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ユフィがお泊り会をしている頃、ヴィンセントは自室で読書に耽っていた
それこそ昼食を食べるのを忘れ、夕方になるまで -
ヴィンセント
・・・もうこんな時間か
昼食を食べ損なったがいいか -
ヴィンセントは夕食を摂るべく席を立つと部屋を出た
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ヴィンセント
・・・
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ふと、ユフィの部屋を見る
部屋の主人は不在の為、扉は開放されていて静けさだけが流れ出てくる
今日は一度も閉まらないその扉にヴィンセントは言い知れぬ小さな寂しさを感じていた -
ヴィンセント
・・・今日は適当でいいな
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思考を切り替えてキッチンに向かい、冷凍ご飯を使ってお茶漬けを作る
今日はずっと読書をしていてエネルギーを消費していなかったのでこれで十分だ -
ヴィンセント
・・・いただきます
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丁寧に挨拶をしてお茶漬けを食べ始める
その間にもヴィンセントの頭の中では思考が働いていた -
ヴィンセント
(ユフィは今頃楽しんでいるだろうか)
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ヴィンセント
(夜中に出歩いたりしてなければいいが)
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手早く食べ終わると食器を片付けて今度は風呂に入る
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ヴィンセント
(そういえば連載小説の新作が出るな。電子書籍と紙のどちらで買うか)
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ヴィンセント
(気に入っている作品だからやはり紙で買うか)
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ヴィンセント
(明日本屋に行こう)
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風呂から出て髪を乾かしてパジャマに着替えて二階の自室へ
その時にチラリとユフィの部屋を見たが本当に一瞬だけだった
ずっと見ていた所で本人が出てくる訳ではないから -
ヴィンセント
(少しだけ続きを読んで寝るか)
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ヴィンセントは電気を点けて本を開くと本の世界に浸った
そして時計の短針が1を指した頃に漸くベッドに入った -
ヴィンセント
(車のキーは机の上に置いておこう。いつ迎えの連絡が来るか分からん)
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ヴィンセント
(それとは別に牛乳を買いに行かないとな)
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ヴィンセント
(ユフィは毎朝牛乳を飲む)
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ヴィンセント
(毎朝・・・)
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ヴィンセント
(私が買ってくる牛乳と自分で買って来る牛乳・・・ユフィはどちらを望むのだろうか)
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ヴィンセント
(・・・私は・・・)
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甘い睡眠の誘惑に負けてヴィンセントは緩やかに瞼を閉じる
その日見た夢はユフィと変わらぬティータイムを過ごす夢だった
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