龍神が審神者になる?
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――アオside――
やな兄のご飯に満足のアオでございます!
さてさて、現在昼休憩(食休み)として、薬研と小夜と一緒に、新しいうちの子迎えに行ってます!
脇差と短刀…誰がくるかなー。
『式神君、ありがとな。』
鍛刀してくれた式神たちの頭を撫で、短刀と脇差に触れ、霊力を流し込む。
ブワッと桜が舞い、現れたのは…―――
「……ひっく。俺は不動行光。織田信長公が最も愛した刀なんだぞぉ!どうだ、参ったかぁ~!」
「僕はにっかり青江。うんうん、君も変な名前だと思うだろう?」
『あ、不動さんとにっかりさんだ』
「「ん?」」
「大将…」
「アオさん…こちらの二振りは、アオさんの刀剣だから…」
『いやぁ…つい。すまん。はじめまして、俺はこの本丸の審神者、アオです。俺のことは主呼びじゃなく、アオと呼んでくれ、よろしく』
「あぁ、よろしく頼むよ」
「ひっく…一応よろしくしてやるよ~」
また個性強そうな二人だなぁ。
「久しぶりだな、不動」
「ん?んん~?…薬研!お前薬研藤四郎か!」
『あら、知り合い?』
「薬研と不動さんは、元織田信長の刀だったので…」
『なるほど。じゃあ…薬研、不動の案内任せていいか?小夜はにっかりを』
「あぁ、いいぜ大将」
「はい、任せてください…」
『頼んだ。俺は厨に一度戻る』
二人を任せると、厨に戻り、片付けの様子を見る。
もう洗い物は終わり、棚に直していた。
『あれ、堀川さん。ゆっくりしててよかったのに…』
「あ、アオさん、おかえりなさい。いいんですよ!こういうの楽しいですから」
「世話好きだからなぁ…誰が来たんだ?」
『ひっかりと不動だったよ』
「また癖のあるやつきたな…」
『でも俺は嬉しいからねぇ。あ、厚、報告書どうした?』
「執務室の机の上に置いといたぜ!」
『ナイス!皆がまた出陣してる間、報告書見ながら提出の報告書作成しとくよ。陸奥はパソコン講義』
「んじゃ、俺と鶴丸、薬研で出陣か遠征だな。俺と小夜はしばらく分けての方がいいし」
『そやね。んで、近侍と隊長は一緒したくないから、また厚を隊長で頼む』
「ほいきた!任せな!」
「よし、片付けおわったぞ」
「おわったにゃー」
二人に『ありがとう、お疲れ』と伝え、冷蔵庫の中身などを確認する。
メモ帳を出し、今ある材料を書き込む。
今日は晩御飯どうすかー。
『よし。んじゃ、俺は先に執務室に行く。薬研と小夜がきたら伝えてくれ』
それを伝え、執務室へ。
初日に結構買ったけどもう材料あんまないなー、やっぱ刀剣男士の胃袋侮ったらあかんね。
晩御飯の献立など考えながら執務室につくと、今日の報告書を作っていく。
厚の報告書を参考にしていくが、厚細かいな…それだけ周りを見てるってことかな。
しばらくして、今日の第一部隊と薬研、小夜、顕現したてのにっかい、不動(つまり全員)がやってきた。
「大将、二人の案内終わったぜ」
「出陣メンバー、変えると聞きましたが…」
『ありがとう、二人とも。午後は陸奥に、国広の講義受けてもらうから、薬研も交代で第一部隊に。小夜は補佐として、また薬研の出陣中は臨時近侍として残ってくれ』
「わかった、じゃあ俺は準備してくるな。不動頼む」
「ひっく…」
『んーで、にっかりと不動は、まだ顕現したてだから、出陣もなし。観察なりしてくれ。早ければ明日から部隊入れるかもだしな』
「霊力が馴染むまで、一日置く、だったかな」
「めんどくせぇなぁ…ひっく」
『まぁそういうな。人間一年生、まだまだ慣れてないこともあるだろうしさ。それにいきなり出陣して折れたら俺が悲しいから』
