動と青江を顕現してから、鍛刀はしていない。
その代わり、休んでたぶん出陣と遠征を頑張ってもらった。
素材も手に入るしね。
清光も練度戻ったけど、カンは鈍ってないみたいで、すぐにみんなに追いついた。
凄いね!
頑張ってるけど、頑張りすぎもよくないから、今日はのんびりさせよう。
てなわけで、餃子巻き巻きしてます。
そりゃもう大量に。
「ほんと、柚君もアオ君も回復してよかったよ」
『ご迷惑おかけしまして…光忠さんのご飯と甘味美味しかったです…』
「僕だけじゃないけどね。みんな上手くなったし、いい機会だったのかもね」
「でも本当に心配したんだから、気を付けるんだよ?」
『あい…歌仙さんも、光忠さんお借りしてすみませんでした』
「僕らは構わないよ、料理できる刀剣は他にもいるからね。燭台切のちょっとした気分転換にもなれたなら、いいことだよ」
『優しい世界…』
ほろりと優しさに甘えながらも餃子を巻く。
今回料理を少し覚えた五人にも手伝ってもらい、いろいろ練習してもらってます!
『膝丸さんと大倶利伽羅さん、器用なんやね、料理覚えるの早かったし』
「もともと当番制で、手伝いはしていたからな」
「めいんは燭台切たちだったぜ!」
「あ、あの…アオさん、う、うまく巻けないです…」
『いや、初めてにしては巻けてるよ五虎退さん。練習していけば上手くなるし、はみ出ても問題ないよ』
「まぁはみ出るくらい中身詰まってることだもんな」
『それもある。てか俺もよくはみ出すし。乱さんも獅子王さんも上手くなったね』
「ほんと?」
「やったな、乱!」
みんなの様子も見ながら巻いていると、中庭は準備できたらしい。
なんでも、今回場所を中庭に変えたらしく、中庭が見える部屋を全て使うらしい。
そこで各々グループに分かれホットプレートで餃子を焼いてもらう。
他のおかずなどはこちらで用意。
『あ、奏さんと九重さんも呼んだんだよね、いつくるの?』
「もうすぐくるんじゃないか?少し急用が入ったから、それをしたら来るってよ」
「おや、また仕事かい」
「俺も気になったけど、少し書類関係だと。また緊急な案件とかじゃないから、ちゃんとくるってよ」
『大丈夫そうならよかったよ』
そうして余分のも餃子を巻いて、他のおかずを作ってた歌仙さん達を手伝う。
ほとんどできてたから、あっという間に出来上がる。
「うし、んじゃ、奏さん達はまだだが、先に始めるか。あっちは絶対もう飲んでるぞ」
「そうだね…」
「皆さん楽しみにしてましたからね」
巻いた餃子やおかずなどを各テーブルに分けて運ぶ。
柚兄はお花見しやすい場所。
その周りに新たな家族と、やな兄、俺らが使うテーブルがる。
「あ、アオ。俺ら手伝わなくてよかったの…?」
『大丈夫、清光。柚兄のとこの人は、覚えてもらうための手伝いやしね。てか、清光もともとできてたんだし、気にしないの。最近頑張ってたしね』
「あー…最初の刀剣だったし、最初の主は体弱くて、料理させれなかったからね。なんとか覚えたよ。
それに、体を動かしてないとまだ辛いというか」
『だと思って、あれから止めず遠征や出陣を許可してたからね。でもさすがにちょっと休憩しような。無理に忘れることはないし』
俺らのテーブルに運び、鉄板を温める。
その辺の手伝いはお願いしてたし、清光も手伝ってくれる。
にしても…。
『梅と桜、ダブル花見だなぁ』
「前の時だとまだ梅だけだったな。いい時に変えたから、まぁいいか。心配はしたが」
『「ごめんなさい」』
「たく…どっちが兄貴かわからねぇな…」
やな兄の簡単な乾杯音頭で、さっそく賑やかに騒ぎ出す。
