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ヴィンセント
行って来る
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ユフィ
いってらっしゃーい
今日はいつも通りな感じ? -
ヴィンセント
そうだな
お前も今日は夕方まで講義だったか? -
ユフィ
うん
夕飯は適当にお惣菜買ってくるでいい? -
ヴィンセント
ああ、構わない
帰り道は気を付けるようにな -
ユフィ
はいよー
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そしてお昼頃
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ヴィンセント
(昼食はあのそば屋でにでも―――)
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ヴィンセント
ん?
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モブA『ご結婚おめでとうございまーす!』
モブB『お幸せにー!』 -
ヴィンセント
(結婚式か)
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ヴィンセント
(いずれは私もユフィと―――)
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ヴィンセント
(同棲を始めた頃は結婚などまるで現実味がなかったが今は全く違う)
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ヴィンセント
(私は・・・ユフィを幸せにしたい)
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ヴィンセント
(ユフィと幸せになりたい)
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ヴィンセント
(すぐに、という訳にはいかないが少なくともユフィが大学を卒業してしばらくしてから式を挙げる方が良いだろうな)
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モブC「あのドレス素敵ね~!」
モブD「私もいつかあんなドレス着たいわ~!」 -
ヴィンセント
(ドレスか・・・今どきは丈の短いドレスもあるらしい)
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ヴィンセント
(ユフィはきっとそれを選ぶだろうな)
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モブE「でも私は白無垢も捨てがたいな~」
モブF「アンタ白無垢着たいって言ってたもんね」 -
ヴィンセント
(白無垢か・・・ユフィはそちらも十分似合うだろうな)
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ヴィンセント
(どちらも捨て難い・・・ユフィはどちらがいいと言うだろうか)
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ヴィンセント
(・・・いや、話が早過ぎるな。今の私達はまだ恋人同士だ)
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ヴィンセント
(まずはプロポーズからだ)
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ヴィンセント
(その為にも婚約指輪を用意しなければ)
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ヴィンセント
(帰りに店に寄ってみるとしよう)
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そんな訳で『ミッドガル貴金属』
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店員「いらっしゃいませ」
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ヴィンセント
指輪のサンプルの貸し出しをしていると聞いたのだが
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店員「サンプルの貸し出しでございますね。こちらのサンプルケースの中から5種類選んでいただけますでしょうか?」
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ヴィンセント
7番、11番、17番、20番、27番で頼む
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店員「かしこまりました。サイズはいかが致しますか?」
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ヴィンセント
・・・すまない、相手の女性の指の正確なサイズが分からない
1つずつ別のサイズにしてもらえるだろうか? -
店員「かしこまりました」
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そして・・・
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ヴィンセント
(サイズ違いのサンプルリングを貰ったが・・・いつ切り出すか)
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ヴィンセント
(そのまま出してサイズを測るのは少々ロマンに欠けるな)
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ヴィンセント
(しかしあまりにもタイミングが難しすぎる)
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ヴィンセント
(どうしたものか)
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ガチャ
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ヴィンセント
ただいま
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ユフィ
おっかえりー!
風呂沸いてるけどどうする?
ご飯は後にする? -
ヴィンセント
ああ
先に風呂に入らせてもらおう -
ユフィ
はいよー
んじゃぁ鞄ちょーだい
部屋に置いてきて服持ってきてあげるからそのまま風呂入っちゃいなよ -
ヴィンセント
・・・いや、自分で置いてくる
少しだけ同僚にメールしなければならない用事がある -
ユフィ
・・・そう?
ならいいけど -
ヴィンセント
(万が一にサンプルリングの事がバレる訳にはいかない)
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その後の風呂場にて
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ヴィンセント
(サンプルリングはとりあえず部屋の引き出しにしまってきたがその後はどうするか・・・)
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ヴィンセント
(幸い、サンプルイングは二週間は借りられる)
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ヴィンセント
(それまでの間にユフィが昼寝などをしてその隙に指に嵌めて測るとしよう)
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ヴィンセント
(・・・夜寝ている時にするという手もあるが流石に同棲中とはいえ、嫁入り前の女性の部屋に入るのは気が引ける)
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ヴィンセント
(それに起きた時の言い訳が何をどうとっても苦しくなる。これは本当の最終手段だな)
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入浴後のリビング
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ユフィ
・・・(モグモグ)
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ヴィンセント
・・・
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ヴィンセント
(サイズは・・・やはりそのまま見ても分からんな。実際に嵌めてみない事には何とも言えん)
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ユフィ
ん?
どーかした? -
ヴィンセント
いや、何でもない
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ユフィ
あやしー
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ヴィンセント
何がだ?
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ユフィ
ヴィンセント、帰ってきてからなんか変なんだもん
挙動不審ってやつ? -
ユフィ
もしかして・・・
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ヴィンセント
(気付かれたか・・・?)
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ユフィ
エッチな本買ってきたんだろ!?
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ヴィンセント
・・・・・・
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ヴィンセント
・・・は?
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ユフィ
やっぱそーだろ!
アタシの目は誤魔化されないぞ! -
ヴィンセント
いや、そんな物は買っていないが・・・
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ユフィ
あーでも心配しないで!
ユフィちゃんはそーいうのには寛容だから!
むしろヴィンセントってそういうの興味なさそうで心配だったからちょっと安心した、みたいな? -
ヴィンセント
(安心されても困る気がするな・・・)
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ユフィ
でも程々にしてよ?
そーいうのばっか読んでるとヤキモチ焼いちゃうぞ -
ヴィンセント
いや、ユフィ
私はそういったものは――― -
ユフィ
ベッドの下に隠すなよ~?
掃除する時に間違って引っ張りだしちゃうかもしれないから
そーなったらヴィンセントの机の上に置いちゃうからね! -
ヴィンセント
・・・
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ヴィンセント
・・・フッ
心配せずともそんなベタな所には隠したりはしない -
ユフィ
へ~?
やけに自信満々じゃん?
ベッド以外にも見つからないとこなんてあんの?
友達の家? -
ヴィンセント
最近は電子書籍という便利な物がある
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ユフィ
え・・・?
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ヴィンセント
スマホもタブレットもロックがかかっているから中身は見れないが興味があるなら見せてやろうか?
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ユフィ
んななっ!?
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ヴィンセント
夕飯の後に鑑賞会をするとしよう
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ユフィ
しししししししないっての!!
可愛い恋人になんてお誘いしてんだよ!!? -
ヴィンセント
興味があるようだから誘ってみたのだが違ったか?
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ユフィ
んな訳あるか!!
ヴィンセントのバカ!
変態!! -
ヴィンセント
その気になったらいつでも言ってくれ
すぐに見せてやろう -
ユフィ
絶対にその気にならんわ!!
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ヴィンセント
(あらぬ疑いと引き換えにとりあえずアンプルリングの件は隠し通せたが・・・)
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ヴィンセント
(やはり機会を窺うしかないな)
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