苦笑しながら答え、不動の頭を癖で撫でてしまったが、嫌がる素振りもなく安心した。
『部屋は…と、内番服や予備も後ででいいか。厚、遠征と出陣、どっちにする?』
「遠征は10分のしかまだ俺たちはいけないから、出陣かな…函館は今の面子でも、怪我人もなくいけるようになってきたから、次の会津に行ってみようかと思うんだが」
『ん、厚の報告書見たけど、細かく書かれててわかりやすかった。それだけ周りも見てるってことだろうから、任せるよ。怪我したら俺が手入れするしな』
「ありがとな、大将!ただギリギリだと思うから、今回は試しで行こうと思う、そこも見極めてくる」
『ん、頼んだ。んじゃ、陸奥は武装解除…はしてるから、国広呼ぶよ。他はそれぞれ準備。小夜、お茶淹れるの手伝ってくれるか?』
「はい…不動とにっかりさんは…」
『二人はそうだなぁ…俺らの観察してもらおうか、てなわけで、二人もお茶淹れるの手伝ってくれ。あ、武装解除で大丈夫だから、邪魔なやつはここに置いといてくれ、あとで部屋とか考えるから』
「わかったよ」
「うい~…」
それぞれが動き出すと、とりあえず途中までできた報告書を端に寄せたりする。
そして国広に連絡を入れて、私室へ向かいお茶の用意。
熱々より、少し冷めたくらいの、甘めのお茶。
やな兄はコーヒーがよかったかな…。
まぁいいか(おい)
お茶を淹れ、皆で運ぶと、執務室にやな兄たちがすでにいた。
『お茶淹れたからどーぞー。俺出陣組に行先の紙渡してくる』
「行先の、紙…?」
「不動、にっかりさん、一緒に行きましょう…見送りも兼ねて、この本丸の転移装置を見に…」
小夜が提案してくれて、みんなで行くことに。
やな兄たちはのんびりしていた。
『転移装置って、審神者によって違うらしいんだけど、俺のはあんまりないやつらしくてな…真ん中の灯籠に俺の霊力を流すと、周りの灯籠にも霊力の籠った火が灯る。んで、霊力を込めて書いた行先の紙を、中央の灯籠に入れることで、出陣、遠征に行けるんだ』
「へぇ…不思議だね?転移装置の仕組みのことだよ?」
「ひっく…出陣か遠征か、わかるのかよ…」
『それは書く時に、どっちなのかをはっきりすればいいみたいだな。で、これが今回のやつな』
俺が「出陣・会津」と書いたやつを見せる。
にっかりは「なるほど」と頷く。
『厚、これな』
「さんきゅ!大将」
『んじゃ、薬研藤四郎』
「組み討ちなら任せとけ」
『鶴丸国永』
「任せておけ。先陣切って空気を掴むぜ」
『隊長、厚藤四郎』
「よーし、頑張るぞ!」
『出陣場所は、維新の記憶、会津。初めての出陣先、何が起こるかわからない。様子見として行くくらいで、無理しないように。厚も、見極め頼むな』
「あぁ!今回は怪我人出たらすぐに帰るつもりだから、念のため手入れ部屋の用意頼むな」
「それは、僕がしておくね…」
『ありがとう、小夜。んじゃ、気を付けていってこい!誰も折れることは許さない、ちゃんと帰って、俺らに「ただいま」を言う事』
「「「おう!」」」
中央に霊力を流し、離れると、厚が紙を入れる。
そして、桜吹雪の中、出陣組は行ったのだった。
『と…まあ出陣や遠征の行き方?はこんな感じだ。あと、このモニターってやつで向こうの様子を見れたりする。見ながら用事も出来るから助かるな』
「へぇ…こちらに戻る方法は?」
「向こうにも、このモニターのようなものがでるんですが…そこの下の方に、帰還要請の押せるところがあります…そこを押して、こちら側で承認のところを押すと、帰還できます…」
「こっちの声とかも届いてんのかぁ~?」
