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ヴィンセント
・・・
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ユフィ
ヴィンセンと-!
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ヴィンセント
・・・来たか
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ユフィ
もっちろん!
敵前逃亡するユフィちゃんじゃないんでね! -
ヴィンセント
では・・・少し歩きながら話そうか
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ユフィ
うんうん、ムードが出てていいね~!
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そうして二人は朝焼けの砂浜をゆっくりと歩き始めた
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ヴィンセント
あれから色々考えた
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ユフィ
・・・うん・・・
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ヴィンセント
お前とチョコボの会話も聞いた
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ユフィ
それは忘れろー
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ヴィンセント
たった一日という期間で短いかもしれないが・・・私の気持ちは決まった
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ヴィンセント
長く考え込んでも自分を甘やかすだけだからな
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ユフィ
じゃぁ―――
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ヴィンセント
その前にお前に一つだけ頼みがある
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ユフィ
頼みって?
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ヴィンセント
もう一度、私に告白をしてくれないか?
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ユフィ
は、はぁっ!?
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ヴィンセント
気が進まないのは分かっている
だが、お前が告白した相手は私ではなくモルボルだ -
ヴィンセント
もう一度、ちゃんと本物の私に言って欲しい
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ユフィ
・・・まぁ、確かにそーだよね
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ユフィ
アタシがヴィンセントだと思ってた相手がモルボルとかちょー屈辱的だし
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ユフィ
ちゃんと上書きしなきゃ
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ユフィ
ちゃ、ちゃんとしっかり聞いとけよ!
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ヴィンセント
ああ、一言も聞き逃しはしない
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ユフィ
えっと・・・
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ユフィ
・・・
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ユフィ
アタシさ
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ユフィ
実は・・・
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ユフィ
ヴィンセントの事が好きなんだ
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ユフィ
いつからなんて覚えてないけど・・・
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ユフィ
でも・・・ヴィンセントの事が好き、なんだ
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ヴィンセント
・・・
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ユフィ
・・・
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ヴィンセント
・・・
-
ユフィ
・・・
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ヴィンセント
・・・本当に私でいいのか?
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ユフィ
ヴィンセントじゃなきゃ嫌だよ
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ユフィ
ヴィンセントは?
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ユフィ
ヴィンセントはどうなのさ
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ヴィンセント
・・・
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ヴィンセント
・・・私は
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ヴィンセント
正直、戸惑った
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ヴィンセント
何故私なのか
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ヴィンセント
何故私を好きになってしまったのか
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ヴィンセント
考えれば考える程分からなかった
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ヴィンセント
だが、考えれば考える程分かった
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ユフィ
?
-
ヴィンセント
私は・・・お前の想いから逃げようとしていた
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ヴィンセント
過去も罪も清算出来たがこの体に刻まれた忌まわしい魔獣たちは残ったままだ
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ヴィンセント
それが遠い将来、お前を傷付けないとも限らない
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ヴィンセント
これ以上、私の所為で誰かが傷付くのは見たくない
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ユフィ
そんなの・・・ヴィンセントの魔獣なんてへっちゃらだよ
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ヴィンセント
話は最後はまで聞け
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ヴィンセント
お前を傷付ける事によって拒絶され、自分が傷付くのが嫌だったんだ
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ヴィンセント
結局、自分が可愛かったんだ
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ヴィンセント
私は臆病な自分の心を守りたかったんだ
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ヴィンセント
だが、それでも・・・お前の気持ちが嬉しかった
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ヴィンセント
受け入れたいと・・・思っている・・・
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ヴィンセント
こんな卑怯な私でも共にいてくれるか?
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ユフィ
・・・
-
ユフィ
・・・っ・・・じゃ、ん・・・
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ヴィンセント
?
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ユフィ
いるに決まってんじゃん!!
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ユフィ
ヴィンセントの全部をひっくるめて好きって言ってんだからずっと一緒にいるに決まってんじゃん!
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ユフィ
魔獣が何さ!
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ユフィ
それで傷付けられる事が何さ!!
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ユフィ
アタシはそれもぜ~んぶひっくるめてアンタが好きって言ったんだよ!
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ユフィ
アタシの覚悟舐めんな!!!
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ヴィンセント
・・・
-
ヴィンセント
・・・ユフィ
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ヴィンセント
ありがとう
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ユフィ
・・・ひっく・・・だからさ
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ユフィ
アンタも・・・どっかいかないでよ
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ユフィ
アタシの傍にいろー・・・
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ヴィンセント
約束する
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ヴィンセント
いや、誓おう
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ヴィンセント
私は絶対に何があってもお前の傍を離れない
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ヴィンセント
ずっと―――お前の傍にいる
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ユフィ
・・・アタシも
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ユフィ
ず~~~っとヴィンセントの傍にいる
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ユフィ
何があったって離れない
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ユフィ
誓うよ
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ヴィンセント
ならば、誓いと言えばアレだな
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ユフィ
え?
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首を傾げるユフィを静かに抱き寄せるとヴィンセントは己のそれをユフィの唇に重ねた
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ユフィ
っ!?
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ヴィンセント
・・・
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ユフィ
・・・!
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ヴィンセント
・・・
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ユフィ
・・・ぷはっ!
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ユフィ
はぁっ・・・はぁっ・・・
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ヴィンセント
・・・
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息を乱すユフィをヴィンセントは静かに強く抱きしめる
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ユフィ
・・・
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ユフィ
・・・
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ヴィンセント
?
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息を整えながらユフィはヴィンセントの体をペタペタと触ったり抱きしめたりして感触を確かめていた
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ヴィンセント
どうした?
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ユフィ
まさかまたモルボルじゃないかなって
偽物じゃないか確認してんの! -
ヴィンセント
それならば心配ない
ちゃんと本物だ -
ユフィ
ホントにホント?
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ヴィンセント
ああ、これが証拠だ
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そう言ってヴィンセントは再びユフィに深く口付ける
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ユフィ
んむっ!
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油断して半開きのユフィの唇を割ってぬるりとしたものが口内に侵入してくる
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ユフィ
っ!!?
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ユフィ
ふっ・・・ふぁ・・・んっ!
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ヴィンセント
・・・
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初めてのディープキスにユフィはどうしていいか分からずされるがままとなる
そして・・・ -
ユフィ
・・・っ・・・は、ん・・・ぷはっ!!
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ユフィ
はぁ、はぁ、はぁ・・・!
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ヴィンセント
これで分かったか?
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ユフィ
・・・うん・・・これがモルボルとかだったら絶対有り得ないよ
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ユフィ
本物のヴィンセントだ
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胸に頬擦りをしてきて体を預けてくるユフィをヴィンセントは大切に大切に抱きしめる
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ヴィンセント
ユフィ
-
ユフィ
ん?
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ヴィンセント
・・・―――愛している
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