龍神が審神者になる?
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ーーナナシsideーー
アオのとこの今いる刀剣が、国広達と同じ元本丸の刀剣…記憶持ちの刀剣であると神に聞いて、驚いた。
折れた刀剣が前の記憶を持って鍛刀されるなんて話、なかなか聞くもんじゃない。
しかもアイツら兄弟の母親の刀剣だった奴らが、柳とアオの元に集まってる…やはり霊力か?
まぁ、何であろうと、俺は嬉しかった。
昏睡状態で何年も眠ってるアイツを、俺はずっと見てきたしな。
アオのところに薬研藤四郎が来たと聞いた時、出来るだけ早く会おうと決めていた。
刀剣の中でも医療に強いのが薬研だ。
政府の薬研達も、柳の薬研も、奏や奏の薬研にも、俺が指導したから医療に強い。
アオは制限あるしな…そう簡単に大怪我はしないだろうが、念のため早く会って、指導を始めようと思っている。
薬研に医務室へ案内してもらい、簡単にいるものの話をし…。
「薬研」
「ん?」
「… アオを頼むな。簡単に大怪我しないだろうが、何があるかわかんねぇからな……あの日のように」
「!…あんた…」
「神から聞いてる。アイツはずっと眠ってるが、ちゃんと生きてる。少なくとも、まだ生きたいという気持ちがあるんだろうな…頑張ってるさ、アイツは」
「っ…そ、うか……そうか…」
いろんな薬研を見てきたが、この薬研の、心底安心したような…嬉しそうな表情は、見た目の年相応に合った表情だった。
「…あのお人の近くに、旦那や、アオの家族が居るなら安心だな……。あぁ、絶対にアオを、あのお人みたいにさせねぇ。俺が…俺たちが、アオを守る。旦那は俺に知識を叩き込んでくれ」
「当たり前だべ。ただ、一人で何とかしようとするなよ?他に医療強いやつを助手にしたり、自分じゃどうにもならん時は、俺らを頼れ。俺らも、アオをお前達に任せ、頼るんだしな」
薬研の頭を少し乱暴に撫でまわし笑うと、少し驚いていたが、すぐにニッと笑って、名物兄貴ヅラを見せてくれた。
要るものや、あるといいものを伝え、指導をするまでに、買った本を一通り読んでおくことも伝えて、執務室へ戻る。
アオと風蝶の姿はなかった。
「あ?アオと風蝶は?」
「おかえり。部屋の整理に行かせた。後で棚とか見に行くからな」
「あぁ…大将の部屋、整理の途中だったらしいから、ひっくり返ってるしな…」
「そんなにか…」
「そっちは終わったんかの?」
「あぁ、一応な。他に入用なら、連絡貰うなりしたらいいしな。
コーヒー貰ってくるわ」
俺は机にあった自分が使ったマグカップを持つと、アオの元へ行く。
アオの部屋は、そこまで散らかってるようには見えないが、まぁまぁ散らかっていた。
「アオー」
『はーい』
二階から顔を出したアオ、頭にはバンダナをして前髪を避けていた。
「コーヒー貰いに来たが…まぁまぁ散らかってるくらいで、そこまで散らかってないような…」
『さっきナナシが見た状態から、風蝶が手伝ってくれてね…マシになったんだよ…』
「なるほど。コーヒー貰うぞ」
『うん、こっちの厠に灰皿も置いてるし、一服もいいよ』
「サンキュ」
『他の皆もお代わり大丈夫かな…』
「あー…メッセしてみるわ。お前はそのまま整理な。あ、これ…医務室でとりあえずあるといいもののリストな。
他にも入用なら俺に連絡するなりしろ」
『ありがとう、助かる』
アオにメモを渡すと、そのまま二階へまた行った。
俺は適当に風雅へメッセを送る。
湯を沸かしてる間に返事が来たから、それの用意をする。
んで運ぶにしても、量もあるからな…風雅か柳に来てもらうよう連絡する。
何故その二人か?
