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平和になった世界のとある川辺で太公望は釣りを、半兵衛は昼寝をしていた。
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太公望
・・・
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竹中半兵衛
スー・・・スー・・・
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そこに・・・
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孫尚香
半兵衛!太公望!
丁度良い所にいたわね! -
太公望
孫呉の・・・虎姫か
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竹中半兵衛
んぁっ・・・あ、姫様
どーもー
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孫尚香
ねぇお願い!
ちょっと匿ってくれないかしら?
今すっごく困ってるの! -
太公望
一体誰に追われているのだ?
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孫尚香
それは・・・
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陸遜
姫ー!
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孫尚香
来たっ!!
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竹中半兵衛
あ、陸遜さんだ
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太公望
ふむ・・・大方座学を抜け出して追われている、といった所か
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孫尚香
よく分かったわね
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太公望
陸遜将軍がよく愚痴を溢していたからな
虎姫が毎回座学を抜け出すから逃走ルートや逃走パターンが戦にも役立って少々悲しくなってくるとな -
孫尚香
ひっどーい!
何もそこまで言わなくていいじゃない! -
竹中半兵衛
むしろそれを言わしめる姫様の方が酷いと思うよ
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孫尚香
ねぇお願い、匿って!
捕まったら座学の時間を長くされちゃう! -
太公望
むしろ当然の報いだと思うがな
だが、いいだろう -
竹中半兵衛
え?助けちゃうの?
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太公望
久々に使いたい術があるのでな
变化の術! -
ボンッ!という爆発音と共に孫尚香は白い煙に包まれる。
やがて煙は晴れ、ネコの姿へと変身した孫尚香が姿を表すのだった。 -
竹中半兵衛
わっ!?
姫様がネコになった! -
太公望
全知全能たる私の力を持ってすればこのくらいは容易い事だ
さぁ、後はネコらしく振る舞いたまへ、虎姫よ -
孫尚香
ニャー
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竹中半兵衛
おいでー、姫様
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ネコになった孫尚香を撫でる半兵衛
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孫尚香
ニャー♪
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そこに、漸く追いついてきた陸遜がやって来る
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陸遜
はぁっ・・・はぁっ・・・!
太公望殿、半兵衛殿!
尚香様を―――姫様を見かけませんでしたか? -
太公望
いいや、見ていないな
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竹中半兵衛
俺も見てないよー
ねー?ネコちゃん -
孫尚香
ニ、ニャー
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陸遜
・・・そのネコ、少し宜しいですか?
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竹中半兵衛
いいよ
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陸遜
・・・
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孫尚香
(ドキドキ・・・)
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陸遜
・・・このネコ、何故か姫様の気配を感じてならないのですが
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孫尚香
(ドキッ!)
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太公望
気の所為だ
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竹中半兵衛
ネコちゃんに尚香様を感じるって事は陸遜さんってもしかして尚香様をネコって思ってるの?
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陸遜
なっ!?そんな事は・・・!
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竹中半兵衛
尚香様ってネコみたいだもんねー
陸遜さんはネコ好き? -
陸遜
か、からかわないで下さい!
それより私は姫様を探しますのでこれで失礼させていただきます! -
こうして陸遜は走り去るのであった。
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太公望
行ったな
術を解くぞ -
太公望は呪文を唱えると孫尚香を元の姿に戻した
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孫尚香
危なかった~
一瞬バレるかと思っちゃった -
竹中半兵衛
でも姫様、大人しく戻ったら?
陸遜さんがあれだけ必死に探してるんだからさぁ -
孫尚香
いいのよ、探させれば
いっつも軍議だの作戦の打ち合わせだので構ってくれないんだもの
このくらい当然の報いよ・・・ -
竹中半兵衛
おお?
もしかして、やっぱり姫様も・・・? -
孫尚香
なっ、べ、別にそんなんじゃ・・・!
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竹中半兵衛
陸遜さんと姫様が良い仲っていう噂は本当のようですなぁ、太公望殿
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太公望
ああ、そのようだな
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孫尚香
か、からかわないでよ!
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竹中半兵衛
おやおや、陸遜さんと同じ台詞を言いましたぞ~?
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太公望
これは決まりだな
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孫尚香
それより!!
しばらく戻るつもりはないし色んな所を見て行きたいんだけど何か良い案はないかしら?
出来れば陸遜や練師に見つかっても上手くやり過ごせる言い訳付きで -
竹中半兵衛
姫様は我儘だな~
どうする?太公望さん -
太公望
ふむ・・・まぁ、協力してやらんでもない
丁度世界を見て回ろうと思っていた所だからな -
孫尚香
つまり?
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太公望
諸国周遊の旅と行こう
色々な所を見て回れる上に見つかっても視察や勉強とでも言えば強くは言い返せまい -
孫尚香
なるほど、流石全知全能の太公望ね!
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竹中半兵衛
はいは~い!
面白そうなんで、俺も参加していい? -
孫尚香
勿論よ!
さぁ、そうと決まれば行きましょう! -
こうして太公望・孫尚香・竹中半兵衛の三人の諸国周遊の旅が始まるのであった。
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