龍神が審神者になる?
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ーーアオsideーー
さて昼餉も食べ終わり、片付けを皆に任せ、私室で少し荷物の整理をする。
やな兄よ、本音を言えば手合わせもしたいが自分の時間も欲しいんだ…何故なら荷物の整理や棚やら揃えたいから。
と、内心どや顔しながら整理していく。
押し入れや、小さめの箪笥はあるが…いかん、足りん。
あと屋根裏みたいな二階もあるけど、棚とかは好きなの選んで置きたいし…。
あ、とりあえず作業用の物は出しておこう、やりたい時に出来るように。
てか、意外と早く昼餉終わったんよな…まぁやな兄くるまで自由と皆には伝えてるから、のんびりしててもらうとして…。
整理しているとポケットの携帯が震え、取り出し見てみると、柚兄からの着信。
『柚兄?…もしもーし』
〈あ、アオ。今大丈夫?〉
『うん、昼餉食べて今自由やから、どしたの?』
〈うん、今日柳からアオと手合わせの話聞いたんだけど…〉
『あぁ、うん。なんか向こうの刀剣が手合わせしてみたいってね』
〈それ、まだ早すぎるから、再度柳から刀剣達に待つように伝えてもらったから、手合わせはなしね。アオもまだ荷解きや整理できてないだろうし〉
『あーうん…まだ終わってないね。棚とか揃えないとだし…』
〈審神者初めてまだ三日だしね。だから落ち着くまではなし〉
柚兄ありがとう、俺のこと分かってる。
やな兄も最初は止めたんだろうな…。
『ん、わかった』
〈で、今日突然で悪いんだけど、ナナシが時間あるからそっちに行くって言ってるから、薬研さんにも伝えてくれる?〉
『わぉ、また急だね…大丈夫やけど。ナナシだけ?』
〈政府から俺と近侍の明石も行くよ、あともしかしたら風雅も〉
『おけおけ、何時にくる?』
〈柳と行くから、合流したらだね。さっき一時くらいに行けるって連絡きたから、それくらいと思ってて〉
『りょーかい』
電話を終えると、俺は薬研を探しに本丸を歩く。
でもどこにいるかは、なんとなく気配でわかる。
厨の隣の部屋、皆で居るみたいだ。
『やーげーんー』
「ん?大将、どうしたんだ」
『あら、皆でのんびりお茶か。いいねぇ』
「アオさんも、お茶飲む…?」
『ん、頂こうかな。小夜お願いしていい?』
「はい…」
「アオ、薬研を探していたのかい?」
『ん。今日の予定で柚兄から連絡あったから』
「なんじゃ、柚からっちゅうことは、柳んとこと手合わせは無しがか?」
『うん、その辺も話すな』
小夜が淹れてくれたお茶をもらいながら、柚兄と話したことを皆に伝える。
「なるほどにゃあ…確かに、ワシを顕現してからゆっくりしとらんちの」
「だな。アオがまず落ち着くことが先だな」
「柳さん、アオさんが断ったら、断られたからって、言うつもりだったのかもね…」
「だな…んで大将は断らなかったし、柚に許可もらえなかったら諦めさせようとしたんだな…」
『たぶんね。柚兄とやな兄に感謝』
「それで、そのナナシというお人は指導にくると?」
『どうやろ…時間できたから来るだけかもだしなぁ…まぁ急で悪いけど、念のため後でメモ帳やら渡すよ、今日時間あれば文具屋行こう。薬研の使いやすいノートとか探しに。無理そうならまた空いてる時に』
「ありがとな、大将」
『あ、で、小夜もノートとか一応見とくか。薬草筆頭頭だし』
「薬草筆頭頭……」
と、時計を見るとあと10分くらいで昼の1時。
『そろそろ準備するか…と言っても、客間は特別決まってないし…あ、一応コーヒーとか買っとこう』
「ほんならワシらでここ片しとくき、アオと小夜と薬研は準備しとぉせ」
「わかりました…お願いします」
「頼んだ」
『ありがとう、陸奥達も終わったら一度連絡くれ、執務室に移動してる可能性もあるしな』
「そこは厚の出番だな」
「任せな!」
三人に片づけを任せ、俺と薬研、小夜は私室へ。
「…アオさん、整理してたんだね…」
「昨日よりひっくり返ってるもんな…」
『散らかっててすまんな…』
今の俺の部屋の様子を見て、少し引き気味の二人。
だってまだ棚とか揃ってないんだよおおぉぉぉ…!