煙草吸うてる中、他吸わないやつきても匂い気にするやつもいるだろ(柚はダメ、絶対)
「ナナシ、きたぞ」
「お、柳がきてくれたか」
「量が多いようなら風雅もくるから、連絡くれってよ」
「あいよ。今作ってるから」
「アオどうだった?」
「さっきよりマシになったんだと、今風螺と二階で整理してんじゃね?」
柳も煙草を吸いだし、深く息を吐く。
「離れてるとこで吸ってても、やっぱ気になるか」
「まぁな…風向きも気にはしてるが、急に違う方向から吹いたらなぁ…」
「まぁ少しくらいは大丈夫だべ、昔程じゃねぇし」
「そうだとしても、な…」
「出来た弟だな」
「……時々、双子といえど、俺が兄貴じゃないかって錯覚する…」
「まぁ双子はあんまその辺区別ないしな…同じ時、どっちが先に生まれたかの差だし…」
「そうなんだよな……柚の体調、大丈夫なんだな…?」
「最近は調子いいみたいだしな。一応咳が止まらない時用の薬は渡してある。昔より安定してるのは確かだ」
皆のお代わりを淹れ終わると、柳も吸い終わる。
「そうか」と言うと、一つのお盆を持つ。
俺も一つお盆を持つと、執務室へ戻る。
お代わりを配り終わると、のんびりと時間が流れる…といっても、もうすぐ三時だけどな。
しばらくすると、バタバタと走る音が。
そして執務室前で急停止する。
『お待たせ!あらかた終わらせた!』
「おお…頑張ったな…」
「もう一時間くらいかかると思ってた…」
「確かにね、でもアオ、そんなに急がなくてもよかったのに…今日が無理なら違う日でも行けただろうに…」
『いや、楽しみすぎて…』
苦笑するしかなかった。
「んじゃ、俺と風雅と風螺、んで柚もかな、帰るな」
『うん、ありがとうね』
「アオ、任務気ぃつけや?大怪我したら大変やしの」
「そうですよ?慌て過ぎないように、です」
「ははは…何かあったら連絡しなね」
『あい…明石さん、柚兄頼みます』
「もちろんですわ、アオはんも、無理したらあかんで?」
「またにゃあ!」
「ナナシの旦那、ありがとな」
「風雅!また手合わせしてくれな!」
「お、その時は俺もやらせてくれ」
「風螺さんも、また弓、教えてください…」
「あぁ、今度時間取れたらの」
「そうですね、またやりましょうね、小夜君」
「薬研、何かあれば連絡してこい。厚も小夜も連絡先知ってるしな」
それぞれ挨拶して、俺らはゲートを潜った。
――アオside――
さぁやってまいりました!
万屋街の家具を専門に扱うエリアに!
昔ながらの家具を扱う店や、今どきの家具を扱う店、海外にありそうな家具を扱う店などいろいろある!
あと家具に合わせれるようにか、雑貨屋もちらほらと!
うっわああああああああ…
『楽しい!!』
「アオ突然だね…」
「いつものことだぞ清光」
「大将の部屋の家具を見に来てるんだよな…?」
「あと、医務室の棚とか…」
「主さん、どこで見るの?」
「アオの好きそうな店あるから、そこでだな。アオー向かうからついて来いよー」
『うぃっす』
やな兄についていくが、俺が目移りして離れないように、国広が傍に居てくれました。
今日のお供は薬研と小夜です!
ほんとは昨日だっけ、小夜と厚がお留守番だったから、その二人の予定だったんだけど…。
今日は薬研と小夜の筆記用具やら、医務室の棚も見れたら、ということで、二人に決定!
ご飯の下準備は厚を筆頭にやっててくれる、とのことだったから、お願いしてきました!
……え?テンション高い?
だって家具って見てるだけでも楽しくない!?
もう楽しすぎてテンション爆上がりデス!!
家具のサイズは、風蝶の手伝いのおかげで分かってるから、あとは合うものを選ぶだけ。
で、やな兄が、俺の好みに合わせて店をピックアップしてくれてるから、いろいろ見て回った結果、直ぐに決まりましたとさ。
医務室のはサイズがわからないから、目星だけつけて、今から文具店へ!
「アオ、あっさり家具決まったね」
『やな兄が俺の好みに合わせて、店を何軒か候補に挙げてくれてたからですよ』
「でもアオさん…それでも、早いと思うよ…」
『マジか』
「いっぱいいろんな店見るのかなぁて思ってたよ!」
「うん、気になる店いっぱいあったみたいだしね」
『あーどちらかというと、見てるだけでも楽しいんですよ家具は。だからついつい、いろんな店にふら~っと』
「ま、大将が楽しいなら何よりだ」
「お、ここだ」
話してるとやな兄のおすすめ文具店!
