実は寂しがりな子猫。
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意識がゆっくりと浮上する。何故か瞼を開く前から眩しくてたまらない。そおっと瞼を開くと、照明の光が目に突き刺さった。
「い゙……っ」
ガンガンという痛みに頭を抑えながら何とか起き上がる。ぎしりとベッドが音を立てた。
周りを見渡せば、ここはどうやら私の部屋らしい。見慣れた机やぬいぐるみ達に少しだけほっとした。
(……なんでここにいるんだっけ?)
回らない頭を無理に動かし、何とか記憶を辿る。思い出せる最後の記憶は、タイムカードを押す前に倒れたということだけ。そこからどうやって家に帰ってきて、更に自室まで来て寝たのか、全く思い出せない。
しかも今更気付いたが、私は仕事用の服ではなくパジャマを着ているようだった。最悪な体調にも関わらず、タクシーを拾って家に帰り、きちんと着替えて寝たのだとしたら、自分で自分を褒めてあげたい。しかし可能性はそれしか考えられなかった。
(のど、かわいた……)
重い体に鞭を打ち、フラリと立ち上がる。カーテンを開ければ深夜なのだろう、深い闇に覆われ寝静まった街が見えた。
壁を伝いながら、1段ずつ階段を降りる。少しでも気を抜けば転がり落ちるんじゃないかという恐怖と戦う羽目になった。
ふと足元に向けていた視線を一度前に戻すと、リビングから光が漏れていることに気付く。電気をつけっぱなしにでもしていたのだろうか。
そんなことを考えていたからか、
「あっ…!」
最後の一段を思いっきし踏み外してしまった。
どてん、と鈍く間抜けな音が静かな家に響く。足を打った痛みよりも、十何年もいたはずの自宅で転んだことへの羞恥に襲われた。いや、誰も聞いていないはずだし、いいのだけど。
すると間もなく、ドタドタとリビングの方から足音が聞こえた。
──自分以外の、足音が。
(え、うそ、)
フラグ回収にはあまりにも早すぎやしないか。脳に浮かぶのは、唐草模様の風呂敷を背負い、こっそり家に忍び込むのがお仕事な人。この家には私が親から託された通帳だの現金だのがある。それらが奪われたらたまったものじゃない。
(足音、こっちに来てる……!)
途端に血の気が引いていく感覚に襲われる。しかし転んで座り込んでいた私は、反射では動けなかった。逃げる間もなく、リビングの扉が音を立てて開く。ここまで来たらもう仕方ない、タダではやられるものかと、私は大きく息を吸った。
「兄貴、こっちでっせ!」
「……起きたのか」
「ど、」
「ど?」
「どろぼぉぉ、っ、むぐぐ!?」
目の前からぬうっと伸びてきた大きな手に口を塞がれる。見覚えのある影な気がした。ぱちくりと目を開き、脳がようやっと認識した人物に私は固まった。
「テメェ……飼い主をこそ泥扱いとはいい度胸してるじゃねぇか……」
「んむむ!!?」
目の前には何とひくりと顔を引き攣らせたジンさん。私と視線を合わせるようにしゃがんでくれている。
その後ろにはもう一人ガタイのいいお兄さんもいる。よくジンさんと一緒にいる人だ。彼は何やら心配そうな顔をしてこちらを見ていた。
「騒ぐんじゃねぇぞ」
ようやくジンさんの手が離れていき、ぷはっと息を吐いた。
「ジンさん……?どうして……、あ、夢?」
「……お前、覚えてねぇのか?」
「ふぇ?」
離れたばかりのジンさんの手が、今度は額に当てられる。ゴツゴツとした手の冷たさに、思わず気が緩んだ。
先程まで変に緊張していたからだろうか。反動のように体が言うことを聞かなくなっていた。身体中が熱くてたまらない。ジンさんの手に自ら額を押し付けて唸る。
「きもちいぃ……」
「チッ……この熱でよく降りてきたもんだ」
「解熱剤持ってきやしょうか」
「ああ」
体がぐんと宙に浮く感覚に、ああ抱き上げられたのか、とぼんやり思った。
ジンさんがゆっくりと階段を上がっていく、その度伝わる振動が心地良かった。
気付けば私はベッドに逆戻り。起きた時とと違うのは、ジンさんがベッドの端、私の頭のすぐ傍に座っているという点だった。
「また脱走されちゃ、たまったもんじゃねぇからな」
脱走のつもりはなかったのですが。
「しな、い、です……けほっ」
咳き込んだ私に、ジンさんが振り向きこちらを見てくる。
(……あれ?)
その視線に、私は違和感を覚え首を傾げた。
いつもなら恐怖に震えてしまうはずの眼光が、何故か優しく見えて安心してしまった。さっきからそうだ、ジンさんとまともに……という言い方は変かもしれないが、普通に会話が出来ている。
──ジンさんが、怖く、ない?
