同棲と相談

  • とあるマンションに未来の夫婦が住む事となった

  • 未来の夫の名前はヴィンセント・ヴァレンタイン

  • 未来の妻の名前はユフィ・キサラギ

  • この二人の結婚は二人が幼い時から決まっていた
    所謂、親が決めた結婚である
    しかし二人はこれまで顔を合わせる事が全くなかった為、いきなり結婚して夫婦になっても戸惑うだろうからという事で一旦は同棲期間なるものが設けられた
    この同棲期間でお互いの事を知り、仲良くなれというのが二人の両親の考えだ

  • ユフィ

    (いきなり同棲も戸惑うっつーの)

  • ヴィンセント

    ・・・・・・いきなりで色々戸惑うだろうが宜しく頼む

  • ユフィ

    う、うん・・・ヨロシク

  • ヴィンセント

    ・・・すまない
    私の海外赴任が長かった所為でまともにお互いを知る機会があまり作れなくて

  • ユフィ

    い、いいよ!
    仕事なら仕方ないし、アタシも学校とか受験で忙しくてそれどころじゃなかったしさ

  • ユフィ

    それよりもさ・・・とりあえずどうする?
    てか、どうすればいいよ?

  • ヴィンセント

    いきなり恋人や夫婦らしくしろと言われても互いに不慣れだ
    今まで家でしてきた過ごし方でしばらくはいよう

  • ユフィ

    ご飯とかどうする?

  • ヴィンセント

    私は仕事で遅くなる事や飲み会に参加する事が多々ある
    そちらも大学の講義やサークルで忙しい筈だ
    あまり宜しくはないと思うが別々にするのはどうだ?

  • ユフィ

    んじゃそーしよっか

  • ヴィンセント

    色々至らない点もあるだろうが改めて宜しく頼む

  • ユフィ

    アタシの方こそヨロシク!

  • こうしてユフィとヴィンセントの長い距離を埋める為の同棲生活が始まるのであった

  • 翌日・ミッドガル大学
  • シェルク「成程、親の決めた結婚相手と同棲する事になったと」

  • ユフィ

    そーなんだー

  • シェルク「性格は良さそうな方ですか?」

  • ユフィ

    んー今んとこは
    親父からも良い人だって前々から聞いてたからその辺は大丈夫だと思うけどさ~

  • シェルク「いきなり知らない男性と同棲というのは誰だって戸惑うと思います。だからユフィがいまいち受け入れがたい反応を示してしまうのも仕方のない事かと」

  • ユフィ

    だよね!
    仕方ないよね!?

  • シェルク「ですがお互いの為にもいつまでもそういう態度でいるのは宜しくないかと」

  • ユフィ

    そーなんだよね~

  • シェルク「親同士が決めたと言う割にはどうして今まで顔を合わせてこなかったんですか?」

  • ユフィ

    アタシと相手の人は7歳差でさ~
    お互いに学校だったり受験だったり仕事だったりで忙しくて顔合わせる機会がなかったんだよ

  • ユフィ

    ・・・まぁアタシが意図的に避けてたとこあったけど

  • シェルク「例えば?」

  • ユフィ

    友達と約束あるーって

  • シェルク「よくある無難な断り方ですね」

  • ユフィ

    でも一応は会ってみようかなって思った事もあったよ
    でもその時はあっちの方が予定があるからって事でおじゃんになってさ

  • シェルク「それでお互い顔を合わせる機会が訪れる事なくズルズル今日まできたと?」

  • ユフィ

    そーいうこと

  • シェルク「因果応報ですね」

  • ユフィ

    うーるーさーいー

  • シェルク「決められた結婚を覆す事は可能なのですか?」

  • ユフィ

    んーまぁ、あっちがよっぽどのDVクソ野郎とかじゃなけりゃ無理・・・かな?
    やっぱお互いにメンツとかあるしさ

  • ユフィ

    後はお互いに別に好きな人がいて~ってなんないと無理かな~

  • シェルク「たとえいたとしても家の事情を優先しなければならないという昼ドラ展開が待ち受けているのでは?」

  • ユフィ

    でも他に好きな人がいる状態でお互いに恋愛感情ないまま結婚しても誰も幸せにならないじゃん?
    それにアタシも都合良く断れるしそうなったら全力で反抗するつもりだったよ

  • シェルク「しかしお互いに他に好きな人が出来ないまま今に至ると」

  • ユフィ

    そーなんだよ・・・

  • ユフィ

    ねぇ
    アタシどーしたらいいと思う?

  • シェルク「嫌な人ではなく良い人なのであれば頑張ってみては?恐らく相手の方も寄り添う姿勢を見せてくる時があるかもしれません。それでもユフィが嫌なら婚約破棄を要求し、そうでないならユフィの方からも歩み寄ってみるのはどうでしょうか?意外に上手くいく相性の良い方かもしれませんし」

  • ユフィ

    やっぱそーかー
    そーだよなー

  • シェルク「お互いの事をより深く知る為に設けられた同棲期間です。ユフィが今抱えてる戸惑いを解消する為でもあるので焦らずじっくり相手を研究してみては?」

  • ユフィ

    研究・・・

  • ユフィ

    プッ!
    面白いじゃん、研究!
    ならとことん研究してレポートにまとめてやるよ!

  • シェルク「その後、是非私に見せて下さい。レポートの評価をしましょう」

  • ユフィ

    100点満点間違いなしのレポートにするから楽しみにしてろよ~!

  • シェルク「勿論です」

  • そしてその日の夜
  • ユフィ

    とは言ったものの、今日は残業っぽいから研究の第一歩も踏み出せそうにもないや

  • ユフィ

    ・・・

  • ユフィ

    ホント、何でこんな事になっちゃったんだか

  • ユフィ

    ていうかマジでこんな事になるなんてさ・・・

  • ガチャ(リビングのドアが開く)

  • ヴィンセント

    ・・・やはりまだ起きていたのか

  • ユフィ

    あ・・・オカエリ

  • ヴィンセント

    ああ・・・
    寝なくていいのか?

  • ユフィ

    あ、うん、これから寝るよ
    風呂沸いてるから
    ご飯はアタシは適当に弁当買って済ませたんだけどそっちは大丈夫?

  • ヴィンセント

    ああ、私も適当な物を買ってきたから気にしなくていい

  • ユフィ

    そっか
    んじゃ、アタシはこれで

  • ユフィ

    (チラッ)

  • パタン(リビングを出る)

  • ユフィ

    ・・・・・・

  • ユフィ

    晩御飯はおにぎり二個とカップ麺か

  • 未来の旦那様のメモ
    ・コンビニで買って来るご飯は割と普通

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