『そう、聞けるし、向こうにも聞こえる。だから相談しながら進むこともできるんだけど…俺が戦略とか苦手でな…今は厚や皆に任せまくりなんだ…』
苦笑しながら、執務室へ向かう。
にしても、不動は甘酒が好きなのか。
甘酒くらいならネットでも買えるかな…後で確認しよう。
今日は何にしようかなー…。
小夜に二人を任せ、俺は自分の洗濯物を干しに急いで私室へ。
さっさと干したら、皆のを干しに。
そしたら、小夜たちが干してくれてる。
何気に堀川さん、手伝ってるし…。
『小夜、不動もにっかりもすまん。堀川さん…ここまでしなくていいのに…』
「いいんですよ、兄弟は陸奥守さんに教えてるし、主さんはのんびりしてるから、手持ち無沙汰で」
『あー…ね。なんかすみません』
ふと、出陣の方を確認すると、まだ傷はないようだ。
『厚、どうだ?』
<そうだな…今のところ、問題はないんだが…親玉のところになるとわからないな…>
『ふむ。短刀は基本、夜戦や屋内が得意なんよな?昼はどうだ?』
<動けないとかじゃないし、普通には戦えるんだが、まあ屋内や夜戦のが力を発揮できるな。もともと俺ら短刀は守り刀だし>
『君ら短刀はオールマイティーだな…もう少し進むか?』
<そうだな…おそらくもうすぐ大将首のところなんだよな。このまま行ってみる。やばかったら緊急帰還のところ押すから、大将も構えといてくれ>
『了解。無理はするな。機動でいえば鶴がどうしても劣ってしまう。無理して突っ込まず、ここだ!てところを狙えばいい』
<あぁ、わかった>
皆が気を使って、洗濯物干してくれてる間、俺はモニターを見ている。
時々、不動とにっかりも覗きにきていた。
少しして、敵本陣についた第一部隊。
<敵、短刀2体と脇差1だな>
『いけそうか?』
<ここまでの強さからだと、いける気もするが…>
『ん。んじゃ試してみようか。怪我したら俺が治すしな』
<あぁ、腕が鳴るぜ!>
『鶴、短刀がまだ自分に厳しいようなら、脇差を狙え』
<そうだな、まだ少し不安はあるが…>
『お?試してみたいならいいぞ。折れずに帰ってきたら良しだ。厚、どう思う?』
<そうだな…鶴丸でも短刀は問題ないと思うが、敵本陣だから、そこが心配なくらいかな…>
『ん、なら鶴、短刀試してみよう。薬研と厚が早く終われば加勢。もちろん、鶴が先に終わったら二人に加勢』
<<<あぁ!>>>
第一部隊が突っ込むと、隣にきていたにっかりが「ふむ」とつぶやく。
「君は戦場という本番でも、試すことをするんだね」
『強敵なら試さない。ただ厚の報告…昼までの出陣の報告書から、いけるかもしれないとは思ってる。もちろん、怪我はしても折れはしないだろうと自信もある』
「ひっく…なんで、そんな自信もてんだよ…」
『厚の報告も、皆の成長ぶりも、全部を信じてるからだな。それに、いざとなったら俺が飛んでく』
「「は?」」
二人に、俺が戦闘系審神者(まだ仮)だということを、小夜と堀川さんが説明してくれる。
堀川さんは、自分の主であるやな兄もだから、一緒に説明している。
そして戦闘は……―――
『おぉ!無傷でいけた!厚、薬研、鶴!凄い!特に鶴!短刀がまだ不安そうだったけど、無傷でいけたよ!』
<ははっ、ここの敵がまだ弱かっただけさ。だが、ありがとうな、アオ、厚も。試させてもらって>
<鶴丸の実力だって!>
<あぁ、旦那よくやったぜ>
<…嬉しいが、なんだ、恥ずかしいな…>
『今回いけたけど、次はわからないもんなぁ…けど、今回は無傷でいけたんだ、その自信を忘れず、でも油断もせず、次もやってみたらいい』
<あぁ!>
<んじゃ、帰るか!>
厚が帰還要請のボタンを押し、俺の方に帰還要請、承認ボタンが現れる。
