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ここはシンヨコ幼稚園
吸血鬼の子供や諸事情で夜間に家を空ける関係で家に残されてしまう子供たちを預かる夜間の幼稚園
その幼稚園に通うドラルクは家族であり愛すべきアルマジロのジョンの積み木遊びを眺めつつ椅子に座ってqsqで遊んでいた
しかし――― -
ヒナイチ
・・・
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モグモグと早弁をしながらこちらを見つめてくるヒナイチ
食いしん坊な女の子でよく早弁をしている
そんな彼女の為に母親は弁当を2個作ってあげているのだとか -
ドラルク
・・・ねぇ
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ヒナイチ
ちん?
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ドラルク
何か用?
ずっとこっちを見てるみたいだけど -
ヒナイチ
ドラルクからクッキーのにおいがする
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ドラルク
クッキー?
ああ、昨日お父様と一緒にジョンのおやつに作ったからそれが服に移ったのかも -
ヒナイチ
クッキー!?
いいなぁ、たべたい!! -
ドラルク
良かったら今日ウチに来る?
ご馳走するよ -
ヒナイチ
ほんとうか!?
ありがとうドラルク!! -
ロナルド
はいはい!!
おれもいく!! -
ドラルク
流石だね地獄耳ルド君
ついさっきまで外でギャーギャー騒いでたのに聞きつけるなんて -
半田
フハハ!
ロナルドのやつがひとりでぜんぶたべないようにオレがみはりにいくぞドラルク! -
ドラルク
行きたいなら素直にそう言いなよ半田君
歓迎するよ -
Y談先生「先生も一緒に行ってY談波を打っていいかな?」
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ドラルク
別にいいですけどその代わりにお祖父様呼びますよ
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フクマ先生「皆さん、遊びに行く時はちゃんと家に鞄を置いて着替えてから行くように。お家の人の都合が悪い人は先生に行って下さい。送り迎えしますよ」
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ドラルク
フクマ先生もクッキーどうですか?
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フクマ先生「ありがとうございます、ドラルク君。ですが先生は副業の編集のお仕事があるので行けそうにありません。お気持ちだけ受け取らせていただきますね」
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ドラルク
ここの幼稚園、副業OKなんですね
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ドラルク
ジョン、今日は賑やかなおやつになりそうだね
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ジョン
ヌー!
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そして帰宅の時間
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ドラウス「ドラルク!迎えに来たよ~!」
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ドラルク
お父様、今日お友達のヒナイチくんとロナルド君と半田君がクッキーを食べにウチに遊びに来ます
いいですよね? -
ドラウス「ど、ドラルクが人間やダンピールの友人を家に連れて来る・・・!?」
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ドラルク
お父様、感動で泣きながら膝から崩れ落ちないで下さい
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ドラウス「だって・・・ドラルクが幼稚園に入って初めてお友達をお家に連れてくるなんて言うからパパ嬉しくて・・・今日はパーティーだな!!」
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ドラルク
ジョン、私もうツッコむの疲れちゃった
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ジョン
ヌー・・・
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ドラウス「よし!そうと決まったら今すぐ家に帰ってクッキーを焼こう!でもその前にお友達の分の飲み物も買っておかないとな!」
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ドラルク
みんなオレンジジュースでいいですよ
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ロナルド
おれバナナジュースがいい!
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ドラルク
ロナゴリラ君はセロリジュースがいいそうです
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ロナルド
アッベラバッバパパセロバズバッ!!!
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ドラルク
じゃあみんな、また後で
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ヒナイチ
ちん!
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半田
フハハ!
ロナルドよりもさきにいってやるからな! -
ロナルド
おれオレンジジュースがいい!
だからセロッ・・・はやめてぇーーー!! -
そしてクッキーが焼き上がる頃・・・
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ピンポーン♪
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ドラルク
あ、来た
私が行ってきますね -
ドラウス「ああ、行っておいでドラルク」
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ドラルク
行こう、ジョン
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ジョン
ヌー!
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ドラルク
今開けまーす
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ガチャ
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ヒナイチ
ちん!
