龍神が審神者になる?
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――アオside――
鍛刀が終わったらしく、鍛刀部屋に行く頃にはもう6時を過ぎていた。
鍛刀部屋につくと、式神たちがやりきったという表情をしており、一振りの刀があった。
あれ、なんか見たことあるような…。
「アオ、どうした?」
「いや、なんか見たことあるような気がして…」
「そうなのか?」
「んー…わかんないけど」
とりあえず顕現を、と思い、刀に触れ霊力を流し込むと、ブワッと桜吹雪が舞う。
中から出てきたのは、真っ白の刀剣男士。
「よっ。鶴丸国永だ。俺みたいのが突然来て驚いたか?」
「……」
「?アオ?」
「大将?」
「?君が俺の新しい主でいいのかい?」
「…あ、うん。俺はアオ。今日から審神者になって、君は三振り目で、初の太刀。よろしく」
「おお!三振り目に俺がきたのか、こりゃ驚いた!」
「わしゃあ陸奥守吉行じゃ!アオの初期刀じゃき、よろしゅうの!」
「俺は薬研藤四郎。初鍛刀なんだ。よろしくな、鶴丸の旦那」
「あぁ、よろしく頼む」
「あ、あと。俺のことはアオって呼んでくれ。主とか様付けはどうも苦手でな。薬研の大将呼びは気にならないからいいんだけどよ」
「そうなのか?まあわかった。アオ、よろしく頼む」
会ったことがあるような引っかかりを覚えながらも、挨拶はする。
俺はタブレットで鶴丸の内番服を出しながら、さっき決めた部屋割りなどの説明をする。
鶴丸はわかったというが、とりあえずどこの部屋にするかは後でにして、内番服を陸奥守の部屋に一時的に置かせてもらうことに。
戻ってきたところで、柚兄とやな兄の紹介、二人の刀剣の紹介をして、今からやな兄の本丸に行くことを伝える。
「柳の本丸で何かあるのか?」
「俺んとこ、今日審神者始めたばっかで、しかもちょっと時間がかかったからさ。やな兄の本丸でご飯食べることになってるんだ」
「本来なら、さくさくっと進めてその日の分の説明は終わり、自本丸で自炊とかするんだけど、アオは特殊だからね…」
「へぇ?驚きに満ちていそうだな!」
「まあアオと居て退屈はしないだろうな…」
そのままやな兄の本丸へ行けば、「おかえりー」の声が聞こえる。
乱さんかな。
「主さん、おかえり!あ、薬研に鶴丸さんだ!」
「こんばんわ、乱さん。またお邪魔します」
「柳の旦那は審神者歴長そうだな…ほとんど居るのか?」
「まあそうだな。だいたいは居るか。最近実装された奴はまだのやつもいるがな」
「主、おかえりー…って、鶴丸居るじゃん。もう引き当てたんだ」
「?引き当てる?」
「あー俺はレア枠という部類に入るらしくてな」
「そうだな、それで、難民という審神者も居るそうだ」
「アオは運がええんじゃのお」
「へー…でもレアだろうと関係なくない?これからは俺の家族になるんだし」
「お前らしいな」
「そうだね。アオらしいよ」
「主さん、準備できてるよ!大広間いこ!」
「そーね。みんな待ってるよ」
「あぁ、じゃ、行くか」
やな兄に連れられ、大広間へと行く俺ら。
途中他の男士に会わなかったし、大広間から気配がするから、みんなそこにいるんだろう。
やな兄に、「開けてみな」と言われ、不思議に思いながら、大広間の襖を開けると、「パンッ!パパン!」という音が響き、紙吹雪が舞う。
え、何事。
「「「卒業兼審神者就任おめでとう!!」」」
と大広間にいたやな兄の刀剣男士皆に言われ、驚いて固まってしまった。
よくみると大弾幕も張ってある。
「今日の日に合わせて、みんなが用意してくれたんだよ」
「卒業してそのまま審神者に就任だしね、家族たちとお祝いも出来ないし、せめて俺らでやろうって」
「ははは、まさかこちらが驚かされるとはな!」
「卒業?というのはよくわからんが、すごい宴会だな」
「こじゃんと凄いと、なんや恥ずかしい気持ちになるにゃあ」
「…すご…え、すご」
「思考停止してるな、こりゃ」
「ふふ、ほら、アオ。柳の隣に座りな。アオの刀剣達も、近くに座るといいですよ」
ほんとに凄い。
夜桜組の皆もよくこうしてくれたけど、それ以外は初めてだ。
よく見ると、机には和洋中といろいろな料理があった。
柚兄に言われ、やな兄の傍に座ると、俺の刀剣達も俺の隣に並んで座る。
「アオはジュースな。…よし、んじゃ、アオの卒業祝いと審神者就任を祝して、乾杯!」
