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ゴールドソーサー
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ユフィ
やってきましたゴールドソーサー!
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ヴィンセント
何から乗るんだ?
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ユフィ
ジェットコースター!
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ヴィンセント
大丈夫なのか?
酔うんじゃないか? -
ユフィ
連続して乗らなきゃへーき!
ホラ行こっ!
今日はいっぱい遊ぶんだから! -
ユフィ
チョコボレースも見たいし演劇も見たいしワンダースクエアのゲームで遊びたいし
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ユフィ
あと最後に観覧車も乗りたい!
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ヴィンセント
なるほど
一分たりとも時間は無駄に出来ないな
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ユフィ
そーいうこと!
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ユフィ
・・・でもアタシばっかあっちこっち行きたいって言ってるけどヴィンセントは何かないの?
無理にアタシに合わせなくても行きたいとこあるんなら遠慮なく言っていいよ? -
ヴィンセント
あまりこういう所は不慣れでな
どこに楽しいアトラクションがあるのか私はあまり知らない
だから案内してくれるか? -
ユフィ
・・・エヘッ!
じゃあ特別大サービスでガイドしてやるよ! -
ヴィンセント
宜しく頼む
だが観覧車は夜がいいな -
ユフィ
花火を見るのに丁度良いしね
観覧車は夜に決定!
さ、そうと決まったら乗りまくるよ! -
ヴィンセント
走ると怪我をするぞ
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ユフィの案内の元、ヴィンセントは様々なアトラクションを楽しんだ
基本はユフィの希望のアトラクションに行っていたが、途中でお化け屋敷を見つけて怖がるユフィをやや強引に引っ張って涙目で睨まれたりもした
そうして時間はあっという間に流れて気付けば夜になっていた
今、二人は観覧車に乗ってゆっくりと頂上に向けて運ばれている -
ユフィ
は~楽しかった!
いっぱい遊んだな~! -
ヴィンセント
アトラクションの他に土産屋や飲食店の場所まで詳しかったがよく来ているのか?
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ユフィ
まーね
友達とよく来てるんだ -
ユフィ
・・・好きな人と来たのは初めてだけどっ
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ヴィンセント
フッ、それは有難い話だ
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ユフィ
美少女ユフィちゃんとデート出来た事を光栄に思うがいい!
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ヴィンセント
ああ、お前と共にいられる事が本当に嬉しいよ
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ユフィ
え・・・?
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ヴィンセント
最初は合わないと思っていた
性格も違い過ぎるし年も離れている
きっと上手く行かないと思っていた -
ヴィンセント
それなのにお前は雨の日に迎えに来てくれた
あの時は本当に嬉しかった -
ユフィ
・・・アタシ、前の日の夜にヴィンセントが心配してくれて嬉しかったんだよね
アタシの事、心配してくれてるって
だから迎えに行こうって気になったんだと思う -
ヴィンセント
フッ、そうか
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ユフィ
アタシたちってあの時と比べたら凄く距離が縮まったよね
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ヴィンセント
お前が積極的に歩み寄ってくれたからな
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ユフィ
ふふん、まーね!
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ユフィ
ま、まぁ・・・ヴィンセントがアタシを受け止めてくれたのが大きいけどさ
昔好きだった人とまるでタイプが違うのに好きになってくれてさ・・・ -
ヴィンセント
ルクレツィアはルクレツィア
お前はお前だ
タイプが違えば魅力も違ってくる
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ヴィンセント
そして見事にお前の魅力の虜になった訳だ
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ユフィ
エヘッ!
じゃああの時『ヴィンセントをメロメロにする』宣言はアタシの大勝利って訳だね!! -
ヴィンセント
そういう事になるな
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ユフィ
あれれ~?
でもヴィンセントの『もっと私に惚れこませる』っていう宣言はどーなるのかなー? -
ヴィンセント
それなら問題ない
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ヴィンセントは涼やかに微笑むと懐から小さな箱を取り出してそれをユフィの前で開けて見せた
箱の中にはキラリと輝くルビーの石が嵌められた銀色の指輪があった -
ユフィ
・・・・・・え・・・?
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ユフィ
こ、れ・・・
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ヴィンセント
ユフィ、これからも私の傍にいてくれ
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ヴィンセント
もはやお前のいない日々など有り得ない
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ヴィンセント
これからもずっと朝は私を見送って夜は出迎えて夕飯にその日にあった話を聞かせてくれ
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ヴィンセント
そして―――・・・
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ヴィンセント
休みの日は映画を観ながら一緒にコーヒーを飲んで欲しい
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ヴィンセント
この願いを・・・聞いてくれるか?
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ユフィ
・・・
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ユフィの中で喜びと幸せ、嬉しさ、照れ、愛しさなどとにかく全ての明るい感情がぐちゃぐちゃに混ざって何を言えばいいのか分からなくなっていた
「嬉しい」とか「愛してる」とかそういった言葉では表現しきれない
喜びの涙を流して表現したくても今目の前の光景が涙で霞んで見えなくなってしまうのが勿体ない -
もうどうすればいいのか分からなくて精一杯の照れ隠しを口にした
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ユフィ
そ、それって・・・いつもと変わらないじゃん・・・!
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ヴィンセント
いつもと変わらなくてもお前がいなければ成り立たない
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ヴィンセント
私の『いつもと変わらない日々』には・・・
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ヴィンセント
お前が必要不可欠だ
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ユフィ
・・・!
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ヴィンセント
ユフィ・・・私の『日常』になってくれ
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今度こそ照れ隠しの可愛げのない言葉すら紡げないくらい胸がいっぱいに満たされてユフィはもう必死で顔を縦に振る事しか出来なかった
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ユフィ
・・・!
・・・っ! -
ヴィンセント
ありがとう、ユフィ
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ヴィンセント
右手を―――
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ユフィ
・・・
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ユフィは素直に頷くと右手を差し出す
ヴィンセントはユフィの手を取ると薬指にそっと指輪を嵌めた -
ヴィンセント
これからも宜しく頼む
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ユフィ
うん・・・・・・!
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ユフィはとびっきりの笑顔を見せるとヴィンセントの隣に座って隙間がないくらいに抱き付いた
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ユフィ
エヘッ
今日はアタシたちの婚約記念日だね -
ヴィンセント
ああ
私達が正式に恋人同士になった記念日だ -
ヴィンセント
今度の休みにお前の家に挨拶に行かねばな
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ユフィ
ヴィンセントの所にもね!
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ユフィは笑い、ヴィンセントも微笑む
どちらからともなく唇を重ねた瞬間、祝福の花火が盛大に打ち上るのだった
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