吾輩とサトル




サトルは甘い物が好きである。

吾輩にはよくわからんが、生きていく上で甘いものを食べないとやっていられないらしい。
吾輩がよくわからんという顔をしていたのだろう。「例のアレがないと生きていけないってこと」とわかりやすく例えられた。それは大変だ、生きていけぬ。

「にゃーん」
「ん? シュガーポットくれるの? ありがとシュガー」

吾輩はサトルが飲み物によく入れている白い塊が入った入れ物を手でサトルの方に押しやった。ほれ、もっと食べなさい。そして吾輩にも例のアレを…!!




サトルは吾輩のことが大好きである。

いつも言っている。吾輩の存在に救われていると。病みそうになる繁忙期も、殺したくなる腐ったみかん共も、長すぎる移動時間も、吾輩がいるだけで全然違うと。

「シュガー、大好きだよ」
「…ぎゅふ」
「ぎゅふって言った? 今絶対ぎゅふって言ったよね??」
「……にゃん」
「とぼけてるの? かわいいねぇ♡」

鼻にチュッとキスをくれた。嬉しくて喉から変な声が漏れたのをすかさず指摘されたから、可愛くにゃんって言って誤魔化した。
サトルが吾輩に大好きと言ってくれる。今日も元気でいてくれてありがとうと言ってくれる。それだけで吾輩は背中に羽が生えて空も飛べそうになるし、明日も元気にイタズラしようと思えるのだ。

「大好きだよ」
「……にゅん」

好きと返したいけど猫の舌の構造がそれを許さない。だから一生懸命にサトルの手を舐める。伝われ、この想い!!

「舐めてくれるの? ありがとね」

よく似た色の目を合わせて、ゆっくりまばたきをしてくれる。その瞬間、吾輩の心がぶわわぁぁと膨らんだ。居ても立っても居られず、サトルの胸に頭突きをする。吾輩も大好きだよーサトルー。


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