トリコ
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まわり一帯が針地獄かの如く。ここは非愛の森 ソーンウッドの中にある、美食會 本部。
「これにて会議は終了だが…全く。ワシを目の前にしてこの集まりの悪さ。」
料理長のクロマドが深いため息をついた。
「お前らの神経の太巻き具合には頼もしさすら覚えるわ」
そのすぐ近くで。
「カカカ!副料理長は毎回出席が悪いからなァ!遅れないのはスタージュン様だけだ」
と、ジェリーボーイが大口を開けながら 笑った。本部での会議が終わり、皆々席を外す。副料理長補佐である名前もボスへの食事を作るべく席を立とうとすると クロマドに呼び止められた。
「 名前」
「はい、クロマド様」
「悪いがトミーに今回の資料を渡して置いてくれんか。今度こそIGOより先に我々のグルメ細胞の壁を打ち破る食材を手に入れなければならないからな」
「承知致しました、トミー様に伝えておきますので」
この頃トミーロッドが忙しくしているために、名前は密かに想いを寄せている彼に会えない日が続いていた。
その為、どんな少ない時間でも 彼に会いに行けるのならそれは素直に嬉しかった。また、前々から 名前の気持ちを知るクロマドは それを見兼ねて悠長に笑う。
「と、言うのは口実で、それはそうと、まぁこれはワシからの気遣いだ。ハハハ」
「……そんな、クロマド様」
「なんだ、要らぬ気遣いだったか?」
「い、…いえ ありがとうございます…」
動揺しワタワタする 名前をよそにクロマドは笑いながら去っていった。
「も、…もう」
____________________
名前はトミーロッドの部屋をノックした。
「トミー様、トミー様が会議に出席なさらなかったので、クロマド様がお怒りでしたよ。………トミー様?」
返事がない。名前は迷ったのち 冷たいドアノブに触れ、トミーロッドの部屋を覗いた。
「トミー様? 資料をお持ちしたんですが……」
一歩入ると、名前 の目に映るのはトミーロッドの寝顔。
「トミー様ったら」
椅子に座ったまま 居眠りをしているトミーロッドに、名前は側にあったブランケットをそっとかけた。
「風邪引きますよ、もう」
静かな寝息が聞こえる。
「きっと、日頃の激務でお疲れなのね」
名前はクロマドから頼まれた資料をそっとデスクの上に置いた。
「せっかくトミー様と少しお話出来ると思ったのにな、残念…」
改めて寝顔を覗くと、まるで子どものように幼い表情だ。
「起きてる時と全然違う。いっつもこんな可愛いい顔なら、緊張しないで面と向かってちゃんと言えるのに」
ふと時計を見るともうボスへの料理を作らなければいけない時間だ。
「いけない、支度しないと。名残惜しいけど、しょうがないよね」
名前は寝ているトミーロッドに向かって静かに呟いた。
「……トミー様、好きです」
すると。
「きゃっ!」
一瞬、何が起きたか分からなかったが、気づくと さっきまで寝てたはずのトミーロッドが名前の腕をしっかり掴んでいたのだ。
「…トミー様っ、あの」
『 名前?おはよ~』
「……あっ、お、おはようございます……というか、えと…」
『ん~?』
「いつから……起きてらっしゃったんですか……?」
『え~?いつからだと思う?』
「もう…トミー様」
『んー、そだなァ。君が僕にブランケットを掛けてくれた所あたり、かな?』
トミーロッドは赤い口をニヤニヤとさせている。
「………てことは、聞いてたんですか…?」
名前は自分の顔が熱くなるのを感じた。
『んー?何を?』
「その……私が……トミー様を……」
口ごもる名前にトミーロッドは獲物を見るかのような視線を送る。彼は、そうやって意地悪そうに笑いながら、 掴んでいた名前の腕を勢いよく引き、体ごと自身に引き寄せた。
「きゃっ…」
椅子に座るトミーロッドの上に まるでお姫様だっこをするような体勢になってしまった。
「…トミー様、何を」
『何って。君の声が小さくて聞こえないから僕の近くでちゃーんと言ってもらおうと思ってネ』
「ぅ……」
『ホーラ、言って?』
それでも恥ずかしいのか、黙る 彼女に。
「 名前、聞きたい 。僕の目を見て言って?」
名前は震える口を開き、トミーロッドの目を見据えた。
「トミー様、あの……私」
『うん』
先ほど寝ているトミーロッドに語りかけるように、細く呟いた。
「私、トミー様が好きです……」
瞬間、トミーロッドは優しく 名前を両手で抱き締めた。
“好き”
こんな短い言葉なのに息が切れて、走ったみたいに心臓がバクバク跳ねてしまう。でも、これは言葉のせいなんかじゃなくて、きっと、彼を目の前にしているから。
「トミー様、……好き」
『全く。君って子は。どれだけ僕を待たせれば気がすむんだ』
「好き……」
『はいはい、何度も言わなくったって聞こえてるよ、』
「さ、さっきは聞こえないって言ったじゃないですか…」
拗ねるような様子を見せる名前にトミーロッドは
『もう、離してやれないよ?』
そう低い声で呟いた。
「………構いません…それを ずっと望んでいましたから」
『ふふ、なら僕ナシじゃ生きれない身体にしてアゲル』
「本望です」
名前を抱き締める トミーロッドの腕に力が入り、赤い唇がもう少しで唇に触れるような距離まで近づいた。
「トミー様…」
『僕以外の男に 目移りするなよ』
「そんな事…!…あり得ません。どれだけ私がトミー様の事」
『はいはい、まったく。モノ好きな女だね、君は』
トミーロッドはペロリと舌を出し、イタズラに微笑んだ。
『ここからは 大人の時間だよ』
