※ヘラクレス、テスカトリポカ、太公望、オベロンの女装があります

「えっ！？　この微小特異点はメイド服を着用していないとサーヴァントが十分な力を発揮できない！？」
「そうなんだ……。どうやらこの時代と場所の力によって、特殊な魔術防壁が常時発動している状態らしくてね……」
「そんな……そんなことある？　いや虚数の海ではそういう感じだったか……。でも、うちには再臨でも霊衣でもメイド服を着るサーヴァントはいないのに……」
「先輩、諦めては駄目です！　今から皆さんのメイド服を用意しましょう！」
「マシュ……！」
「こういう時には、ハベにゃんを忘れてもらっちゃ困るぜ！」
「ハベトロット……！　もちろんだよ！　さあ、みんなでメイド服を作ろう！」

〜一昼夜過ぎて〜
「な、なんとかできた！！　ほとんどハベにゃんに頼りっぱなしになっちゃったけど……」
「いいよいいよ！　久しぶりに全力出せて楽しかったし！」
「そんな……。でも本当にいいの？　メイド服を着てさえいれば誰でも適性はあるらしいから、今からでもハベにゃん用のメイド服を作って一緒に行った方が……」
「いやー僕はもうクタクタだから、留守番の方がありがたいよ！　僕のメイド服はまたの機会にね！」
「わかった……」
「それよりキミの方こそ大丈夫？」
「大丈夫！　他のサーヴァントのみんなも分担して手伝ってくれたから、無理してないよ！」
「よし、じゃあ行っておいで！」
「うん！　ハベにゃんが作ってくれたメイド服、大事に着るね！」

「さて、みんなが着替えてくれてるわけだけど……」
「そのメイド服、よく似合ってるね」
「えへへ……ありがとうダヴィンチちゃん。マシュが大まかに仕上がりのイメージを描いて、それに知らない間に癖のある筆跡で具体的な改善案が加えられてたらしいんだ」
「わあ……」
「先輩！」
「マシュ！　クラシカルなロングメイドだけど、ラベンダーのワンピースと大きめのリボンが少しサブカル風でかわいすぎるよ〜〜！！」
「は、恥ずかしいです……！　でも、ありがとうございます！」
「【控えめな咆哮】」
「ヘラクレス！　シックなブラウンがぴったり似合ってて、動きやすいショート丈のスカートから覗くたっぷりのパニエがたくましい体躯とのギャップでかわいい〜〜！！」
「お嬢、オレはどうだ？」
「テスカトリポカ！　黒い猫耳と尻尾つきのいかにも甘くなりそうなセットが、リボンとパニエを控えめにすることでお姉さんメイド風に仕上がってる！」
「やれやれ、何でも似合ってしまって申し訳ないです」
「太公望！　ホワイトブリムの代わりにシニヨンカバーのチャイナメイドだ！　ボックスプリーツのスカートで機動性とかわいさを両立してる！
で、最後のひとりは…………。わざとらしくもじもじしてないで早く来なよ！」
（白い方の姿で）「お、女の子の服なんて……恥ずかしいよ……」
「お前が言うな！！」
「ピンクの服なんて、初めて着た……。それになんだか、すごくスースーする……」（スカートを押さえながら）
（小声で）「……一応訊くけど、パンツ穿いてるよね？」
「やだなあ、確かにそういう習慣を持たない妖精もいるけど、僕は違うよ、ちゃんと穿いてるよ」
（オベロンを少し離れた物陰に連れてきて）「……めくって確認していい？」
「＊＊＊ってば、早く特異点を解決しないといけないこんな時に……」（スカートとパニエの下から何も穿いていない下半身が露わになる）
「やっぱり穿いてないじゃん！！」
「ヘラクレスだって穿いてないんだからいいじゃないか！」
「ヘラクレスはあの下に腰布巻いてるし念のためにパニエ盛ったからいいの！　普段着はともかく流石に今回はパンツ穿いて！」
「面倒だなあ……」
（＊＊＊がパンツを脱ぎ、それをオベロンが驚いている間に穿かせる）「はい、これでオッケー！　行こう！」
（咄嗟に黒の姿になって）「待て何もよくないだろ！」
「わっ、黒い方は別でメイド服用意してる」
「そこは後でやる！　じゃない！　君が下に何も穿いてないと他の奴らが不必要に気を張るだろ！」
「確かに……」
「俺は夏の時の下着穿いてくるから」
「そっか……。じゃあ今穿いてるの返して、穿き直す」
「それは駄目だろ」
「なんで？　私のものが私のところに戻るだけじゃん」
「戻るだけじゃないだろ！」
「そんなこと言うと代わりに私がオベロンのパンツ穿くよ？」
「それも駄目！　とにかくこれは洗濯に出す！　君は代わりの下着穿いておいで！」
「チェッ……はーい」