「「「かんぱーい!」」」
「…すご…」
「大将、それしか言ってないぞ」
「がっはっは!けんどまっこと凄いぜよ!」
「確かに、すごい宴会だな。なあ柳、卒業とはなんだ?」
「卒業ってのは、学校…あー寺子屋って言いやわかるか?今の現代、小学校、中学校、高校、大学とかあってな。アオは今日中学っていう寺子屋を卒業…つまりそこでの勉学が終わって、そのまま審神者になったんだ」
「だから、そのお祝いと、審神者就任のお祝いをやろうってなったんだよ、鶴さん」
「おお!光坊じゃないか!」
「そっちにまだ僕はいないから、アオくんのことよろしくね」
「あぁ、わかってるさ」
それぞれ兄弟や、由縁のある刀同士が話してる中、俺は煮物を食べる。
「あれ、この味…」
「どうした?」
「風華ちゃんのに似てるなあって」
「あぁ、光忠が風華にレシピ聞いてたしな。口に合ったならよかった」
「うん、おいしい」
そのあとも、俺は料理を食べてはおいしいと綻ばせていた。
そんな俺の表情を見て、厨組が嬉しそうに桜を舞わせていたことは、俺は知らなかった。
「なんか、久々にやな兄や柚兄の料理も食べたくなるね」
「あー…まあこんだけ人数が増えたから、作る機会も減ったしなぁ」
「俺は帰ったら、俺の刀剣達が用意してくれてることがほとんどだしね」
「じゃないと大将、すぐソファーで寝ちまうからな」
「あはは…」
しばらくご飯を楽しんでいると、光忠さんや歌仙?さん達が、デザートをもってきてくれた。
「アオくんは甘味が好物って聞いてね。いろいろ作ってみたんだ」
「和菓子も洋菓子もあるから、好きなのお食べ」
「抹茶のお菓子も、あります…」
そういって持ってきてくれたデザートは、ほんとにいろいろあった。
ほとんど好物…やな兄に聞いたんだろうな。
「なにからなにまで…ありがとうございます」
「気にしないでください。主さんの大事なご兄弟なんですから、僕らにとっても大事な人ですよ!」
「ボクらにも、兄弟は居るから…主様の気持ち、わかる…」
「そっかあ…うん、これから俺の本丸に君たちが来るのが楽しみだ」
「ここの刀剣は俺の刀剣で、お前のとこにくる刀剣は、見た目は同じでも中身は違うからな?」
「うん、個体差やんね。顕現する審神者の霊力に影響うけるんだっけ」
「そうだね、審神者によって刀剣も少しずつ違うから、面白いところだね」
「じゃあ、陸奥守さんと薬研さんの雰囲気も違うのは、やっぱ個体差?鶴丸さんはなんとなく、個体差で違うってのはわかるけど」
「あぁ、陸奥守と薬研は、極っていう修行を終えてるから、少し雰囲気は違うか」
「極?」
「ある一定の練度になると、次の強さ…新たな力を手に入れるための修行にいけるんだ。それを極。まあ、練度カンストさせてから行かせることもできる」
「他にも条件はあるけど、アオはまだ先だから、今は慣れることが先ね」
「ん」
どんちゃん騒ぎしてる中、俺は好物の甘味を食べ、顔を綻ばせる。
何人かの誉桜が舞ってた気がするけど、それどろじゃない。
「あーあ、こりゃ今日は雑魚寝決定だな。
アオ、お前も泊まってけ。あいつら…薬研は大丈夫そうだが、二人が潰されてるし」
「二人とも、ほどほどに強いはずなんだけどな…顕現したてだし、まだ慣れてないんだろうな…厚、みんなと一緒にかけ布団用意してあげてくれるか?」
「ほいきた!」
厚さんと動ける人らで、雑魚寝を始めた刀剣に毛布をかけだしていく。
光忠さんや何人かは、食器を片付けだしてて、俺も手伝う。
「アオくんはゆっくりしてていいんだよ」
「いえ、見学ついでにやらせてください。明日からは俺もすることになるし。今厨の改装してるんですけど、同じといかなくても、少しでも慣れておきたいんで」
「君は勉強熱心なんだね」
「そうでもないですよ。割と不真面目ですし、自由気ままなやつです」
なんだかんだ言いながらも、厨の跡片付けの手伝いをさせてもらえることに。
こんだけ人数が居ると、料理も跡片付けも大変だな…。
「アオ殿はどうして審神者になろうと思ったんだい?」
「アオでいいですよ。…まあ、バレたからですね」
「バレたから…?」
「俺、霊力を抑えながら生活してたんです。でも抑えても抑えても抑えきれなくて…バレたら審神者か役員にって勧誘来ると思ってたし、隠してたんですけど、バレちゃって」
「そういえば言ってたね…めんどくさいから、やりたくない方向でいきたくて隠してたって」
