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個室から出ると、外は広いフロアの中、
ビリヤード台、ダーツボード、それにDJブースまで用意されている。
きっとこれまで各国のお偉いさんやお尋ね者たちが、ここで秘密裏にイベントを開いてきたのかなぁ。
奥に、夜景の見えるお洒落なバーカウンターがある。
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サソリさんてば、先々行っちゃうものだから見失っちゃった...
疎らな人の中をキョロキョロしながら探す。 -
凛
うーん、かぶりものだから目立つはずなのになー!?
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凛
もしかして、
放ったらかして、帰っちゃったの...? -
広いフロアの中をふらふらと歩き回る。
結局、それらしいカブリモノの人を見つけられず。 -
と、バーカウンターの奥の席で一人腰掛けている小柄な...赤い髪の男性?が目に止まる。
その人が着ている黒い外套には、暁の赤い雲のマークが!
もしかして、サソリさんの行方を知っているかもしれない...
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凛
うーん。話しかけようかな、どうしようかな...
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凛
怖い人だったらどうしよう
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その男性はちょうど此方に背中を向けるような格好だから、顔まではよく見えない。
S級犯罪者....
でも、あのサソリさんだって見た目は超怖かったけれど、話しかけたら意外と良い人だったし! -
凛
あ、あの!
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意を決して声を掛けると、男性が此方を振り返り....
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凛
え....
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サソリ
....
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凛
....っっ!!!
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凛
ちょ、....
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その振り返った顔の美しさに思わずコーチョク。
ガラスみたいに透き通った茶色の瞳、堀の深いくっきり二重に、人形の様に長い睫毛。
バーカウンターの間接照明を受けて、赤い髪と陶器のような白い肌の艶やかなこと。
頭の中にハテナマークが飛び交う。
え?え?なに?なに?
こんな美しい人、ビンゴブックに載ってなかったじゃん??
もしかして、暁の秘密兵器!? -
サソリ
おせーんだよ。
俺を待たせるとはいい度胸だな、小娘 -
凛
えっっっっ.....!!!
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この口調は間違いなく...
サソリさん!?!?
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