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ジンさんの思考というのは、とにかく読めない。
「ジンさん取り扱い説明書」なんてものがあったら、ぜひ頂きたいものだ。
今日だって。
「ん……っ、ふぁ……!」
二人でぼけっとテレビを眺めていただけのはずなのに、いきなり私を捕まえてキスの嵐を降らせ始めたジンさんに、私は内心で「なにゆえ!!??」と突っ込んでいる。
--------------------
「おい」
「はい?」
暇つぶしに大して面白くもないバラエティ番組をソファーで見ていた私に、隣から低い声がかけられた。
「来い」
「ど、どちらに……?」
恐る恐るそう問うと、ジンさんは無表情で自らの膝の間を指した。この時点で何となく嫌な予感はしていたのだが、逆らうよりは大人しく従った方がいいと本能に告げられた。
重い腰をあげて、そろりそろりと近づきジンさんの顔を見ると、それはもう怖い顔で「早くしろ」と言われる始末。寿命が確実に縮む感覚がした。
ジンさんを背もたれにするように腰を下ろした瞬間、それは始まった。
「失礼しま……んんっ!?」
素早く顎を掴まれ、開きっぱなしだった口に、生暖かい何かが差し込まれる。
ぐちゅと、キスの始まりにしては重すぎる水音が部屋に響いた。
「な、っん……ん〜〜〜、っ!!」
気付けば彼の長い足が、私の腹にガッチリと巻き付いている。身をよじるための隙間すら与えられず、舌先がもたらす全てを受け止める以外の道がなくなったのだ。
徐ろに絡め合うのではなく、一方的に追われ引きずり出される私の舌。
逃げたくて逃げている訳では無いのに、咎めるように吸われては噛まれる。完全に為すがままだ。
顎には飲み下すことの出来ない唾液が伝っていった。
待っても、ダメも言えない。
それどころかいつもなら出来る息継ぎが出来ず、視界が霞みがかってきた。もはや命の危険すら感じる行為に、最後の力でジンさんの背を叩く。
つぅと銀糸を引いて、ようやくそれは私の口の中から出ていった。
「っは、……っ、はあっ、」
「何だ、もうへばったのか」
なんだとはなんだと言い返したくても、今出来るのは生命維持のための呼吸だけ。全身に血が勢いよく巡っていくのを嫌でも感じた。
せめてもの抵抗に、これでもかと彼を睨みつける。恐らく痛くも痒くもないのだろう、ジンさんは口の端をゆっくりと上げた。
「なら、優しくして欲しいか?」
願っても無い申し出に、反射的にこくこくと頷く。
だが間違いだった。
ここで私がすべきだったのは、持てる全ての力で「もう十分です!」と伝え逃げることだったのだ。それでジンさんが納得するかどうかは別だが。
--------------------
確かに嵐は過ぎた。
かなり無理のあった体勢から、後ろから抱きしめるような形になり、口へのキスはあれっきりになった。
代わりのように、今度はうなじや肩に軽く吸い付いたり、舐められたり。時折耳にもキスを落としてくる。
言葉通り「優しく」なった、のだけれど。
(体中が、ゾワゾワする……っ!)
明らかに負担は減ったはずなのに、何故か全身から力が奪われていく。
ゆっくり、焦らすようにされるそれは、じわじわと私の脳を犯していった。
「じ、ジンさ……ひぅっ!」
「どうした……こうされたかったんだろ?」
いきなり耳朶を痛くないギリギリの強さで噛まれ、声が上がる。そのまま遊ぶようにちろちろと窪みをなぞられ、体が跳ねる。
落ち着いたはずの息は、もうとっくに上がっていた。
「蕩けた顔しやがって……折角優しくしてやったのになァ」
「や……ぁっ」
熱くてぬるりとした舌が肌を濡らす度に、聞くに堪えない声が出てしまう。耳元で聞かされるくつくつという笑いすら、今の私には毒だ。
これ以上されたら、本当にどうにかなってしまうかもしれない。思考の糸がジリジリと音を立てて焼け落ちていくのを、何としてでも止めたかった。
「じ、んさ、も、もう……っ」
「もう……何だ?」
もうやめて、そう言おうとした時だった。
「ひぁっ……!?」
今までと比べ物にならないくらいに背中が粟立つ。
何が起こったのか、分からずに少しの間放心してしまった。
「そんなに良かったのか」
「え……、やぁっ……!?」
またゾワッと背中に走ったそれは、悪寒とはまた違う何かだった。ようやく目に出来たのは、太ももを指先で掠るように揺れるジンさんの無骨な手。
おかしい。普段そういうことをする時も、ここまで反応してしまうことなんてなかったはずなのに。
理由もわからず焦る間にも、その手はするすると布越しに太ももをなぞっていく。ゾクゾクとひっきりなしに襲ってくる快感に、ただ震えることしか出来なかった。
「ひ……っ、なんっ、で……っ!?」
「ハッ、上出来じゃねぇか。快感に素直なのはいいことだ……さて、」
パニックで涙目になった私を、ジンさんは心底楽しそうに見下ろした。
私はそこで初めて気付いたのだ。
全ては、このためだったのかと。
――俺に、どうして欲しい?
