ケンガンアシュラ
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カーテンをぴたり閉めた薄暗な部屋。静寂な場所では 重ねた唇が絡まる微かな音さえ耳に届いて、時折漏れ出す彼の吐息が 身体の芯から熱を広げる。太く逞しい腕は、普段 仕合で見せるような凶器的なそれではなく、まるで壊れ物を扱うよう やや遠慮がちに後ろから回されていた。
「コスくん」
『…ん』
背中に感じる厚い胸板。寄り掛かるよう体重を預けてもびくともしない体幹は、日常的に繰り返えすハードなトレーニングがそうしているに違いない。
「そろそろ、そっち向いてもいいかな」
『……うん』
明らかに心臓の躍動が早まったのを 触れた背中に越し感じた。後ろから抱き締められていた手を解き、伸びる腕を辿りながら振り返る。暗がりが慣れた瞳で睫毛を上げれば、淡い緑と視線が合わさって。そうして濡れた硝子玉のように繊細な瞳は 振り返った私の下着を見るや否や途端に顔を背けるのだった。
「…まだ慣れない?」
『――っ……笑わないでよ』
「笑ってなんかないよ」
馬鹿にして笑っている訳じゃない。ただ初心な彼が可愛らしくて思わず口角が緩んでしまったのだ。赤面し、むくれるその姿に今度は本当に笑ってしまいそうだった為 私は彼の胸元に顔を埋めるよう身体を寄り掛からせた。戸惑う様子を見せるも、胸にすっぽり収まる私の肩を 緊張が伝わる温かな手が抱き締める。
『……幻滅してる?』
「どうして」
『だって。手繋ぐのも、キスも。こんな風にするのにも…だいぶ時間掛かっちゃってるから』
確かに。甘いマスクに鍛えられた肉体。仕合の際も、入場すれば女性観客からは毎回“可愛い、可愛い”と黄色い声援が飛ぶ。初めは、人気者の彼の事だから まさか女性に免疫がないなんてただの噂か何かだと思っていた。しかし、どうやらそれは紛れもない事実のようで。実際、交際をしてから互いに下着姿で触れ合うまで ある程度の時間を要したが、わざわざ焦る事でもない。それに 交際後すぐ身体の関係を求められるより、スローペースで進んでいく方が より愛情を感じられる気がして好きなのだ。
「それだけ大事にされてるって思うと、嬉しくて堪らない。なんだか胸がぎゅって締め付けられちゃう」
『名前さん、優しいからな。叶わないや』
「本心なのに」
困り眉で笑う彼につられて、今度は耐えれず小さく吹き出してしまった。ふと、固い指が するり顎に降りてきては優しく当てられる。ぎこちなく上げられると、瞬間に重なった視線は 思わず吸い込まれてしまいそうな程深く。
『キスしてもいい』
「ん。さっきみたいなキスがいいな」
『さっきみたいって、どんなだっけ』
宝物のように扱ってくれる、顎に当てられたごつごつした指先。なんて愛おしい。後ろから抱き締められていた時から背中を伝う感触があったが、改めて向き合えば より主張する彼のそれに胸が揺れる。盛り上がり、熱を帯びたそこへそっと手を伸ばすと 反射的に身体を短く震わせた。
「………えっちな気分になるキス」
下着の膨らみを撫でれば、彼は眉間に皺を寄せ頬を紅潮させる。そして長いため息と共に『参ったな、自信ないんだけど』と、苦笑あと その腕で私を抱き寄せた。
『名前さんの肌、柔らかく気持ち良い』
頬、肩、腰。滑るよう降りてくる大きな掌に、思わず声が漏れる。
「…ん…。コスくんの手も、温かくて気持ち良いよ。固い腕も、厚い胸も、全部好き」
形の良い唇が近づくと同時に、彼の背中に手を回した。密着すれば 固くなった下半身が腹に埋まるような感覚に身体の奥が静かに疼いて。もうすぐ これが私の中に躊躇なく挿入され、全てを掻き出すように目茶苦茶にしていくのだ。そんな風に考えただけで、途端に息が乱れていく。
『唇は』
「…もっと、好き」
噛みつくよう、それでも柔らかな彼の唇が私それを覆った。余裕など感じられない荒い息遣いに、私もまたその先ある濡れた唇を欲して。求められる最中、息継ぎの途中で口を薄く開ければ ぬるり、ざらついた舌が口内を侵食していく。無意識に腰が跳ねた。
「…あっ、コスくん……っ…ん」
貪られるよう熱く絡み合う舌。混ざりあった体液が口端から細く垂れ下着を汚そうが、今はそんな事などどうでも良くて。
「んう、コス…コスモくん……あっ…」
『…ね、名前さん』
「ん…」
ふと閉じていた目を開けと、いつもの可愛いらしい彼は何処かへ消え、代わりに瞳に映るの獲物を捕らえた野獣の如く。
『……出来てる?』
「え…」
『えっちな気分になるキス』
この野獣は どうしようもない程。私を翻弄するのが得意らしい。
「…もう…コスくん…。本当はハジメテじゃないでしょ」
『やめてよ。俺が余裕ないの、さっきから“見えてる”癖に。………ねえ、下着きついから。ちょっと恥ずかしいんだけど脱いでいい』
「ん、いいよ。なら私も」
脱ごうかな、そう言いかけブラジャーのホックに手を伸ばした瞬間 彼が慌てて私の腕を掴んだ。
「…どうしたの」
驚き、見上げるとさっきまでの野獣はどこへやら。頬を染め、肩を丸めた彼は何か言いた気で。
「嫌になっちゃった?」
『や、そうじゃなくて。俺やるよ……動画で見たから』