「光忠さん正解。まあそんなわけで、ついにバレたし、いいや、と思って決めましたね。真面目な理由でもなけりゃ、お国のために!って感じの立派な理由じゃなくて幻滅したでしょ?」
「…そうだね、少しは。でも、それでも今の君を見ていると、しっかり勉強しているようだし、いいと思うよ」
「ありがとうございます。まあでも、やりたいこともあったんで、審神者…戦闘系審神者になったんですけどね」
「やりたいこと?」
「秘密ですけどね」
笑って誤魔化すと、歌仙さんも光忠さんも不思議そうな顔をしていたが、あえて聞かないで居てくれた。
…すでにやな兄から聞いてるのかな、俺のこと。
「料理もデザートも美味しかったです。ありがとうございます」
「お口に合ったようで何よりだよ」
「一部の煮物と甘味、風華ちゃんから教わったレシピですか?」
「よくわかったね」
「慣れ親しんだ味でもあったし、俺の好きな味だったし、でも他の料理もすごくおいしくて、いつもこんな美味しい料理を食べてるやな兄が羨ましくなりました」
「僕らも最初からできたわけじゃないよ。主が簡単な料理からいろいろ教えてくれて、料理本もお菓子の本も用意してくれてね」
「そこから、僕らなりに味を調整していったんだ」
「なるほど。俺のとこに光忠さんがきたら、ずんだ餅食べたいんですよね」
「あれ、でも現世でも食べてなかったかい?」
「そうですけど、やな兄に写真で見せてもらった時から、食べたかったんですよね。歌仙さんは和菓子が得意と聞いてますし、俺のとこにくる歌仙さんも光忠さんも、極端に下手じゃない限り、食べたいんですよね」
「ふふ、それなら大丈夫だ。なんせ僕らだしね、必ず君に和菓子もずんだ餅も作ってくれるさ」
「そうだね。アオくんの好物の一つになると思うよ」
「それ、すっごい楽しみです」
話しながら片付けると、あっという間に終わり、広間に戻ろうとすると、前からやな兄の刀剣がやってきた。
「あ、国広」
「アオ。厨に居たのか」
「うん、見学ついでにお手伝い」
「そうか。主と柚が呼んでいた。行くぞ」
「え、場所わかるよ?」
「俺も呼ばれてるからな。ほら、行くぞ」
国広に言われ、やな兄の部屋へ向かう。
無言が続くが、嫌な感じはなくて、落ち着く感じ。
「…前から思ってたけど、やな兄と国広、似てるよね」
「髪色とか目が似てるからだろう」
「ううん。柚兄にも似てる。…時々見える魂の色が、かな」
歩くのはやめないが、一瞬、国広の空気が変わった。
「国広、やな兄から俺のこと聞いてるんでしょ?…龍神のこと」
「…そうだな」
「でもさ、俺龍神の力、全部は使えないんよね、今はとくに」
「…?」
「俺、完全に思い出してるわけじゃないん。ほんと、一部一部で…全部思い出さないと、龍神の力は発揮できないん。
俺、魂の色とか、縁とか見えるんだけど、今はそれがはっきり見えなくて、たまにしか見えないん。でも、そのたまに見えるとき、やな兄と柚兄、国広は、似た魂の色に縁が見える。
…まあ、だからなんだ、って話だけど」
話してるうちに部屋につき、国広は俺の頭を一撫ですると、来た道を戻っていった。
…送ってくれるなら、最初から送るって言えばいいのにね。
部屋に入ると、布団が三つ並んでいた。
「お、きたか」
「俺らはこっちで静かに寝ようね、あっちは酔っ払い集団だらけだし」
「おお…久々の川の字だ」
「寝巻はとりあえず、俺のジャージでも着とけ。いつもみたいに股引履いてるか?」
「うん、履いてる」
「んじゃ上だけジャージ着ときな」
やな兄にジャージをもらうと、二人は一度外へ出る。
袴に着物を脱ぎ、ジャージを着ると、ぶかぶかで、スカート履いてるみたいだった。
着替え終わったことを二人に伝えると、二人は戻ってくる。
俺は着物と袴を畳み端に置くと、真ん中にダイブした。
「歌仙に見つかると、雅じゃない!って怒られるぞ」
「おっと、それは気を付けないと」
「こらこら…」
「さて…寝る前に明日のこととか少し話すか。飲み物淹れてくるわ」
「ついでに一服してきたらいいよ、俺の前だと吸えないんだし」
「そーするわ」
「俺も行くー」
そう言って、俺はやな兄についていく。
やな兄の部屋は基本離れらしいけど、書類がなかなか終わらない時や離れに戻るのがめんどくさい時は、執務室で寝ることもあるらしい。
そのやな兄の部屋、離れにも小さいけど厨はある。
マグカップを出して、お湯を沸かしたりしてる間に、やな兄は煙草に火をつける。