そこを不動に押させると、向こうが桜吹雪に包まれ、こっちのモニターも消えた。
「あんたじゃなくても、承認できんだなぁ」
『あぁ、こないだ厚で試したらいけたんでな。俺が出陣しても、誰かが押してくれたらいいだろ?』
「ふ~ん…」
『つか、洗濯ものありがとうな、顕現したてなのに』
「ひっく…あれぐらいなんでもねぇぜ~」
「あぁ、それに、これからは僕らもしなきゃなんだしね」
『あぁ、いろいろ慣れてもらわないとだな』
執務室へ戻りながら話していると「たいしょー!」と聞こえる。
ちょうど第一部隊が戻ってきたみたいだ。
『お疲れー!ナイスだった!誉も鶴だな』
「凄いことになってるよ。誉桜のことだよ?」
「褒められるのは嬉しいが、恥ずかしいな…」
『んー…誉とったら何かしようかな…』
「アオさん…嬉しいけれど、誉を取るたびにしてたら、切りがないかも…」
「だな…なら、20回誉取ったらご褒美とかのがいいぜ…」
「主さんもそんな感じですよ、偏りがでないように、全体的に出陣部隊も決めてますし。あと、初めての誉は別ですね」
『なるほど…』
執務室について、俺は報告書の続きを記入する。
やな兄はスマホと睨めっこしながら煙草吸っていた。
他は好きにしていたが、今日の部隊は一度ストップし、休憩中。
報告書の続きを終わらせると、やな兄の方へ行く。
『やな兄、どしたの、睨めっこして』
「いや、柚の仕事がもしかしたら長引くかもしれなくてな。明後日の花見先延ばしにするかもしれんなぁと」
『あ、柚兄の仕事休みに合わせてるんやね』
「そりゃな。ブラック関係ぽいんだが、なんも言わねぇんだよな…」
『え、じゃあなんでブラック関係とかってわかったん?』
「こんのすけに聞いた(脅した)」
『なんか副音声聞こえた…やな兄のこん、ご愁傷様…』
この後は、やな兄達が帰るまで、のんびりしていましたとさ。
あ、晩御飯の買い出しはタブレットで済ませたよ!
やな兄のご飯に満足のアオでございます!
さてさて、現在昼休憩(食休み)として、薬研と小夜と一緒に、新しいうちの子迎えに行ってます!
脇差と短刀…誰がくるかなー。
『式神君、ありがとな。』
鍛刀してくれた式神たちの頭を撫で、短刀と脇差に触れ、霊力を流し込む。
ブワッと桜が舞い、現れたのは…―――
「……ひっく。俺は不動行光。織田信長公が最も愛した刀なんだぞぉ!どうだ、参ったかぁ~!」
「僕はにっかり青江。うんうん、君も変な名前だと思うだろう?」
『あ、不動さんとにっかりさんだ』
「「ん?」」
「大将…」
「アオさん…こちらの二振りは、アオさんの刀剣だから…」
『いやぁ…つい。すまん。はじめまして、俺はこの本丸の審神者、アオです。俺のことは主呼びじゃなく、アオと呼んでくれ、よろしく』
「あぁ、よろしく頼むよ」
「ひっく…一応よろしくしてやるよ~」
また個性強そうな二人だなぁ。
「久しぶりだな、不動」
「ん?んん~?…薬研!お前薬研藤四郎か!」
『あら、知り合い?』
「薬研と不動さんは、元織田信長の刀だったので…」
『なるほど。じゃあ…薬研、不動の案内任せていいか?小夜はにっかりを』
「あぁ、いいぜ大将」
「はい、任せてください…」
『頼んだ。俺は厨に一度戻る』
二人を任せると、厨に戻り、片付けの様子を見る。
もう洗い物は終わり、棚に直していた。
『あれ、堀川さん。ゆっくりしててよかったのに…』
「あ、アオさん、おかえりなさい。いいんですよ!こういうの楽しいですから」
「世話好きだからなぁ…誰が来たんだ?」
『ひっかりと不動だったよ』
「また癖のあるやつきたな…」
『でも俺は嬉しいからねぇ。あ、厚、報告書どうした?』
「執務室の机の上に置いといたぜ!」