「動画って」
何の事か分からず聞き返す。恥ずかしそうに答える彼は、やはり。
『ホックの外し方』
私を翻弄するのが得意らしい。
「コスくん」
『…ん』
背中に感じる厚い胸板。寄り掛かるよう体重を預けてもびくともしない体幹は、日常的に繰り返えすハードなトレーニングがそうしているに違いない。
「そろそろ、そっち向いてもいいかな」
『……うん』
明らかに心臓の躍動が早まったのを 触れた背中に越し感じた。後ろから抱き締められていた手を解き、伸びる腕を辿りながら振り返る。暗がりが慣れた瞳で睫毛を上げれば、淡い緑と視線が合わさって。そうして濡れた硝子玉のように繊細な瞳は 振り返った私の下着を見るや否や途端に顔を背けるのだった。
「…まだ慣れない?」
『――っ……笑わないでよ』
「笑ってなんかないよ」
馬鹿にして笑っている訳じゃない。ただ初心な彼が可愛らしくて思わず口角が緩んでしまったのだ。赤面し、むくれるその姿に今度は本当に笑ってしまいそうだった為 私は彼の胸元に顔を埋めるよう身体を寄り掛からせた。戸惑う様子を見せるも、胸にすっぽり収まる私の肩を 緊張が伝わる温かな手が抱き締める。
『……幻滅してる?』
「どうして」
『だって。手繋ぐのも、キスも。こんな風にするのにも…だいぶ時間掛かっちゃってるから』
確かに。甘いマスクに鍛えられた肉体。仕合の際も、入場すれば女性観客からは毎回“可愛い、可愛い”と黄色い声援が飛ぶ。初めは、人気者の彼の事だから まさか女性に免疫がないなんてただの噂か何かだと思っていた。しかし、どうやらそれは紛れもない事実のようで。実際、交際をしてから互いに下着姿で触れ合うまで ある程度の時間を要したが、わざわざ焦る事でもない。それに 交際後すぐ身体の関係を求められるより、スローペースで進んでいく方が より愛情を感じられる気がして好きなのだ。
「それだけ大事にされてるって思うと、嬉しくて堪らない。なんだか胸がぎゅって締め付けられちゃう」
『名前さん、優しいからな。叶わないや』
「本心なのに」
困り眉で笑う彼につられて、今度は耐えれず小さく吹き出してしまった。ふと、固い指が するり顎に降りてきては優しく当てられる。ぎこちなく上げられると、瞬間に重なった視線は 思わず吸い込まれてしまいそうな程深く。
『キスしてもいい』
「ん。さっきみたいなキスがいいな」
『さっきみたいって、どんなだっけ』
宝物のように扱ってくれる、顎に当てられたごつごつした指先。なんて愛おしい。後ろから抱き締められていた時から背中を伝う感触があったが、改めて向き合えば より主張する彼のそれに胸が揺れる。盛り上がり、熱を帯びたそこへそっと手を伸ばすと 反射的に身体を短く震わせた。
「………えっちな気分になるキス」
下着の膨らみを撫でれば、彼は眉間に皺を寄せ頬を紅潮させる。そして長いため息と共に『参ったな、自信ないんだけど』と、苦笑あと その腕で私を抱き寄せた。
『名前さんの肌、柔らかく気持ち良い』
頬、肩、腰。滑るよう降りてくる大きな掌に、思わず声が漏れる。
「…ん…。コスくんの手も、温かくて気持ち良いよ。固い腕も、厚い胸も、全部好き」
形の良い唇が近づくと同時に、彼の背中に手を回した。密着すれば 固くなった下半身が腹に埋まるような感覚に身体の奥が静かに疼いて。もうすぐ これが私の中に躊躇なく挿入され、全てを掻き出すように目茶苦茶にしていくのだ。そんな風に考えただけで、途端に息が乱れていく。
『唇は』
「…もっと、好き」
噛みつくよう、それでも柔らかな彼の唇が私それを覆った。余裕など感じられない荒い息遣いに、私もまたその先ある濡れた唇を欲して。求められる最中、息継ぎの途中で口を薄く開ければ ぬるり、ざらついた舌が口内を侵食していく。無意識に腰が跳ねた。
「…あっ、コスくん……っ…ん」
貪られるよう熱く絡み合う舌。混ざりあった体液が口端から細く垂れ下着を汚そうが、今はそんな事などどうでも良くて。
「んう、コス…コスモくん……あっ…」
『…ね、名前さん』
「ん…」
ふと閉じていた目を開けと、いつもの可愛いらしい彼は何処かへ消え、代わりに瞳に映るの獲物を捕らえた野獣の如く。
『……出来てる?』
「え…」
『えっちな気分になるキス』
この野獣は どうしようもない程。私を翻弄するのが得意らしい。
「…もう…コスくん…。本当はハジメテじゃないでしょ」
『やめてよ。俺が余裕ないの、さっきから“見えてる”癖に。………ねえ、下着きついから。ちょっと恥ずかしいんだけど脱いでいい』
「ん、いいよ。なら私も」
脱ごうかな、そう言いかけブラジャーのホックに手を伸ばした瞬間 彼が慌てて私の腕を掴んだ。
「…どうしたの」
驚き、見上げるとさっきまでの野獣はどこへやら。頬を染め、肩を丸めた彼は何か言いた気で。
「嫌になっちゃった?」
『や、そうじゃなくて。俺やるよ……動画で見たから』
「動画って」
何の事か分からず聞き返す。恥ずかしそうに答える彼は、やはり。
『ホックの外し方』
私を翻弄するのが得意らしい。
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