バクテン!!
name change
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『なあ、俺ら。付き合わない?』
大好きな人。
片思いの人に そう唐突に告げられ、頭が真っ白になり固まった。
しかし、頭とは反対に 瞬間に口から出た言葉はあまりにも正直。
「よろしくお願いします」
________________
「そんなに好きなら 告白すればいいだろ?」
築館が 半ば呆れるように笑った。
「そうだぞ、女川〜。もたもたして誰かのモンにでもなってみろ。耐えられねえだろ?」
「うす。自分も、そう思うッス」
七ヶ浜に続き、後輩の亘理にまで諭される。
確かに名前が誰かのものになるなんて考えたくもない。
もしそうなったとしたら………。いや、やはり考えたくない。発狂ものだ。
入学初日から 名前に一目惚れした俺は、人並みに彼女との接点はあるものの、はっきり思いを伝える機会はなく、馬鹿みたいに2年間 片思いを続けていた。
いつまでも グダグダしている俺に、男子新体操部の部室では 皆に笑いを含んだため息をつかれる始末。
「緑に話しかけるように優しく」
「笹かまのような白い心を持って」
「任侠を大切に漢らしく」
おもむろに3人は立ちあがり、列になる。
『ちょ…お前ら どしたどした』
すると……。既視感のある[アオ高の絆]とやらが 回りはじめた。
タンササニンミド タンササニンミド タンササニンミド
「さあ!女川!俺らの胸に飛び込んでこーい!」
『嫌に決まってんだろ!俺先に大学の体育館行ってるからな!お前らはずっとそこで回ってろ!』
実際、3人に話を聞いてもらえるのは有り難かった。
俺がどんなに覚悟が決まらなくても、嫌がらず聞いてくれるし、なにより心強い。
『卒業前には 伝えてえよな〜』
靴紐をしっかり結び、マットを借りに大学までランニングしようと思った時。
ふと、聞き覚えのある声がした。一瞬で名前だと確信する。
声の方向は、すぐそばにある 学校の体育館裏あたりだ。
イケナイと思いながら、俺は耳をすましてみる。
「もう、名前ってば。そんなに好きなら、告白すればいいじゃない」
「…分かってるけど。いざとなると緊張しちゃって」
嘘だろ。名前に既に好きな相手がいるなんて。俺は膝から崩れ落ちそうな絶望的を感じた。
…そうだ。あとで3人に慰めてもらおう。きっと盛大に笑わせてくれたりして、俺を元気付けてくれるはずだ。
部室へ戻ろうとした矢先。名前の声が続いた。
「女川くん 格好いいし…。私なんて相手にしてくれないよ」
ドキ、と心臓が跳ねる。
名前の好きな相手って……俺?
「名前が もたもたしてると、他の女子に奪われちゃうよ。女川 結構人気あるし」
「それは困るよ…」
「女川が、他の子と付き合って、手繋いで ちゅーして えっちしてるとこ考えてみな?耐えられる?」
「や、やめてよ。……そんなの考えたくないよ…辛すぎて発狂しちゃう…」
バカヤロウ、友達A!
俺は名前としか 付き合わねえし、ちゅーも えっちもする気は ねえんだよ!
勝手な事言いやがって。
ワナワナと拳を握りしめる。
「あ、そろそろ男子新体操部の部活が始まる時間よね」
「うん、そうだと思う」
「こういうのは勢いが大切よ。部活前の女川を捕まえて、告白するの!」
「えっ、ちょっと待って…!私 心の準備が…それに部活前だし、女川くんだって迷惑だよ」
「そんな事言ってたら、いつまで経っても伝えられないよ、卒業したらこんな機会もなくなるんだから」
「卒業…そっか。今までみたいに 告白したいって思っても、卒業して…会えないんじゃ それすら叶わないもんね」
「そうよ」
「…私…私、女川くんを 他の人に取られたくない…!…好きな気持ち、ちゃんと伝えたい…!」
「その調子、行っておいで」
名前の「うん」という声が聞こえ、足音がこちらに向かってくるのが聞こえる。
女の子に先に 覚悟決められちゃ、叶わねえよな。情けない姿は見せるわけにはいけないか。
俺も覚悟を決め、早まる鼓動を落ち着かせる為、深呼吸する。
足音が近くなり、瞬間、名前が俺の前に現れた。
「え、お、女川くん…!?なんでここに…」
『ああ、今から部活。今日は大学でマット借りるから』
「……て事は…待って、もしかして私の話、聞こえてた…?」
赤面した顔を覗かせ、名前はおずおずと聞いてきた。
不安気な彼女に、俺はその潤んだ目を見て はっきり伝える。
『俺、一目惚れだった』
驚いた名前は大きな目を見開いた。
『名前が想ってくれるより先に俺の方が名前を好きになったし、名前の事、誰にも取られなくないって思ってる』
「…女川くん………嘘…」
『嘘じゃねえよ。手繋ぐのも、ちゅーも えっちも、名前としか しよう思わない』
「…って…。ぜ、全部聞いてたんじゃない…!もう…」
恥ずかしさで、顔を隠す名前に、俺はずっと言いたかった言葉を伝える。
少し、いや。かなり時間がかかったけど、2年越しの思いを。
『名前、俺は名前が好きだ』
手を伸ばし、柔らかい名前の頬に触れる。
彼女の次の 返事次第では、誰よりも近く。彼女をそばに感じられるかもしれない。
