夢の始まり
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男たちに囲まれ、本能的に危険を感じ取り、ナナシはじりじりと後ずさった。
そのうち一人が、それを見てナナシの腕を掴む。
「あ・・!」
容赦なく引っ張られる腕が痛い。
力いっぱい抵抗して逃れようとするも、男の腕力にかなうはずがなく。
逃げようとするナナシを見て至極楽しそうにいやらしい笑いを浮かべて、男は言った。
「殺しちまえばイイんだよ!」
「このビビッた顔がたまんねぇんだよな!」
男の言葉に、一瞬にして背中が凍り付く。
男を見上げて固まるナナシ。
「し、しかし・・!」
「ま、待て、それは・・!」
最初の2人が制するが、モヒカンの男たちは聞く耳を持たなかった。
どこからか剣を取り出すと、それを躊躇いなく振り上げる。
これは夢だろうか。
まさか、こんなわけのわからないところで殺されて死ぬなんて。
日の光を反射してキラリと光る剣を見て、あまりにも理不尽な状況に涙があふれてくる。
振り上げられた剣先が動いたところで、反射的にナナシは目を瞑った。
殺される―――――・・!!
迫り来るであろう衝撃に自分の体を抱くように蹲ったナナシに向かって、非情にも振り下ろされた剣。
しかしその斬撃がナナシの体を襲うことはなかった。
いつまでもやってこない衝撃と、ぐしゃり、と何かが潰れるような音。
そして衝撃の変わりに飛んできた何かの飛沫に、嫌な予感を感じつつ恐る恐る目を開けたナナシの目に飛び込んできたのは・・・
「・・・ひ・・っ!?」
足元に広がる血だまりと男の無残な姿だった。
鉄臭さを含んだ生臭い臭いがむっと立ち込める。
グロテスクなシーンは映画でこそ見たことはあっても、やはり実際に見るのとでは受けるショックの大きさが違う。
しかも今現在わが身に危機が迫っているナナシにとっては、剣が振り下ろされるよりも衝撃的だったかもしれない。
肉片散らばる血だまりの真ん中には巨大な黒い蹄が足を下ろしている。
男はその蹄に踏み潰されていた。