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そんなこんなで、旦那との取引の時間はあっという間に終わってしまう。物を確認すると、旦那は対価に値するよりも少し多いぐらいの札束を置いて、その場を後にしようとする。取引の時間なんてその程度のものなのに、何故か旦那とはもうちょっとだけ一緒に居たいような、もうちょっとだけ知りたいような...会う度にそんな気持ちになってしまう。
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だから今夜はちょっと勇気を出して、去り際に食い下がってみるんだ。そう決めて来たんだ。
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凛
へい、毎度あり、旦那!今後ともどうかご贔屓にお願いします!
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サソリ
次は朔の夜だ...時間は追って伝える...
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凛
あ、あ、ちょっと待ってよ旦那...
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サソリ
...何だ。まだ何かあるのか
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凛
え...と、前から気になっていたんですけどね、その、苦労して手に入れた物たちが、どうやって旦那の...傀儡に使われるのかな、って
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サソリ
...
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凛
だって、ほら、傀儡を作るところなんて、見た事ないし、それに旦那は天才の傀儡師なんでしょ?
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サソリ
...それがどうした
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凛
旦那の綺麗な手から生み出される、天才的な芸術を...一度でいいから、この目に焼き付けておきたいんです!
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凛
うおー!頑張った、よく言ったわたし!!
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サソリ
...
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凛
ドキドキ...
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サソリ
...
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凛
ドキドキドキドキ...
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サソリ
フン...物好きな奴だな。
...着いてこい -
凛
キターっっっ!!
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凛
あ、ありがとうございます!!
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かくして、作戦は大成功!旦那のお住まい兼傀儡工房へと連れて行って貰えることになった。わーい!
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