そんなことを思う自分に戸惑うが、何せ今は頭が働かない。私は深緑を見つめたまま、ほぅと息を吐いた。
そんな私を一瞥したジンさんは驚いたように目を見開き、その後静かに肩を震わせ笑っていた。
意味がわからないままぼけっとしていると、サングラスのイカついお兄さんが薬と水を持って部屋に入ってきた。
「兄貴、持ってきやしたぜ」
「起きれるか」
「う……」
何とか体を起こそうとしていると、ジンさんの腕が背中に回される。有難く体重を預けさせてもらうと、またジンさんがフッと笑った気がした。どうしてだろう、さっきからジンさんの機嫌がいいように見える。もうかなり迷惑をかけていると思うのだけれど。
素直にコップを受け取り、見覚えのある解熱剤を流し込んだ。喉が潤って、少しだけ頭がスッキリしたような気がする。
「ありがとう…ございました…。あ、あの…」
「どうした」
「そちらの、お兄さんは…」
先程から気になっていた彼に目線を向けると、あー、と頭を(というか帽子を)ぽりぽりと掻いているのが見えた。
「こいつはウォッカだ」
「うぉ…か?」
「ウォッカ、だ。よろしくな、嬢ちゃん」
そう言うとウォッカさんはニカリと人の良さそうな笑みを浮かべた。何となく雰囲気が私の父親に似ている気がする。名前は…外国の名前なのかな?と思うだけに留めておいた。とりあえずお礼も込めてぺこりと頭を下げた。
そういえばあのビルに出入りしてる人で、私をKittyと呼ばない人には初めて会ったかもしれない。嬢ちゃんという呼ばれ方は随分と新鮮だった。
手で促されたので空になったコップを渡すと、ウォッカさんはテキパキと薬のゴミやらも片付けつつ、「お大事にな」と言って部屋を出ていってしまった。その手際の良さに、もしかしたらオカン属性かもしれないと、どうでもいいことが頭の端に浮かぶ。
それからすぐ、ジンさんに起こされていた体を横たわらせられた。その手つきは、銃を突きつけてきたあの日のジンさんからは、想像も出来ないほど優しくて。上手く表現のできない感情が湧き上がってきて、なんだか心がむず痒い。
無言の時間が嫌で、なんでもない風を装ってジンさんに声をかけた。
「……ジンさんが、ここまで、連れてきてくれたんですか?」
「そうだ……帰り際、倒れているお前を俺達が見つけて、そのまま車に乗せた。本当に覚えてないとはな」
「そう、だったん、ですね……すみません、倒れたとこから、記憶、なくて……っ」
「…おい」
「あと、か、烏末さんには」
「伝えてある、暫く休んでいい、だとよ」
「よか、った……ありがと……ございます…あと、えっと…」
何とか言葉を繋げようとする私に、ジンさんが眉をひそめたのが見えた。
「おい、無理に喋るな……きついならもう寝ろ」
息が切れ気味なのは、どうやらバレバレだったらしい。こんなに具合が悪いのは久々なのだ。正直話している余裕はないし、本当は早く黙って寝るべきなのは分かっている。
それでも。
「こうでも、しないと、……けほっ」
貴方を引き止める術を、私は知らないから。
熱で塗り潰されかけている最後の理性が、そう続けようとした口をつぐませた。代わりに咳は出たけど。
ジンさんはそんな私を見下ろしたまま何も言わない。私が言えなかった言葉の続きを促すこともしない。きっとこのまま私が何も言わずに夢の世界へ行けば、ジンさんは帰ってしまうのだろう。この静寂が胸に刺さって嫌だった。
(何考えているんだろう、私)
──ひとりにしないで、だなんて
子供じみた欲求がむくりと顔を出したまま帰ってくれない。これも熱のせいなのだろうか。内心で馬鹿だなと自嘲して、逃げるように目を閉じようとした時だった。
「おい」
「……は、い?」
「お前の飼い主は、誰だ」
バイト中と合わせて2度目の質問だった。意図も分からないまま反射のように答える。
「ジン、さん」
「ああ、そうだ」
ジンさんは満足気に笑っている。
「飼い主なら、Kitty……お前のわがままは叶えてやらねぇとなァ」
そう言うとジンさんは私の手を取り、私の瞳を覗き込んできた。その双眼は逃げるなと暗に訴えている。
「言え、俺にどうして欲しい」
「あ……」
曖昧な繋がりしかない彼に、こんなこと言ってもいいのだろうか、なんて。形だけの理性を壊したのは、他でもないジンさんだ。
するりと、本音が口から零れた。
「ここに、いて、欲しい……です」
ぼやけ出す意識の中、正解だとでも言うように頭をくしゃりと撫でられたことが、何故だかとても嬉しくて。
そのまま襲ってきた眠気に身を任せて、私は頬を緩ませ夢の世界へ旅だったのだった。
「い゙……っ」
ガンガンという痛みに頭を抑えながら何とか起き上がる。ぎしりとベッドが音を立てた。
周りを見渡せば、ここはどうやら私の部屋らしい。見慣れた机やぬいぐるみ達に少しだけほっとした。
(……なんでここにいるんだっけ?)
