廃墟島~滅びの女王と二刀流の剣士~(最終章:前編)
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……………………………
シンが示した『3つ目の像』を思い切り横にずらすと、なんと小部屋への入り口が出現した。
入り口と言っても屈んで進まねばならない小さな穴といったものだったが。
リュウガ「ただの隠し書斎……か。」
小部屋は巨大な木製本棚が四方に置かれており、そこにはたくさんの書物が敷き詰められていた。
また、出入り口以外に換気の出来る窓が無いため、部屋はカビ臭い匂い…他にも不可解な匂いが立ち込めていた。
ソウシ「よっ、と…」
手拭いを取り出したソウシは、自身の鼻と口を覆ってから後ろで結んだ。
こうすることで手拭いは簡易マスクの役割を果たす事になる。
ソウシはマスクをしてから目の前の書物を1冊、無作為に取り出してみた。
ソウシ「当然、全部古代文字か……何冊か持って行こうかな。」
シン「……………」
シンもソウシと同様に書物を漁っている。
古代文献には興味の無いナギとリュウガは学者気質の2人の背後で話している。
ナギ「……何でこんな部屋があるってわかったんですか?」
リュウガは2日間連続で城探索をしていたので、その時点で見付けていたのか?と、ナギは尋ねた。
リュウガ「いや、完全に勘だな!」
ナギ「勘…」
リュウガ「あぁ!奥の玉座の方よりもさっきいた廊下の方がかなり重たい空気だったから、こりゃ何かあるなって思ったんだよ。」
ナギ「……流石ですね。」
勘だけでこんな隠し部屋を探り当てるリュウガに、ナギは感心せざるを得なかった。
リュウガ「ただ……見付けたものが大量の本ってのが納得いかねぇんだよな。」
ナギ「……お宝の方が良かったですね。」
リュウガ「それが1番良いけどな!
けど、それじゃ無い何かがまだ…」
言葉を続けながらリュウガも本棚へと近付いて行く。
リュウガ「うーん、」
リュウガは書物は取らずに足元の方ばかり眺めている。
ナギ「……?」
リュウガは一体何を探しているのだろうか?
……………………………
先遣隊が隠し部屋の探索をしている頃、馬達は『仁義なきしりとり合戦』を行っていた。
馬「『まつり』!」
ハヤテ「あぁっ!?また『り』かよ…」
トワ「ほら、ハヤテさん頑張って。」
ハヤテ「ちょっと待て、えっと、り、り、り… 『リーダー』!」
トワ「わぁ、粘りましたね!」
馬「スゲーや、ハヤテさん♪」
ハヤテ「これぐらい余裕だろ! 次、早く言え。」
トワ「『だ』ですね、だ…『だんやく(弾薬)』!」
馬「おっと、『く』ですか、」
ハヤテ「『くり』はさっき言ったからな!
もう使えねぇぞ?」
馬「『くすり』っっ!!」
ハヤテ「何だとっ!?」
何が『仁義なき』かと言うと、先程からハヤテは馬に『り』縛りで攻め立てられており、非常に無慈悲な返しばかりされているからだ。
馬「もう流石に無いでしょう!」
ハヤテ「いや、まだあるから!! り、り、り…」
それでも果敢に挑むハヤテの姿勢は、シリウス海賊団の誇る『特攻剣士』そのものだった。
……………………………
リュウガ「やっぱりな……あったぞ。」
床ばかり眺めていたリュウガが呟いた。
ソウシ「何がです?」
ソウシは開いていた書物を静かに閉じてリュウガの方を見る。
シン「……………」
同じくシンも顔を上げる。
彼はさっきから書物をしゃにむに取り出しては中身を確認していた。
この部屋に入ってから感じていた嫌悪感は書物のどれかから放たれているのではないかと考えているのだが、該当しそうな物は未だ見付からずにいた。
リュウガ「この先にはまだ隠し部屋があるみてぇだな。」
リュウガは口端を上げながら告げた。