春夜、花の下にて

【あとがき&裏設定】

Twitterでの話題から始まった、今回の創作。
思ったよりも時間がかかってしまったり、パロディで悲恋…という、万人に受け入れ可能なお話ではなかったり…と、書いたこと自体に賛否両論ありそうですが、私自身はとても楽しい時間を過ごさせていただきました。
書き始めた頃は、初秋に父が亡くなり、逆に夫の回復は良好で無事職場復帰も叶い、私の気が緩みすぎたのか創作意欲が全く湧かず、このまま書けなくなってしまうのだろうか…と漠然とした不安を抱いていました。
それが、今回のお話を書くことで、家事を放り投げてでも書きたい、完結したい…という強い気持ちが戻ってきまして(家族には申し訳ないですが( ̄▽ ̄;))もう暫くは、遅筆なりにサイトを続けていけそうだ…という自信にも繋がりました。
常にも増して自己満足で独りよがりな世界の創造ではありしたが、それにもかかわらず、最後までお付き合いくださり、このページにまで目を通してくださっていることには、感謝の言葉しかありません。

本当に、有難うございます。

さて、ここからは少し、本編内で説明できなかったあの世界の設定など、書いてみようと思います。

まず、人物相関。
あの世界には、一護さんの家族以外、原作の現世組なり死神さんなりの、一護さんの良き理解者であり友人である人達との繋がりが一切ありません。
存在はしているのかもしれませんが、接点は無かったようです。
浦原さんとも、組織の武具開発担当者と使い手…という関係以上のものはなかったと思われます。
なので一護さんの荒みっぷりはかなり酷いことになっていますし、生に対する執着も希薄で、その分、情熱が全て織姫さんを救うこと一点に絞られて、あそこで使い果たされてしまったのだと思います。
原作の一護さんは、結果的には命を落とすことになったとしても、まずは生き延びて、自分を待つ人達のところへ戻ろうとすると思うので…あっさり沼に沈んだことに違和感を感じる方は多かったのでは無いかと思いますが、そこはパロディ、パラレルと割り切って読んでいただければ助かります。

ちなみに、織姫さんが庇った男の子は、あの世界の昊さんです。


世界設定としては、生活様式などは中世の欧州、そして狼や熊や鮫のような動物などと同じような距離感で、妖魔が存在している…という状況をイメージして書きました。
人身売買なども割と普通にあって、人を攫ってくる「人狩り」に突然村を襲撃されて、奴隷や娼婦として、貴族や他国の王族に売られたり…ということも起こる、物騒な世の中です。

一護さんが、一流の祓魔師でありながら自分の体力の消耗具合を計算違いしたことについては、単純にウィリーの資料が少なかったからです。
本部にウィリーを根絶する気が無いので、他の妖魔のように対策のために必要な資料集めも、武具や神具の類の開発も、なされていないのです。
これが吸血鬼だの人喰い鬼だのになりますと、一種族につき小振りな図書館一館必要なくらいの資料が揃っていますし、浦原さんたちが日夜研究に励んでいたりするのですが…。

人間から妖魔になってしまった者については、人間としての優しさや思いやりの気持ちがどのくらい魂に残っているかで、浄化後に転生可能かどうかが違ってきます。
転生可能な魂は蝶の姿で昇天し、不可能なまでに闇に染まった者は、灰となって消滅します。
この辺りは、親しくお付き合いさせていただいている樹生様お勧めの人形アニメーション【コープス ブライド】の影響が強いですね。

エピローグを原作世界にしたことは、もしかしたら否定的な感想を持たれた方が多いかもしれません。
正直、書いた私自身も、溢れかえる蛇足感に頭を抱えながらのアップでした( ̄▽ ̄;)
ですが、私の自分勝手な願いとして、一護さんと織姫さんには、どんな世界で出会おうとも恋に落ちて欲しいのですよ。
5回生まれ変わっても、好きになる…とは原作の織姫さんの言葉の中で最も有名な台詞かと思いますが、5回と言わず何度でも、永遠にループしていただきたいものです。

お互いに救い手となるたった一人としか出会えなかった二人が、たくさんの友人達との出会いを得、支えられ、生き延びて結ばれ、新たな命を産み育んでいく世界を手に入れた…そんな風に、今回のお話と原作とを繋いで読んでいただけましたら幸いです。


書きかけの竜パラ、合唱部パロも、引き続き頑張ります。

2018.2.17
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