俺の餃子争奪戦も始まってて、追加分用意しといてよかったと、始まってすぐに思った…。
追加のおかずやお酒などの運ぶ手伝いもしていると、あっという間に夕方から夜に。
そこへ、やっと奏さんと九重さん、近侍の薬研さんが来た。
「すみません、招待してもらったのに、遅れてしまい…」
「大丈夫っすよ。何か書類不備とか?」
「いえ、明日の休日をもぎ取るために頑張ってました」
『もぎ取る』
「ちゃんともぎ取ったよ!」
「頑張ったもんなぁ大将」
「私まで招待ありがとうございます!」
「九重も最近休んでなかったしな。息抜きにいいだろ」
書類で俺らに関係ある話もあるらしいが、まずは何か食べて、ゆっくりしようとなり、さっそく餃子を焼いてお皿に取る。
「これ、まさかアオさんの餃子…?」
「え!アオさんの!?」
『え、そうですが…』
「柚から前少しもらったんですが、とても美味しかったです。また食べれるとは…嬉しいですね」
「その話聞いて、私も食べてみたかったんだ!わーい!いただきます!」
ぱくっ!と食べ、はふはふ言いながらも美味しく食べてもらう。
嬉しいねぇ…。
夜桜組と似ていて、違う空気。
これもいいね。
温かい家族。
それぞれお酒や料理を楽しみ、酔いつぶれも出てきてる中、俺や奏さん、柚兄ややな兄、九重さんでデザートを楽しみながら、書類の件の話を聞く。
「獅子王さん達の、柚の刀剣登録、無事終わりました。それから、柚の来派をアオさんへの書類も通りましたので、いつでも大丈夫です」
『おお、長かった…ような?』
「ばたばたしましたからね……それから、アオさん」
『おろ?』
「戦闘系審神者への登録、正式にすることに決まりました」
「「え」」
『そっちのがまだやったんよねぇ』
「奏さん、まだ早いんじゃ…」
「実績を作ってしまいましたからね…もう少し隠せるかと思いましたが、さすがに難しいです…せめて、時空転移ができるかの確認をしたかったのですが…」
「ならそれを待てば…?」
「神さん達も今回、いろいろ権力使ってもらいましたから無理なんです…アオさんが時空転移無理でも、ブラック対策専門でという幹部が多く…」
『派手に動きすぎた、と…まぁ俺はいいんだけど…』
「アオ…」
『俺の夢のためには、戦闘系審神者が早いからね』
気になるから聞きたいんだろうけど、俺が言わないから、聞きたいのを抑えてる面々。
まぁ九重さんは首を傾げてるが。
『それで、一度政府に行った方がいいですか?』
「いえ、まだ大丈夫です。正式に登録した時に来てもらう事にはなりますが…」
『ん、わかりました』
ずずーとお茶を飲みほすと、お代わりいれてくるーとその場を一度離れる。
なんか最近重い空気多いなぁ…。
お茶のお代わりを淹れていると、柚兄とやな兄が来た。
『ん?二人もお代わり?』
「それと一服」
「俺はお代わりと、気になることがあってね?」
『ん??』
「…アオ、君の目的はなんだい?」
やな兄は換気扇のところでタバコを吸いながら、俺らに目を向けてる。
柚兄ははっきり聞いてくる。
「答えれるだけでいいよ、でも、アオに限ってないと思うけど、もしブラックになったら……」
『…なるほど、ブラ本にしないかの心配ね』
「しないとは思うが、さすがに気になってな」
『…夢があるんだ。視たってのもあるけど、俺の夢のため』
「「夢?」」
『刀剣達の護り手になりたいの、つまり、将来的に保護本丸を作りたい』
「保護、本丸?」
「護り手一人でそれは…」
『問題ないよ、視たから。話せるのはこれくらい。ブラックにはしない、約束する』
俺との約束は神との約束も同じと分かってる二人は、ため息をついてた。
なんでかな。
