-
買い物先で短冊を書こうというコーナーを発見した権兵衛とれい君。権兵衛の提案により短冊を書くことになりました。
-
私
……………
-
れい
…………
-
私
…………(じー)
-
れい
………はぁ
-
れい
あの……権兵衛さん
-
私
ん?
どうしたの、れいくん? -
れい
そんなに見られてたら書きにくいです
-
私
あ、ごめんごめん。
つい、れい君がなんて書くのか気になっちゃって -
れい
……そういう権兵衛さんはもう書けたんですか?
-
私
うん。
あ、でもゆっくり書いてていいよ -
れい
権兵衛さんは何を書いたんですか?
-
私
「素敵な恋人ができますように」
-
れい
……………ほー…
-
私
え、なんで、そんなに嫌そうな顔するの!?
れい君ってば酷い… -
れい
先につけて来ていいですよ
-
れい
見られてると書きにくいので、あっち行っててください
-
私
れい君が辛辣…!
仕方ない、じゃあ、先に短冊つけてくるね -
れい
はい
-
権兵衛が短冊を笹に飾り付けているのを確認して、自分の短冊を書き始めるれい君。
-
れい
…………これでいいかな
-
私
あ、れい君、書けたんだ?
なんて書いたの? -
れい
秘密です
-
私
えー…残念
-
私
あ、じゃあ、つけてあげるから貸して?
-
れい
大丈夫です。
権兵衛さんはあっち向いててください -
私
……そんなに見られたくないって……一体、どんな願い事を……
-
私
はっ…!ごめんね、それは聞かない方がいいよね…!
-
れい
……(なんか絶対違うこと思ってそうだな)
-
れい君とは別の方向を向いた権兵衛の鞄から、先程見せてもらった短冊がちらりと覗いていた。不思議に思ったれい君は権兵衛が短冊をつけていた場所を確認する。
-
れい
(つけてたのは見たんだが…)
-
れい
……………嘘吐きだな
-
くすっと小さく笑うれい君。自分の短冊を権兵衛の短冊の同じ枝につける。
-
れい
権兵衛さん、帰りましょう
-
私
ん、じゃあ、帰ろー
-
れい
帰ったら何しますか?
-
私
んー…七夕だから…あ、『たなばたさま』を歌って踊ろうか
-
れい
………僕はやらないです
-
私
大丈夫!ちゃんと振付教えてあげるから!歌も!
-
れい
いいです。権兵衛さんが踊ってるの見る方が楽しいです
-
私
一人で踊れと……?
-
私
……仕方ない、れい君が見たいのなら…権兵衛さんが大人の本気をお見せしよう!
-
れい
……はぁ…(本気でやりかねないな…)
-
手を繋いで家まで帰る権兵衛とれい君。二人の短冊の願い事を知っているのはれい君だけ。
-
私
「れい君の願いがすべて叶いますように」
-
れい
「権兵衛さんがいつまでも幸せでいられますように」
タップで続きを読む