場所にもよるし相手にもよるけど、柚兄の前や近くでは絶対吸わないやな兄。
不良タイプなのに、ちゃんとそういうとこは気にしてる。
俺?俺はむしろ昔から喫煙者なんで、気にしてません。
「お前に渡そうと思ってたやつがあるから、それにするか」
「?俺に?」
「黒糖入り抹茶ミルクの元」
「やな兄最高」
「はいはい。冷蔵庫から牛乳出してくれ、暖めるから」
俺は言われた通り、冷蔵庫から牛乳を出し、やな兄へ渡す。
鍋二つを出し、一つに水を淹れ、沸騰させ、マグカップを浸ける。
もう一つには、牛乳を淹れ、温める。
それをしてる間、やな兄からタバコを奪い、少し吸う。
「お前今一応未成年だぞ」
「精神はおばあちゃんだから。てかやな兄も未成年でタバコ始めたくせに」
「俺はいいんだよ。今は成人したし」
「えー」
やな兄にタバコを返すと、温まったマグカップを取り出し、布巾で水気を取る。
その中に抹茶ミルクの元を淹れ、やな兄がお湯を少し淹れ、抹茶ミルクの元を溶かす。
溶けきったら暖めた牛乳を淹れ、混ぜて完成。
煙草を灰皿に押しつけ火を消したやな兄が、お盆に三人分乗せると戻っていくから、俺もついていく。
「ほい、アオの好きな黒糖入り抹茶ミルク」
「あぁ、それにしたんだ。ありがとう」
「ん。アオ、砂糖入れたかったらそこの棚にスティックタイプあるから」
「はーい」
一口飲むと、優しい抹茶の味が広がる。
牛乳たっぷりで、ホッとする。
甘いのがいい時はこれに砂糖多めに入れるけど、今はこれがちょうどいい。
「で、明日だけど。一通り審神者の仕事全部教えるから、午前中から動くぞ」
「明日中に終わるの?」
「アオは一通りマニュアルも読んでたし、終わると思うよ。他の審神者も、だいたい一日か二日くらいで終わるからね」
「マジか」
「まあ…一応研修制度あるんだが、他の本丸で見習いとして教えてもらうか、政府での研修を受けるか選べる。それを受けずに、担当官かこんのすけに教えてもらいながら審神者を始めるやつもいる」
「俺みたいな?」
「あぁ。お前の場合は、いろいろ特殊だしな。見習いや政府での研修より、俺が指導した方がいいだろうってことだ」
「あー…なんかごめんよ」
「アオは気にしなくていいよ。今まで柳は見習いを受け入れてなかったし、いい機会だと思ったんだ」
「え、そうなん?」
「まあ…戦闘系審神者をしてるしな。一応免除はされてたが、幹部の奴らが、自分の子を見習いに、ってうるさくてな…」
「免除されてるのにうるさかったよね…俺の部署にも押しかけてきたし……で、柳は戦闘系審神者だし見習いを受け入れることは出来ないって事と、受け入れるなら、最初から戦闘系審神者になる新人しか受け入れないって言ってたんだ」
柚兄の部署にまで押しかけてくるって…神や神楽は止めなかったのか?
…いや、あの二人のことだ、止めてただろうな…。
「…戦闘系審神者は、見習い受け入れを免除、ってこと?」
「あぁ、毎回出陣するわけじゃないが、一応戦に出るし」
「普通の審神者はそんなことないから、戦闘系審神者の下で見習いをさせるのはよくないだろう、って事。アオは見事条件に合ったってわけ」
「なるほど。明日やることって?」
「出陣と刀装作り、手入れ、内番のこと」
「あと、俺のとこからもう一振り連れてく」
「?国広ともう一振りってこと?」
「あぁ。今日は酔いつぶれてるし、明日お前のとこの刀剣に風呂の入り方教えてやるのにな」
「あーそっか。でも俺教えれるよ?」
「アオ、一応女の子だからね?隠してても女の子なんだし、俺たちが許せないから」
「あ、ハイ」
柚兄の笑顔が怖い。
時々過保護になるんよな…。
「まあ風呂は別として、とりあえずさっき言ったやつが一通りの流れな。あとはマニュアルに書いてないことをちょくちょく教えるから」
「わかった」
「一通り明日習ったら、俺は政府に戻るね。最初から最後まで付き添えるのは明日まで。そのあとからは、サポートになるから。柳やこんのすけに分からないことを聞けばいいよ。もちろん俺にもね」
「ん、ありがとう」
「あと、三振りはいるが、一部隊分鍛刀してから話すのか?」
「うん、そのつもり。来るたび説明してたらキリないから、まずは一部隊分のメンバーに話して、それからはそのメンバー中心に皆に話して言ってもらおうと」
「なら、一部隊分出来たら俺らにも言え。俺らも同席するからな」
「はいな」