内心ほろりしながら、いろんなノートやメモ帳が入った箱を漁る。
『とりあえず、自分の使いやすいやつ見つかるまでこれ使いな。見つかったら見つかったで、このメモ帳は返さなくていいからな』
「ありがとな、大将」
『ん、小夜は………そういえば、小夜と厚の私物が届くって言ってたような…』
「早ければ、午前中にって、神楽さんから連絡きてたんだけど…」
『ん-…とりあえず後で神楽に確認するよ、今はこのメモ帳使っててくれるかい?』
「はい、ありがとうございます…」
あと書くもの…筆のがいいか?と確認したら、書けるなら何でも大丈夫とのことだったんで、ボールペン渡しておく。
あとタブレットでコーヒーや紅茶、俺の部屋用に牛乳、あと砂糖も注文。
『と…そろそろか…小夜と薬研は先に執務室に行って、机出しといてもらえる?厚たちに連絡いれとくから』
「わかりました…」
「任せな」
二人を送り出し、メッセを開いて厚に連絡。
先に執務室行っててと、もしやな兄達が来たら出迎えお願い、と。
ポットに水を入れて沸かし、あとヤカンにも水を入れて沸かす。
お鍋やマグカップなども用意していると、鈴の音が本丸内に響いた。
タブレットも音が鳴り、入場許可のボタンを押す。
よし、あっちは厚たちに任せて…お鍋に半分くらいの水を入れ火を入れ、ヤカンの方が沸いたから火を止める。
鍋の水が沸いたら火を止めて、マグカップを鍋に入れて……よし。
お茶の準備ができたところで、厚へ連絡を入れる。
〈コーヒー、紅茶、緑茶、ほうじ茶、抹茶ミルク、どれがいいか皆に聞いてくれ。ジュースが良かったら用意するとも〉
温めたマグを拭きながら返事を待っていると、厚から返信がきた。
〈ブラック1、抹茶ミルク1、ほうじ茶2、他なんでもいいってよ!
ナナシがブラック、風蝶抹茶ミルク、風雅と柳がほうじ茶。
他来たのが、柚と明石、柳のとこの山姥切と加州、そんで乱だぜ!〉
〈おぉう…また大人数で…加州さんや乱さんは甘い飲み物じゃなくて平気?抹茶が苦手なら紅茶もあるけど〉
〈乱が抹茶ミルク気になってるらしいけど、風蝶に一口もらってから決めてもいいかって!〉
〈もちろん。んじゃ少しかかるし、待っててもらって。あ、煙草吸いたい組に。灰皿後で持っていくけど、先に吸いたいなら私室においでって伝えといてくれ〉
〈はいよ!〉
注文の飲み物を用意しだしていると、予想通り、ナナシと風雅、やな兄は先に煙草を吸いにきた。
「よ、アオ」
「やっぱ整理終わってなかったか…」
「いきなりすまんの、アオ」
『いらっしゃいー。灰皿そこにあるから使っていいよー。ナナシも風雅も急やったね』
「ほんまは俺だけ用事で来る予定やったんやけどの」
「まぁいいじゃねぇか。あと健康診断も兼ねてる」
『あーやっぱりか…』
談笑しながらお茶の用意をし終わると、煙草を吸い終わった風雅とやな兄が運ぶのを手伝ってくれた。
俺はナナシに捕まり健康診断です。
『やな兄は診たの?』
「柳の本丸に先に行ってな。柚はこの間診たとこだし」
『そか。屋敷の皆は元気?』
「相変わらずな。っと…体に異常はなさげだが、何か気になることはあるか?」
『あ、ここ二日くらい体軽い気がするんよ』
「軽い?…悪い意味じゃなく?」
『うん。少し軽い気がする』
「…今霊力は自力で制御か?」
『うん』
「…漏れてる分が本丸に流れてるのかもな。悪くなってるわけじゃねぇならいいべ」
これで健康診断は終わり…と、なんかナナシがじーっと見てくる…。
「……」
『……』
「……」
『…なに…?』
「お前、中学卒業したよな?」
『?うん、卒業式当日にここにきたし』
「…いつまで制服着てるんだ?」
ナナシにそういわれ、首を傾げる俺。
え、どゆこと?
