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前回までのあらすじ
洞窟に潜って鉱石を掘っていたヴィンセントとユフィ
しかしユフィの足元の土が崩れてしまい、最大の危機が迫るのであった -
ドシャァアアアア!!
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ユフィ
うわぁあああ!!?
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ヴィンセント
ユフィ!!
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バッ(すぐにユフィの元に駆け寄って抱き寄せる)
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ドドドドドドッ
ゴシャァアアアアア -
ユフィ
わぁああああああ!!
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ドドーーーン!!!
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激しい土砂崩れの音と共にユフィとヴィンセントは地下深くに落下してしまうのであった
そして・・・ -
ヴィンセント
・・・
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ヴィンセント
・・・うっ・・・
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山のような土の一部が盛り返り、そこからゆっくりとヴィンセントが起き上がる
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ヴィンセント
ユフィ、無事か?
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ユフィ
う・・・うん・・・へーき
ヴィンセントは? -
ヴィンセント
ああ、なんとかな
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ユフィ
ホント?
怪我してない? -
ヴィンセント
この通り、奇跡的に大した怪我はしていない
後は土塗れだ -
ユフィ
そっか、良かった
アタシの事庇ってくれてありがと -
ヴィンセント
お前が無事で何よりだ
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ユフィ
それにしても結構深くまで落ちてきちゃったね
簡易折り畳み梯子で足りるかな? -
ヴィンセント
私も一応持ってきているが合わせても足りるかどうか微妙な所だな
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ユフィ
それかモンスターの死体を積み重ねて距離を稼ぐしないね
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ヴィンセント
モンスターが見つかればな
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ユフィ
まぁなんとかなるっしょ
それよかあっちに行ってみようよ!
なんかありそうじゃない? -
ヴィンセント
また足元が崩れないようにな
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ユフィ
分かってるって
えーっと・・・壊れた大きなドア?
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ヴィンセント
というよりはテラスのガラス扉のような感じがしないか?
全ての枠にガラス片が残っている上にデザイン的にもそれを彷彿とさせる -
ユフィ
言われてみばそーだね
中にボロボロのきったない大きい布切れがぶら下がってるけど元はカーテンだったのかも
早速入ってみよっか -
キィイイイイイ・・・
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ユフィ
うへっ、埃っぽい
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ヴィンセント
こんな地下にあったらそれはな
それよりもボロボロのベッド、鏡台、クローゼット、花瓶・・・ここはもしかしたら女性の部屋だったのかもしれんな -
ユフィ
クローゼットとかの中にお宝とかないかな?
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ヴィンセント
虫が飛び出して来るのがオチだと思うが
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ユフィ
うげっ
じゃあヴィンセントが代わりに開けて
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ヴィンセント
断る
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ユフィ
虫が怖いんだ?
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ヴィンセント
虫が付いた体でお前を抱きしめていいのならそうするが?
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ユフィ
はいホラ!
次行くよ! -
ヴィンセント
全く
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ガチャ(廊下への扉を開ける)
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ユフィ
うわっ、廊下長い
しかも部屋が沢山あるよ -
ガタガタッ(ヴィンセントが他の部屋の扉を開けようとする)
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ヴィンセント
開かないな
もしかしたら土砂で塞がれているのかもしれん
無理に開けるのはやめておいた方がいいな
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ユフィ
しょーがない、他行こっか
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ギィッギシッギィッギシッ(ボロボロの絨毯が敷かれたボロボロの廊下を歩いて行く二人)
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ユフィ
ここって元は屋敷だったのかな?
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ヴィンセント
恐らくな
地震や土砂などの関係でこうして地下に埋まったのだろう
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ユフィ
なるほどねー
ここに住んでた人たちは大丈夫だったのかな?
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ヴィンセント
モーグリが住んでいるだけだったから大丈夫だったんじゃないか?
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そう言ってヴィンセントはタキシードを着たモーグリの大きな肖像画を目線で指し示した
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ユフィ
うわっ、ホントだ!
モーグリだ!
モーグリの癖にこんな豪邸に住んでるなんて生意気だね~ -
ヴィンセント
モーグリもお前には言われたくないだろうな
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ユフィ
どーいう意味だよ!
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ヴィンセント
それよりユフィ、これを見てみろ
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ズズズ・・・と、ヴィンセントが肖像画をズラすと小さな真四角の空洞が現れた
そこには七色のクリスタルが・・・! -
ユフィ
ああ!
お宝!
よくこんな隠しポイント見つけたね!
壁を擦った後とかなくない? -
ヴィンセント
いや、僅かにだがある
これだ -
ユフィ
え?
殆どないけど -
ヴィンセント
こことここの壁の色が違う
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ユフィ
う~ん・・・まぁ、言われてみればそう見えなくもない・・・?