『ナイス!皆がまた出陣してる間、報告書見ながら提出の報告書作成しとくよ。陸奥はパソコン講義』
「んじゃ、俺と鶴丸、薬研で出陣か遠征だな。俺と小夜はしばらく分けての方がいいし」
『そやね。んで、近侍と隊長は一緒したくないから、また厚を隊長で頼む』
「ほいきた!任せな!」
「よし、片付けおわったぞ」
「おわったにゃー」
二人に『ありがとう、お疲れ』と伝え、冷蔵庫の中身などを確認する。
メモ帳を出し、今ある材料を書き込む。
今日は晩御飯どうすかー。
『よし。んじゃ、俺は先に執務室に行く。薬研と小夜がきたら伝えてくれ』
それを伝え、執務室へ。
初日に結構買ったけどもう材料あんまないなー、やっぱ刀剣男士の胃袋侮ったらあかんね。
晩御飯の献立など考えながら執務室につくと、今日の報告書を作っていく。
厚の報告書を参考にしていくが、厚細かいな…それだけ周りを見てるってことかな。
しばらくして、今日の第一部隊と薬研、小夜、顕現したてのにっかい、不動(つまり全員)がやってきた。
「大将、二人の案内終わったぜ」
「出陣メンバー、変えると聞きましたが…」
『ありがとう、二人とも。午後は陸奥に、国広の講義受けてもらうから、薬研も交代で第一部隊に。小夜は補佐として、また薬研の出陣中は臨時近侍として残ってくれ』
「わかった、じゃあ俺は準備してくるな。不動頼む」
「ひっく…」
『んーで、にっかりと不動は、まだ顕現したてだから、出陣もなし。観察なりしてくれ。早ければ明日から部隊入れるかもだしな』
「霊力が馴染むまで、一日置く、だったかな」
「めんどくせぇなぁ…ひっく」
『まぁそういうな。人間一年生、まだまだ慣れてないこともあるだろうしさ。それにいきなり出陣して折れたら俺が悲しいから』
苦笑しながら答え、不動の頭を癖で撫でてしまったが、嫌がる素振りもなく安心した。
『部屋は…と、内番服や予備も後ででいいか。厚、遠征と出陣、どっちにする?』
「遠征は10分のしかまだ俺たちはいけないから、出陣かな…函館は今の面子でも、怪我人もなくいけるようになってきたから、次の会津に行ってみようかと思うんだが」
『ん、厚の報告書見たけど、細かく書かれててわかりやすかった。それだけ周りも見てるってことだろうから、任せるよ。怪我したら俺が手入れするしな』
「ありがとな、大将!ただギリギリだと思うから、今回は試しで行こうと思う、そこも見極めてくる」
『ん、頼んだ。んじゃ、陸奥は武装解除…はしてるから、国広呼ぶよ。他はそれぞれ準備。小夜、お茶淹れるの手伝ってくれるか?』
「はい…不動とにっかりさんは…」
『二人はそうだなぁ…俺らの観察してもらおうか、てなわけで、二人もお茶淹れるの手伝ってくれ。あ、武装解除で大丈夫だから、邪魔なやつはここに置いといてくれ、あとで部屋とか考えるから』
「わかったよ」
「うい~…」
それぞれが動き出すと、とりあえず途中までできた報告書を端に寄せたりする。
そして国広に連絡を入れて、私室へ向かいお茶の用意。
熱々より、少し冷めたくらいの、甘めのお茶。
やな兄はコーヒーがよかったかな…。
まぁいいか(おい)
お茶を淹れ、皆で運ぶと、執務室にやな兄たちがすでにいた。
『お茶淹れたからどーぞー。俺出陣組に行先の紙渡してくる』
「行先の、紙…?」
「不動、にっかりさん、一緒に行きましょう…見送りも兼ねて、この本丸の転移装置を見に…」
小夜が提案してくれて、みんなで行くことに。
やな兄たちはのんびりしていた。
『転移装置って、審神者によって違うらしいんだけど、俺のはあんまりないやつらしくてな…真ん中の灯籠に俺の霊力を流すと、周りの灯籠にも霊力の籠った火が灯る。んで、霊力を込めて書いた行先の紙を、中央の灯籠に入れることで、出陣、遠征に行けるんだ』
