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嵐の後の夜明け
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「・・・・・・!!??」
自分の姿を見てみれば、なんと装備の一番下に身に着ける薄手のインナー姿だった。
防具等の下に身に着けるものなので、年若い婦女子が身に着けているような一般的なものとはまた違うものではあるが、これはつまり下着姿だ。
自分の格好を認識したナナシは慌てて暖炉の前に広げて並べられた自分の装備をかき集め、後ろを向いて身に着ける。
「すまない・・・。濡れた装備のまま半分凍りかけて凍えているお前を見たらそのままにはしておけなくてな・・・。」
オルシュファンはこちらに背を向けて、状況の説明をしながら頬をかいた。
その言葉で、昨晩のことを思い返す。
吹雪の中で、朝まで持たないかもしれないと思ったそのとき、彼は現れたのだ。
見たことないほど焦った顔で。
そして、あまりの寒さに凍えて動かないナナシの体を抱えてこの小屋まで連れてくると、暖めてくれた。
それも朝までずっと抱いたままで。
おかげですっかり暖まり、体の調子も悪くなかった。
むしろ今は暑いほどだ。
彼は心配してくれたのだ。
吹雪のなか出ていこうとする彼を、部下たちはきっと必死で止めただろう。
その制止を振り切って、あの大吹雪の中を駆けるほどに。
「身体は大丈夫か?」
大きな背をこちらに向けたまま、オルシュファンはナナシに問いかける。
ナナシは困ったような嬉しいような複雑な表情で微笑むと、その背の真後ろまで行ってすとん、と腰を下ろすと逞しい背中にそっと額を預けて応えた。
「・・・ありがとう」
オルシュファンが微笑む気配がした。
昨晩とはうってかわって、小屋の中は暖かかった。