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ドラルク
いらっしゃい、ヒナイチくん
上がって -
ヒナイチ
おじゃまします!
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カズサ「お邪魔します」
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ドラルク
もしもし警察ですか?
不審な男の人が勝手に上がり込んで来たのですが -
カズサ「残念だが俺はその警察だ。通報した所で警察官は帰って行くだけだぞ」
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ドラルク
警察の人だろうと犯罪を犯せば捕まりますよ
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ヒナイチ
もう!
ちゃんとしてよにいさん!! -
カズサ「ハッハッハッ!すまんすまん」
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ヒナイチ
ごめん、ドラルク
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ドラルク
ううん、いいよ
ポンチなお兄さんを持つと大変だね -
ヒナイチ
じゃあにいさん、おわったられんらくするから
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カズサ「いや、俺もクッキーを食べて行く」
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ドラルク
は?
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カズサ「俺は警察は警察でも吸血鬼対策課の人間だ。吸血鬼は客人をもてなす為にとても美味い料理を作ると聞く。それがどれ程のものか確かめなければならないからな」
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ドラルク
本音は?
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カズサ「クッキーめっちゃ食べたい」
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ヒナイチ
ダメだよにいさん!
クッキーはぜんぶわたしのものだ!! -
ドラルク
みんなで分けて食べるんだよ
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カズサ「そうだぞ、ヒナイチ。みんなで食べるんだ。という訳で俺はヒナイチが一人で全部食べないように見張りとして上がらせてもらう。飲み物はサイダーかコーヒーでよろしく」
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ドラルク
私知ってる
お兄さんみたない人を図々しいって言うんだ -
デンワワワワ
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カズサ「はい、カズサです・・・え?今日非番なのに・・・分かりました、すぐに行きます」
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ピッ
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カズサ「悪いが急な仕事が入った。クッキーは30枚ほどで構わないからヒナイチに持たせてくれ」
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ドラルク
この公僕はどこまでも図々しいですね
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カズサ「ヒナイチ、兄さんの分のクッキーを食べるなよ」
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ドラルク
お土産のクッキーを持たせる前提で話を進めるな
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ヒナイチ
ドラルクから50枚入りのクッキーをもらうからだいじょうぶだ!
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ドラルク
この兄にしてこの妹あり
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カズサ「・・・やっぱり30枚じゃなくて100枚でよろしく頼もう」
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ドラルク
さっさと仕事行け!!
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ドラルク
はぁ・・・もういきなり疲れたよジョン・・・砂になっちゃいそう・・・
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ジョン
ヌイヌーヌ?
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ドラルク
うん、大丈夫
ありがとうジョン -
半田白「こんばんは」
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ドラルク
わっ!?
ビックリした・・・半田君のお父様か -
半田
ドラルク、ロナルドは?
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ドラルク
まだ来てないよ
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半田
フハハ!
ロナルドよりもさきにくることにせいこうしたぞ!!
セロリトラップをしかけていいか!? -
ドラルク
ダメ
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半田白「そうだよ、桃君。お家だと迷惑がかかっちゃうから敷地の外に仕掛けなさい」
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ドラルク
それも十分迷惑です
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半田白「ハハハ、冗談だよ」
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ドラルク
(この顔は冗談を言ってるのかどうか分からない・・・)
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ドラウス「こ、声が聞こえると思ったらやはり半田さんでしたか・・・!」
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半田白「こんばんは、ドラウスさん。本日は息子をお招きいただきありがとうございます」
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ドラウス「い、いえ、呼んだのは私ではなくドラルクなので・・・」
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半田白「いえいえ、それでも嬉しい限りです。桃君、ドラルク君やドラウスさんの言う事をよく聞くんだよ」
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半田
はーい
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ドラウス「おや?半田さん、袖に赤い染みがありますな」
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半田白「おっと、これは失礼。魚を卸した時の血が飛んでいたようですね」
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ドラウス「魚を?」
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半田白「ええ、こんな風に」
ヒュッヒュッヒュッ(手を握って包丁を動かす素振りを見せる) -
ドラウス(俺の知ってる魚の捌き方と違う気がする・・・)
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半田白「確かドラウスさんはお料理が上手なんですよね?魚を捌かれたりも?」
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ドラウス「え、ええ、まぁ・・・」
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半田白「でしたら今度魚の捌き方を教えていただけませんか?他にも肉の切り方なども・・・私の家でじっくりと・・・」
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ドラウス(こここ殺される・・・!これは罠だ!魚は建前、本題は肉の切り方、つまり俺を実験台に解体の練習をするつもりだ!!しかし下手に断ってしまえば何をされるか・・・!!)