「へぇ…不思議だね?転移装置の仕組みのことだよ?」
「ひっく…出陣か遠征か、わかるのかよ…」
『それは書く時に、どっちなのかをはっきりすればいいみたいだな。で、これが今回のやつな』
俺が「出陣・会津」と書いたやつを見せる。
にっかりは「なるほど」と頷く。
『厚、これな』
「さんきゅ!大将」
『んじゃ、薬研藤四郎』
「組み討ちなら任せとけ」
『鶴丸国永』
「任せておけ。先陣切って空気を掴むぜ」
『隊長、厚藤四郎』
「よーし、頑張るぞ!」
『出陣場所は、維新の記憶、会津。初めての出陣先、何が起こるかわからない。様子見として行くくらいで、無理しないように。厚も、見極め頼むな』
「あぁ!今回は怪我人出たらすぐに帰るつもりだから、念のため手入れ部屋の用意頼むな」
「それは、僕がしておくね…」
『ありがとう、小夜。んじゃ、気を付けていってこい!誰も折れることは許さない、ちゃんと帰って、俺らに「ただいま」を言う事』
「「「おう!」」」
中央に霊力を流し、離れると、厚が紙を入れる。
そして、桜吹雪の中、出陣組は行ったのだった。
『と…まあ出陣や遠征の行き方?はこんな感じだ。あと、このモニターってやつで向こうの様子を見れたりする。見ながら用事も出来るから助かるな』
「へぇ…こちらに戻る方法は?」
「向こうにも、このモニターのようなものがでるんですが…そこの下の方に、帰還要請の押せるところがあります…そこを押して、こちら側で承認のところを押すと、帰還できます…」
「こっちの声とかも届いてんのかぁ~?」
『そう、聞けるし、向こうにも聞こえる。だから相談しながら進むこともできるんだけど…俺が戦略とか苦手でな…今は厚や皆に任せまくりなんだ…』
苦笑しながら、執務室へ向かう。
にしても、不動は甘酒が好きなのか。
甘酒くらいならネットでも買えるかな…後で確認しよう。
今日は何にしようかなー…。
小夜に二人を任せ、俺は自分の洗濯物を干しに急いで私室へ。
さっさと干したら、皆のを干しに。
そしたら、小夜たちが干してくれてる。
何気に堀川さん、手伝ってるし…。
『小夜、不動もにっかりもすまん。堀川さん…ここまでしなくていいのに…』
「いいんですよ、兄弟は陸奥守さんに教えてるし、主さんはのんびりしてるから、手持ち無沙汰で」
『あー…ね。なんかすみません』
ふと、出陣の方を確認すると、まだ傷はないようだ。
『厚、どうだ?』
<そうだな…今のところ、問題はないんだが…親玉のところになるとわからないな…>
『ふむ。短刀は基本、夜戦や屋内が得意なんよな?昼はどうだ?』
<動けないとかじゃないし、普通には戦えるんだが、まあ屋内や夜戦のが力を発揮できるな。もともと俺ら短刀は守り刀だし>
『君ら短刀はオールマイティーだな…もう少し進むか?』
<そうだな…おそらくもうすぐ大将首のところなんだよな。このまま行ってみる。やばかったら緊急帰還のところ押すから、大将も構えといてくれ>
『了解。無理はするな。機動でいえば鶴がどうしても劣ってしまう。無理して突っ込まず、ここだ!てところを狙えばいい』
<あぁ、わかった>
皆が気を使って、洗濯物干してくれてる間、俺はモニターを見ている。
時々、不動とにっかりも覗きにきていた。
少しして、敵本陣についた第一部隊。
<敵、短刀2体と脇差1だな>
『いけそうか?』
<ここまでの強さからだと、いける気もするが…>
『ん。んじゃ試してみようか。怪我したら俺が治すしな』
<あぁ、腕が鳴るぜ!>
『鶴、短刀がまだ自分に厳しいようなら、脇差を狙え』