赤い赤い唇が名前のそれに溶けるように ゆっくりと落ちていく。
「これにて会議は終了だが…全く。ワシを目の前にしてこの集まりの悪さ。」
料理長のクロマドが深いため息をついた。
「お前らの神経の太巻き具合には頼もしさすら覚えるわ」
そのすぐ近くで。
「カカカ!副料理長は毎回出席が悪いからなァ!遅れないのはスタージュン様だけだ」
と、ジェリーボーイが大口を開けながら 笑った。本部での会議が終わり、皆々席を外す。副料理長補佐である名前もボスへの食事を作るべく席を立とうとすると クロマドに呼び止められた。
「 名前」
「はい、クロマド様」
「悪いがトミーに今回の資料を渡して置いてくれんか。今度こそIGOより先に我々のグルメ細胞の壁を打ち破る食材を手に入れなければならないからな」
「承知致しました、トミー様に伝えておきますので」
この頃トミーロッドが忙しくしているために、名前は密かに想いを寄せている彼に会えない日が続いていた。
その為、どんな少ない時間でも 彼に会いに行けるのならそれは素直に嬉しかった。また、前々から 名前の気持ちを知るクロマドは それを見兼ねて悠長に笑う。
「と、言うのは口実で、それはそうと、まぁこれはワシからの気遣いだ。ハハハ」
「……そんな、クロマド様」
「なんだ、要らぬ気遣いだったか?」
「い、…いえ ありがとうございます…」
動揺しワタワタする 名前をよそにクロマドは笑いながら去っていった。
「も、…もう」
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名前はトミーロッドの部屋をノックした。
「トミー様、トミー様が会議に出席なさらなかったので、クロマド様がお怒りでしたよ。………トミー様?」
返事がない。名前は迷ったのち 冷たいドアノブに触れ、トミーロッドの部屋を覗いた。
「トミー様? 資料をお持ちしたんですが……」
一歩入ると、名前 の目に映るのはトミーロッドの寝顔。
「トミー様ったら」
椅子に座ったまま 居眠りをしているトミーロッドに、名前は側にあったブランケットをそっとかけた。
「風邪引きますよ、もう」
静かな寝息が聞こえる。
「きっと、日頃の激務でお疲れなのね」
名前はクロマドから頼まれた資料をそっとデスクの上に置いた。
「せっかくトミー様と少しお話出来ると思ったのにな、残念…」
改めて寝顔を覗くと、まるで子どものように幼い表情だ。
「起きてる時と全然違う。いっつもこんな可愛いい顔なら、緊張しないで面と向かってちゃんと言えるのに」
ふと時計を見るともうボスへの料理を作らなければいけない時間だ。
「いけない、支度しないと。名残惜しいけど、しょうがないよね」
名前は寝ているトミーロッドに向かって静かに呟いた。
「……トミー様、好きです」
すると。
「きゃっ!」
一瞬、何が起きたか分からなかったが、気づくと さっきまで寝てたはずのトミーロッドが名前の腕をしっかり掴んでいたのだ。
「…トミー様っ、あの」
『 名前?おはよ~』
「……あっ、お、おはようございます……というか、えと…」
『ん~?』
「いつから……起きてらっしゃったんですか……?」
『え~?いつからだと思う?』
「もう…トミー様」
『んー、そだなァ。君が僕にブランケットを掛けてくれた所あたり、かな?』
トミーロッドは赤い口をニヤニヤとさせている。
「………てことは、聞いてたんですか…?」
名前は自分の顔が熱くなるのを感じた。
『んー?何を?』
「その……私が……トミー様を……」
口ごもる名前にトミーロッドは獲物を見るかのような視線を送る。彼は、そうやって意地悪そうに笑いながら、 掴んでいた名前の腕を勢いよく引き、体ごと自身に引き寄せた。
「きゃっ…」
椅子に座るトミーロッドの上に まるでお姫様だっこをするような体勢になってしまった。
「…トミー様、何を」
『何って。君の声が小さくて聞こえないから僕の近くでちゃーんと言ってもらおうと思ってネ』
「ぅ……」
『ホーラ、言って?』
それでも恥ずかしいのか、黙る 彼女に。
「 名前、聞きたい 。僕の目を見て言って?」
名前は震える口を開き、トミーロッドの目を見据えた。
「トミー様、あの……私」
『うん』
先ほど寝ているトミーロッドに語りかけるように、細く呟いた。
「私、トミー様が好きです……」
瞬間、トミーロッドは優しく 名前を両手で抱き締めた。
“好き”
こんな短い言葉なのに息が切れて、走ったみたいに心臓がバクバク跳ねてしまう。でも、これは言葉のせいなんかじゃなくて、きっと、彼を目の前にしているから。
「トミー様、……好き」
『全く。君って子は。どれだけ僕を待たせれば気がすむんだ』
「好き……」
『はいはい、何度も言わなくったって聞こえてるよ、』
「さ、さっきは聞こえないって言ったじゃないですか…」
拗ねるような様子を見せる名前にトミーロッドは
『もう、離してやれないよ?』
そう低い声で呟いた。
「………構いません…それを ずっと望んでいましたから」
『ふふ、なら僕ナシじゃ生きれない身体にしてアゲル』
「本望です」
名前を抱き締める トミーロッドの腕に力が入り、赤い唇がもう少しで唇に触れるような距離まで近づいた。
「トミー様…」
『僕以外の男に 目移りするなよ』
「そんな事…!…あり得ません。どれだけ私がトミー様の事」
『はいはい、まったく。モノ好きな女だね、君は』
トミーロッドはペロリと舌を出し、イタズラに微笑んだ。
『ここからは 大人の時間だよ』
赤い赤い唇が名前のそれに溶けるように ゆっくりと落ちていく。