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半田白「ドラウスさん?」
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ドラウス「・・・・・・わ、私の友人も呼んでみんなでお料理教室をしませんか・・・?」
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半田白「いいですね、やりましょう」
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この後、ドラウスは古い吸血鬼のメンバーを巻き込んだお料理教室を開くのであった
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ロナルド
きたぞードラルク!
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ドラルク
あ、ロナルド君
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ロナルド
いもうとのヒマリもつれてきた!
いいよな? -
ドラルク
いいけど凄く眠そうだよ?
もしかして無理矢理起こして来たの? -
ロナルド
むりやりじゃないぞ!
ふつうにたたきおこしてきただけだ! -
ドラルク
尚悪いわ
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ヒマリ「・・・」
ギンッ(ロナルドの股間を蹴り上げる) -
ロナルド
!!!??!?!?!
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ドラルク
天罰って下るんだな
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ヒマリ「(それはそれとしてクッキーは)すき」
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ドラルク
え?
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ロナルド
!!!!??!?
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最終兵器兄貴!アポカリプスロナルド!!
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ドラルク
ワァーーーーー!!!
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ヒヨシ「落ち着けアホ!ヒマリはクッキーが好きって言ったんじゃろ!そうじゃろ、ヒマリ?」
ヒマリ「(コクッ)」
ヒヨシ「ほれ見てみぃ!」 -
ロナルド
びっくりした~!
わるい、ドラルク! -
ヒヨシ「ちゃんと謝らんか!すまんな、本当に」
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ドラルク
いえ・・・後で目にもの見せてやるので大丈夫です・・・(ボソッ)
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ドラルク
それよりもお兄さんもクッキー食べて行きませんか?
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ヒヨシ「誘ってくれた所悪いんじゃがこれから退治に行かにゃならんのじゃ。ワシの分は二人にやってくれ」
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ドラルク
じゃあ、お兄さん用のお土産のクッキーを用意しておきます
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ヒヨシ「そうか?すまんな。お前達、ちゃんと良い子にな」
ヒマリ「(コクッ)」 -
ロナルド
おれはいつだっていいこだぞ、にいちゃん!
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ドラルク
ついさっきの狼藉をもう忘れたか鳥頭ルド君
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Y談先生「ご機嫌よう、おじさん先生がY談波を打ちに来たよ!」
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ドラルク
もしもしお祖父様?
Y談先生が暇してるそうです -
フクマ先生「すいません、少し時間が出来たので亜空間を通ってクッキーを食べに来ちゃいました。こちら、つまらないものですがオータムパンです」
パン「ギシャア”ア”ア”」 -
ドラルク
クッキーを差し上げますのでお気遣いなく
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ドラルク
・・・
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ドラルク
(スナァ)
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ジョン
ヌー!!
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ツッコミ疲れて砂になったドラルクだったが、その後のみんなでクッキータイムは平和に過ぎていった
クッキーを食べ終わった後はみんなで遊んでいたが、途中でドラルクがお土産用のクッキーを作っていたドラウスを「ちょっと手伝って来る」といって抜けるなどあった
やがて帰宅の時間となり、ロナルド達はそれぞれの保護者に手を引かれて帰っていくのであった -
帰宅後・ロナルド家
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ロナルド
にいちゃん、おみやげのクッキーたべよう!
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ヒヨシ「明日にせい」
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ロナルド
できたてなんだよ!
