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【藤の花に寄せて】
(初出:2019.4.22 よもやま)








ゆらり…風に、薄紫色の花房が揺れた。
綺麗だね…と微笑む織姫の髪もまた、ふわりと宙を舞う。
陽が落ちかけて幾分冷たさを増した空気に、着ていた上着を脱いで肩にかけてやれば、過保護と苦笑しながらも織姫は素直に袖を通してくれた。
手を繋ぎなおして、再びゆっくりと歩き出す。
繋いでいない方の手で、大きく膨らんだ腹を撫でながら、来年の今頃は3人で花の下を歩けるかしら…と呟く織姫。
多分な…と返しながら、手の中にある細く華奢な手を、そっと握り直した。








終
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