星と宿命と小さな決意
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「状況の把握ができるまで・・・もう少し待っていただけませんか?」
ナナシがまっすぐにラオウを見つめる。
その視線を受けて、ラオウもまっすぐにナナシを見つめ返していた。
「それと・・・あなたが物語の重要人物だったことは間違いないので、
差支えなければ・・・その・・・傍に置いていただけると助かるのですが。
私がこの世界に飛ばされた意味も知りたい。
この世界を・・・私に見せていただけませんか・・・?」
ここまで言って、ナナシは自分の言葉に驚いていた。
状況の把握ができるまで待ってほしいと、ただそれだけを伝えるつもりでいたはずだった。
それが、勢い余ったとはいえ傍に置いてほしいとまで願い出るなんて。
やはりラオウは黙っていた。
ものの数秒が、今のナナシにはとても長く感じられた。
ナナシにはやはりラオウの表情からは色をうかがえず、沈黙に耐えかねてゆっくりと視線を逸らし俯いたところで、やっとラオウは口を開いた。
「・・・お前はどうやらぬくぬくと生きてきたようだな。
おそらく、地獄を知らずに生きてきたのだろう。
・・・そんなお前に、無理やり口を割らせるのは簡単だろうな。」
不敵な表情がなんとも恐ろしかった。
ゆっくりと踏み出された一歩に思わずナナシは一歩後退する。
やはり、甘い考えだったろうか。
自分の命は今このラオウの手の中にあるのだ。
その指でナナシの秘孔を突くのは、本当にたやすいことだろう。
逃げるために振り返る隙さえ与えることなく。