そのあとも話してると、いつの間にか寝てしまったらしく、気づいたら朝だったとさ、ちゃんちゃん。
鍛刀が終わったらしく、鍛刀部屋に行く頃にはもう6時を過ぎていた。
鍛刀部屋につくと、式神たちがやりきったという表情をしており、一振りの刀があった。
あれ、なんか見たことあるような…。
「アオ、どうした?」
「いや、なんか見たことあるような気がして…」
「そうなのか?」
「んー…わかんないけど」
とりあえず顕現を、と思い、刀に触れ霊力を流し込むと、ブワッと桜吹雪が舞う。
中から出てきたのは、真っ白の刀剣男士。
「よっ。鶴丸国永だ。俺みたいのが突然来て驚いたか?」
「……」
「?アオ?」
「大将?」
「?君が俺の新しい主でいいのかい?」
「…あ、うん。俺はアオ。今日から審神者になって、君は三振り目で、初の太刀。よろしく」
「おお!三振り目に俺がきたのか、こりゃ驚いた!」
「わしゃあ陸奥守吉行じゃ!アオの初期刀じゃき、よろしゅうの!」
「俺は薬研藤四郎。初鍛刀なんだ。よろしくな、鶴丸の旦那」
「あぁ、よろしく頼む」
「あ、あと。俺のことはアオって呼んでくれ。主とか様付けはどうも苦手でな。薬研の大将呼びは気にならないからいいんだけどよ」
「そうなのか?まあわかった。アオ、よろしく頼む」
会ったことがあるような引っかかりを覚えながらも、挨拶はする。
俺はタブレットで鶴丸の内番服を出しながら、さっき決めた部屋割りなどの説明をする。
鶴丸はわかったというが、とりあえずどこの部屋にするかは後でにして、内番服を陸奥守の部屋に一時的に置かせてもらうことに。
戻ってきたところで、柚兄とやな兄の紹介、二人の刀剣の紹介をして、今からやな兄の本丸に行くことを伝える。
「柳の本丸で何かあるのか?」
「俺んとこ、今日審神者始めたばっかで、しかもちょっと時間がかかったからさ。やな兄の本丸でご飯食べることになってるんだ」
「本来なら、さくさくっと進めてその日の分の説明は終わり、自本丸で自炊とかするんだけど、アオは特殊だからね…」
「へぇ?驚きに満ちていそうだな!」
「まあアオと居て退屈はしないだろうな…」
そのままやな兄の本丸へ行けば、「おかえりー」の声が聞こえる。
乱さんかな。
「主さん、おかえり!あ、薬研に鶴丸さんだ!」
「こんばんわ、乱さん。またお邪魔します」
「柳の旦那は審神者歴長そうだな…ほとんど居るのか?」
「まあそうだな。だいたいは居るか。最近実装された奴はまだのやつもいるがな」
「主、おかえりー…って、鶴丸居るじゃん。もう引き当てたんだ」
「?引き当てる?」
「あー俺はレア枠という部類に入るらしくてな」
「そうだな、それで、難民という審神者も居るそうだ」
「アオは運がええんじゃのお」
「へー…でもレアだろうと関係なくない?これからは俺の家族になるんだし」
「お前らしいな」
「そうだね。アオらしいよ」
「主さん、準備できてるよ!大広間いこ!」
「そーね。みんな待ってるよ」
「あぁ、じゃ、行くか」
やな兄に連れられ、大広間へと行く俺ら。
途中他の男士に会わなかったし、大広間から気配がするから、みんなそこにいるんだろう。
やな兄に、「開けてみな」と言われ、不思議に思いながら、大広間の襖を開けると、「パンッ!パパン!」という音が響き、紙吹雪が舞う。
え、何事。
「「「卒業兼審神者就任おめでとう!!」」」
と大広間にいたやな兄の刀剣男士皆に言われ、驚いて固まってしまった。
よくみると大弾幕も張ってある。
「今日の日に合わせて、みんなが用意してくれたんだよ」
「卒業してそのまま審神者に就任だしね、家族たちとお祝いも出来ないし、せめて俺らでやろうって」
「ははは、まさかこちらが驚かされるとはな!」
「卒業?というのはよくわからんが、すごい宴会だな」
「こじゃんと凄いと、なんや恥ずかしい気持ちになるにゃあ」
「…すご…え、すご」
「思考停止してるな、こりゃ」
「ふふ、ほら、アオ。柳の隣に座りな。アオの刀剣達も、近くに座るといいですよ」
ほんとに凄い。
夜桜組の皆もよくこうしてくれたけど、それ以外は初めてだ。
よく見ると、机には和洋中といろいろな料理があった。
柚兄に言われ、やな兄の傍に座ると、俺の刀剣達も俺の隣に並んで座る。
「アオはジュースな。…よし、んじゃ、アオの卒業祝いと審神者就任を祝して、乾杯!」
「「「かんぱーい!」」」
「…すご…」
「大将、それしか言ってないぞ」