「卒業したなら制服もう着なくていいんじゃねぇの?」
『はい…?』
「……今の服装見てみろ…」
ため息をつかれ、俺は首を傾げながら自分の格好を確認する………あらやだ!癖で制服を着ちゃってたわ!
『…うっかりー』
にこーと笑いながらも私服を漁ってると、ナナシは先に戻っていった。
和服のような形のシャツに、簡易袴のようなやつを着て、執務室へ行くと、皆のんびりしていた。
『ごめんね、遅くなって』
「構わんよ」
「なぜ制服を着てるんだ?とはなったが…」
「間違てたんだね」
『お恥ずかしい…』
「アオ君、卒業式以来です」
『風蝶プチ久々ーもうみんなと自己紹介した感じ?』
「はい。あ、机のお菓子、実家からと、柳の本丸からですよ」
『やったね!ありがとう、風蝶、やな兄』
「いんだよ。んで勝手にさせて悪いが、まんばにそこのPCで、厚たちに教えてるとこだ」
「借りてるぞ」
「アオさん、すみません…」
「悪い大将…」
『もーまんたい。国広、そのままお願い』
「あぁ」
『んで…ナナシは薬研の指導?』
俺の分のお茶を飲みながら、ナナシと薬研を見る。
「いや、本格的に始めるのは落ち着いたらだな。顔合わせと健康診断に来たようなもんだべ」
「あと薬草の種をいくつかもらったから、小夜と育ててみようと思う」
『ほいほい。わかった。んじゃあ風雅と風蝶は?』
「お前さんのメンテが終わったから、届けにの」
「私は柚に新しい弓を持ってきました、今使ってるのは仮の弓ですから」
『仮やったんや』
「柚はん、成長したんで前のが小さくなってもうたんで、風蝶はんが新しいの用意するまで、政府支給のやつを使ってたんですわ」
「そういうこと」
『ほむほむ。あ、ナナシ。一応薬研の医務室部屋決まったから、見てきていいよ。これあるといい的なんあれば教えてほしいし』
「わかった」
「んじゃ、ナナシの旦那、俺が案内するぜ」
「あぁ、頼むな薬研」
『いってらー』
薬研とナナシを見送ると、風雅が刀を2振り出してきた。
「ほれ、お前さんの大事な刀じゃ」
『ありがとう、風雅』
「いつも通り、軽く手入れしただけやからの」
『定期的に手入れしてくれてありがとう。もし欠けてたりしたら嫌やしね』
刀袋から二振を出し、一振りは傍に、もう一振りは、念じてブレスレットタイプの数珠にして、腕につける。
「え、刀が数珠になった?」
「あぁ、アオのあの刀だけ、念じると形を変えれんだよ」
「弓にもなるし、短刀や薙刀にもなれるから、秘密道具みたいな扱いなんだよ」
「変わっとりますなぁ」
『そういえば、今日は国広や乱さんペアやなく、加州さんも来たんだね』
「まぁね。主に頼んで連れて来てもらったんだ。ハンドクリームのお礼直接言いたかったし」
『別に良かったのに…あ、昨日乱さんに渡したやつ、試しました?』
「うん、早速みんなで使ってみたよ。どれもいい香りで、キツすぎなくていいって好評だった。俺はアオの好きな香りで作ったってやつ試したけど、あれもいい香りだったよ」
『良かった。あれショーグンていう香水で香りつけてるんだけど、練り香水やハンドクリームとして使うには、ちょい香り足りんかなって思ってたんだよ』
「俺はあれぐらいがちょうど良かったかも。元がわかんないからどれくらいがいいかはわかんないしね」
『付けたては割と香るかな。時間経つと落ち着いた香りに変化するんよ。また新しく作ったら渡すんで、試してみてください』
「うん、楽しみにしとくよ」
「今回のハンドクリームも好評だったんだよ!アオさんありがとう!」
『いえいえ。こちらこそ、国広レンタルさせてもらってますから』
笑いながら話、お茶を飲む。
いつの間にか、少し離れた縁側でやな兄たちが煙草を吸っていた。
「アオ、一通り皆の用事が済んだし確認。今日はもう出陣終わったか?」
『皆が来る前にもう一度行くか話してたんだけど、予定変更したから行ってないよ』
「んじゃ、風蝶に手伝ってもらって部屋の整理してきな。あらかた出来たら、万屋街行って棚とか見るぞ」
『ダッシュでしてきます!』