「ここ、画材もいろいろあるから、落書き用のスケッチブックとかも見たいかなとな」
『やな兄素敵、ナイス』
さっそく店に入り、やな兄も見たいものあるらしく、別れることに。
薬研と小夜に、気になったやつはカゴに入れていきなよと声をかけ、俺も店内を見て回る。
おぉ…ここ、便箋からノート、シャーペンや筆…他にもいろんな種類あるけど、一つの物に対し、いろいろバリエーションあって面白い!
しかも文具系以外、お香もあるし、ちょっとした和の置物や雑貨もある!
あ、便箋…もうないんだった。
使う機会あるかわからんけど、一応何種類か買っておこう。
筆…は、まだいいか。
買い置きのノートやメモ帳、シャーペンや芯、鉛筆に…落書き用のスケッチブック。
あと、本丸に置けるようにお香何種類かと、お香立て。
メモ帳やノートや書くものはワゴンセールから選びました(ドヤァ)
薬研たちの様子を見に行くと、悩んでるみたいで、いろいろ書くものの試し書きをしていました(可愛いなうちの子)
『薬研、小夜、どう?』
「あ、アオさん…」
「いや、いろいろありすぎてな…候補は絞ったんだが…」
『ふむ。筆じゃないの探してるんだ?』
「あぁ、小夜助に、筆じゃないものがいいと勧められてな」
「薬研は、医療を任されるからね…筆だと墨の用意もしなきゃだし…なら、ボールペンやシャーペンなど、直ぐに使える物がいいかと思って…」
『なるほど、小夜えらいな。ちゃんと考えてて』
「いえ…僕は、政府で使ってたから、今はボールペンの方が楽ですし…」
「この三種類まで絞ったんだが、どれも悪くないしな…」
『んー…この三本、他に色はなかったけ?』
「あ、確かありましたよ。ただ、このペンはありませんが…その代わり、同じメーカーから、マジックやシャーペン、マーカーも出てたはずです」
『小夜…詳しいね…』
「…政府に居たとき、周りが使いやすいペンの話をしてたから…」
『なるほど…。んじゃぁ、この二本のペンと、そのメーカーの色付きのボールペンや、五色ペンとか選んで、そっちのペンのメーカーから、シャーペンやらを選ぼうか』
そうして、薬研のペンの方は解決。
小夜は、もう決めていたらしく、あとはノート…かと思いきや、ノートは俺と同じく、ワゴンから選んでいたそうだ。
あとはメモ帳らしいが、これからいろいろ勉強するのにいるなら、セットのやつにするか、大きさを変えた方がいいのか、を悩んでいるらしい。
『んじゃ、メモ帳とセットで、サイズ小さめのノートもメモ書きにすればいい。ちょうどワゴンにあったはずだしな』
ということで、薬研たちの筆記用具も決まり、会計へ。
やな兄も買い終わったらしく、こっちに戻ってきた。
「さて、少し早いが一度解散するか…」
『はーい』
「一度とは?」
「後で筋肉自慢何人か連れてくから、家具の移動にな。
流石に鶴丸と陸奥守だけじゃしんどいだろうし」
『あ、誰来る?てか晩御飯どうする?』
「あー…食ってから…じゃ、皆基本飲んでるか…一度俺が帰って、すぐ連れていく。晩は帰ったら食えるしな」
『うちで食べる?今日餃子の予定』
「…お前の?」
『もち』
「いくわ、光忠に連絡入れた」
「早っ」
「主さん即決だね…」
「えーと、今日は蜻蛉切が休みだったから蜻蛉切と、あと誰居たっけな…あ、まんばは置いてくから、好きに使え」
「いいのか…?」
「乱も清光もいるしな。パソコンまだ教えれるなら教えたらいいしな。他のメンバーは後で連絡入れるな」
『おけ、んじゃ後でね』
やな兄と加州さん、乱さんは先にゲートを潜り、本丸へ帰っていった。
『さて、俺らも帰るか。国広は引き続きお願いね』
「あぁ、分かった」
厚たちにこの後の予定を伝え、俺らも本丸へ戻ると、厚たちがまた荷物を出してくれてた、んだけど……流石に大型の家具は出すだけ出して、どうしたらいいかわからず、執務室と隣の部屋に置いてるらしかった。
謝られたけど、むしろごめんねとなりました、まる。
陸奥のパソコン教室を国広にお願いし、残りの俺らで餃子の準備。
中の具の量を追加したけど、厚たちが先にしててくれたのもあり、直ぐに増やせた。
お米も大量に炊いてくれてた(うちの子えらい)
