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ユフィ
・・・
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シェルク「ユフィ」
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ユフィ
・・・
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シェルク「ユフィ」
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ユフィ
・・・うん、何?
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シェルク「とまぁこのようにこの間とは打って変わって魂が抜けたように上の空となっています」
エアリス「よくない上の空!」
ティファ「失恋したの?」
シェルク「失恋ではないですがそれに近いものです」
ティファ「というと?」 -
シェルク「どうやら相手の方に過去に好きな人がいたそうです。本当に過去の話でそれだけなのですが」
エアリス「ううん、とっても重要。複雑な気持ち、分かる」
ティファ「相手の人にとって最初の好きな人になりたいものね」
シェルク「ですが二人はザックスとクラウドの最初の好きな人ですよ?分かるものなのですか?」
二人「それが乙女心!」
シェルク「はぁ。私にはあまりよく分かりませんが」 -
エアリス「きっと、いつか分かるよ」
ティファ「それよりユフィの話を聞いてあげよう?話を聞いてあげるだけでも気持ちの整理がつくと思うし」
シェルク「そうですね。ユフィ」 -
ユフィ
んー?
-
エアリス「私達でよければ話、聞くよ?」
ティファ「相手の人に昔好きな人がいたんだって?」 -
ユフィ
うん・・・告白までしたんだってさ
アタシとの結婚も破棄するつもりで
結果はまぁ、現状を考えてくれれば分かると思うけど -
シェルク「同居は解消するんですか?」
-
ユフィ
まさか
過去に好きな人がいたから解消するってアタシどんだけところてんメンタルだよ! -
ティファ「ところてんって・・・」
エアリス「でも、複雑、なんだよね?」 -
ユフィ
うん
なんかこう・・・モヤモヤするんだよね
昔の話だって頭では割り切ってるのに心が納得出来てなくてさ -
エアリス「だったらユフィ、旅行、行こう!」
-
ユフィ
は?
旅行? -
ティファ「旅行って急にどうしたの、エアリス?」
エアリス「傷心旅行、だよ!傷付いた心を旅行で癒すの!」
ティファ「でも授業どうするの?単位落とすのよくないし旅行行けるほど直近でまとまった連休がないよ?」
エアリス「あ・・・じゃあ、日帰り?」
シェルク「それよりもお買い物の方が良いのではないでしょうか?静かに旅行よりも賑やかにお買い物の方がユフィには合っているかと」 -
エアリス「シェルク、それいい!名案!四人でお買い物して、夜は私の家でお泊り会しよう!」
ティファ「いいの、エアリス?おばさん大丈夫?」
エアリス「大丈夫大丈夫!お母さん、今度の休みに町内旅行に行くから。ね、ユフィ、どう?」 -
ユフィ
いいねぇ!
行く行く!
そんで夜はみんなでパーッとお菓子とかジュース飲んで遊ぼう! -
エアリス「おー!」
ティファ「フフ、楽しみね。私、何かお菓子作ってくるね」
エアリス「はい!マドレーヌ!」
シェルク「チョコチップたっぷりでお願いします」 -
ユフィ
イェーイ!
ティファの作るチョコチップマドレーヌ~! -
ユフィ
・・・・・・エヘッ
ありがと、みんな -
その頃、会社では・・・
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ヴィンセント
とうとうあの子に昔好きだった女性がいた事を話した
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リーブ「相手の方の反応は?」
-
ヴィンセント
一言で言えば複雑そうだったな
当然と言えば当然だが -
リーブ「そんなに複雑そうにされていたんですか?」
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ヴィンセント
結婚を破棄しようと決めていたくらい好きだったこと、告白して玉砕したこと、それをしばらく引き摺っていて合わなかったこと
全てを話した -
リーブ「それは複雑にもなりますよ。別にそこまで話さなくても良かったんじゃないですか?」
-
ヴィンセント
聞いてきたのはあちらの方だ
たとえ聞かれなかったとしても話していたかもしれないがな
だが、決められた結婚を破棄しようとしていた事は話すべきだと思うし後悔はしていない
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ヴィンセント
それが私なりの誠意だ
-
リーブ「ちなみに貴方は相手の方と同居を続けたいと思っていますか?」
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ヴィンセント
それは・・・分からんな
あの子が同居を解消したいと言えばそれに従うつもりでいる -
リーブ「なるほど。それからもう一つ、以前好きだった方の事は今も好きなんですか?」
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ヴィンセント
人としては好きだが一人の異性としての好意はもうない事が今回の件で明らかになった
結婚報告のハガキを貰ったが『お幸せに』という普通の感想しか浮かばなかった -
リーブ「完全に吹っ切ったという事ですね」
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ヴィンセント
そうらしい
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リーブ「でしたら後はもう貴方が相手の方を愛するかどうかですね。愛するのでしたら今は相手の方が好きだとしっかりアピールをし、それが無理であれば貴方の方から同居解消を言うべきです。相手の方の意思を尊重するのも勿論ですが、曖昧で中途半端な気持ちで付き合う方が失礼ですからね」
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ヴィンセント
勿論分かっているつもりだ
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リーブ「とはいえ、昔の話ならそこまで深く考えなくても大丈夫ですよ、きっと」
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ヴィンセント
そうだといいがな・・・
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そしてその日の夜
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ヴィンセント
(あの子にも考える時間は必要だと思うが長引かせるのも良くない)
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ヴィンセント
(いつ切り出すか・・・)
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ドタンッバタンッ
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ヴィンセント
(漸く笑顔を見せてくれるようになったというのに)
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ゴソゴソッ
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ヴィンセント
(またギクシャクした空気が続くかもしれんな・・・)
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ユフィ
あったー!(←壁越しから)
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ヴィンセント
(今日はやけに騒がしいな・・・)
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コンコンコン
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ヴィンセント
ん?
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ガチャ
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ヴィンセント
・・・どうした?
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ユフィ
アタシ、今度の休みは友達と買い物に行ってそのまま友達に家に泊ってくるから!
だから悪いけど今週のティータイムはお休みって事で -
ヴィンセント
・・・ああ、分かった
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ユフィ
なんかよさげなコーヒーとか紅茶とかあったら買ってくるよ1
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ヴィンセント
あ、ああ・・・無理はしなくていい
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ユフィ
じゃ、お休み~
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タッタッタッ・・・バタン
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ヴィンセント
(・・・元気だったな)
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ヴィンセント
(・・・私も今日は考えるのをやめて本を読んで寝るとしよう)
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ヴィンセント
(そうだ、ルクレツィアを好きだったのは昔の話だ)
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ヴィンセント
(大切なのは・・・今だ)
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ヴィンセント
(私は、ユフィをーーー)
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