回らない頭を無理に動かし、何とか記憶を辿る。思い出せる最後の記憶は、タイムカードを押す前に倒れたということだけ。そこからどうやって家に帰ってきて、更に自室まで来て寝たのか、全く思い出せない。
しかも今更気付いたが、私は仕事用の服ではなくパジャマを着ているようだった。最悪な体調にも関わらず、タクシーを拾って家に帰り、きちんと着替えて寝たのだとしたら、自分で自分を褒めてあげたい。しかし可能性はそれしか考えられなかった。
(のど、かわいた……)
重い体に鞭を打ち、フラリと立ち上がる。カーテンを開ければ深夜なのだろう、深い闇に覆われ寝静まった街が見えた。
壁を伝いながら、1段ずつ階段を降りる。少しでも気を抜けば転がり落ちるんじゃないかという恐怖と戦う羽目になった。
ふと足元に向けていた視線を一度前に戻すと、リビングから光が漏れていることに気付く。電気をつけっぱなしにでもしていたのだろうか。
そんなことを考えていたからか、
「あっ…!」
最後の一段を思いっきし踏み外してしまった。
どてん、と鈍く間抜けな音が静かな家に響く。足を打った痛みよりも、十何年もいたはずの自宅で転んだことへの羞恥に襲われた。いや、誰も聞いていないはずだし、いいのだけど。
すると間もなく、ドタドタとリビングの方から足音が聞こえた。
──自分以外の、足音が。
(え、うそ、)
フラグ回収にはあまりにも早すぎやしないか。脳に浮かぶのは、唐草模様の風呂敷を背負い、こっそり家に忍び込むのがお仕事な人。この家には私が親から託された通帳だの現金だのがある。それらが奪われたらたまったものじゃない。
(足音、こっちに来てる……!)
途端に血の気が引いていく感覚に襲われる。しかし転んで座り込んでいた私は、反射では動けなかった。逃げる間もなく、リビングの扉が音を立てて開く。ここまで来たらもう仕方ない、タダではやられるものかと、私は大きく息を吸った。
「兄貴、こっちでっせ!」
「……起きたのか」
「ど、」
「ど?」
「どろぼぉぉ、っ、むぐぐ!?」
目の前からぬうっと伸びてきた大きな手に口を塞がれる。見覚えのある影な気がした。ぱちくりと目を開き、脳がようやっと認識した人物に私は固まった。
「テメェ……飼い主をこそ泥扱いとはいい度胸してるじゃねぇか……」
「んむむ!!?」
目の前には何とひくりと顔を引き攣らせたジンさん。私と視線を合わせるようにしゃがんでくれている。
その後ろにはもう一人ガタイのいいお兄さんもいる。よくジンさんと一緒にいる人だ。彼は何やら心配そうな顔をしてこちらを見ていた。
「騒ぐんじゃねぇぞ」
ようやくジンさんの手が離れていき、ぷはっと息を吐いた。
「ジンさん……?どうして……、あ、夢?」
「……お前、覚えてねぇのか?」
「ふぇ?」
離れたばかりのジンさんの手が、今度は額に当てられる。ゴツゴツとした手の冷たさに、思わず気が緩んだ。
先程まで変に緊張していたからだろうか。反動のように体が言うことを聞かなくなっていた。身体中が熱くてたまらない。ジンさんの手に自ら額を押し付けて唸る。
「きもちいぃ……」
「チッ……この熱でよく降りてきたもんだ」
「解熱剤持ってきやしょうか」
「ああ」
体がぐんと宙に浮く感覚に、ああ抱き上げられたのか、とぼんやり思った。
ジンさんがゆっくりと階段を上がっていく、その度伝わる振動が心地良かった。
気付けば私はベッドに逆戻り。起きた時とと違うのは、ジンさんがベッドの端、私の頭のすぐ傍に座っているという点だった。
「また脱走されちゃ、たまったもんじゃねぇからな」
脱走のつもりはなかったのですが。
「しな、い、です……けほっ」
咳き込んだ私に、ジンさんが振り向きこちらを見てくる。
(……あれ?)
その視線に、私は違和感を覚え首を傾げた。
いつもなら恐怖に震えてしまうはずの眼光が、何故か優しく見えて安心してしまった。さっきからそうだ、ジンさんとまともに……という言い方は変かもしれないが、普通に会話が出来ている。
──ジンさんが、怖く、ない?
