小ネタ(刻)3
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※ドラスティアに無駄毛がある
青い空に澄んだ空気の爽やかな朝。キッチンでは、絶妙な火加減でベーコンエッグが焼かれている。
フライを手にした朱色の髪の少年は、ご機嫌な朝の情景とは裏腹に、やや難しい顔をしていた。
ベーコンエッグが焼き上がる。電磁コンロを止め、後ろのトースターに食パンを2枚セットする。
そして何か覚悟を決める顔をすると、階段を登った。
2階には4つ部屋がある。その左手の、2つある同じデザインのドアの右側に、少年──グラフレアは、意を決して入った。
「……兄貴。朝メシできたぜ」
彼の清流のような色の目の、視線の先には────
上半身には布団を被り、下半身はすね毛の生えた長い長い脚と、白と水色の縦縞模様のパンツを晒して、ひとりの男が寝ている。その隣では、女性が小さく丸まって、男の布団を分けてもらってくるまっている。
もぞり、と布団の中から男の腕が出てきた。それは傷にまみれており、どのような生き方をしているのか顕著に表している。
そして布団の下から、黒い髪の、グラフレアと同じ色の角の、正反対の折れ方をした、傷まみれの顔が覗いた。
彼はグラフレアの顔を見て、瞬時に舌打ちする。
「チッ。クソ弟かよ……」
「昨日朝メシ作れって言ったのは兄貴だろ!?」
「あ? 知らねえよんなこと、勝手に起こしやがって……」
男────ドラスティアの赤い眼が、鋭く弟を睨みつける。グラフレアと同じ重い睫毛の二重のタレ目をしているはずだが、こうしていると、まるで似ても似つかない。
彼はいつもこうだ。寝起きは素が出てしまって、普段の冷静で優秀な姿が見る影もない。しかも寝る時には下着以外何も身につけないため、グラフレアは嫌でも身内の裸体を見せつけられてしまう。
いつもはオールバックにしている髪を乱したまま、ドラスティアは隣で眠る女性をゆすった。彼の巨躯と比べると酷く小さく見えてしまう。彼女に話しかけるドラスティアの声は、弟に対してとは対称的に、甘い。
「んー、マスター、起きれるか?」
「う、ん……」
「メシ食う?」
「ん」
マスターこと***は、目を開じたままうなずく。
布団から出たドラスティアは、最早***の敵でも見るかのようにグラフレアを見上げた。
「先降りてろカス」
「わーかったよ……。」
ふたりが降りてきた頃には、グラフレアの分のトーストも焼き上がっていた。ドラスティアは紺色のパジャマを身に纏い、まだ目の開ききっていない***を片手に抱いて、もう片方の手で手すりを持って慎重に階段を降りてくる。彼女を抱いた姿は穏やかで、今にも鼻歌でも歌い出しそうだ。
テーブルには3人分のサラダを添えたベーコンエッグとトーストがあり、グラフレアが座った前に2人分が並べられている。ドラスティアは弟の前に立つと、隣の椅子を引いて、そこに抱いていた彼女を、愛しのぬいぐるみを置くように座らせた。彼女はぽんやりとしていて、まだ夢の中にあるようだ。そして自分の椅子も引くと、そこに座った。
「いただきます」
***に教えてもらった挨拶を、3人でした。
いつも通りの食事が始まる。ナイフとフォークで卵を切り分け、合間にサラダを口に運ぶ。
「マスタ〜♡ これで足りるか? 足りなかったら俺のぶん分けてやるからな?」
ドラスティアが猫撫で声を出す。グラフレアは弟としてあまり聞きたくないタイプの声なのだが、もう幾度となく聞かされているため、流石に諦めが勝っていた。
「ん」
それに対して、***はじっくりレタスを噛みながら返事をする。こちらはこちらで寝起きが悪い。
グラフレアが半熟の黄身にトーストを浸していると、段々覚醒してきた***が2人に言った。
「お昼、何がいい……? ……今食べてる最中だけど」
「またマスターのチャーハンが食いてえ! 具多めで!」
「ふふ、いいよ。グラフレアは?」
はりきった兄のリクエストを聞いて、グラフレアの口の中に以前食べたチャーハンの味が思い出された。あれは味が濃くて美味かった。
「おれも、チャーハン食いてえかも……」
「は? 真似すんな!」
「いいだろ別に! むしろ献立はまとまる方が助かるだろ!」
噛みついてくるドラスティアに対して、グラフレアは家庭的な面で歯向かう。彼女は隣の彼を見て、微笑んだ。
「ドラスティアちいちゃい子みたい。かわいい……」
「ま、マスター……」
ドラスティアはややばつが悪そうな顔をしながらも、嬉しそうな彼女を否定したくないらしい。机の下で、彼の尻尾がマスターの背に触れた。
「ネギあったっけ?」
「ネギあった。あと、肉どれでも使っていいから」
「ありがとう」
スムーズに冷蔵庫の中身についてやりとりするふたりを見て、ドラスティアは眉を吊り上げる。それに気付いた***は、気遣いではなく、ただ愛おしさから彼に言った。
「具材の準備お手伝いしてくれる? きっと包丁も使ってたら、すぐ慣れるから……」
「ああ!」