それを考えただけで 収まった心臓が早まるのを感じた。
誰よりも彼女の近くにいたい。
『なあ、俺ら。付き合わない?』
大好きな人。
片思いの人に そう唐突に告げられ、頭が真っ白になり固まった。
しかし、頭とは反対に 瞬間に口から出た言葉はあまりにも正直。
「よろしくお願いします」
________________
「そんなに好きなら 告白すればいいだろ?」
築館が 半ば呆れるように笑った。
「そうだぞ、女川〜。もたもたして誰かのモンにでもなってみろ。耐えられねえだろ?」
「うす。自分も、そう思うッス」
七ヶ浜に続き、後輩の亘理にまで諭される。
確かに名前が誰かのものになるなんて考えたくもない。
もしそうなったとしたら………。いや、やはり考えたくない。発狂ものだ。
入学初日から 名前に一目惚れした俺は、人並みに彼女との接点はあるものの、はっきり思いを伝える機会はなく、馬鹿みたいに2年間 片思いを続けていた。
いつまでも グダグダしている俺に、男子新体操部の部室では 皆に笑いを含んだため息をつかれる始末。
「緑に話しかけるように優しく」
「笹かまのような白い心を持って」
「任侠を大切に漢らしく」
おもむろに3人は立ちあがり、列になる。
『ちょ…お前ら どしたどした』
すると……。既視感のある[アオ高の絆]とやらが 回りはじめた。
タンササニンミド タンササニンミド タンササニンミド
「さあ!女川!俺らの胸に飛び込んでこーい!」
『嫌に決まってんだろ!俺先に大学の体育館行ってるからな!お前らはずっとそこで回ってろ!』
実際、3人に話を聞いてもらえるのは有り難かった。
俺がどんなに覚悟が決まらなくても、嫌がらず聞いてくれるし、なにより心強い。
『卒業前には 伝えてえよな〜』
靴紐をしっかり結び、マットを借りに大学までランニングしようと思った時。
ふと、聞き覚えのある声がした。一瞬で名前だと確信する。
声の方向は、すぐそばにある 学校の体育館裏あたりだ。
イケナイと思いながら、俺は耳をすましてみる。
「もう、名前ってば。そんなに好きなら、告白すればいいじゃない」
「…分かってるけど。いざとなると緊張しちゃって」
嘘だろ。名前に既に好きな相手がいるなんて。俺は膝から崩れ落ちそうな絶望的を感じた。
…そうだ。あとで3人に慰めてもらおう。きっと盛大に笑わせてくれたりして、俺を元気付けてくれるはずだ。
部室へ戻ろうとした矢先。名前の声が続いた。
「女川くん 格好いいし…。私なんて相手にしてくれないよ」
ドキ、と心臓が跳ねる。
名前の好きな相手って……俺?
「名前が もたもたしてると、他の女子に奪われちゃうよ。女川 結構人気あるし」
「それは困るよ…」
「女川が、他の子と付き合って、手繋いで ちゅーして えっちしてるとこ考えてみな?耐えられる?」
「や、やめてよ。……そんなの考えたくないよ…辛すぎて発狂しちゃう…」
バカヤロウ、友達A!
俺は名前としか 付き合わねえし、ちゅーも えっちもする気は ねえんだよ!
勝手な事言いやがって。
ワナワナと拳を握りしめる。
「あ、そろそろ男子新体操部の部活が始まる時間よね」
「うん、そうだと思う」
「こういうのは勢いが大切よ。部活前の女川を捕まえて、告白するの!」
「えっ、ちょっと待って…!私 心の準備が…それに部活前だし、女川くんだって迷惑だよ」
「そんな事言ってたら、いつまで経っても伝えられないよ、卒業したらこんな機会もなくなるんだから」
「卒業…そっか。今までみたいに 告白したいって思っても、卒業して…会えないんじゃ それすら叶わないもんね」
「そうよ」
「…私…私、女川くんを 他の人に取られたくない…!…好きな気持ち、ちゃんと伝えたい…!」
「その調子、行っておいで」
名前の「うん」という声が聞こえ、足音がこちらに向かってくるのが聞こえる。
女の子に先に 覚悟決められちゃ、叶わねえよな。情けない姿は見せるわけにはいけないか。
俺も覚悟を決め、早まる鼓動を落ち着かせる為、深呼吸する。
足音が近くなり、瞬間、名前が俺の前に現れた。
「え、お、女川くん…!?なんでここに…」
『ああ、今から部活。今日は大学でマット借りるから』
「……て事は…待って、もしかして私の話、聞こえてた…?」
赤面した顔を覗かせ、名前はおずおずと聞いてきた。
不安気な彼女に、俺はその潤んだ目を見て はっきり伝える。
『俺、一目惚れだった』
驚いた名前は大きな目を見開いた。
『名前が想ってくれるより先に俺の方が名前を好きになったし、名前の事、誰にも取られなくないって思ってる』
「…女川くん………嘘…」
『嘘じゃねえよ。手繋ぐのも、ちゅーも えっちも、名前としか しよう思わない』
「…って…。ぜ、全部聞いてたんじゃない…!もう…」
恥ずかしさで、顔を隠す名前に、俺はずっと言いたかった言葉を伝える。
少し、いや。かなり時間がかかったけど、2年越しの思いを。
『名前、俺は名前が好きだ』
手を伸ばし、柔らかい名前の頬に触れる。
彼女の次の 返事次第では、誰よりも近く。彼女をそばに感じられるかもしれない。
それを考えただけで 収まった心臓が早まるのを感じた。
誰よりも彼女の近くにいたい。
『なあ、俺ら。付き合わない?』