餃子を包んでいると、やな兄から連絡が。
『お、えーと……「蜻蛉切、岩融、光忠連れていく」ってきた』
「燭台切?あっちの厨はいいのか?」
『さぁ…大丈夫やから来るんやないかなぁ…まあいいか。さ、こっちもひたすら巻くよー』
「……アオ、多くないかい?」
「だよな…いくら柳たちの分もあるとはいえ…」
『あ、大丈夫。余りはやな兄のお土産と、更に余裕ありそうなら、柚兄のおすそ分けやから』
「そんなにか!」
「アオさん、これ包み切れるかな…」
「終わりが見えないもんな…」
『もーまんたーい。それに、俺包むの好きだし』
笑いながらも手はひたすら餃子を包んでいる。
ノーマル、チーズ、コチュジャン入り、チーズとコチュジャン入りをひたすら量産。
黙々と…黙々と……すでにそれぞれ、大パレット2個分は作っているが、まだまだある。
よし、これでそれぞれ3個目だな。
と、ちょうど来客を知らせる鈴の音が。
『お、きたきた…俺ちょい抜けるから、皆すまんがひたすら包んでくれ』
そういって俺は、タブレットの許可ボタンを押し、迎え入れる。
「アオー」
『再びいらっしゃーい。えーと、岩融さんと、蜻蛉切さん、光忠さんはこないだぶりです』
「おぉ!アオよ!元気そうで何よりだ!」
「あぁ、アオ殿、こないだぶりですな」
「こんばんは、アオくん。これ、今日のお昼とおやつの余りなんだけど、よかったらどうぞ」
『わっ、こんなに?光忠さんありがとう!』
「ふふ、今日のおやつは、ほうじ茶のミニチーズケーキタルトだよ」
『大好きです!』
「アオ、それ厨に置いたら荷物移動始めるぞ」
『うす』
俺はもらったお土産を確認し、冷蔵庫に入れると、皆にそのままお願い!と言い残し、家具移動に向かった。
途中、国広と陸奥を拾って。
『厚たちが箱から取り出してくれたんやけど、さすがにわからんからね…今執務室とその隣に置いてるんよ』
「ん、んじゃ、私室に運び込むやつの指示をまずは頼む。執務室のはあったっけ?」
『本棚くらいかなー…まだ何があればいいとか把握できてないし、メインは私室』
この棚は私室の二階、こっちは一階というように、まずは運び込んでもらうことに。
陸奥と国広も手伝ってくれてる。
『あ、光忠さん、あっちの厨大丈夫なんですか?』
「あぁ、大丈夫だよ。今日は久しぶりに当番も出陣もなくて、おやつ作ったくらいだしね」
『え、貴重な休みをすみません…』
「アオ君が気にすることじゃないよ。それに久しぶりの当番もない休みだから、どうしたらいいかわからなかったから、ちょうどいいんだ」
『それならいいんですけど…』
「それに、主が言うアオくんの得意な餃子、食べたかったしね」
『ちゃんとしたレシピがあるわけじゃないですよ?俺匂いで味決めてますし』
「え、分量はかって、とかじゃなく?匂い?」
『はい。俺細かいの苦手なんで、基本匂いでなんとなく決めてますね。まあそれが美味いと言ってくれてるし、いいか、と』
光忠さんは驚いた顔をしていたが、俺としては真面目にそれだからなぁ…。
一通り運んでもらうと、一回の家具の位置を伝え、設置してもらう。
それを二階分もしてもらうと…。
『ありがとうございました!』
「ガハハハッ!なんのこれしき!」
「まだアオ殿の本丸には、我らのような大きな刀剣は居ませんからね」
「うん、ほとんど蜻蛉切さんと岩融さんがしちゃって、僕はそこまで重くないものしただけだしね…」
『いえ、やな兄達のおかげで思ったより早く終われました!俺や今いる刀剣だけだと、確実にもっとかかってますしね』
よし!これで整理もはかどるだろう…今は…。
『陸奥、大広間に机とか用意頼める?俺厨に行くわ』
「まかせちょけ!」
『やな兄達は、大広間でくつろいでいてください』
そういうとバタバタとまた厨に戻った俺でした、ちゃんちゃん。
アオのとこの今いる刀剣が、国広達と同じ元本丸の刀剣…記憶持ちの刀剣であると神に聞いて、驚いた。
折れた刀剣が前の記憶を持って鍛刀されるなんて話、なかなか聞くもんじゃない。
しかもアイツら兄弟の母親の刀剣だった奴らが、柳とアオの元に集まってる…やはり霊力か?
