吾輩とサトル
吾輩の居場所はサトルの隣である。
当然だ。サトルが寝る時、大抵吾輩もサトルの横に転がる。腹を上にして毛布をかけて寝ると人間になった気分になる。そうやって寝る吾輩を見てサトルが喜ぶから、吾輩は今日もサトルの横で寝転がる。
足を開いてひっくり返ると、いつもは伸びない筋肉が伸びて気持ちがいいからおすすめぞ。
吾輩の居場所はサトルの上である。
サトルの隣で寝る時が多いが、サトルの上で寝るときもある。
腹を上にして転がるサトルの胸の上で、吾輩も腹を上にして寝る。左右に硬いサトルのササミの盛り上がりがあり、そのくぼみのような場所に挟まって寝るのだ。安定感があって好きである。
背中というものはどうしても目と手が届きにくくなる。そこがサトルにくっついていると安心するのだ。
サトルが寝返りをうっても、吾輩と毛布を巻き込んで動くため問題ない。サトルは「潰しそうで怖い」と言っていたが、いざとなれば巨大化すると示した。「……僕潰されない? 大丈夫?」と自分の心配をしていた。それでいい。
吾輩の居場所はサトルの頭の上である。
吾輩は少し変わった猫である。吾輩は自分の身体の大きさを自由に変えることができる。サトルのベッドになることもあれば、手のひらに乗って愛されることもある。サトルの限界を察知してキーボードとやらの上に陣取ることもある。ふふん、これで仕事出来ないだろう。いいから早く寝ろ。
そんな吾輩は、サトルと一緒にいることが多い。国内出張でも一緒にいる。なぜなら、サトルは吾輩がいないとダメだからである。逆もまた然り。
どこにいるのかというと。只人はまず気付かぬ。サトルは人間の中で特に大きいオスだ。その頭の上を覗き見ることが出来る人間はまずいない。
そう、吾輩は、小さくなってサトルの頭の上にいるのである。
吾輩の白い毛とサトルの白い毛はよく似ている。吾輩は耳と尻尾の先が薄くグレーだが髪の中に埋まってしまえば見えない。加えてサトルは外にいる時、目を隠す。髪の毛の密度が上がり、さらに吾輩は見えなくなる。そういうことである。
吾輩の居場所は、サトルがいるところである。
