お礼画面

謎時空の通行人さん



虎杖、釘崎、伏黒は困っていた。
今すぐ目の前のソレをツッコむべきか、否か、


「どったの?それ」
「「(いったーーーー!!?)」」


虎杖が聞いた。
無駄にドキドキしながらも答えを待つ。


「あぁ、お菓子はもう開けちゃったから食べていいよー。
あ、冷蔵庫にウエハース入ってるよ」
「いや、そーじゃなくて」


大量のウエハース。
大量のばかうけ。
大量の缶バッチ。
大量のアクスタ。
大量のぬい。
大量のフィギュア。
大量の鼻セ◯ブ。
大量の栄養ドリンク。
大量のファイル。

山積みとなったそれら。


「呪術廻戦コラボ商品」
「そうだけど!!」
「そうじゃないのよ!!」
「……チッ、またノーマル悟が被った。譲渡……いや、メ◯カリで売るか」
「雑!!五条先生の扱い雑っ!!」
「漏瑚たんが欲しいんだ!!あと東堂くん!!」
「うわ……ファイリングされてる」
「真希さんを奉るような祭壇作りやめなさいよ!!」


五条以外は全てコンプリート済みである。
しかも必ず保存用・観賞用として必ず2つづつ集めているし、なんならセ◯くじなんて景品丸ごと買い占めている。


「見事に五条さんだけ避けられてるな」
「あぁ、めぐみんそれ譲渡用だから気をつけて扱ってね」
「塵も手持ちに残しておく気がない思い切りの良さね」
「よっし!!ウエハースもばかうけもコンプリート!!
あとは……うーん」
「まだ買う気ですかアンタ」
「可愛い子達の活躍を逃す気は無い。
これぞ大人の本気よ、めぐみん」
「馬鹿だ」「馬鹿ね」「うわぁ」


一年トリオが大人の大人気なさに何とも言えない気持ちになる。


「………何で僕ハブかれてんの」
「おつー。あ、悟。出来たらソレに悟のサイン入れてあげて」
「うぉっ!?」
「いたの!?」
「何で?そこは普通僕の事集めない?
一個も保存していないって何それ?オマエの僕への愛はそんなもんだったの?」


無心にバリバリとウエハース、ウエハース、ばかうけ、ウエハース、ばかうけ、ばかうけ……と摘まんで食べている。
そんな彼女をがくがく揺らしながら騒ぐ五条。


「いらない」
「…………」

「うっわ、キツ」
「固まったわね」
「……オマエらお菓子持って行くぞ」


伏黒が適当にばかうけを6袋とウエハース10個入りのジップロックを二個持った。


「何?」
「何でよ」
「胸焼けしたくなかったら行くぞ」


だが既に遅かった。
五条の口にバニラウエハースを突っ込んで笑う彼女。


「カードも、シールも、アクスタも、缶バッジも、ティッシュも、ぬいぐるみも、ハンカチも……悟はイケメンだからきっと見た目に騙された皆が手に取るし、顔で人気があるから集めたくなるでしょ?」
「ぶふっ!!ひっど!!」
「く、釘崎……わ、笑っちゃ、五条せんせ……な、いちゃ……くくっ!!」
「手にしたくても競争率に負けて手に入らなかった子達に手渡るように布教してるだけ」
「……それならオマエこそ持つべきだろ。
オマエは僕のなんだから。僕を独占する勢いで買い占めるのが愛じゃん」


ムッスー、と不機嫌な五条。
それを聞いた彼女はケタケタ笑う。


「馬鹿だね。だからこそ、私はいらないんだよ」
「は?」
「やべ、五条先生キレそう。止めた方がいい?」
「女に手を出すなんて私が息の根を止めてやる」
「オマエら行くぞ」
「「でもっ!!」」

「他の人はグッズでしか悟を堪能出来ないけど私だけは世界で唯一生身の悟から愛されて、愛を告げて、触れられるんだもの」

「「………………」」
「ほらな」


ズルズルと虎杖と釘崎を回収する伏黒。
五条はポカンとして口にウエハースを入れたまま固まっている。


「五条悟という生身の貴方を一人占め出来ているんだもの。
グッズくらい他の子の手に渡っても何とも思わないし、悟の魅力で惑わされる人が欲しいと言うならいくらでも譲渡するわよ。
……その代わり、生身の貴方は私だけの悟でいてね?」
「オッ、マエさぁ………好き。大好き。完敗。優勝」
「なぁに?それ」


ぎゅっ、と抱き締めるとクスクス笑っている。
甘いハートが飛んでいる空気に一年トリオは扉を閉めた。


「……ゴチソウサマデシタ」
「ゲロアマ。伏黒、ばかうけ寄越せ」
「だから言ったろ。胸焼けするって」




後日


「はわわわわわっ!!!
真希ちゃん野薔薇ちゃん見て見て見て見て!!
この人形の服とそれ来たメンバーかっっっわゆくない!?人形に服着せるの考えた人天才か!!きゃわわわわわっ」


ピンクと白のモコモコな猫耳を着た真希と釘崎のぬいぐるみ。


「かわっっ……!!」
「いい大人が人形遊びすんなよ」(チラッ)
「ちなみにこちらもございます」


サロンペット姿の虎杖と伏黒。


「これどーしたのー?」
「サイト見ながら夜なべして作ってみたの。
世の中にはぬいぐるみに服を着せかえて連れ歩くみたいだから」
「器用ッスね」
「頑張った!!!」


カフェ定員姿の狗巻とパンダ。


「しゃけ!!」
「着ぐるみが服着てるゾ」


それぞれ着飾った人形を手に楽しそうにしている。
釘崎は人形を持ちながら写真を撮ってSNSに早速上げていた。


「…………ズルい!!!」
「んだよ悟」
「ウルサイぞ悟」
「おかか」
「僕の人形の方が可愛く着こなせるのに!!
手作りの衣裳ズルい!!
僕この数日このせいでずっっっと構って貰えなかったんだけど!?」
「可愛い子達が可愛い人形持って可愛いくはしゃいでる……なるほど、ここがヘヴン!!」


徹夜続きで寝不足が祟ったのだろう。
この後彼女は倒れて医務室へ。
五条にぬいぐるみとミシンを取り上げられ泣いている姿が目撃されたとか……。


次「先輩と直哉くん」

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