ドラスティアは歯を見せてにぱっと笑った。
両親不在の、3人の1日が始まる。
青い空に澄んだ空気の爽やかな朝。キッチンでは、絶妙な火加減でベーコンエッグが焼かれている。
フライを手にした朱色の髪の少年は、ご機嫌な朝の情景とは裏腹に、やや難しい顔をしていた。
ベーコンエッグが焼き上がる。電磁コンロを止め、後ろのトースターに食パンを2枚セットする。
そして何か覚悟を決める顔をすると、階段を登った。
2階には4つ部屋がある。その左手の、2つある同じデザインのドアの右側に、少年──グラフレアは、意を決して入った。
「……兄貴。朝メシできたぜ」
彼の清流のような色の目の、視線の先には────
上半身には布団を被り、下半身はすね毛の生えた長い長い脚と、白と水色の縦縞模様のパンツを晒して、ひとりの男が寝ている。その隣では、女性が小さく丸まって、男の布団を分けてもらってくるまっている。
もぞり、と布団の中から男の腕が出てきた。それは傷にまみれており、どのような生き方をしているのか顕著に表している。
そして布団の下から、黒い髪の、グラフレアと同じ色の角の、正反対の折れ方をした、傷まみれの顔が覗いた。
彼はグラフレアの顔を見て、瞬時に舌打ちする。
「チッ。クソ弟かよ……」
「昨日朝メシ作れって言ったのは兄貴だろ!?」
「あ? 知らねえよんなこと、勝手に起こしやがって……」
男────ドラスティアの赤い眼が、鋭く弟を睨みつける。グラフレアと同じ重い睫毛の二重のタレ目をしているはずだが、こうしていると、まるで似ても似つかない。
彼はいつもこうだ。寝起きは素が出てしまって、普段の冷静で優秀な姿が見る影もない。しかも寝る時には下着以外何も身につけないため、グラフレアは嫌でも身内の裸体を見せつけられてしまう。
いつもはオールバックにしている髪を乱したまま、ドラスティアは隣で眠る女性をゆすった。彼の巨躯と比べると酷く小さく見えてしまう。彼女に話しかけるドラスティアの声は、弟に対してとは対称的に、甘い。
「んー、マスター、起きれるか?」
「う、ん……」
「メシ食う?」
「ん」
マスターこと***は、目を開じたままうなずく。
布団から出たドラスティアは、最早***の敵でも見るかのようにグラフレアを見上げた。
「先降りてろカス」
「わーかったよ……。」
ふたりが降りてきた頃には、グラフレアの分のトーストも焼き上がっていた。ドラスティアは紺色のパジャマを身に纏い、まだ目の開ききっていない***を片手に抱いて、もう片方の手で手すりを持って慎重に階段を降りてくる。彼女を抱いた姿は穏やかで、今にも鼻歌でも歌い出しそうだ。
テーブルには3人分のサラダを添えたベーコンエッグとトーストがあり、グラフレアが座った前に2人分が並べられている。ドラスティアは弟の前に立つと、隣の椅子を引いて、そこに抱いていた彼女を、愛しのぬいぐるみを置くように座らせた。彼女はぽんやりとしていて、まだ夢の中にあるようだ。そして自分の椅子も引くと、そこに座った。
「いただきます」
***に教えてもらった挨拶を、3人でした。
いつも通りの食事が始まる。ナイフとフォークで卵を切り分け、合間にサラダを口に運ぶ。
「マスタ〜♡ これで足りるか? 足りなかったら俺のぶん分けてやるからな?」
ドラスティアが猫撫で声を出す。グラフレアは弟としてあまり聞きたくないタイプの声なのだが、もう幾度となく聞かされているため、流石に諦めが勝っていた。
「ん」
それに対して、***はじっくりレタスを噛みながら返事をする。こちらはこちらで寝起きが悪い。
グラフレアが半熟の黄身にトーストを浸していると、段々覚醒してきた***が2人に言った。
「お昼、何がいい……? ……今食べてる最中だけど」
「またマスターのチャーハンが食いてえ! 具多めで!」
「ふふ、いいよ。グラフレアは?」
はりきった兄のリクエストを聞いて、グラフレアの口の中に以前食べたチャーハンの味が思い出された。あれは味が濃くて美味かった。
「おれも、チャーハン食いてえかも……」
「は? 真似すんな!」
「いいだろ別に! むしろ献立はまとまる方が助かるだろ!」
噛みついてくるドラスティアに対して、グラフレアは家庭的な面で歯向かう。彼女は隣の彼を見て、微笑んだ。
「ドラスティアちいちゃい子みたい。かわいい……」
「ま、マスター……」
ドラスティアはややばつが悪そうな顔をしながらも、嬉しそうな彼女を否定したくないらしい。机の下で、彼の尻尾がマスターの背に触れた。
「ネギあったっけ?」
「ネギあった。あと、肉どれでも使っていいから」
「ありがとう」
スムーズに冷蔵庫の中身についてやりとりするふたりを見て、ドラスティアは眉を吊り上げる。それに気付いた***は、気遣いではなく、ただ愛おしさから彼に言った。
「具材の準備お手伝いしてくれる? きっと包丁も使ってたら、すぐ慣れるから……」
「ああ!」
ドラスティアは歯を見せてにぱっと笑った。
両親不在の、3人の1日が始まる。