「……っあ、……――――」
彼の思惑通り、私の口からするりと出た言葉に、彼は満足気に舌なめずりをしたのだった。
「ジンさん取り扱い説明書」なんてものがあったら、ぜひ頂きたいものだ。
今日だって。
「ん……っ、ふぁ……!」
二人でぼけっとテレビを眺めていただけのはずなのに、いきなり私を捕まえてキスの嵐を降らせ始めたジンさんに、私は内心で「なにゆえ!!??」と突っ込んでいる。
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「おい」
「はい?」
暇つぶしに大して面白くもないバラエティ番組をソファーで見ていた私に、隣から低い声がかけられた。
「来い」
「ど、どちらに……?」
恐る恐るそう問うと、ジンさんは無表情で自らの膝の間を指した。この時点で何となく嫌な予感はしていたのだが、逆らうよりは大人しく従った方がいいと本能に告げられた。
重い腰をあげて、そろりそろりと近づきジンさんの顔を見ると、それはもう怖い顔で「早くしろ」と言われる始末。寿命が確実に縮む感覚がした。
ジンさんを背もたれにするように腰を下ろした瞬間、それは始まった。
「失礼しま……んんっ!?」
素早く顎を掴まれ、開きっぱなしだった口に、生暖かい何かが差し込まれる。
ぐちゅと、キスの始まりにしては重すぎる水音が部屋に響いた。
「な、っん……ん〜〜〜、っ!!」
気付けば彼の長い足が、私の腹にガッチリと巻き付いている。身をよじるための隙間すら与えられず、舌先がもたらす全てを受け止める以外の道がなくなったのだ。
徐ろに絡め合うのではなく、一方的に追われ引きずり出される私の舌。
逃げたくて逃げている訳では無いのに、咎めるように吸われては噛まれる。完全に為すがままだ。
顎には飲み下すことの出来ない唾液が伝っていった。
待っても、ダメも言えない。
それどころかいつもなら出来る息継ぎが出来ず、視界が霞みがかってきた。もはや命の危険すら感じる行為に、最後の力でジンさんの背を叩く。
つぅと銀糸を引いて、ようやくそれは私の口の中から出ていった。
「っは、……っ、はあっ、」
「何だ、もうへばったのか」
なんだとはなんだと言い返したくても、今出来るのは生命維持のための呼吸だけ。全身に血が勢いよく巡っていくのを嫌でも感じた。
せめてもの抵抗に、これでもかと彼を睨みつける。恐らく痛くも痒くもないのだろう、ジンさんは口の端をゆっくりと上げた。
「なら、優しくして欲しいか?」
願っても無い申し出に、反射的にこくこくと頷く。
だが間違いだった。
ここで私がすべきだったのは、持てる全ての力で「もう十分です!」と伝え逃げることだったのだ。それでジンさんが納得するかどうかは別だが。
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確かに嵐は過ぎた。
かなり無理のあった体勢から、後ろから抱きしめるような形になり、口へのキスはあれっきりになった。
代わりのように、今度はうなじや肩に軽く吸い付いたり、舐められたり。時折耳にもキスを落としてくる。
言葉通り「優しく」なった、のだけれど。
(体中が、ゾワゾワする……っ!)
明らかに負担は減ったはずなのに、何故か全身から力が奪われていく。
ゆっくり、焦らすようにされるそれは、じわじわと私の脳を犯していった。
「じ、ジンさ……ひぅっ!」
「どうした……こうされたかったんだろ?」
いきなり耳朶を痛くないギリギリの強さで噛まれ、声が上がる。そのまま遊ぶようにちろちろと窪みをなぞられ、体が跳ねる。
落ち着いたはずの息は、もうとっくに上がっていた。
「蕩けた顔しやがって……折角優しくしてやったのになァ」
「や……ぁっ」
熱くてぬるりとした舌が肌を濡らす度に、聞くに堪えない声が出てしまう。耳元で聞かされるくつくつという笑いすら、今の私には毒だ。
これ以上されたら、本当にどうにかなってしまうかもしれない。思考の糸がジリジリと音を立てて焼け落ちていくのを、何としてでも止めたかった。
「じ、んさ、も、もう……っ」
「もう……何だ?」
もうやめて、そう言おうとした時だった。
「ひぁっ……!?」
今までと比べ物にならないくらいに背中が粟立つ。
何が起こったのか、分からずに少しの間放心してしまった。
「そんなに良かったのか」
「え……、やぁっ……!?」
またゾワッと背中に走ったそれは、悪寒とはまた違う何かだった。ようやく目に出来たのは、太ももを指先で掠るように揺れるジンさんの無骨な手。
おかしい。普段そういうことをする時も、ここまで反応してしまうことなんてなかったはずなのに。
理由もわからず焦る間にも、その手はするすると布越しに太ももをなぞっていく。ゾクゾクとひっきりなしに襲ってくる快感に、ただ震えることしか出来なかった。
「ひ……っ、なんっ、で……っ!?」
「ハッ、上出来じゃねぇか。快感に素直なのはいいことだ……さて、」
パニックで涙目になった私を、ジンさんは心底楽しそうに見下ろした。
私はそこで初めて気付いたのだ。
全ては、このためだったのかと。
――俺に、どうして欲しい?
「……っあ、……――――」
彼の思惑通り、私の口からするりと出た言葉に、彼は満足気に舌なめずりをしたのだった。
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