いまたべたほうがぜったいおいしいって! -
ヒヨシ「ちゅーてもなぁ・・・一枚だけじゃぞ」
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ロナルド
やったー!!
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カサッ
ヒヨシ「ん?メッセージカード?」 -
ロナルド
いっただっきまーす!
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ヒヨシ「『ロナルド君へ セロリの形のクッキーとセロリの味のするクッキーを作りました 美味しく食べてね( ゚∀゚)b』」
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ロナルド
だっddpsるせろbhjwせっycろッ!!!
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ヒマリ「(わたしのことでかんちがいしたときの)しかえし(かも)」
ヒヨシ「んん?・・・ああ、そういう事か」 -
帰宅後・半田家
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半田
ただいま、おかあさん!
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半田朱美「お帰り、桃君。楽しかった?」
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半田
たのしかった!
ドラルクのつくったクッキーもおいしかった! -
半田朱美「そう、良かったわね。ちゃんとお礼は言ってきた?」
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半田
もちろんだ!
それからおかあさんとおとうさんにっておみやげのクッキーをドラルクのおとうさんがつくってくれたぞ! -
半田朱美「まぁ、お土産まで!?何だか悪いわね。ねぇ白さん、お礼はどうしましょう?」
半田白「吸血鬼向けの品は私達では手に入れるのは難しいからなぁ。桃君、ドラルク君は人間が口にするもので好きな物があるか知ってるかい?」 -
半田
ぎゅうにゅうとトマトジュースが好きだ
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半田白「確かドラウスさんも同じ物が好きって言ってたし特選牛乳と特選トマトジュースを買って今度私が渡してこよう。お料理教室を開いてくれるお礼も兼ねてうんと良い物を選ぼう」
半田朱美「お料理教室?」
半田白「魚の捌き方や肉の切り方を教えて欲しいとお願いしたらドラウスさんのお友達も交えて一緒にやろうと誘っていただいたんだ」 -
半田朱美「そうなの?良かったわね、白さん!」
半田白「ああ。ドラウスさんは本当に良い人、いや、良い吸血鬼だなぁ」 -
半田
おとうさん、オレもおれいをいっしょにえらびにいきたい!
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半田白「ああ、いいよ。今度一緒に選びに行こうか」
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半田
うん!
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帰宅後・ヒナイチ家
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カズサ「ヒナイチ、もう寝るんだからクッキーは5枚までにしろー」
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ヒナイチ
にいさんは15枚たべてるじゃないか!
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カズサ「兄さんは非番なのに働いて来たんだ。だからこれはご褒美だ。それよりドラルクの家はどうだった?楽しかったか?」
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ヒナイチ
とってもたのしかった!
クッキーもたくさんつくってくれたしジュースのおかわりもくれた! -
カズサ「ほう。用意は全部ドラルクが?」
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ヒナイチ
ドラルクのおとうさんもいっしょだった
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カズサ「へぇ、優しいお父さんなんだな」
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ヒナイチ
そうなんだ!
わたしとにいさんがクッキーをたくさんたべるってきいたら100枚ずつつくってくれたんだ! -
カズサ「そうか・・・明日ちゃんと兄さんの分もお礼言っておけよ?」
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ヒナイチ
もちろん!
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カズサ「それからドラルクとも仲良くな」
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ヒナイチ
ちん?
いつもなかよしだぞ? -
カズサ「なら、いつまでも仲良くな」
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ヒナイチ
?
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ドラルク家
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ドラウス「そのマフィンは明日持って行くのか?」
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ドラルク
はい
十中八九ロナルド君にセロリクッキーの事で殴られるのでそのお詫びとして最初に激辛マフィンを、その次にセロリマフィンを渡すという二重トラップを仕掛けます
そして三度目の正直で普通のマフィンを渡しますが絶対に戦々恐々とする筈ですのでその様子を面白がります -
ドラウス「流石は我が息子!幼児だというのに諸葛孔明が如き天才軍師っぷり!!」
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ドラルク
ピス!
それほどでもないです! -
ドラルク
明日も良い夜になるといいね、ジョン
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ジョン
ヌ、ヌー・・・
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