まぁ、何であろうと、俺は嬉しかった。
昏睡状態で何年も眠ってるアイツを、俺はずっと見てきたしな。
アオのところに薬研藤四郎が来たと聞いた時、出来るだけ早く会おうと決めていた。
刀剣の中でも医療に強いのが薬研だ。
政府の薬研達も、柳の薬研も、奏や奏の薬研にも、俺が指導したから医療に強い。
アオは制限あるしな…そう簡単に大怪我はしないだろうが、念のため早く会って、指導を始めようと思っている。
薬研に医務室へ案内してもらい、簡単にいるものの話をし…。
「薬研」
「ん?」
「… アオを頼むな。簡単に大怪我しないだろうが、何があるかわかんねぇからな……あの日のように」
「!…あんた…」
「神から聞いてる。アイツはずっと眠ってるが、ちゃんと生きてる。少なくとも、まだ生きたいという気持ちがあるんだろうな…頑張ってるさ、アイツは」
「っ…そ、うか……そうか…」
いろんな薬研を見てきたが、この薬研の、心底安心したような…嬉しそうな表情は、見た目の年相応に合った表情だった。
「…あのお人の近くに、旦那や、アオの家族が居るなら安心だな……。あぁ、絶対にアオを、あのお人みたいにさせねぇ。俺が…俺たちが、アオを守る。旦那は俺に知識を叩き込んでくれ」
「当たり前だべ。ただ、一人で何とかしようとするなよ?他に医療強いやつを助手にしたり、自分じゃどうにもならん時は、俺らを頼れ。俺らも、アオをお前達に任せ、頼るんだしな」
薬研の頭を少し乱暴に撫でまわし笑うと、少し驚いていたが、すぐにニッと笑って、名物兄貴ヅラを見せてくれた。
要るものや、あるといいものを伝え、指導をするまでに、買った本を一通り読んでおくことも伝えて、執務室へ戻る。
アオと風蝶の姿はなかった。
「あ?アオと風蝶は?」
「おかえり。部屋の整理に行かせた。後で棚とか見に行くからな」
「あぁ…大将の部屋、整理の途中だったらしいから、ひっくり返ってるしな…」
「そんなにか…」
「そっちは終わったんかの?」
「あぁ、一応な。他に入用なら、連絡貰うなりしたらいいしな。
コーヒー貰ってくるわ」
俺は机にあった自分が使ったマグカップを持つと、アオの元へ行く。
アオの部屋は、そこまで散らかってるようには見えないが、まぁまぁ散らかっていた。
「アオー」
『はーい』
二階から顔を出したアオ、頭にはバンダナをして前髪を避けていた。
「コーヒー貰いに来たが…まぁまぁ散らかってるくらいで、そこまで散らかってないような…」
『さっきナナシが見た状態から、風蝶が手伝ってくれてね…マシになったんだよ…』
「なるほど。コーヒー貰うぞ」
『うん、こっちの厠に灰皿も置いてるし、一服もいいよ』
「サンキュ」
『他の皆もお代わり大丈夫かな…』
「あー…メッセしてみるわ。お前はそのまま整理な。あ、これ…医務室でとりあえずあるといいもののリストな。
他にも入用なら俺に連絡するなりしろ」
『ありがとう、助かる』
アオにメモを渡すと、そのまま二階へまた行った。
俺は適当に風雅へメッセを送る。
湯を沸かしてる間に返事が来たから、それの用意をする。
んで運ぶにしても、量もあるからな…風雅か柳に来てもらうよう連絡する。
何故その二人か?
