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ユフィ
アタシさ
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シェルク「はい」
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ユフィ
あの人に名前で呼ばれたんだ
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シェルク「とうとう呼ばれましたか。どういったシチュエーションで?」
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ユフィ
普通に『おやすみ』の後に
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シェルク「お休みを言い合える仲に発展したんですね」
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ユフィ
かな?
アタシが言った後にあっちも言ってくれた感じだったんだけどさ -
ユフィ
あとそれから・・・アタシ、あの人の部屋に入ったんだよね
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シェルク「えっ!?その件について詳しくお聞かせ下さい!」
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ユフィ
あ、いや、そんな色っぽい感じじゃなくてキッチンにゴキブリ出てさ・・・
ちゃんと対策してた筈なのにくっそ~! -
シェルク「外から入って来たという可能性もあります。それはどうしようもないですよ。それから?」
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ユフィ
それからもう急いであの人に部屋に行って退治してってお願いしたんだよ
で、自分の部屋で待機してろって言われて『ゴキブリが入ってきたらどーすんだよ!!』って言ったら『自分の部屋でも私の部屋でもいいから待ってろ』って
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シェルク「なるほど、無茶苦茶な理論でごり押しした訳ですね」
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ユフィ
人聞きの悪い事言うなー
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シェルク「それで相手の方の部屋で待機していたと?」
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ユフィ
そーいうこと
万が一にアタシの部屋に入ってくるの嫌だしアタシもパニックになってたからさ -
シェルク「部屋の中のどこで待機してたんですか?」
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ユフィ
えっとね
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ユフィ
・・・
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ユフィ
・・・ベッド・・・
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シェルク「大胆ですね」
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ユフィ
言うな~~~~!!!
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シェルク「ちなみにどんな風にして待ってたんですか?ベッドにちょこんと座ってたんですか?それともこの間買った『アレ』を着てベッドの真ん中で待ってたとか?」
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ユフィ
まだそこまで親しくないのにそんなの着て待ってる訳ないじゃん!
枕抱えて布団に包まってベッドの隅っこで怯えてました~! -
ユフィ
って!!
何言わせるんだよ!
思い出して恥ずかしいじゃんか!! -
シェルク「計画通りです(ドヤッ)」
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ユフィ
ドヤッじゃないっての!!
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シェルク「でもユフィ、凄いじゃないですか」
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ユフィ
何が?
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シェルク「最初の頃は物凄く距離を置いて遠慮がちだったというのに緊急事態だったとはいえ、相手の方に助けを求めたり部屋に入ったりして。最初の頃では考えられなかったのでは?」
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ユフィ
う~ん、確かに
助けを求める事はしても部屋に入るっていう選択肢は多分なかったかな? -
シェルク「それに部屋のベッドで待っていた事に関して照れて恥ずかしがったり名前を呼ばれた事に嬉しそうにしたり、大分心を開いているようですね」
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ユフィ
べっ別に嬉しそうになんかしてないし!!
ただビックリしたっていうかちょっとだけ距離縮んだかな~って思っただけだし!! -
シェルク「でも少しだけ顔赤かったですよ?」
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ユフィ
暖房が効きすぎてるだけだし!!
ときめいてるとかそんなんじゃないし!! -
シェルク(滅茶苦茶ときめいてるみたいですね)
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シェルク「とにかく良い傾向だと思うので大切にして下さい。きっとユフィの為になりますから」
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ユフィ
うん、分かった
でも本当にときめいてるとかそんなんじゃないからね!?
アタシそんなチョロくないから!! -
シェルク「ええ、分かってますよ(棒読み)」
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ユフィ
棒読みで言うな~!
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その日の夜
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ユフィ
シェルクが変な事言うからなんか変に意識しちゃうじゃんか・・・
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ユフィ
にしても遅いなぁ
残業でもしてんのかな?
アタシも明日は朝から講義だしそろそろ部屋に――― -
ガチャ
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ユフィ
あ、帰って来た!
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ユフィ
おかえり・・・って、スンスン・・・お酒とタバコの臭い?
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ヴィンセント
今日は飲み会だったのでな
タバコは隣に座ってた同僚が吸っていてそれが移ったのかもしれない -
ユフィ
ふーん、そっか
水入れてこよっか? -
ヴィンセント
悪いがそうしてくれると助かる
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ユフィ
じゃ、ソファ座ってて
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一分後
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ユフィ
はい、お待ち~
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ヴィンセント
・・・・・・ああ
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ユフィ
(あ、眠そう)
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タッタッタッ(毛布を取りに行く)
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ユフィ
はい、これ
眠かったらソファで寝ちゃったら?
酔ってるし眠いしで階段上るの危ないと思うし
それに明日は休みだからゆっくりしなよ -
ヴィンセント
そうさせてもらおう・・・
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ユフィ
それから親父が荷物送ってくれたよ
クッキーの詰め合わせで二人で仲良く食べろってさ -
ヴィンセント
そうか・・・礼の電話を入れなければな
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ユフィ
アタシが入れとくからいいよ
ヴィ、ヴィンセントの分も伝えておくからさ -
ヴィンセント
・・・助かる・・・
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ユフィ
じゃ、お休み~
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ヴィンセント
・・・・・・ああ・・・
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ユフィ
(流石に今回は名前呼んでもらえなかったか・・・って、何がっかりしてんだアタシ!)
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ヴィンセント
・・・ユフィ・・・・・・
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ユフィ
へっ!?
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ヴィンセント
明日の昼から・・・夜にかけて用事がある・・・
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ユフィ
あー・・・じゃあティータイムは無しだね
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ヴィンセント
いや・・・そちらの都合が良ければ私が帰って来た後か・・・それか朝にでもどうかと思うのだが・・・
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ユフィ
でも用事の後だから疲れてるんじゃない?
朝も準備とかでそれどころじゃないだろうし -
ヴィンセント
問題ない・・・
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ユフィ
でも―――
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ヴィンセント
・・・お前との大切な・・・ティータイムを・・・無しにしたくない・・・
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ユフィ
!!
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ヴィンセント
スー・・・スー・・・
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ユフィ
・・・
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タタタタタタッ!!(急いで自分の部屋に戻る)
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ユフィ
はぁ・・・はぁ・・・
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ユフィ
(たたたた大切なティータイムって・・・しかも『お前』って・・・!!!)
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ユフィのとおきめき度が10UPするのだった
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ユフィ
(勝手に10もアップさせんな~!)
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