ソウシ「
馬ちゃん、夢の事を教えてくれてありがとう。
もう遅いから君は先に部屋に戻って寝なさい。」
急に『医師モード』に切り替わったソウシが諭すようにして
馬の退室を促す。
確かに、覚えている範囲の夢の内容は全て2人に告げたので自分の役目はもう終わりだと察した
馬は、
馬「はーい、それでは後はよろしくお願いしまーす。」
と、返事をしてから素直に部屋から出ていった。
馬が完全に退室した事を見計らってから、ソウシはシンに話し掛ける。
ソウシ「
馬ちゃんの夢の話なんだけど、」
シン「……………」
ソウシ「本当に当たってると思うんだ。」
シン「確証はありますか?」
ソウシ「昔、読んだ事があるんだよね、黒魔術の本。」
シン『これまた悪趣味な本を読んでるんだな。』
と、好き好んで拷問本を読んでいるシンは思った。
ソウシ「その本によるとルー文明時代の生け贄儀式が史上最も苛酷で、贄とされた死者の怨念も深いんだって。
儀式に携わった祭壇なんて闇そのものだ…みたいな事が書かれていたんだ。」
シン「…………」
ソウシ「現に、当時の祭壇を再現しようとした宗教団体があったんだけど、最終的に全員怪死した事件もあったぐらいだよ。」
(※怪死例:海老枕で絞殺)

(S様模写:元ネタイラストはこちら→
ソウシさん話3ページ目)
シン「そんなマニアックな事をよく知ってますね。」
と、モルドー帝国の拷問・処刑法について詳しいシンは思ったままの感想を述べた。
ソウシ「『ルー大陸』に関する本や新聞記事って興味深いからね、読み込んじゃうんだ♪
君も読んでみる?気に入った記事を纏めてあるから。」
シン「……………」
……………………………
話は遡る事、少し前、
ナギ「……外から何か投げられたのか?」
ハヤテ「いや、それは無いと思う。
俺も何度も確認したけど、人が逃げる気配とか全くしねぇし、そもそも陸からこの窓まで物をぶつけてくるって、どんだけバケモノなんだよって話だ。
…ヤケクソで寝ようと思っても耳元で煩いし、間隔開けて窓叩いてくるしで寝れねぇんだよ…」
ハヤテは頭を抱えながらこれまでの怪異を説明する。
発生する怪奇現象は地味なものばかりらしいが、それでも確実に彼にダメージを与えているようだった。
ナギ「……
馬といたら全部収まってたのか?」
ハヤテ「あぁ!アイツも船長と同じで運が良いからさ、何かに護られてんのかもな!」
ナギ「……………」
その時、
バンッ、バンッ、バンッッッ!!!
ナギ・ハヤテ「!?」
また窓を叩く音がした。
今度は3回、先程よりも叩く回数が増えている。
ナギ「……………」
即座にナギは椅子から立ち上がり、窓まで近寄って確認するが、やはり何の気配もしなかった。
ナギ「……やっぱり誰もいねぇな。」
カーテンを捲りながらナギは告げた。
ハヤテ「はぁ、今のはちょっとビビったわ。
いや、叩く間隔は短くなってるし、回数増えてるしで何なんだよ…」
ナギ「……今回は置き土産付きみたいだぞ。」
ハヤテ「え?」
ナギ「……見てみろ。」
ハヤテ「?」
ナギに促され、ハヤテも窓際へと近付いて行く。
ナギ「……ここ。」
ナギは窓の1点を見つめながら呟いた。
ハヤテ「うゎ…」
そこにあったのは真新しい血の付いた手形だった。
数にして3つ、たった今、叩かれた回数と同じ数の手形があった。
ナギ「……大きさからして大人の男の手だな。」
シャッッ!!
ハヤテは素早くカーテンを閉めた。
ハヤテ「ったく、誰が掃除すると思ってんだよ、この手形!
あぁぁぁ、触りたくねぇ!」
ハヤテは苦虫を噛み潰したような顔をして本気で嫌がっている。
暫くして……
バンッバンッバンッバンッバンッ…!!
再び窓を叩くような音、否、今度は打ち付けるように激しく連打する音が聞こえてきた。