煙草吸うてる中、他吸わないやつきても匂い気にするやつもいるだろ(柚はダメ、絶対)
「ナナシ、きたぞ」
「お、柳がきてくれたか」
「量が多いようなら風雅もくるから、連絡くれってよ」
「あいよ。今作ってるから」
「アオどうだった?」
「さっきよりマシになったんだと、今風螺と二階で整理してんじゃね?」
柳も煙草を吸いだし、深く息を吐く。
「離れてるとこで吸ってても、やっぱ気になるか」
「まぁな…風向きも気にはしてるが、急に違う方向から吹いたらなぁ…」
「まぁ少しくらいは大丈夫だべ、昔程じゃねぇし」
「そうだとしても、な…」
「出来た弟だな」
「……時々、双子といえど、俺が兄貴じゃないかって錯覚する…」
「まぁ双子はあんまその辺区別ないしな…同じ時、どっちが先に生まれたかの差だし…」
「そうなんだよな……柚の体調、大丈夫なんだな…?」
「最近は調子いいみたいだしな。一応咳が止まらない時用の薬は渡してある。昔より安定してるのは確かだ」
皆のお代わりを淹れ終わると、柳も吸い終わる。
「そうか」と言うと、一つのお盆を持つ。
俺も一つお盆を持つと、執務室へ戻る。
お代わりを配り終わると、のんびりと時間が流れる…といっても、もうすぐ三時だけどな。
しばらくすると、バタバタと走る音が。
そして執務室前で急停止する。
『お待たせ!あらかた終わらせた!』
「おお…頑張ったな…」
「もう一時間くらいかかると思ってた…」
「確かにね、でもアオ、そんなに急がなくてもよかったのに…今日が無理なら違う日でも行けただろうに…」
『いや、楽しみすぎて…』
苦笑するしかなかった。
「んじゃ、俺と風雅と風螺、んで柚もかな、帰るな」
『うん、ありがとうね』
「アオ、任務気ぃつけや?大怪我したら大変やしの」
「そうですよ?慌て過ぎないように、です」
「ははは…何かあったら連絡しなね」
『あい…明石さん、柚兄頼みます』
「もちろんですわ、アオはんも、無理したらあかんで?」
「またにゃあ!」
「ナナシの旦那、ありがとな」
「風雅!また手合わせしてくれな!」
「お、その時は俺もやらせてくれ」
「風螺さんも、また弓、教えてください…」
「あぁ、今度時間取れたらの」
「そうですね、またやりましょうね、小夜君」
「薬研、何かあれば連絡してこい。厚も小夜も連絡先知ってるしな」
それぞれ挨拶して、俺らはゲートを潜った。
――アオside――
さぁやってまいりました!
万屋街の家具を専門に扱うエリアに!
昔ながらの家具を扱う店や、今どきの家具を扱う店、海外にありそうな家具を扱う店などいろいろある!
あと家具に合わせれるようにか、雑貨屋もちらほらと!
うっわああああああああ…
『楽しい!!』
「アオ突然だね…」
「いつものことだぞ清光」
「大将の部屋の家具を見に来てるんだよな…?」
「あと、医務室の棚とか…」
「主さん、どこで見るの?」
「アオの好きそうな店あるから、そこでだな。アオー向かうからついて来いよー」
『うぃっす』
やな兄についていくが、俺が目移りして離れないように、国広が傍に居てくれました。
今日のお供は薬研と小夜です!
ほんとは昨日だっけ、小夜と厚がお留守番だったから、その二人の予定だったんだけど…。
今日は薬研と小夜の筆記用具やら、医務室の棚も見れたら、ということで、二人に決定!
ご飯の下準備は厚を筆頭にやっててくれる、とのことだったから、お願いしてきました!
……え?テンション高い?
だって家具って見てるだけでも楽しくない!?
もう楽しすぎてテンション爆上がりデス!!
家具のサイズは、風蝶の手伝いのおかげで分かってるから、あとは合うものを選ぶだけ。
で、やな兄が、俺の好みに合わせて店をピックアップしてくれてるから、いろいろ見て回った結果、直ぐに決まりましたとさ。
医務室のはサイズがわからないから、目星だけつけて、今から文具店へ!
「アオ、あっさり家具決まったね」
『やな兄が俺の好みに合わせて、店を何軒か候補に挙げてくれてたからですよ』
「でもアオさん…それでも、早いと思うよ…」
『マジか』
「いっぱいいろんな店見るのかなぁて思ってたよ!」
「うん、気になる店いっぱいあったみたいだしね」
『あーどちらかというと、見てるだけでも楽しいんですよ家具は。だからついつい、いろんな店にふら~っと』
「ま、大将が楽しいなら何よりだ」
「お、ここだ」
話してるとやな兄のおすすめ文具店!
