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会場に戻ったA美とわたし。
そこで、まさかの衝撃的な場面に遭遇する。 -
凛
うちは...
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A美
イタチ!!!
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そこには遅れて来た、『うちはイタチ』の姿が!!!
しかも、さっきトイレで会ったおとなしめ女子が、すでに隣を陣取っているではないか!!! -
凛
しまったぁ!!!
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しかも、なんだかとっても良い雰囲気。
そこで視界に入って来たのは、ストッキングが破れたところから露出した膝。そこに、イタチの私物と思われるマントが掛けられているではないかー!!! -
A美
あの子のストッキング、あんなになってたっけ!?
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凛
やられた...
あれは策士だ、相当のヤリテだ... -
うちはイタチ
寒くはないか...?
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女子C
ありがとうございます。
すみません、しばらくお借りしてても良いですか...? -
うちはイタチ
ああ...
寒いのなら、向こうに衣服の替えがあるが... -
女子C
で、でも...
いいんですか...? -
この様子には、さすがの肉食系のA美も顔が引きつり、割って入れない空気に下唇を噛みしめている。
あれが絶妙な『隙』というやつか...
うーん。してやられた。
最初から、あの服装も全部、策略だったんだ。 -
にしても、『うちはイタチ』
実物はビンゴブックの百倍イケメンだなぁ。
もう二度とお目にかかれないだろうし、
写メっておきたーい、マジで。 -
とイタチに見惚れている間に、なんと!!!
うちはイタチと、その女子は部屋を出て行ってしまった...
これはお持ち帰り(どっちが?)コースかな。くそう! -
A美
ぐぬぬぬぬ...
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凛
あーん
うらやましすぎー! -
完全にキレた様子のA美も、グルグル野郎の腕を引っ掴んで出て行った。
...それにしても、あんなA美の顔、初めて見たなぁ。
完璧だと思っていたヤリテ肉食系美女のプライドがズタボロになっちゃったってワケ。
可哀想だけど、VIPをターゲットにする肉食系アマゾンの中、上には上がいるのだ。 -
サソリ
ククッ...
-
出て行く二人を見ながら呆然とする。
チラリと斜め前を見ると、そんな事件に全く興味ない様子のB子とデイダラがいちゃついている。
そんな中、突然
低い密かな笑い声が。
ちらりと視線を戻すと、どうも隣に座っているサソリさんの声らしい。 -
サソリ
...ざまぁねぇな
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凛
...?
へへ、やられちゃいましたね -
サソリ
なんだ。
お前もイタチ狙いじゃなかったのか -
お、サソリさんが喋った!
なかなかシブくて低くて、良い声だ。 -
凛
かっこいいな、とは思いましたけど、狙うとか、そこまでじゃ...
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凛
顔に出てましたかね...
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サソリ
ククッ...丸分かりだ。
それより、あの女の顔、相当愉快だったな.. -
サソリさんてば、意外と昼ドラを観る主婦並みに第三者目線で楽しんでいたりします?w
と、そんな中、チラリとテーブルを見ると、サソリさんの前にだけグラスがない。
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凛
何か飲みます...?
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サソリ
必要ねぇな
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凛
そう言わずに、形だけでも乾杯しましょうよ?
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サソリさんの前にワインを注いだグラスを置くと、嫌々ながらも、一応乾杯してくれた。
目つきと口の悪さ、威圧感は払拭できないげれど、話せば悪い人じゃないのかも、なんて希望が持ててくる。 -
サソリ
まぁ、酒は嫌いじゃねぇが
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凛
あ、嫌いじゃないんなら..付き合ってくださいよ!
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凛
どうせみんな居なくなっちゃったし、、、
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気がつくと、部屋の中はわたしとサソリさんだけがポツリと取り残されていた。
みんな、もしかして、もうこの下のホテルの一室でごにょごにょ...!?
あとでじっくり聞いてやらなきゃ!! -
サソリ
フン...ここに居座る意味もねぇな
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凛
まぁ、そうですね...
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サソリ
.....ついてこい
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凛
.....え?
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お酒、付き合ってくれるって言ったのに、
気が変わったのかな?
グラスを置くと、外に出るサソリさんのあとをそそくさと付いて行くことにした。
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