「がっはっは!けんどまっこと凄いぜよ!」
「確かに、すごい宴会だな。なあ柳、卒業とはなんだ?」
「卒業ってのは、学校…あー寺子屋って言いやわかるか?今の現代、小学校、中学校、高校、大学とかあってな。アオは今日中学っていう寺子屋を卒業…つまりそこでの勉学が終わって、そのまま審神者になったんだ」
「だから、そのお祝いと、審神者就任のお祝いをやろうってなったんだよ、鶴さん」
「おお!光坊じゃないか!」
「そっちにまだ僕はいないから、アオくんのことよろしくね」
「あぁ、わかってるさ」
それぞれ兄弟や、由縁のある刀同士が話してる中、俺は煮物を食べる。
「あれ、この味…」
「どうした?」
「風華ちゃんのに似てるなあって」
「あぁ、光忠が風華にレシピ聞いてたしな。口に合ったならよかった」
「うん、おいしい」
そのあとも、俺は料理を食べてはおいしいと綻ばせていた。
そんな俺の表情を見て、厨組が嬉しそうに桜を舞わせていたことは、俺は知らなかった。
「なんか、久々にやな兄や柚兄の料理も食べたくなるね」
「あー…まあこんだけ人数が増えたから、作る機会も減ったしなぁ」
「俺は帰ったら、俺の刀剣達が用意してくれてることがほとんどだしね」
「じゃないと大将、すぐソファーで寝ちまうからな」
「あはは…」
しばらくご飯を楽しんでいると、光忠さんや歌仙?さん達が、デザートをもってきてくれた。
「アオくんは甘味が好物って聞いてね。いろいろ作ってみたんだ」
「和菓子も洋菓子もあるから、好きなのお食べ」
「抹茶のお菓子も、あります…」
そういって持ってきてくれたデザートは、ほんとにいろいろあった。
ほとんど好物…やな兄に聞いたんだろうな。
「なにからなにまで…ありがとうございます」
「気にしないでください。主さんの大事なご兄弟なんですから、僕らにとっても大事な人ですよ!」
「ボクらにも、兄弟は居るから…主様の気持ち、わかる…」
「そっかあ…うん、これから俺の本丸に君たちが来るのが楽しみだ」
「ここの刀剣は俺の刀剣で、お前のとこにくる刀剣は、見た目は同じでも中身は違うからな?」
「うん、個体差やんね。顕現する審神者の霊力に影響うけるんだっけ」
「そうだね、審神者によって刀剣も少しずつ違うから、面白いところだね」
「じゃあ、陸奥守さんと薬研さんの雰囲気も違うのは、やっぱ個体差?鶴丸さんはなんとなく、個体差で違うってのはわかるけど」
「あぁ、陸奥守と薬研は、極っていう修行を終えてるから、少し雰囲気は違うか」
「極?」
「ある一定の練度になると、次の強さ…新たな力を手に入れるための修行にいけるんだ。それを極。まあ、練度カンストさせてから行かせることもできる」
「他にも条件はあるけど、アオはまだ先だから、今は慣れることが先ね」
「ん」
どんちゃん騒ぎしてる中、俺は好物の甘味を食べ、顔を綻ばせる。
何人かの誉桜が舞ってた気がするけど、それどろじゃない。
「あーあ、こりゃ今日は雑魚寝決定だな。
アオ、お前も泊まってけ。あいつら…薬研は大丈夫そうだが、二人が潰されてるし」
「二人とも、ほどほどに強いはずなんだけどな…顕現したてだし、まだ慣れてないんだろうな…厚、みんなと一緒にかけ布団用意してあげてくれるか?」
「ほいきた!」
厚さんと動ける人らで、雑魚寝を始めた刀剣に毛布をかけだしていく。
光忠さんや何人かは、食器を片付けだしてて、俺も手伝う。
「アオくんはゆっくりしてていいんだよ」
「いえ、見学ついでにやらせてください。明日からは俺もすることになるし。今厨の改装してるんですけど、同じといかなくても、少しでも慣れておきたいんで」
「君は勉強熱心なんだね」
「そうでもないですよ。割と不真面目ですし、自由気ままなやつです」
なんだかんだ言いながらも、厨の跡片付けの手伝いをさせてもらえることに。
こんだけ人数が居ると、料理も跡片付けも大変だな…。
「アオ殿はどうして審神者になろうと思ったんだい?」
「アオでいいですよ。…まあ、バレたからですね」
「バレたから…?」
「俺、霊力を抑えながら生活してたんです。でも抑えても抑えても抑えきれなくて…バレたら審神者か役員にって勧誘来ると思ってたし、隠してたんですけど、バレちゃって」
「そういえば言ってたね…めんどくさいから、やりたくない方向でいきたくて隠してたって」
「光忠さん正解。まあそんなわけで、ついにバレたし、いいや、と思って決めましたね。真面目な理由でもなけりゃ、お国のために!って感じの立派な理由じゃなくて幻滅したでしょ?」