「約束しなくても、アオがしないのはわかってるから」
「あぁ、簡単に約束するな。お前の場合違うんだしな」
『それは失礼』
俺のテーブル分のお茶のお代わりを淹れ、宴会場に戻る。
皆に配って、話の続きだ。
「明石、皆への引継ぎはどうだい?」
「あらかた終わってますわ。細かいことは厚がしてくれるとのことなんで」
「そう…なら、今この時をもって、アオの刀剣になろうか」
『また突然』
「つか、そのつもりで荷物用意させてただろ柚さん…」
「もちろん。荷物は明日届くようにしてるし」
『んじゃ、来派は後で俺と再契約しよう。他に何か話は?』
「あ、会長からの言付が。明日、柳の本丸に行く。アオも刀剣も、柚も私も九重も、そのままそこに今日は泊まれ、です」
「九重も?」
「これから、おそらく深くかかわるだろうし、とのことですね」
「え?え?なになに??」
「明日のお楽しみですよ」
「気になるー!」
フルメンバーということは、明日話すのかな。
でもまさか九重さんもとは。
「そうだ!アオさん、お話がしたいのですが!」
『おろ?なんです?』
「えーと…」
何か言いにくそうにしているから、俺は厨にデザート他にないか見てくる―といい、九重さんと行く。
「すみません…気を使わせて…」
『いやいや、あんなに居たら聞きにくいやろし、ちゃちゃ入れられても嫌だしね』
九重さんにホットレモネードを作り渡してやり、一緒に座る。
『ちょっと甘めにしてるから、飲みやすいと思いますよ』
「いい香り…ありがとう!アオさん」
『いえいえ、それで、どうしました?』
一口飲んで落ち着き、迷いを見せながらも話してくれる。
「アオさんは…なんで、審神者になろうと思いました…?」
『あー…きっかけはバレたからですよ』
「へ?」
九重さんに、審神者になった経緯を話す。
驚かれたけど、さっき兄二人に話した夢も話すと、もっと驚かれた。
「凄いなぁ…でも一人も大変そう…」
『んー…なんだかんだ、俺の家族ややな兄達も手伝ってくれそうだから、ちょっと下心はありますよ?』
「それでも、審神者になる前からそれを考えれるってすごいです!」
『…明日もしかしたら、俺のことについて、会長…神から話があると思う。その時、なんでなろうとしたか、わかるかもしれないよ』
「そうなんだ!」
『九重さんは、迷ってる感じかな?』
「う…はい…。審神者になって、できれば、戦闘系審神者になって、奏姉の手伝いをしたい…でも、役員でも手伝える…だから、迷ってて…」
『…役員になっても、必ずその部署にいけるわけでもないですよね?』
「はい、実力はもちろん要りますし…」
『…んー…俺は、審神者がいいんじゃないかと思いますよ?』
「え?」
『俺の考えですけど、審神者になって、刀剣達と成長する、その方がいいんじゃないかなぁと。戦闘系になれるかはわかりませんが、実力が上がればなれる可能性はあります。でも役員だと、最初から実力がある程度ないといけないイメージもあるから』
「なるほど…遠回りだけど、近道はそっちですね…」
『俺が九重さんなら、の場合ですけどね。決めるのは九重さんですし。審神者から役員になる人もいるし、ありかなぁと』
「そういう考えもあるんだねぇ…」と少し吹っ切れた九重さん。
「ありがとう、アオさん。意見が聞けてよかった」
『こちらこそ、九重さんと話したかったし、よかった』
「あ、ここでもいいですよ!もうお友達のようなもんですし!」
『あ、じゃあ俺もアオで。ここちゃん』
「アオくん!ありがとう!」
こうして、新たな友情ができあがりました。
雑魚寝組は雑魚寝を。
部屋に戻る組は部屋に行き、今日はお開きになりました。