そんなことを思う自分に戸惑うが、何せ今は頭が働かない。私は深緑を見つめたまま、ほぅと息を吐いた。
そんな私を一瞥したジンさんは驚いたように目を見開き、その後静かに肩を震わせ笑っていた。
意味がわからないままぼけっとしていると、サングラスのイカついお兄さんが薬と水を持って部屋に入ってきた。
「兄貴、持ってきやしたぜ」
「起きれるか」
「う……」
何とか体を起こそうとしていると、ジンさんの腕が背中に回される。有難く体重を預けさせてもらうと、またジンさんがフッと笑った気がした。どうしてだろう、さっきからジンさんの機嫌がいいように見える。もうかなり迷惑をかけていると思うのだけれど。
素直にコップを受け取り、見覚えのある解熱剤を流し込んだ。喉が潤って、少しだけ頭がスッキリしたような気がする。
「ありがとう…ございました…。あ、あの…」
「どうした」
「そちらの、お兄さんは…」
先程から気になっていた彼に目線を向けると、あー、と頭を(というか帽子を)ぽりぽりと掻いているのが見えた。
「こいつはウォッカだ」
「うぉ…か?」
「ウォッカ、だ。よろしくな、嬢ちゃん」
そう言うとウォッカさんはニカリと人の良さそうな笑みを浮かべた。何となく雰囲気が私の父親に似ている気がする。名前は…外国の名前なのかな?と思うだけに留めておいた。とりあえずお礼も込めてぺこりと頭を下げた。
そういえばあのビルに出入りしてる人で、私をKittyと呼ばない人には初めて会ったかもしれない。嬢ちゃんという呼ばれ方は随分と新鮮だった。
手で促されたので空になったコップを渡すと、ウォッカさんはテキパキと薬のゴミやらも片付けつつ、「お大事にな」と言って部屋を出ていってしまった。その手際の良さに、もしかしたらオカン属性かもしれないと、どうでもいいことが頭の端に浮かぶ。
それからすぐ、ジンさんに起こされていた体を横たわらせられた。その手つきは、銃を突きつけてきたあの日のジンさんからは、想像も出来ないほど優しくて。上手く表現のできない感情が湧き上がってきて、なんだか心がむず痒い。
無言の時間が嫌で、なんでもない風を装ってジンさんに声をかけた。
「……ジンさんが、ここまで、連れてきてくれたんですか?」
「そうだ……帰り際、倒れているお前を俺達が見つけて、そのまま車に乗せた。本当に覚えてないとはな」
「そう、だったん、ですね……すみません、倒れたとこから、記憶、なくて……っ」
「…おい」
「あと、か、烏末さんには」
「伝えてある、暫く休んでいい、だとよ」
「よか、った……ありがと……ございます…あと、えっと…」
何とか言葉を繋げようとする私に、ジンさんが眉をひそめたのが見えた。
「おい、無理に喋るな……きついならもう寝ろ」
息が切れ気味なのは、どうやらバレバレだったらしい。こんなに具合が悪いのは久々なのだ。正直話している余裕はないし、本当は早く黙って寝るべきなのは分かっている。
それでも。
「こうでも、しないと、……けほっ」
貴方を引き止める術を、私は知らないから。
熱で塗り潰されかけている最後の理性が、そう続けようとした口をつぐませた。代わりに咳は出たけど。
ジンさんはそんな私を見下ろしたまま何も言わない。私が言えなかった言葉の続きを促すこともしない。きっとこのまま私が何も言わずに夢の世界へ行けば、ジンさんは帰ってしまうのだろう。この静寂が胸に刺さって嫌だった。
(何考えているんだろう、私)
──ひとりにしないで、だなんて
子供じみた欲求がむくりと顔を出したまま帰ってくれない。これも熱のせいなのだろうか。内心で馬鹿だなと自嘲して、逃げるように目を閉じようとした時だった。
「おい」
「……は、い?」
「お前の飼い主は、誰だ」
バイト中と合わせて2度目の質問だった。意図も分からないまま反射のように答える。
「ジン、さん」
「ああ、そうだ」
ジンさんは満足気に笑っている。
「飼い主なら、Kitty……お前のわがままは叶えてやらねぇとなァ」
そう言うとジンさんは私の手を取り、私の瞳を覗き込んできた。その双眼は逃げるなと暗に訴えている。
「言え、俺にどうして欲しい」
「あ……」
曖昧な繋がりしかない彼に、こんなこと言ってもいいのだろうか、なんて。形だけの理性を壊したのは、他でもないジンさんだ。
するりと、本音が口から零れた。
「ここに、いて、欲しい……です」
ぼやけ出す意識の中、正解だとでも言うように頭をくしゃりと撫でられたことが、何故だかとても嬉しくて。
そのまま襲ってきた眠気に身を任せて、私は頬を緩ませ夢の世界へ旅だったのだった。