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翌日の朝
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ヴィンセント
・・・
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ヴィンセントは頬杖を付いてユフィの寝顔を眺めていた
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ヴィンセント
(あどけない寝顔だ)
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ヴィンセント
(もしも一線を越えた中だったならきっと私はユフィを――ー)
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ヴィンセント
(いや、何を考えているんだ私は。いくらキスをしたからと言ってまだそこまでの仲ではないというのに)
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ヴィンセント
(だが、そう遠くない将来、私とユフィは『そういう関係』になるのだから想像くらいは・・・)
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ユフィ
んっ・・・むぅ・・・にゃぁ・・・?
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ヴィンセント
起きたか?
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ユフィ
ふぁ・・・朝・・・?
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ヴィンセント
ああ、そうだ
おはよう -
ユフィ
ん、おはよー
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ユフィ
あーあ、もう朝になっちゃったのか
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ヴィンセント
落胆せずともすぐに夜は来る
そうしたらまた私の部屋に来るといい -
ユフィ
それまでが長いんだもん
あーあ、もうちょっとこうしてられたらな~ -
ヴィンセント
後一時間はこうしているといい
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ユフィ
え?
仕事は? -
ヴィンセント
フレックスという便利な制度がある
11時に出社すると伝えてあるから問題ない -
ユフィ
エヘッ、そっか
んじゃぁもうちょっとこうして寝てる~ -
ヴィンセント
ああ、ゆっくりするといい
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ユフィ
ヴィンセントチャージ開始~
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ヴィンセント
では、私もユフィをチャージしよう
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ユフィ
うむ、よきにはからえ!
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ユフィ
今日は早く帰れそう?
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ヴィンセント
いや、仕事の打ち合わせで少し遅くなる見込みだ
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ユフィ
フレックスで遅く出社するから?
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ヴィンセント
いや、元々そういう予定だ
ただいつも通りの出社だと労働時間が長くなり過ぎるからフレックスで調整したという事だ -
ユフィ
ふーん
ヴィンセントが遅くまでいてくれるのは嬉しいけど帰ってくるのも遅いのは何だかなー -
ヴィンセント
良い子に留守番してるんだぞ
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ユフィ
子供扱いするな~
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そして一時間後
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ユフィ
時間経つの早過ぎ~
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ヴィンセント
それだけ有意義な時間だったという事だ
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ヴィンセント
起きるぞ
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ユフィ
ヴィンセントはもっと一緒にいた~い!ってなんないの?
名残惜しい~!とかさ -
ヴィンセント
なってしまうから苦渋の決断でこうして支度を急いでいるのだ
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ヴィンセント
あまりゆっくりし過ぎているとお前を襲ってしまいそうになる
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ユフィ
っ!!
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ユフィ
あ、アタシは別にいいけど・・・
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ヴィンセント
ほう?
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スッ(ユフィの膝の間に足を捻じ込む)
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ユフィ
ひゃっ!?
ややややややっぱたんま!!
ストップ!! -
ヴィンセント
やはりな
背伸びをするものではない -
ユフィ
だって・・・
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ヴィンセント
慌てずとも私はいくらでも待っている
無理をせず、焦らずゆっくりとお前のペースで来い -
ユフィ
んー
分かった -
ユフィ
でも賢いユフィちゃんはすぐに準備が出来ちゃうからヴィンセントも覚悟をしておくよーに!
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ヴィンセント
フッ、楽しみにしているとしよう
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そして
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ユフィ
忘れ物ない?
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ヴィンセント
ああ
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ユフィ
ハンカチは?
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ヴィンセント
持っている
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ユフィ
携帯は?
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ヴィンセント
持っている
充電もしっかりしてある -
ユフィ
他に足りない物は?
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ヴィンセント
・・・来い
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ヴィンセントは腕を広げた
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ユフィ
そうこなくっちゃ!
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ユフィはヴィンセントの腕の中に飛び込むとスルリと唇を重ねた
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ヴィンセント
・・・
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ユフィ
・・・エヘッ!
いってらっしゃい! -
ヴィンセント
ああ、行ってくる
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今日も二人はラブラブなのだった
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