「ここ、画材もいろいろあるから、落書き用のスケッチブックとかも見たいかなとな」
『やな兄素敵、ナイス』
さっそく店に入り、やな兄も見たいものあるらしく、別れることに。
薬研と小夜に、気になったやつはカゴに入れていきなよと声をかけ、俺も店内を見て回る。
おぉ…ここ、便箋からノート、シャーペンや筆…他にもいろんな種類あるけど、一つの物に対し、いろいろバリエーションあって面白い!
しかも文具系以外、お香もあるし、ちょっとした和の置物や雑貨もある!
あ、便箋…もうないんだった。
使う機会あるかわからんけど、一応何種類か買っておこう。
筆…は、まだいいか。
買い置きのノートやメモ帳、シャーペンや芯、鉛筆に…落書き用のスケッチブック。
あと、本丸に置けるようにお香何種類かと、お香立て。
メモ帳やノートや書くものはワゴンセールから選びました(ドヤァ)
薬研たちの様子を見に行くと、悩んでるみたいで、いろいろ書くものの試し書きをしていました(可愛いなうちの子)
『薬研、小夜、どう?』
「あ、アオさん…」
「いや、いろいろありすぎてな…候補は絞ったんだが…」
『ふむ。筆じゃないの探してるんだ?』
「あぁ、小夜助に、筆じゃないものがいいと勧められてな」
「薬研は、医療を任されるからね…筆だと墨の用意もしなきゃだし…なら、ボールペンやシャーペンなど、直ぐに使える物がいいかと思って…」
『なるほど、小夜えらいな。ちゃんと考えてて』
「いえ…僕は、政府で使ってたから、今はボールペンの方が楽ですし…」
「この三種類まで絞ったんだが、どれも悪くないしな…」
『んー…この三本、他に色はなかったけ?』
「あ、確かありましたよ。ただ、このペンはありませんが…その代わり、同じメーカーから、マジックやシャーペン、マーカーも出てたはずです」
『小夜…詳しいね…』
「…政府に居たとき、周りが使いやすいペンの話をしてたから…」
『なるほど…。んじゃぁ、この二本のペンと、そのメーカーの色付きのボールペンや、五色ペンとか選んで、そっちのペンのメーカーから、シャーペンやらを選ぼうか』
そうして、薬研のペンの方は解決。
小夜は、もう決めていたらしく、あとはノート…かと思いきや、ノートは俺と同じく、ワゴンから選んでいたそうだ。
あとはメモ帳らしいが、これからいろいろ勉強するのにいるなら、セットのやつにするか、大きさを変えた方がいいのか、を悩んでいるらしい。
『んじゃ、メモ帳とセットで、サイズ小さめのノートもメモ書きにすればいい。ちょうどワゴンにあったはずだしな』
ということで、薬研たちの筆記用具も決まり、会計へ。
やな兄も買い終わったらしく、こっちに戻ってきた。
「さて、少し早いが一度解散するか…」
『はーい』
「一度とは?」
「後で筋肉自慢何人か連れてくから、家具の移動にな。
流石に鶴丸と陸奥守だけじゃしんどいだろうし」
『あ、誰来る?てか晩御飯どうする?』
「あー…食ってから…じゃ、皆基本飲んでるか…一度俺が帰って、すぐ連れていく。晩は帰ったら食えるしな」
『うちで食べる?今日餃子の予定』
「…お前の?」
『もち』
「いくわ、光忠に連絡入れた」
「早っ」
「主さん即決だね…」
「えーと、今日は蜻蛉切が休みだったから蜻蛉切と、あと誰居たっけな…あ、まんばは置いてくから、好きに使え」
「いいのか…?」
「乱も清光もいるしな。パソコンまだ教えれるなら教えたらいいしな。他のメンバーは後で連絡入れるな」
『おけ、んじゃ後でね』
やな兄と加州さん、乱さんは先にゲートを潜り、本丸へ帰っていった。
『さて、俺らも帰るか。国広は引き続きお願いね』
「あぁ、分かった」
厚たちにこの後の予定を伝え、俺らも本丸へ戻ると、厚たちがまた荷物を出してくれてた、んだけど……流石に大型の家具は出すだけ出して、どうしたらいいかわからず、執務室と隣の部屋に置いてるらしかった。
謝られたけど、むしろごめんねとなりました、まる。
陸奥のパソコン教室を国広にお願いし、残りの俺らで餃子の準備。
