skipped a beat
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
テーブルの向こうのルチアーノが、不意に疑問を投げかける。
「お前、僕のこと好きなんだろ? じゃあデートしたい〜とか、キスしたい〜とか、思ってんの?」
「いや、僕はあくまでルチアーノたその保護者として、君を守りたいんだ」
「保護者ね……。お前の力じゃ、僕を守るなんて到底無理だけど」
笑い混じりにそう言って、ルチアーノは軽く哄笑する。
「けど、本当にそれが本心? 心の底から僕のこと守る相手としか思ってない?」
「そ、それは……」
「そうじゃないだろ? 僕らはわかるんだよ、体の中のモーメントが、相手の感情に反応して動くから」
ルチアーノは鋭い目付きで***を見る。視線だけで気圧されて、思わず身を引く。するとやおらルチアーノがテーブルの向こうから、ずいっと***に近付いてきた。
「ほら、こうすればもっと、わかりやすい」
ルチアーノの左手が、***の右手をすくい上げる。手のひらとひらを合わせ、一回り小さな手が、短い指を折り重ねた。
「へあっ……!!」
より伝わりやすくなった状態で、一気に昂る***の感情に、ルチアーノの中のモーメントが勝手に回転数を上げる。
「だ、駄目ルチアーノたそ……! 手汗ビショビショになるから!!」
「ホントだ、きゃっはっはっはっ!」
即座にルチアーノは手を解き、振って乾かす。
「今の音、お前も聞いただろ? あんなにバレバレなんだよ。なんで何も言わないわけ?」
「それは……」
「ねえ。なんで?」
覗き込んでくる翠の右眼に、思わず目を逸らす。そのまま、距離を取ろうとする。あれは単に無邪気な好奇心ではなく、彼が人の身では不可能な年月を積み重ね人間を見てきたことによる、多少の侮蔑も含んだものだ。いけない。あの目に自分が映ってはいけない。よりあの目の冷たさを深めてしまうことになる。
「それは……」
慎重に、自分を落ち着かせるためにゆっくり動く。しかし不都合なことに***が後ずされば、ルチアーノはその分近付いてきた。
「あっ」
そのまま気付かぬうちに、ベッドまで来てしまっていた。意識の範囲外から急に脚にものが当たったことによって力が抜け、背中から倒れ込む。
「…………」
ルチアーノは倒れた***の上に覆い被さってきた。逆光の中で見える翠の瞳も、幼い顔立ちも、吊り上がった目尻も、滑らかな髪も、細い腰も────全部全部、***の情欲を煽った。それを自覚して、余計、***が伝えようとした気持ちは高まった。芋虫のように体を縮めて顔を覆い、***は言った。
「──嫌なんだ。ルチアーノたそのことを守りたいと思っているのに、君のことを『そういう気持ち』で見る自分が」
「そういう、気持ち」
「だから僕に触れないでくれ。触れるとしたら、あくまで下僕に相応しい扱いであってくれ。間違っても対等な扱いなんて、しないでくれ」
ルチアーノは何も言わない。これで分かってくれただろうか。段々と気持ちの折り合いをつけられた***が縮めた体を開いていくと、先程より少し色の違う目をしたルチアーノが、やはり自分の上にいた。
***が開ききってどうにかここから退散しようとした頃、ルチアーノが不意に***の手を取った。
「じゃあさ。お前が僕に触れた時は、どーなっちゃうのかな〜?」
「なっ……!」
このままルチアーノは自分の体に手を当てさせるつもりだ。***はなんとか力を込めるが、彼は全力の一割も出しているか怪しい。
「ぐううぅ……! そんなことになるぐらいなら手首を切り落とす!!」
「ひゃーっははははは! やってみろよ! この状態でできるなら!!」
ふたりの手は空中で止まったまま微塵も動かない。人間はロボの強さには勝てないのだ。
「くっ…………!! こうなったら骨が折れても脱出する……!」
「お前にそんな根性あるのかよ!」
そうしてしばらくルチアーノに遊ばれた。