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ヴィンセント
お前もまだまだだな
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ユフィ
ヴィンセントが異常に細かいだけだよ!
そ~んな陰湿な姑みたいな真似してると嫁の貰い手がなくなるぞ!!
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ヴィンセント
お前が嫁もとい婿に貰ってくれるのだろう?
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ユフィ
あ、そうだった
じゃ、じゃぁアタシに嫌われても知らないぞ!
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ヴィンセント
フッ、それは困るな
ではこれからは気を付けるとしよう
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ユフィ
分かれば宜しい
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ヴィンセント
お前の宝探しを手伝う時も細かく見ないようにしよう
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ユフィ
そこは細かく見るの!
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ガシャン!!
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ユフィ
うわぁあっ!!?
ななな何!? -
どこで響いた大きな音にユフィは驚くと(さりげなく)クリスタルを全て回収してヴィンセントのマントの中に隠れた
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ヴィンセント
落ち着け
恐らくモンスターか動物だ -
ユフィ
べべべべ別に幽霊だと思ってビビった訳じゃないし!!
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ヴィンセント
ほう、幽霊か
私は幽霊とは一言も言っていないがお前は幽霊と思っていた訳か
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ユフィ
ううううるさいなぁ!!
それより早く様子見てきてよ! -
ヴィンセント
私一人でか?
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ユフィ
あ・・・やっぱダメ!
アタシも行く!
行きたくないけど行く!! -
ユフィはまるで一人にするなと言わんばかりにヴィンセントに必死に抱きついてきた
ヴィンセントはそんなユフィの頭をマントの上から優しく撫でると音の根源へと足を向けて歩き始める -
ヴィンセント
音がしたのはこの部屋だな
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ユフィ
は、入るの?
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ヴィンセント
知らないでいるよりも知っていた方が怖さも半減すると思うが
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ユフィ
・・・もしも怖かったら今度マテリア徴収するから
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ヴィンセント
フッ、約束するとしよう
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ガチャ
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ヴィンセント
ここは応接室みたいだな
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ユフィ
お宝はある?
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ヴィンセント
いや、どれもあまり値打ちはないな
それよりも音が鳴ったのは恐らくあれが倒れたからだ
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ユフィ
ん?
甲冑?
しかもちっちゃ!
モーグリサイズかな? -
ヴィンセント
そしてこの甲冑を倒した犯人は―――コイツだ
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そう言ってヴィンセントは机の下に隠れていたトンベリを優しく抱き寄せてユフィの前に出して見せた
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トンベリ「・・・!」
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ユフィ
あー!
トンベリじゃん!
お前、こんな所で何してるんだ? -
ユフィが尋ねるとトンベリは自分の伝えたい事を身振り手振りで一生懸命説明してきた
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ユフィ
何々?
面白そうだからこの屋敷を探検してたと?
んで、甲冑がカッコ良かったから試しに着てみようとしたら倒しちゃってびっくりして慌てて机に隠れたと? -
トンベリ「(コクッコクッ)」
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ユフィ
な~るほどね~
全く、アンタの所為でビックリしたんだからね!?
アタシはともかく、ヴィンセントがこわ~いなんて言って怯えるからさ! -
ヴィンセント
(この際何も言うまい)
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ユフィ
アタシたちこれからもう引き上げるつもりだけどアンタはどうする?
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トンベリ「・・・」
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トンベリは両手を上げて抱っこを強請った
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ユフィ
そーかそーか、アンタも帰りたいのか
んじゃ、一緒に帰ろっか -
ユフィはトンベリを抱っこしてあげた
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ユフィ
そんな訳で帰ろっか
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ヴィンセント
ああ
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そして地上
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ユフィ
屋敷にあったテーブルやら椅子を重ねて距離稼いでなんとか簡易梯子で戻れたね~
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ヴィンセント
ああ
思ったよりも上手くいったな -
ユフィ
アンタはどーする?
このまま家に送って行こうか?
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トンベリ「・・・」
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ユフィ
そ?
一人で帰れる?
じゃあ気を付けて帰んなよ -
ユフィがトンベリを下ろすとトンベリは手を振って森の方へ帰って行った
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ユフィ
アタシたちも拠点に戻ろっか
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ヴィンセント
そうだな
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ユフィ
あーあ
それにしても今日の収穫は七色のクリスタル一個ずつか~
この程度で何と交換してくれんだろ
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ヴィンセント
ポーションくらいはくれるかもな
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ユフィ
ポーションか~
他の石炭とか銅とかも付けてマテリアと交換してくれないかな~ -
ヴィンセント
微妙な所だろうな
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ユフィ
ちぇ~
ヴィンセント、交渉する事になったら手伝ってよ?
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ヴィンセント
いいだろう
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