中の具の量を追加したけど、厚たちが先にしててくれたのもあり、直ぐに増やせた。
お米も大量に炊いてくれてた(うちの子えらい)
餃子を包んでいると、やな兄から連絡が。
『お、えーと……「蜻蛉切、岩融、光忠連れていく」ってきた』
「燭台切?あっちの厨はいいのか?」
『さぁ…大丈夫やから来るんやないかなぁ…まあいいか。さ、こっちもひたすら巻くよー』
「……アオ、多くないかい?」
「だよな…いくら柳たちの分もあるとはいえ…」
『あ、大丈夫。余りはやな兄のお土産と、更に余裕ありそうなら、柚兄のおすそ分けやから』
「そんなにか!」
「アオさん、これ包み切れるかな…」
「終わりが見えないもんな…」
『もーまんたーい。それに、俺包むの好きだし』
笑いながらも手はひたすら餃子を包んでいる。
ノーマル、チーズ、コチュジャン入り、チーズとコチュジャン入りをひたすら量産。
黙々と…黙々と……すでにそれぞれ、大パレット2個分は作っているが、まだまだある。
よし、これでそれぞれ3個目だな。
と、ちょうど来客を知らせる鈴の音が。
『お、きたきた…俺ちょい抜けるから、皆すまんがひたすら包んでくれ』
そういって俺は、タブレットの許可ボタンを押し、迎え入れる。
「アオー」
『再びいらっしゃーい。えーと、岩融さんと、蜻蛉切さん、光忠さんはこないだぶりです』
「おぉ!アオよ!元気そうで何よりだ!」
「あぁ、アオ殿、こないだぶりですな」
「こんばんは、アオくん。これ、今日のお昼とおやつの余りなんだけど、よかったらどうぞ」
『わっ、こんなに?光忠さんありがとう!』
「ふふ、今日のおやつは、ほうじ茶のミニチーズケーキタルトだよ」
『大好きです!』
「アオ、それ厨に置いたら荷物移動始めるぞ」
『うす』
俺はもらったお土産を確認し、冷蔵庫に入れると、皆にそのままお願い!と言い残し、家具移動に向かった。
途中、国広と陸奥を拾って。
『厚たちが箱から取り出してくれたんやけど、さすがにわからんからね…今執務室とその隣に置いてるんよ』
「ん、んじゃ、私室に運び込むやつの指示をまずは頼む。執務室のはあったっけ?」
『本棚くらいかなー…まだ何があればいいとか把握できてないし、メインは私室』
この棚は私室の二階、こっちは一階というように、まずは運び込んでもらうことに。
陸奥と国広も手伝ってくれてる。
『あ、光忠さん、あっちの厨大丈夫なんですか?』
「あぁ、大丈夫だよ。今日は久しぶりに当番も出陣もなくて、おやつ作ったくらいだしね」
『え、貴重な休みをすみません…』
「アオ君が気にすることじゃないよ。それに久しぶりの当番もない休みだから、どうしたらいいかわからなかったから、ちょうどいいんだ」
『それならいいんですけど…』
「それに、主が言うアオくんの得意な餃子、食べたかったしね」
『ちゃんとしたレシピがあるわけじゃないですよ?俺匂いで味決めてますし』
「え、分量はかって、とかじゃなく?匂い?」
『はい。俺細かいの苦手なんで、基本匂いでなんとなく決めてますね。まあそれが美味いと言ってくれてるし、いいか、と』
光忠さんは驚いた顔をしていたが、俺としては真面目にそれだからなぁ…。
一通り運んでもらうと、一回の家具の位置を伝え、設置してもらう。
それを二階分もしてもらうと…。
『ありがとうございました!』
「ガハハハッ!なんのこれしき!」
「まだアオ殿の本丸には、我らのような大きな刀剣は居ませんからね」
「うん、ほとんど蜻蛉切さんと岩融さんがしちゃって、僕はそこまで重くないものしただけだしね…」
『いえ、やな兄達のおかげで思ったより早く終われました!俺や今いる刀剣だけだと、確実にもっとかかってますしね』
よし!これで整理もはかどるだろう…今は…。
『陸奥、大広間に机とか用意頼める?俺厨に行くわ』
「まかせちょけ!」
『やな兄達は、大広間でくつろいでいてください』
そういうとバタバタとまた厨に戻った俺でした、ちゃんちゃん。