「…そうだね、少しは。でも、それでも今の君を見ていると、しっかり勉強しているようだし、いいと思うよ」
「ありがとうございます。まあでも、やりたいこともあったんで、審神者…戦闘系審神者になったんですけどね」
「やりたいこと?」
「秘密ですけどね」
笑って誤魔化すと、歌仙さんも光忠さんも不思議そうな顔をしていたが、あえて聞かないで居てくれた。
…すでにやな兄から聞いてるのかな、俺のこと。
「料理もデザートも美味しかったです。ありがとうございます」
「お口に合ったようで何よりだよ」
「一部の煮物と甘味、風華ちゃんから教わったレシピですか?」
「よくわかったね」
「慣れ親しんだ味でもあったし、俺の好きな味だったし、でも他の料理もすごくおいしくて、いつもこんな美味しい料理を食べてるやな兄が羨ましくなりました」
「僕らも最初からできたわけじゃないよ。主が簡単な料理からいろいろ教えてくれて、料理本もお菓子の本も用意してくれてね」
「そこから、僕らなりに味を調整していったんだ」
「なるほど。俺のとこに光忠さんがきたら、ずんだ餅食べたいんですよね」
「あれ、でも現世でも食べてなかったかい?」
「そうですけど、やな兄に写真で見せてもらった時から、食べたかったんですよね。歌仙さんは和菓子が得意と聞いてますし、俺のとこにくる歌仙さんも光忠さんも、極端に下手じゃない限り、食べたいんですよね」
「ふふ、それなら大丈夫だ。なんせ僕らだしね、必ず君に和菓子もずんだ餅も作ってくれるさ」
「そうだね。アオくんの好物の一つになると思うよ」
「それ、すっごい楽しみです」
話しながら片付けると、あっという間に終わり、広間に戻ろうとすると、前からやな兄の刀剣がやってきた。
「あ、国広」
「アオ。厨に居たのか」
「うん、見学ついでにお手伝い」
「そうか。主と柚が呼んでいた。行くぞ」
「え、場所わかるよ?」
「俺も呼ばれてるからな。ほら、行くぞ」
国広に言われ、やな兄の部屋へ向かう。
無言が続くが、嫌な感じはなくて、落ち着く感じ。
「…前から思ってたけど、やな兄と国広、似てるよね」
「髪色とか目が似てるからだろう」
「ううん。柚兄にも似てる。…時々見える魂の色が、かな」
歩くのはやめないが、一瞬、国広の空気が変わった。
「国広、やな兄から俺のこと聞いてるんでしょ?…龍神のこと」
「…そうだな」
「でもさ、俺龍神の力、全部は使えないんよね、今はとくに」
「…?」
「俺、完全に思い出してるわけじゃないん。ほんと、一部一部で…全部思い出さないと、龍神の力は発揮できないん。
俺、魂の色とか、縁とか見えるんだけど、今はそれがはっきり見えなくて、たまにしか見えないん。でも、そのたまに見えるとき、やな兄と柚兄、国広は、似た魂の色に縁が見える。
…まあ、だからなんだ、って話だけど」
話してるうちに部屋につき、国広は俺の頭を一撫ですると、来た道を戻っていった。
…送ってくれるなら、最初から送るって言えばいいのにね。
部屋に入ると、布団が三つ並んでいた。
「お、きたか」
「俺らはこっちで静かに寝ようね、あっちは酔っ払い集団だらけだし」
「おお…久々の川の字だ」
「寝巻はとりあえず、俺のジャージでも着とけ。いつもみたいに股引履いてるか?」
「うん、履いてる」
「んじゃ上だけジャージ着ときな」
やな兄にジャージをもらうと、二人は一度外へ出る。
袴に着物を脱ぎ、ジャージを着ると、ぶかぶかで、スカート履いてるみたいだった。
着替え終わったことを二人に伝えると、二人は戻ってくる。
俺は着物と袴を畳み端に置くと、真ん中にダイブした。
「歌仙に見つかると、雅じゃない!って怒られるぞ」
「おっと、それは気を付けないと」
「こらこら…」
「さて…寝る前に明日のこととか少し話すか。飲み物淹れてくるわ」
「ついでに一服してきたらいいよ、俺の前だと吸えないんだし」
「そーするわ」
「俺も行くー」
そう言って、俺はやな兄についていく。
やな兄の部屋は基本離れらしいけど、書類がなかなか終わらない時や離れに戻るのがめんどくさい時は、執務室で寝ることもあるらしい。
そのやな兄の部屋、離れにも小さいけど厨はある。
マグカップを出して、お湯を沸かしたりしてる間に、やな兄は煙草に火をつける。
場所にもよるし相手にもよるけど、柚兄の前や近くでは絶対吸わないやな兄。