その後。
「で、膝に乗せるのはいいんだ」
「椅子は対等な扱いじゃないから……」
「お前、僕のこと好きなんだろ? じゃあデートしたい〜とか、キスしたい〜とか、思ってんの?」
「いや、僕はあくまでルチアーノたその保護者として、君を守りたいんだ」
「保護者ね……。お前の力じゃ、僕を守るなんて到底無理だけど」
笑い混じりにそう言って、ルチアーノは軽く哄笑する。
「けど、本当にそれが本心? 心の底から僕のこと守る相手としか思ってない?」
「そ、それは……」
「そうじゃないだろ? 僕らはわかるんだよ、体の中のモーメントが、相手の感情に反応して動くから」
ルチアーノは鋭い目付きで***を見る。視線だけで気圧されて、思わず身を引く。するとやおらルチアーノがテーブルの向こうから、ずいっと***に近付いてきた。
「ほら、こうすればもっと、わかりやすい」
ルチアーノの左手が、***の右手をすくい上げる。手のひらとひらを合わせ、一回り小さな手が、短い指を折り重ねた。
「へあっ……!!」
より伝わりやすくなった状態で、一気に昂る***の感情に、ルチアーノの中のモーメントが勝手に回転数を上げる。
「だ、駄目ルチアーノたそ……! 手汗ビショビショになるから!!」
「ホントだ、きゃっはっはっはっ!」
即座にルチアーノは手を解き、振って乾かす。
「今の音、お前も聞いただろ? あんなにバレバレなんだよ。なんで何も言わないわけ?」
「それは……」
「ねえ。なんで?」
覗き込んでくる翠の右眼に、思わず目を逸らす。そのまま、距離を取ろうとする。あれは単に無邪気な好奇心ではなく、彼が人の身では不可能な年月を積み重ね人間を見てきたことによる、多少の侮蔑も含んだものだ。いけない。あの目に自分が映ってはいけない。よりあの目の冷たさを深めてしまうことになる。
「それは……」
慎重に、自分を落ち着かせるためにゆっくり動く。しかし不都合なことに***が後ずされば、ルチアーノはその分近付いてきた。
「あっ」
そのまま気付かぬうちに、ベッドまで来てしまっていた。意識の範囲外から急に脚にものが当たったことによって力が抜け、背中から倒れ込む。
「…………」
ルチアーノは倒れた***の上に覆い被さってきた。逆光の中で見える翠の瞳も、幼い顔立ちも、吊り上がった目尻も、滑らかな髪も、細い腰も────全部全部、***の情欲を煽った。それを自覚して、余計、***が伝えようとした気持ちは高まった。芋虫のように体を縮めて顔を覆い、***は言った。
「──嫌なんだ。ルチアーノたそのことを守りたいと思っているのに、君のことを『そういう気持ち』で見る自分が」
「そういう、気持ち」
「だから僕に触れないでくれ。触れるとしたら、あくまで下僕に相応しい扱いであってくれ。間違っても対等な扱いなんて、しないでくれ」
ルチアーノは何も言わない。これで分かってくれただろうか。段々と気持ちの折り合いをつけられた***が縮めた体を開いていくと、先程より少し色の違う目をしたルチアーノが、やはり自分の上にいた。
***が開ききってどうにかここから退散しようとした頃、ルチアーノが不意に***の手を取った。
「じゃあさ。お前が僕に触れた時は、どーなっちゃうのかな〜?」
「なっ……!」
このままルチアーノは自分の体に手を当てさせるつもりだ。***はなんとか力を込めるが、彼は全力の一割も出しているか怪しい。
「ぐううぅ……! そんなことになるぐらいなら手首を切り落とす!!」
「ひゃーっははははは! やってみろよ! この状態でできるなら!!」
ふたりの手は空中で止まったまま微塵も動かない。人間はロボの強さには勝てないのだ。
「くっ…………!! こうなったら骨が折れても脱出する……!」
「お前にそんな根性あるのかよ!」
そうしてしばらくルチアーノに遊ばれた。
その後。
「で、膝に乗せるのはいいんだ」
「椅子は対等な扱いじゃないから……」