揶揄い
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柔らかな朝の光と小鳥の鳴き声が、優しく私を揺り起こす。爽やかな早朝の空気に比べ、私の気分は少々よろしくない。完全に二日酔いだ。しかし弱音を吐いてはいられない。今日もまた鍛錬せねば。
起き上がるため、まず部屋の入り口側に向きーーーー
「おはよ、昨日はヨカッたよっ」
新芽のような髪色の少年が、服を脱いだ状態で私の隣に寝ている。
というか彼はヘルブラム卿だ。
こんな状況で昨夜何をしでかしたのか、理解できないほど私は子どもではなかった。だがしかし、昨日の記憶がまるで全然無い。
「あの……私、何をしてしまったのでしょうか」
「そ、それを俺っちに言わせるの…?」
ヘルブラム卿が頬を赤らめ視線を逸らす。まさか彼ほどの人物が口に出せないようなことをしたのか…!?
「もしかしてチミ、覚えてないの?」
「はい………」
「結構呑んでたしなぁ…『ヘルブラム卿……私もう、我慢できません…っ』て、いきなり俺っちを押し倒したんだよ?」
「えっ」
なんてことだ、予想はしていたがまさか本当なのか。
頑張って聖騎士見習いから這い上がって聖騎士になり、ヘルブラム卿の正体を見抜き、口止めのためもあったのだろうがそこから気に入られ剣術を教えてもらい、今では部屋にお呼ばれして酒を酌み交わす仲になったというのに、私は恩を仇で返してしまったというのか。責任を取らなければなるまい。
「ヘルブラム卿…私が犯してしまったのは拭いきれない程の罪でしょう。しかしこの不肖***、短い人生をもってして、全身全霊で貴方様の側にいられるよう精進いたします。不束者ですが宜しくお願いします」
ーーーーー今の私が出来ることなど、こうして頭を下げることだろう。無論私は満更でもないのだが、ヘルブラム卿からしてみればたまったものではない。命で償う覚悟も、勿論できていた。
「……………」
「へ、ヘルブラム卿?」
「あ、あのね……その……ウソ、なのだよ」
「えっ?」
「チミってば酔っても仕事の話しかしないし、からかおうと思って………ほら、下は履いてるんだよ?」
寝具から這い出たヘルブラム卿は、確かにズボンを履いていた。
「し、しかし」
「ちょっとしたイタズラのつもりだったんだけど、あんまりにもチミが誠心誠意身を固めようとするから驚いたよ……たはは」
ヘルブラム卿は私の耳元に顔を寄せると、ひそひそと囁いた。
「でも、チミの本気の態度、少し嬉しかったよ」
思春期に入りたての少年のような声が耳をくすぐる。……そういうことなら安心した。
「ヘルブラム卿が楽しんでくださったならよかったです」
「へへ。それじゃあ今日も鍛錬してこー! まずはこの辺の転がった酒瓶片付けて!」
「は、はい!」
起き上がるため、まず部屋の入り口側に向きーーーー
「おはよ、昨日はヨカッたよっ」
新芽のような髪色の少年が、服を脱いだ状態で私の隣に寝ている。
というか彼はヘルブラム卿だ。
こんな状況で昨夜何をしでかしたのか、理解できないほど私は子どもではなかった。だがしかし、昨日の記憶がまるで全然無い。
「あの……私、何をしてしまったのでしょうか」
「そ、それを俺っちに言わせるの…?」
ヘルブラム卿が頬を赤らめ視線を逸らす。まさか彼ほどの人物が口に出せないようなことをしたのか…!?
「もしかしてチミ、覚えてないの?」
「はい………」
「結構呑んでたしなぁ…『ヘルブラム卿……私もう、我慢できません…っ』て、いきなり俺っちを押し倒したんだよ?」
「えっ」
なんてことだ、予想はしていたがまさか本当なのか。
頑張って聖騎士見習いから這い上がって聖騎士になり、ヘルブラム卿の正体を見抜き、口止めのためもあったのだろうがそこから気に入られ剣術を教えてもらい、今では部屋にお呼ばれして酒を酌み交わす仲になったというのに、私は恩を仇で返してしまったというのか。責任を取らなければなるまい。
「ヘルブラム卿…私が犯してしまったのは拭いきれない程の罪でしょう。しかしこの不肖***、短い人生をもってして、全身全霊で貴方様の側にいられるよう精進いたします。不束者ですが宜しくお願いします」
ーーーーー今の私が出来ることなど、こうして頭を下げることだろう。無論私は満更でもないのだが、ヘルブラム卿からしてみればたまったものではない。命で償う覚悟も、勿論できていた。
「……………」
「へ、ヘルブラム卿?」
「あ、あのね……その……ウソ、なのだよ」
「えっ?」
「チミってば酔っても仕事の話しかしないし、からかおうと思って………ほら、下は履いてるんだよ?」
寝具から這い出たヘルブラム卿は、確かにズボンを履いていた。
「し、しかし」
「ちょっとしたイタズラのつもりだったんだけど、あんまりにもチミが誠心誠意身を固めようとするから驚いたよ……たはは」
ヘルブラム卿は私の耳元に顔を寄せると、ひそひそと囁いた。
「でも、チミの本気の態度、少し嬉しかったよ」
思春期に入りたての少年のような声が耳をくすぐる。……そういうことなら安心した。
「ヘルブラム卿が楽しんでくださったならよかったです」
「へへ。それじゃあ今日も鍛錬してこー! まずはこの辺の転がった酒瓶片付けて!」
「は、はい!」