「あっ、アオ君!待ってくださいっ」
急いで部屋へ戻り、整理を風蝶としていく俺でした。
さて昼餉も食べ終わり、片付けを皆に任せ、私室で少し荷物の整理をする。
やな兄よ、本音を言えば手合わせもしたいが自分の時間も欲しいんだ…何故なら荷物の整理や棚やら揃えたいから。
と、内心どや顔しながら整理していく。
押し入れや、小さめの箪笥はあるが…いかん、足りん。
あと屋根裏みたいな二階もあるけど、棚とかは好きなの選んで置きたいし…。
あ、とりあえず作業用の物は出しておこう、やりたい時に出来るように。
てか、意外と早く昼餉終わったんよな…まぁやな兄くるまで自由と皆には伝えてるから、のんびりしててもらうとして…。
整理しているとポケットの携帯が震え、取り出し見てみると、柚兄からの着信。
『柚兄?…もしもーし』
〈あ、アオ。今大丈夫?〉
『うん、昼餉食べて今自由やから、どしたの?』
〈うん、今日柳からアオと手合わせの話聞いたんだけど…〉
『あぁ、うん。なんか向こうの刀剣が手合わせしてみたいってね』
〈それ、まだ早すぎるから、再度柳から刀剣達に待つように伝えてもらったから、手合わせはなしね。アオもまだ荷解きや整理できてないだろうし〉
『あーうん…まだ終わってないね。棚とか揃えないとだし…』
〈審神者初めてまだ三日だしね。だから落ち着くまではなし〉
柚兄ありがとう、俺のこと分かってる。
やな兄も最初は止めたんだろうな…。
『ん、わかった』
〈で、今日突然で悪いんだけど、ナナシが時間あるからそっちに行くって言ってるから、薬研さんにも伝えてくれる?〉
『わぉ、また急だね…大丈夫やけど。ナナシだけ?』
〈政府から俺と近侍の明石も行くよ、あともしかしたら風雅も〉
『おけおけ、何時にくる?』
〈柳と行くから、合流したらだね。さっき一時くらいに行けるって連絡きたから、それくらいと思ってて〉
『りょーかい』
電話を終えると、俺は薬研を探しに本丸を歩く。
でもどこにいるかは、なんとなく気配でわかる。
厨の隣の部屋、皆で居るみたいだ。
『やーげーんー』
「ん?大将、どうしたんだ」
『あら、皆でのんびりお茶か。いいねぇ』
「アオさんも、お茶飲む…?」
『ん、頂こうかな。小夜お願いしていい?』
「はい…」
「アオ、薬研を探していたのかい?」
『ん。今日の予定で柚兄から連絡あったから』
「なんじゃ、柚からっちゅうことは、柳んとこと手合わせは無しがか?」
『うん、その辺も話すな』
小夜が淹れてくれたお茶をもらいながら、柚兄と話したことを皆に伝える。
「なるほどにゃあ…確かに、ワシを顕現してからゆっくりしとらんちの」
「だな。アオがまず落ち着くことが先だな」
「柳さん、アオさんが断ったら、断られたからって、言うつもりだったのかもね…」
「だな…んで大将は断らなかったし、柚に許可もらえなかったら諦めさせようとしたんだな…」
『たぶんね。柚兄とやな兄に感謝』
「それで、そのナナシというお人は指導にくると?」
『どうやろ…時間できたから来るだけかもだしなぁ…まぁ急で悪いけど、念のため後でメモ帳やら渡すよ、今日時間あれば文具屋行こう。薬研の使いやすいノートとか探しに。無理そうならまた空いてる時に』
「ありがとな、大将」
『あ、で、小夜もノートとか一応見とくか。薬草筆頭頭だし』
「薬草筆頭頭……」
と、時計を見るとあと10分くらいで昼の1時。
『そろそろ準備するか…と言っても、客間は特別決まってないし…あ、一応コーヒーとか買っとこう』
「ほんならワシらでここ片しとくき、アオと小夜と薬研は準備しとぉせ」
「わかりました…お願いします」
「頼んだ」
『ありがとう、陸奥達も終わったら一度連絡くれ、執務室に移動してる可能性もあるしな』
「そこは厚の出番だな」
「任せな!」
三人に片づけを任せ、俺と薬研、小夜は私室へ。
「…アオさん、整理してたんだね…」
「昨日よりひっくり返ってるもんな…」
『散らかっててすまんな…』
今の俺の部屋の様子を見て、少し引き気味の二人。
だってまだ棚とか揃ってないんだよおおぉぉぉ…!
