黄昏円舞曲
……そして、1年後。
二人の少年は、同日、同時刻、同じマンションの一室で向かい合っていた。
自分の望みを……。
そして、友の望みを叶えるために……。
丁度、同じ頃ーー。
「………あ、流れ星!」
星空の下、胡桃色の髪を風になびかせ、少女が呟く。
そっと胸の前で手を組んで。
静かにその、瞼を閉じる。
祈るのは、仲間である少年の無事と。
想いを寄せる少年の、幸福。
どうか、彼が無事で…元気でいてくれますように……。
どうかこれ以上、彼が辛く悲しい目に遭いませんように……。
どうか、どうか…神様、どうか……。
これ以上、もう誰も傷ついたりしませんように……。
三人の想いは、願いは、空気に溶けて。
いつしか空を翔け巡る……。
ただしーーー。
その想いが何処に行き着くのか、は。
今は未だ、彼らにも誰にもわからない………。
終