暖を取る

  • ユフィ

    うう~さむっ!

  • セルフィ

    ホンマ寒いわ~
    床も天井も壁も真っ白やから尚更寒いわ~

  • ユフィ

    そーいえばこの真中の部屋、なんて呼ぶ?

  • セルフィ

    空白の間で

  • ユフィ

    はい決定~

  • アーヴァイン

    決まるの早っ!

  • ヴィンセント

    暖房器具らしいものはないから我慢するしかあるまい

  • その時、天井から一枚の紙が舞い降りてくる

  • セルフィ

    あ、紙

  • ユフィ

    今度は何だろ

  • ペラリと捲れば紙には『二人一組になって温め合って下さい』と書かれていた

  • ユフィ

    二人一組になって温め合えってさ

  • セルフィ

    んじゃ、アービン

  • ユフィ

    ヴィンセント、宜しく~

  • アーヴァイン

    いやいやいやいや!!
    僕たちに何させようとしてんのさ!?

  • ユフィ

    だって二人一組になれってあるし

  • アーヴァイン

    だからって僕とヴィンセントを組ませようとしないでよ!
    男同士が温め合うなんて誰得なんだよ!!
    ここは普通に男女で組もうよ!

  • ユフィ

    しょーがないな~
    ヴィンセント、膝開けて

  • ヴィンセントが膝を開けるとユフィは当たり前のようにヴィンセントの足の間に座った
    そして座ってきたユフィをヴィンセントがマントを使って包む

  • ユフィ

    ふ~あったか~

  • アーヴァイン

    ・・・なんかやけに慣れてる感あるね

  • ユフィ

    寒い地域に任務で行く事とかあってさ
    休憩の時とか暖房器具が壊れてる時はこーしてる訳よ

  • ヴィンセント

    もっと寒い時はこうしているがな

  • そう言ってヴィンセントはリミットブレイクし、ガリアンに変身した

  • アーヴァイン

    わっ!?

  • セルフィ

    えっ!?えっ!?
    ヴィンセントそれ何!?

  • ユフィ

    いいの?

  • ヴィンセント

    いずれ知られる事だ
    今明かそうが後に明かそうが同じだ
    見ての通り、私はこうして魔獣へ変身する事が出来る
    昔色々あってな

  • アーヴァイン

    うわ~驚いたな~
    変身ってその・・・犬?狼?だけ?

  • ヴィンセント

    流石に動物の種類までは分からないがこれの他に後3パターンは変身出来る

  • セルフィ

    すっご~~い!
    かっこいい~~!
    何形態にも変身出来る魔王みたい!!

  • ヴィンセント

    魔王という例えは初めてだな

  • ユフィ

    あれ?
    アタシも初めてヴィンセントの変身見た時に同じような例えしなかったっけ?

  • ヴィンセント

    お前の例えは戦隊ヒーローだ

  • ユフィ

    あ、そうだっけ?

  • ヴィンセント

    しかし驚かないのは逆にこちらが驚くな

  • アーヴァイン

    セフィはこういう変身とか少年心くすぐるものが好きだからね~
    僕もそういうのは好きだし、それにこんな訳の分かんない空間に飛ばされてるからその所為もあって何が来ても驚かないっていうかさ

  • ユフィ

    だってさ
    良かったじゃん

  • ヴィンセント

    ああ

  • セルフィ

    ねぇユフィ、その動物―――

  • ユフィ

    ガリアンだよ

  • セルフィ

    そのガリアンってモフモフなん?

  • ユフィ

    ちょ~モフモフだよ!
    首周りなんか特にふさふさでさ~!

  • セルフィ

    あ~ん!
    アタシも触りた~い!

  • アーヴァイン

    せ、セフィ!

  • ガリアンの元に行こうとするセルフィの手をアーヴァインが慌てて掴んで引っ張り、自分の膝の上に座らせた

  • セルフィ

    きゃっ!?

  • アーヴァイン

    も、モフモフは後にして今は紙の指示をこなそう?
    ほら、みんな寒くて参ってるしさ~!

  • ユフィ

    (はは~ん)

  • セルフィ

    でもアービンのコート大きくないからアタシの事包めないよ?

  • アーヴァイン

    温めるのは何もコートで包む事だけじゃないよ~!
    例えばほら、え~っと・・・

  • ユフィ

    手を包んで温めてあげるとかね~?

  • アーヴァイン

    そ、そうそう!こ~やってさ~!

  • アーヴァインはセルフィの両手を包むと優しく擦って温めてあげた

  • セルフィ

    アービンの手、あったか~い

  • アーヴァイン

    でしょでしょ~?

  • ユフィ

    良かったじゃんセルフィ~
    アーヴァインもね~?

  • アーヴァイン

    う、うん!

  • アーヴァイン

    (ユフィ気付いちゃったぽいな~・・・)

  • セルフィへの恋心を知られてバツの悪いアーヴァインだが、美味しい思いを出来たのも事実
    さてそんなアーヴァインを無視して空白の間にコタツとホットカーペット、四人分の座椅子が出現する

  • ユフィ

    コタツ~!

  • セルフィ

    ホットカーペット~!

  • アーヴァイン

    座椅子も用意されて到れり尽くせりだね~

  • ヴィンセント

    どうやらこの紙に書いてある命令をこなすと物をくれるようだな

  • アーヴァイン

    そ~みたいだね~
    無茶な命令じゃなければやれない事はなさそうだね~

  • ヴィンセント

    ああ、そうだな
    それからみかんを持ってきたぞ

  • ユフィ

    さっすがヴィンセント!

  • セルフィ

    ありがとね~

  • アーヴァイン

    やっぱコタツと言えばみかんだよね~

  • ユフィ

    アタシ今日はコタツで寝よ~っと

  • セルフィ

    アタシも~

  • ヴィンセント

    風邪を引く上にだらしがないぞ
    ちゃんと布団で寝たらどうだ

  • ユフィ

    だって布団冷たいんだもん

  • セルフィ

    電気毛布が恋しいよ~

  • その時、一枚の紙がアーヴァインの手元に落ちてくる

  • アーヴァイン

    ん?
    何だろ?

  • 次回に続く!

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