内心ほろりしながら、いろんなノートやメモ帳が入った箱を漁る。
『とりあえず、自分の使いやすいやつ見つかるまでこれ使いな。見つかったら見つかったで、このメモ帳は返さなくていいからな』
「ありがとな、大将」
『ん、小夜は………そういえば、小夜と厚の私物が届くって言ってたような…』
「早ければ、午前中にって、神楽さんから連絡きてたんだけど…」
『ん-…とりあえず後で神楽に確認するよ、今はこのメモ帳使っててくれるかい?』
「はい、ありがとうございます…」
あと書くもの…筆のがいいか?と確認したら、書けるなら何でも大丈夫とのことだったんで、ボールペン渡しておく。
あとタブレットでコーヒーや紅茶、俺の部屋用に牛乳、あと砂糖も注文。
『と…そろそろか…小夜と薬研は先に執務室に行って、机出しといてもらえる?厚たちに連絡いれとくから』
「わかりました…」
「任せな」
二人を送り出し、メッセを開いて厚に連絡。
先に執務室行っててと、もしやな兄達が来たら出迎えお願い、と。
ポットに水を入れて沸かし、あとヤカンにも水を入れて沸かす。
お鍋やマグカップなども用意していると、鈴の音が本丸内に響いた。
タブレットも音が鳴り、入場許可のボタンを押す。
よし、あっちは厚たちに任せて…お鍋に半分くらいの水を入れ火を入れ、ヤカンの方が沸いたから火を止める。
鍋の水が沸いたら火を止めて、マグカップを鍋に入れて……よし。
お茶の準備ができたところで、厚へ連絡を入れる。
〈コーヒー、紅茶、緑茶、ほうじ茶、抹茶ミルク、どれがいいか皆に聞いてくれ。ジュースが良かったら用意するとも〉
温めたマグを拭きながら返事を待っていると、厚から返信がきた。
〈ブラック1、抹茶ミルク1、ほうじ茶2、他なんでもいいってよ!
ナナシがブラック、風蝶抹茶ミルク、風雅と柳がほうじ茶。
他来たのが、柚と明石、柳のとこの山姥切と加州、そんで乱だぜ!〉
〈おぉう…また大人数で…加州さんや乱さんは甘い飲み物じゃなくて平気?抹茶が苦手なら紅茶もあるけど〉
〈乱が抹茶ミルク気になってるらしいけど、風蝶に一口もらってから決めてもいいかって!〉
〈もちろん。んじゃ少しかかるし、待っててもらって。あ、煙草吸いたい組に。灰皿後で持っていくけど、先に吸いたいなら私室においでって伝えといてくれ〉
〈はいよ!〉
注文の飲み物を用意しだしていると、予想通り、ナナシと風雅、やな兄は先に煙草を吸いにきた。
「よ、アオ」
「やっぱ整理終わってなかったか…」
「いきなりすまんの、アオ」
『いらっしゃいー。灰皿そこにあるから使っていいよー。ナナシも風雅も急やったね』
「ほんまは俺だけ用事で来る予定やったんやけどの」
「まぁいいじゃねぇか。あと健康診断も兼ねてる」
『あーやっぱりか…』
談笑しながらお茶の用意をし終わると、煙草を吸い終わった風雅とやな兄が運ぶのを手伝ってくれた。
俺はナナシに捕まり健康診断です。
『やな兄は診たの?』
「柳の本丸に先に行ってな。柚はこの間診たとこだし」
『そか。屋敷の皆は元気?』
「相変わらずな。っと…体に異常はなさげだが、何か気になることはあるか?」
『あ、ここ二日くらい体軽い気がするんよ』
「軽い?…悪い意味じゃなく?」
『うん。少し軽い気がする』
「…今霊力は自力で制御か?」
『うん』
「…漏れてる分が本丸に流れてるのかもな。悪くなってるわけじゃねぇならいいべ」
これで健康診断は終わり…と、なんかナナシがじーっと見てくる…。
「……」
『……』
「……」
『…なに…?』
「お前、中学卒業したよな?」
『?うん、卒業式当日にここにきたし』
「…いつまで制服着てるんだ?」
ナナシにそういわれ、首を傾げる俺。
え、どゆこと?
「卒業したなら制服もう着なくていいんじゃねぇの?」
『はい…?』
「……今の服装見てみろ…」
ため息をつかれ、俺は首を傾げながら自分の格好を確認する………あらやだ!癖で制服を着ちゃってたわ!