<そうだな、まだ少し不安はあるが…>
『お?試してみたいならいいぞ。折れずに帰ってきたら良しだ。厚、どう思う?』
<そうだな…鶴丸でも短刀は問題ないと思うが、敵本陣だから、そこが心配なくらいかな…>
『ん、なら鶴、短刀試してみよう。薬研と厚が早く終われば加勢。もちろん、鶴が先に終わったら二人に加勢』
<<<あぁ!>>>
第一部隊が突っ込むと、隣にきていたにっかりが「ふむ」とつぶやく。
「君は戦場という本番でも、試すことをするんだね」
『強敵なら試さない。ただ厚の報告…昼までの出陣の報告書から、いけるかもしれないとは思ってる。もちろん、怪我はしても折れはしないだろうと自信もある』
「ひっく…なんで、そんな自信もてんだよ…」
『厚の報告も、皆の成長ぶりも、全部を信じてるからだな。それに、いざとなったら俺が飛んでく』
「「は?」」
二人に、俺が戦闘系審神者(まだ仮)だということを、小夜と堀川さんが説明してくれる。
堀川さんは、自分の主であるやな兄もだから、一緒に説明している。
そして戦闘は……―――
『おぉ!無傷でいけた!厚、薬研、鶴!凄い!特に鶴!短刀がまだ不安そうだったけど、無傷でいけたよ!』
<ははっ、ここの敵がまだ弱かっただけさ。だが、ありがとうな、アオ、厚も。試させてもらって>
<鶴丸の実力だって!>
<あぁ、旦那よくやったぜ>
<…嬉しいが、なんだ、恥ずかしいな…>
『今回いけたけど、次はわからないもんなぁ…けど、今回は無傷でいけたんだ、その自信を忘れず、でも油断もせず、次もやってみたらいい』
<あぁ!>
<んじゃ、帰るか!>
厚が帰還要請のボタンを押し、俺の方に帰還要請、承認ボタンが現れる。
そこを不動に押させると、向こうが桜吹雪に包まれ、こっちのモニターも消えた。
「あんたじゃなくても、承認できんだなぁ」
『あぁ、こないだ厚で試したらいけたんでな。俺が出陣しても、誰かが押してくれたらいいだろ?』
「ふ~ん…」
『つか、洗濯ものありがとうな、顕現したてなのに』
「ひっく…あれぐらいなんでもねぇぜ~」
「あぁ、それに、これからは僕らもしなきゃなんだしね」
『あぁ、いろいろ慣れてもらわないとだな』
執務室へ戻りながら話していると「たいしょー!」と聞こえる。
ちょうど第一部隊が戻ってきたみたいだ。
『お疲れー!ナイスだった!誉も鶴だな』
「凄いことになってるよ。誉桜のことだよ?」
「褒められるのは嬉しいが、恥ずかしいな…」
『んー…誉とったら何かしようかな…』
「アオさん…嬉しいけれど、誉を取るたびにしてたら、切りがないかも…」
「だな…なら、20回誉取ったらご褒美とかのがいいぜ…」
「主さんもそんな感じですよ、偏りがでないように、全体的に出陣部隊も決めてますし。あと、初めての誉は別ですね」
『なるほど…』
執務室について、俺は報告書の続きを記入する。
やな兄はスマホと睨めっこしながら煙草吸っていた。
他は好きにしていたが、今日の部隊は一度ストップし、休憩中。
報告書の続きを終わらせると、やな兄の方へ行く。
『やな兄、どしたの、睨めっこして』
「いや、柚の仕事がもしかしたら長引くかもしれなくてな。明後日の花見先延ばしにするかもしれんなぁと」
『あ、柚兄の仕事休みに合わせてるんやね』
「そりゃな。ブラック関係ぽいんだが、なんも言わねぇんだよな…」
『え、じゃあなんでブラック関係とかってわかったん?』
「こんのすけに聞いた(脅した)」
『なんか副音声聞こえた…やな兄のこん、ご愁傷様…』
この後は、やな兄達が帰るまで、のんびりしていましたとさ。
あ、晩御飯の買い出しはタブレットで済ませたよ!