不良タイプなのに、ちゃんとそういうとこは気にしてる。
俺?俺はむしろ昔から喫煙者なんで、気にしてません。
「お前に渡そうと思ってたやつがあるから、それにするか」
「?俺に?」
「黒糖入り抹茶ミルクの元」
「やな兄最高」
「はいはい。冷蔵庫から牛乳出してくれ、暖めるから」
俺は言われた通り、冷蔵庫から牛乳を出し、やな兄へ渡す。
鍋二つを出し、一つに水を淹れ、沸騰させ、マグカップを浸ける。
もう一つには、牛乳を淹れ、温める。
それをしてる間、やな兄からタバコを奪い、少し吸う。
「お前今一応未成年だぞ」
「精神はおばあちゃんだから。てかやな兄も未成年でタバコ始めたくせに」
「俺はいいんだよ。今は成人したし」
「えー」
やな兄にタバコを返すと、温まったマグカップを取り出し、布巾で水気を取る。
その中に抹茶ミルクの元を淹れ、やな兄がお湯を少し淹れ、抹茶ミルクの元を溶かす。
溶けきったら暖めた牛乳を淹れ、混ぜて完成。
煙草を灰皿に押しつけ火を消したやな兄が、お盆に三人分乗せると戻っていくから、俺もついていく。
「ほい、アオの好きな黒糖入り抹茶ミルク」
「あぁ、それにしたんだ。ありがとう」
「ん。アオ、砂糖入れたかったらそこの棚にスティックタイプあるから」
「はーい」
一口飲むと、優しい抹茶の味が広がる。
牛乳たっぷりで、ホッとする。
甘いのがいい時はこれに砂糖多めに入れるけど、今はこれがちょうどいい。
「で、明日だけど。一通り審神者の仕事全部教えるから、午前中から動くぞ」
「明日中に終わるの?」
「アオは一通りマニュアルも読んでたし、終わると思うよ。他の審神者も、だいたい一日か二日くらいで終わるからね」
「マジか」
「まあ…一応研修制度あるんだが、他の本丸で見習いとして教えてもらうか、政府での研修を受けるか選べる。それを受けずに、担当官かこんのすけに教えてもらいながら審神者を始めるやつもいる」
「俺みたいな?」
「あぁ。お前の場合は、いろいろ特殊だしな。見習いや政府での研修より、俺が指導した方がいいだろうってことだ」
「あー…なんかごめんよ」
「アオは気にしなくていいよ。今まで柳は見習いを受け入れてなかったし、いい機会だと思ったんだ」
「え、そうなん?」
「まあ…戦闘系審神者をしてるしな。一応免除はされてたが、幹部の奴らが、自分の子を見習いに、ってうるさくてな…」
「免除されてるのにうるさかったよね…俺の部署にも押しかけてきたし……で、柳は戦闘系審神者だし見習いを受け入れることは出来ないって事と、受け入れるなら、最初から戦闘系審神者になる新人しか受け入れないって言ってたんだ」
柚兄の部署にまで押しかけてくるって…神や神楽は止めなかったのか?
…いや、あの二人のことだ、止めてただろうな…。
「…戦闘系審神者は、見習い受け入れを免除、ってこと?」
「あぁ、毎回出陣するわけじゃないが、一応戦に出るし」
「普通の審神者はそんなことないから、戦闘系審神者の下で見習いをさせるのはよくないだろう、って事。アオは見事条件に合ったってわけ」
「なるほど。明日やることって?」
「出陣と刀装作り、手入れ、内番のこと」
「あと、俺のとこからもう一振り連れてく」
「?国広ともう一振りってこと?」
「あぁ。今日は酔いつぶれてるし、明日お前のとこの刀剣に風呂の入り方教えてやるのにな」
「あーそっか。でも俺教えれるよ?」
「アオ、一応女の子だからね?隠してても女の子なんだし、俺たちが許せないから」
「あ、ハイ」
柚兄の笑顔が怖い。
時々過保護になるんよな…。
「まあ風呂は別として、とりあえずさっき言ったやつが一通りの流れな。あとはマニュアルに書いてないことをちょくちょく教えるから」
「わかった」
「一通り明日習ったら、俺は政府に戻るね。最初から最後まで付き添えるのは明日まで。そのあとからは、サポートになるから。柳やこんのすけに分からないことを聞けばいいよ。もちろん俺にもね」
「ん、ありがとう」
「あと、三振りはいるが、一部隊分鍛刀してから話すのか?」
「うん、そのつもり。来るたび説明してたらキリないから、まずは一部隊分のメンバーに話して、それからはそのメンバー中心に皆に話して言ってもらおうと」
「なら、一部隊分出来たら俺らにも言え。俺らも同席するからな」
「はいな」
そのあとも話してると、いつの間にか寝てしまったらしく、気づいたら朝だったとさ、ちゃんちゃん。