『…うっかりー』
にこーと笑いながらも私服を漁ってると、ナナシは先に戻っていった。
和服のような形のシャツに、簡易袴のようなやつを着て、執務室へ行くと、皆のんびりしていた。
『ごめんね、遅くなって』
「構わんよ」
「なぜ制服を着てるんだ?とはなったが…」
「間違てたんだね」
『お恥ずかしい…』
「アオ君、卒業式以来です」
『風蝶プチ久々ーもうみんなと自己紹介した感じ?』
「はい。あ、机のお菓子、実家からと、柳の本丸からですよ」
『やったね!ありがとう、風蝶、やな兄』
「いんだよ。んで勝手にさせて悪いが、まんばにそこのPCで、厚たちに教えてるとこだ」
「借りてるぞ」
「アオさん、すみません…」
「悪い大将…」
『もーまんたい。国広、そのままお願い』
「あぁ」
『んで…ナナシは薬研の指導?』
俺の分のお茶を飲みながら、ナナシと薬研を見る。
「いや、本格的に始めるのは落ち着いたらだな。顔合わせと健康診断に来たようなもんだべ」
「あと薬草の種をいくつかもらったから、小夜と育ててみようと思う」
『ほいほい。わかった。んじゃあ風雅と風蝶は?』
「お前さんのメンテが終わったから、届けにの」
「私は柚に新しい弓を持ってきました、今使ってるのは仮の弓ですから」
『仮やったんや』
「柚はん、成長したんで前のが小さくなってもうたんで、風蝶はんが新しいの用意するまで、政府支給のやつを使ってたんですわ」
「そういうこと」
『ほむほむ。あ、ナナシ。一応薬研の医務室部屋決まったから、見てきていいよ。これあるといい的なんあれば教えてほしいし』
「わかった」
「んじゃ、ナナシの旦那、俺が案内するぜ」
「あぁ、頼むな薬研」
『いってらー』
薬研とナナシを見送ると、風雅が刀を2振り出してきた。
「ほれ、お前さんの大事な刀じゃ」
『ありがとう、風雅』
「いつも通り、軽く手入れしただけやからの」
『定期的に手入れしてくれてありがとう。もし欠けてたりしたら嫌やしね』
刀袋から二振を出し、一振りは傍に、もう一振りは、念じてブレスレットタイプの数珠にして、腕につける。
「え、刀が数珠になった?」
「あぁ、アオのあの刀だけ、念じると形を変えれんだよ」
「弓にもなるし、短刀や薙刀にもなれるから、秘密道具みたいな扱いなんだよ」
「変わっとりますなぁ」
『そういえば、今日は国広や乱さんペアやなく、加州さんも来たんだね』
「まぁね。主に頼んで連れて来てもらったんだ。ハンドクリームのお礼直接言いたかったし」
『別に良かったのに…あ、昨日乱さんに渡したやつ、試しました?』
「うん、早速みんなで使ってみたよ。どれもいい香りで、キツすぎなくていいって好評だった。俺はアオの好きな香りで作ったってやつ試したけど、あれもいい香りだったよ」
『良かった。あれショーグンていう香水で香りつけてるんだけど、練り香水やハンドクリームとして使うには、ちょい香り足りんかなって思ってたんだよ』
「俺はあれぐらいがちょうど良かったかも。元がわかんないからどれくらいがいいかはわかんないしね」
『付けたては割と香るかな。時間経つと落ち着いた香りに変化するんよ。また新しく作ったら渡すんで、試してみてください』
「うん、楽しみにしとくよ」
「今回のハンドクリームも好評だったんだよ!アオさんありがとう!」
『いえいえ。こちらこそ、国広レンタルさせてもらってますから』
笑いながら話、お茶を飲む。
いつの間にか、少し離れた縁側でやな兄たちが煙草を吸っていた。
「アオ、一通り皆の用事が済んだし確認。今日はもう出陣終わったか?」
『皆が来る前にもう一度行くか話してたんだけど、予定変更したから行ってないよ』
「んじゃ、風蝶に手伝ってもらって部屋の整理してきな。あらかた出来たら、万屋街行って棚とか見るぞ」
『ダッシュでしてきます!』
「あっ、アオ君!待ってくださいっ」
急いで部屋へ戻り、整理を風蝶としていく俺でした。